著者
金子 泰久 古屋 英治 坂本 歩
出版者
The Japan Society of Acupuncture and Moxibustion
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.158-165, 2006-05-01
参考文献数
17
被引用文献数
9 6

【目的】トライアスロン競技後の筋肉痛に及ぼす円皮鍼 (PTN) の効果をプラセボ (P) を対照群として検討した。<BR>【対象及び方法】トライアスロン競技に参加した選手男女合計149名を対象とした。PTNもしくはPによる刺激部位はL2-S1棘突起間外方2cmおよび第2後仙骨孔で、レース中のみの留置とした。評価はレース前、直後、翌日の腰下肢6部位 (大腿前面、大腿後面、下腿前面、下腿後面、腰部、臀部) の筋肉痛のVAS値とした。<BR>【結果】レース直後の筋肉痛は、レース前と比較して両群の全ての部位で増加しこれらは有意 (p<0.01) であった。PTN群では翌日の筋肉痛が直後と比べ臀部を除く全ての部位で減少し (p<0.Ol, p<0.05) 、レース前の状態に回復した。P群では翌日の筋肉痛は大腿後面が直後と比べて減少 (p<0.05) した。<BR>【結論】レース中の円皮鍼によって遅発性筋肉痛の発生が抑制されることが示唆された。
著者
古川 智恵子 中田 明美
出版者
名古屋女子大学
雑誌
名古屋女子大学紀要 (ISSN:02867397)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.1-8, 1986-03-01

腰巻は褌と並んで衣の厚点であり,ある時代には裳として表着に,また褶(ひらみ)・湯巻として労働着に,あるいは肌着に,またある時代には脚布(きゃふ)や蹴出(けだ)しとして女の服飾に色彩を添え,下半身を被う必要不可欠な「衣」として人間の欲求の多様化と共に分化してきた.また,労働着としては漁・山村あるいは地底でも炭坑婦に用いられ,厳しい労働に従事し,家族の為に身を粉にして働く女達の精神を支え,見守ってきたのである.この腰巻は昭和の中頃まで,あるいは地域的には現在でもなお仕事着として用いられ,和服着用時の裾よけとしても用いられている.人間の文化は原点に戻りながら循環を繰り返してきたが,そこには絶えず新しい価値と機能性が加えられ,時代と共に脈動しながら発展してきた.今日まで何千年もの間その形態を保ち続け,着用され続けてきた腰巻は,労働文化の荷ない手として堂々と主張すべき貴重な文化財であり,人間の進歩,発展と共に分化し,育成をみてきた生活と文化の尊い資産なのである.
著者
西 智弘 森 雅紀 松本 禎久 佐藤 恭子 上元 洵子 宮本 信吾 三浦 智史 厨 芽衣子 中野 貴美子 佐藤 一樹 下井 辰徳 田上 恵太 江角 悠太 坂井 大介 古川 孝広 森田 達也
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.184-191, 2013 (Released:2013-07-05)
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

【背景】わが国における緩和ケアの需要は年々高まり, 緩和ケア医の養成は重要な課題である. しかし, 緩和ケア医を目指す若手医師が, 教育研修体制やキャリア構築などに対して, どのような満たされないニーズを抱えているかは明らかになっていない. 【目的】緩和ケア医を目指す若手医師が抱えるニーズを明らかにする. 【方法】卒後15年目までの医師を対象にグループディスカッションを中心としたフォーラムを行い「必要としているけれども十分に満たされていないことは?」などに対する意見をテーマ分析を用いて分析した. 【結果】40名の医師が参加した. 若手の抱えるニーズは, 「人手の確保」「研修プログラム・教育の質の担保」「ネットワークの充実」「緩和ケア医を続けていくことへの障害の除去」「専門医として成長する道筋の確立」であることが示された. 【結論】緩和ケア医を育成していくため, これら満たされないニーズの解決を議論していくべきである.
著者
古松 崇志
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2008-01-23

新制・論文博士
著者
古川園 智樹 井庭 崇
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.20, pp.1-6, 2013-02-20

国家をネットワークのノード,同盟をネットワークのエッジとして捉えると,国際政治システムをネットワークとして分析することができる.我々は,この同盟ネットワークを,"the World Alliance Web (WAW)" と呼ぶことにする.本論文の目的は,WAW のトポロジー特性とその変化を分析することで,国際政治システムの特徴を明らかにすることにある.本論文では,1816 年から2000 年までのデータを一日毎に分析する.その結果,WAW は冷戦開始を境にノードとエッジが急激に増加し,米国を中心とするネットワークとソ連を中心とするネットワークが出現していることが明らかになった.また,それぞれのネットワークのトポロジー特性の変化から,米国とソ連の安全保障戦略が明らかになった.By defining nations as nodes, and alliances as edges, it becomes possible to look at international political system as undirected networks, which we call "the World Alliance Web (WAW)". In this paper, we explore the characteristics of international political system by analyzing topological properties of WAW. We analyze day-to-day data of alliances from 1816 to 2000. The results show that the number of nodes and edges rapidly increased after the beginning of the Cold War and a conneced component with USA as center and a connected component with USSR as center have emerged. In addition, we can observe security strategies of USA and USSR from topological properties of WAW.
著者
古井 仁哉 南葉 正浩 平森 洋一 松内 一雄 恩田 昌彦 山岡 祐一郎 Lutz Thorsten Funk Peter
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
年次大会講演論文集 : JSME annual meeting
巻号頁・発行日
vol.2002, no.3, pp.339-340, 2002-09-20

We examined the drag and thrust efficiency of two airship models with a stern propeller. There is a interaction between the airship hull and the propeller. To obtain an understanding of the interaction, we measured the form drag of the airships with and without a propeller, and calculated the propeller efficiency and the total efficiency of airships. We also compared the results for two airships. Furthermore we carried out inviscid computation for the effect of the propeller on airship efficiency. It was clarified that there are two patterns for the direct effect of the propeller on the pressure on the hull surface. One is good for the airship hull and the other is undesirable.
著者
秋山 浩一 高木 智彦 古川 善吾
出版者
一般社団法人 日本品質管理学会
雑誌
品質 (ISSN:03868230)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.567-576, 2012
参考文献数
16

直交表を用いたHAYST法という組合せテスト技法は,組込み系ソフトウェアに対する品質向上とテストの効率化を目的として開発された.一方で,受注ソフトウェアの開発において,納品後の不具合に対して,対症療法的な対応がされているケースがあり,HAYST法を適用すべきであると考えた.しかし,HAYST法は,因子数に対してテストケース数が一次関数的に増加する傾向にあり,そのまま適用することはできなかった.そこで,HAYST法に拡張を行い,受注ソフトウェアに対してもHAYST法を適用することができることを確認した.受注ソフトウェアにおいては,顧客データのエラーの組合せパターンが多く,その作成が鍵であった.また,状態遷移図からテスト設計するのではなく状態変数の組合せを状態としてテストしたことで欠陥が検出できた.そして,グループ別に小さな直交表に割り付けて,それらを組み合わせることでテストケース数を削減した.納品後1年間,欠陥が検出されなかったことから,HAYST法が受注ソフトウェアのテストにおいても有効であることが確認できた.
著者
秋山 浩一 高木 智彦 古川 善吾
出版者
一般社団法人 日本品質管理学会
雑誌
品質 (ISSN:03868230)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.567-576, 2012
参考文献数
16

直交表を用いたHAYST法という組合せテスト技法は,組込み系ソフトウェアに対する品質向上とテストの効率化を目的として開発された.一方で,受注ソフトウェアの開発において,納品後の不具合に対して,対症療法的な対応がされているケースがあり,HAYST法を適用すべきであると考えた.しかし,HAYST法は,因子数に対してテストケース数が一次関数的に増加する傾向にあり,そのまま適用することはできなかった.そこで,HAYST法に拡張を行い,受注ソフトウェアに対してもHAYST法を適用することができることを確認した.受注ソフトウェアにおいては,顧客データのエラーの組合せパターンが多く,その作成が鍵であった.また,状態遷移図からテスト設計するのではなく状態変数の組合せを状態としてテストしたことで欠陥が検出できた.そして,グループ別に小さな直交表に割り付けて,それらを組み合わせることでテストケース数を削減した.納品後1年間,欠陥が検出されなかったことから,HAYST法が受注ソフトウェアのテストにおいても有効であることが確認できた.
著者
古屋 聡一 櫻井 幸一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.61, pp.1-6, 2003-05-14
参考文献数
20

共通鍵暗号方式の安全性評価は,スキームの安全性評価と暗号学的要素技術の安全性とに大別できる.スキームの安全性評価は,そのスキームが利用する暗号学的要素技術に安全性に関する仮定をおいて証明が構築されることで安全性にある種の証明を与えることができる.安全性証明にはさらに攻撃者の能力や初期値の生成にも仮定を置く.しかし従来は,秘密乱数,もしくは信頼できる内部カウンタを用いた初期値生成の場合のみで安全性が証明されていた.またそうでない初期値については安全性が達成できないことも示された.本稿では,共通鍵暗号の初期値生成と安全性について議論する.まず,ブロック暗号とストリーム暗号について本稿における定義を述べ,それぞれについて初期値と安全性についての議論を行ない,特にブロック暗号のあるモードについて詳細に解析する.このモードはLeft-or-Right senseの安全性を達成するためには,初期値生成としてひじょうに厳しい条件が必要だった.にもかかわらず,ひじょうに弱い初期値で別の(弱い)安全性を達成することができる.多くの共通鍵スキームでは,この弱い初期値では情報を秘匿することはできない.
著者
藤澤 隆史 松井 淑恵 風井浩志 古屋 晋一 片寄 晴弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.50, no.8, pp.764-770, 2009-08-15
参考文献数
6

本稿では,「ヒトは音楽をどのように感じているのか」という観点から脳機能の計測方法およびその実験デザインついて解説する.まず,脳において音楽がどのように認知されているかについて,「音楽の脳機能局在」の観点からその関連部位について概観する.次に,脳機能の計測において用いられている代表的な装置とその諸特徴を紹介し,有効な計測信号を得るための実験デザインについて解説する.最後に研究例を3つ紹介し,音楽認知研究における脳機能計測の有効性を示す.これらの例が示す脳機能計測の有効性は,ユーザが楽しめる音楽インタフェースを開発する上で,音楽を聴取する脳の働きや脳機能計測法に対する正しい理解を深めることが一層重要となることを示唆している.