著者
町 好雄 劉 超 藤平 光一 石崎 俊明 浜岡 勤 古田土 節夫
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
Journal of International Society of Life Information Science (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.100-106, 2001-03-01

心身統一合氣道は(財)氣の研究会宗主籐平光一氏の創見によるものである。氏は、植芝盛平翁を開祖とする合氣道のすべての動きを、自ら心身統一という観点から詳細に確認された。心身統一合氣道は他人から攻撃された場合に身を守る護身の武道であり、呼吸法がきわめて重要な役割を果たしている。今回は、上級者と初心者に合氣道の呼吸を行ってもらい、それが心電図、脳波、血圧などの生理データに与える効果を測定したものである。その結果、上級者は交感神経系を事前から高め、合氣の呼吸時にはむしろリラックスしているが、初心者は合氣中には交感神経系を高めており、また上級者で脳波から口呼吸(心身統一合氣道の方法)と鼻呼吸を比較し、鼻から吸い、口から吐く呼吸(口呼吸と記す)の場合にアルファ波の広がりが確認できた。
著者
古宮嘉那子 但馬 康宏 小谷 善行
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.49, no.7, pp.2679-2691, 2008-07-15

敬語は,たくさんの要因によって使い分けられており,これまで,これらの使い分けを補助するシステムが開発されている.しかし,従来のシステムでは,言語知識をあらかじめ与える必要があり,また,入力情報に序列関係を含むなど,人間関係のとらえ方の知識を必要とするものであった.そのため,筆者らは敬語選択システム(HEDS)を作成し,決定木学習を用いた敬語に関する知識獲得の手法を提案する.HEDSは,人間関係についての複雑な判断を必要としない情報を入力とし,最も適切なタイプの敬語を選択するルールを決定木学習によって用例から自動的に作成するものである.そのため,本システムでは,使い分けに関する言語学の知識を必要とせず,実データから,自動的に敬語に関する言語知識獲得を行うことができる.敬語には,(1)尊敬語/謙譲語,(2)丁寧語の2つのタイプがある.HEDSはそれぞれのデータを用意することによって,両方に適用可能である.(1)尊敬語/謙譲語を決定するHEDSは,1つの動詞につき,敬語が尊敬語,謙譲語,敬語でない普通語の3つのうちから1つに選択し,(2)丁寧語については,動詞に丁寧語を付加するかどうかを決定する.A speaker must choose suitable honorific expressions in a sentence depending on many features. Some computer systems have developed that help people determine the suitable expressions. However, existing systems need to be previously provided knowledge of language and need knowledge about human relationships to use them. Hence we made a system honorific expression determining system (HEDS) and proposed a method of knowledge acquisition using decision tree learning. It generates automatically a set of rules to determine the most suitable type of honorific expression from examples, by decision tree learning. HEDS needs knowledge about neither human relationship nor linguistics about Japanese honorific expressions and it can acquire knowledge about Japanese honorific expressions from pragmatic data automatically. Japanese honorific expressions have two independent systems: (1) respect/modesty expressions and (2) polite expressions. HEDS can be applied to both of them if we gave it learning data for each. The HEDS for respect/modesty expressions determines what type of honorific expression a verb should be out of three types: a respect expression, a modesty expression and a non-honorific expression, and the HEDS for polite expressions determines whether or not a sentence includes a verb needs a polite expression for a set of features for the verb.
著者
古居 敬大 三輪 誠 近山 隆
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2011論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.6, pp.46-53, 2011-10-28

ナッシュ均衡的な戦略は多人数ゲームでは有効な戦略であるが,非合理的なプレイヤが存在する場合には必ずしも最適な行動であるとは言えない.本稿では多人数ポーカーゲームにおいて,より搾取が可能であると予想されるナッシュ均衡戦略を取っていないプレイヤを判別し,そのプレイヤのみに応じた戦略を取るプレイヤについての提案する.実験を行ったところ,特定の単純な行動を取るプレイヤに対しては大きく搾取することができ,結果としてナッシュ均衡的な戦略をとったプレイヤより報酬が大きくなる場合があることを確認した.

2 0 0 0 OA 古事類苑

著者
神宮司庁古事類苑出版事務所 編
出版者
神宮司庁
巻号頁・発行日
vol.兵事部12, 1914
著者
澤田 雅浩 中林 一樹 市古 太郎
出版者
一般社団法人 地域安全学会
雑誌
地域安全学会論文集 = Journal of social safety science (ISSN:13452088)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.173-180, 2004-11-01
参考文献数
10
被引用文献数
2

<p>A reconstruction process from an earthquake disaster in Turkey has aspecial characteristic point Especially, the most characteristic points are the system of support for reconstructing a person's destroyed building caued by an earthquake disaster. Also development of a new settlement area that is considered great importance to the ground condition. These have been invented by the law, system and organization for a disaster in Turkey. In addition, after the Marmara earthquake, there were some changes in the law, system and organization about a disaster. By this change, it has been expected a different correspondence to afuture disaster. It is the purpose of this paper to examine the future changes of the characteristic points for a disaster in Turkey by arranging a series of processes.</p>
著者
大和田 純 吉井 伸一郎 古川 正志
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第22回ファジィ システム シンポジウム
巻号頁・発行日
pp.206, 2006 (Released:2007-05-30)

本研究では,成長する複雑ネットワークに観察されるコミュニティの抽出問題を対象とし,安定なコミュニティ分割を行う方法を提案する.そのため.コミュニティ抽出の安定度を評価する新たな指標を導入し,より安定度の高いコミュニティ分割方法を構築した.数値実験として,3種類の成長するネットワークモデル及び実際のWeblogのデータに既存及び新方法を適用したところ,提案方法が効果的な分割を行えることが検証された.
著者
岩村 誠 川古谷 裕平 針生 剛男
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2011 論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.3, pp.12-17, 2011-10-12

本論文では,アンパッキング後のマルウェアにおけるインポート・アドレス・テーブル(IAT)のエントリ格納場所を特定する手法を提案する.従来の手法は,マルウェアの逆アセンブル結果からIATを利用する機械語命令を探し出すことでIAT格納場所を推定していた.しかしWindows用コンパイラは可変長の機械語命令とデータが混在するバイナリを出力する傾向にあるため,正確な逆アセンブル結果を得ることは難しい.こうした問題に対し提案手法は,マルウェア内の各アドレスがIATエントリ格納場所である確率を算出し,当該確率が十分に高いアドレスを探し出すことで,精度よくIATエントリの格納場所を特定することを可能にした.
著者
岡林 繁 古川 政光 畑田 豊彦
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.714-721, 1993-05-20
被引用文献数
5 1

航空機用表示装置として登場したヘッドアップディスプレイは, 自動車にも応用され始めてきた.航空機用へッドアップディスプレイに関する研究では, ヘッドアップディスプレイの表示像情報の認識・受容における優位性は, パイロットの目の焦点調節量と視線移動量が低減されるためといわれている.本論文では自動車の視覚環境を考え, 周辺視による表示像情報の認識・受容に着目し, 2つの実験を行った.まず, 走行時の視覚環境を想定した実験装置を用い, 周辺視での認識機能を遮断した場合とそうでない場合について表示像の認識特性を比較した.次に, 周辺視野と中心視野に, 目からの距離が異なる視標を呈示し, それぞれの視標認識の程度を評価した.結果は, ヘッドアップディスプレイの特長が顕著な遠方表示や小さい俯角の条件で, 周辺視での表示像情報の認識・受容の効果が大きく, これは目の焦点調節量と視線移動量の低減の効果に匹敵することがわかった.
著者
福士 政広 細田 正洋 杉野 雅人 南 一幸 古川 雅英 下 道國
出版者
首都大学東京
雑誌
小笠原研究年報 (ISSN:03879844)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.59-64, 2008-03
被引用文献数
1

東京都島嶼の環境放射線および環境放射能の調査を目的として、2006年8月28日から8月30日の期間で、小笠原群島の父島と母島の空間ガンマ線線量率、天然放射性核種濃度、ラドン(^<222>Rn)・トロン(^<220>Rn)散逸率および屋内ラドン濃度の調査を行った。小笠原群島の父島・母島の空間ガンマ線線量率は、27.7 nGy/h、35.4 nGy/hで全国平均50 nGy/h より低い値であった。天然放射性核種濃度は、父島:0.88% (^<40>K)、0.22 ppm (U)、0.26 ppm(Th)、母島:0.35 % (^<40>K)、0.15 ppm (U)、1.5 ppm (Th)であった。ラドン(^<222>Rn)・トロン(^<220>Rn)散逸率は、父島:検出下限値以下(^<222>Rn)、85 mBq・m^<-2>・s^<-1> (^<22O>Rn)、母島:3.8 mBq・m^<-2>・s^<-1> (^<222>Rn)、219 mBq・m^<-2>・s^<-1> (^<22O>Rn)であった。いずれも、我々が詳細なデータを有する伊豆諸島三宅島と比べると高値を示した。また、屋内ラドン濃度は、平均値で3.7 Bq・m^<-3>で、わが国の平均屋内ラドン濃度15.5 Bq・m^<-3>の24%程度であった。
著者
野間 晴雄 野中 健一 宮川 修一 岡本 耕平 堀越 昌子 舟橋 和夫 池口 明子 加藤 久美子 加納 寛 星川 和俊 西村 雄一郎 鰺坂 哲朗 竹中 千里 小野 映介 SIVILAY Sendeaune 榊原 加恵 SOULIDETH DR.MR. Khamamany BOURIDAM MS. Somkhith ONSY Salika CHAIJAROEN Sumalee 岡田 良平 的場 貴之 柴田 恵介 瀬古 万木 足達 慶尚 YANATAN Isara 板橋 紀人 渡辺 一生
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

東南アジア大陸部に位置する天水田農業を主体とした不安定な自然環境における平原地帯(東北タイドンデーン村とラオスのヴィエンチャン平野ドンクワーイ村)における多品種の稲や植物,魚介類や昆虫など様々な動植物資源の栽培・採集・販売などの複合的な資源利用の実態とその変化の態様を地域の学際的・総合的共同調査で明らかにした。両村ともグローバル市場経済の影響が認められるが,ドンデーン村ではかつて存在した複合的な資源利用が平地林の消滅や都市近郊村落化によって失われており,ドンクワーイ村はグローバル化や森林伐採で変容を遂げつつあるが,インフラの未整備によって伝統は保持されている。
著者
古賀 慎二
出版者
地理科学学会
雑誌
地理科学 (ISSN:02864886)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.231-244, 2000-10-28
参考文献数
18

The purpose of this study is to report the influence of changes in the transportation system on local towns. In 1994, the Channel Tunnel was opened and train services started between Britain and France. It is interesting, therefore, to examine the recent changes in existing port towns as their ferry services face the loss of cross-Channel trade. The port towns affected are Ramsgate, Dover, Folkestone and Newhaven, all of which are located in the South East of England. In recent years, Dover has made rapid progress, but the other ports are declining. In particular, the passenger trade to and from Newhaven port was the lowest among the above four ports in 1997. The reasons are as follows: Firstly, there now exists a diversity of modes of transportation for cross-Channel travel. Several rival modes are appearing. Among them, the cross-Channel train service represents the most serious competition since it is not influenced by the weather, and the new competition from low cost airlines such as Easy Jet is also significant. Secondly, passengers on ferry services who have, as the main purpose of their trip, the purchase of liquor or cigarettes, will move to Dover following the abolition of the tax exemption system ('duty-free') within the EU area that came into operation in July 1999, because this route is the cheapest and takes the shortest time for the cross-Channel journey. Thirdly, Dover has good access to the motorway network, and is therefore in 'time-distance' terms near to London and to the other large British cities. This means that Newhaven's passenger market area will tend to be restricted to East and West Sussex, and to parts of surrounding counties such as Surrey. Therefore, the number of passengers using Newhaven will not increase rapidly. In Newhaven, the cross-Channel ferry service which had been in operation for 150 years, was discontinued in January of 1999, since when, the people of Newhaven have come to expect further cuts in the service and have made efforts to grope for the regeneration programme to reinvigorate local economy.
著者
小林 敏男 金井 一頼 淺田 孝幸 高尾 裕二 関口 倫紀 椎葉 淳 伊佐田 文彦 栗本 博行 松村 政樹 平山 弘 朴 泰勲 寺川 眞穂 古田 武 前中 将之 中田 有吾
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

グローバルニッチ戦略とは,自社の開発技術を評価する特定顧客に対して,そのニーズに叶った製品を開発・供給していく過程で,事業として存続しうる売上規模を獲得でき,その状態を持続可能にすることによって,当該製品が属する市場において参入障壁が高い小市場を形成でき,グローバルな多地域への展開が可能となる戦略のことである。ニッチ市場は,既存市場のセグメント分析から存在論的に発見できるものではなく,特定顧客との密接な協働から形成しうる過程論的な市場である。
著者
古田 悦子
出版者
特定非営利活動法人 化学生物総合管理学会
雑誌
化学生物総合管理 (ISSN:13499041)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.146-153, 2008 (Released:2009-04-28)
参考文献数
29

天然の放射性物質を含んだ日用品(NORM)は、生活圏内に多数存在する。これら日用品は、ホルミシス効果、マイナスイオン効果、遠赤外線効果などを謳った、健康に良いとされる商品である場合が多い。これらの効果は、その商品独自に調べられているケースは見受けられず、一般論にすぎない。すなわち、個々のNORMの有効性やリスクの評価は充分になされていない。これらNORMに含まれる放射性物質の量および濃度は、国内法に照らした場合、ほとんどの商品が違法性はない。しかし、例えば日本では、EUにおける放射性物質添加禁止対象品目である化粧品の一部がNORMである。放射性物質を添加する必要性があるのか、使用による危険性は問題となる水準ではないのか等、NORMは存在の正当性の議論をすべきである。
著者
班目 春樹 木村 浩 古田 一雄 田邉 朋行 長野 浩司 鈴木 達治郎 谷口 武俊 中村 進 高嶋 隆太 稲村 智昌 西脇 由弘
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

わが国における原子力開発利用の歴史はおよそ半世紀になる。この間、わが国における原子力規制はその規制構造を殆ど変えることなく今日にいたっている。このため、現在の原子力規制は合理性・実効性を欠き、信頼醸成を阻害する原子力システムをもたらしている。そこで、本研究では、原子力安全規制に関する知的インフラに関連する論点に焦点をあてて分析を実施し、原子力規制に関する適切なガバナンスを実現するためのフィールドの創出と論点の整理・政策提言を行った。
著者
福富 久夫 安蒜 俊比古
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学園芸学部学術報告 (ISSN:00693227)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.85-91, 1970-12-31

前回報告した松戸および柏市の小学校のうち,校舎の平面型が異なる4校を対象として,夏の日課時期における児童の屋外行動を調査した.なお,動的利用調査も一部試みた.その結果を要約すれば次のようである.1.学校における自由時間に屋外で遊ぶ児童は,ピーク時で40〜70%であり,冬の時期に比べて10〜15%多い.中学年が最も高率であり,低学年が最も低い.性差については,女子の方が男子より10%程度低い.この傾向は季節的に変りがない.時間的には,昼休みが最も高く,休み時間の長さが関係する.2.遊びの内容は,年令・性別によって異なる.低学年はスポーツ的な遊びは殆んどなく,器具を使った遊びが最も多い.中学年はポール遊びが最も多く,高学年では殆んどボール遊びである.学校の施設条件などによって差がみられる.また,学校の体育指導による影響から季節的に変化がみられる.3.児童の形成する集団の範囲は,2〜45人であり,各学年を通じて最も多いのは,2〜5人の小グループであるが,学年・性別によって差がある.低学年児童および中学年女子の集団化の大きさは,7人以下が殆んどである.中学年男子および高学年男女は,集団の人数は14人位までである.男女の混合集団は10〜14人の中グループが最も多く,集団化の大きさは19人位までである.遊びの種類別にみると,集団化の大きさは最も盛んな遊びが最も集団のサイズが大きい.季節的には,冬の時期の方が夏より同じ遊びでも,多少集団のサイズが大きくなる傾向がある.4.学年・性別によって使いやすい場に差がある.低学年は器具の近辺と校舎前の限られたスペースであり,中・高学年男子は運動場の広い場所を中心に,最も大きなスペース,同じく女子の行動領域は,この男子と低学年の間に分散し,最もまとまりがない.学校の施設条件や学年構成の違いなどによって,かなりおもむきが異なる.運動場におけるさまざまな遊びや運動は,集団化の水準を高め,知的発達や社会性を育てるために重要なのであって,児童の形成する小集団と,その行動をより重視して校庭の取扱いを検討することが必要である.
著者
清水 公男 上滝 圭介 古宮 照雄
出版者
木更津工業高等専門学校
雑誌
木更津工業高等専門学校紀要 (ISSN:2188921X)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.157-175, 2009-01

筆者クウィラ=クーチは、『ヴェニスの商人』のテキスト、材源、モチーフ、ユダヤ人問題、アントーニオ、ヴェネツィアの性格、バッサーニオ、バッサーニオの友人、ポーシャ、劇の結末などについて詳細な分析を行っている。材源の改変によって、ポーシャの性格が大きく変わる。また、マーロウの『マルタ島のユダヤ人』のバラバスと比較してシャイロックの特性を考察し、この劇を実に多面的に分析していて見事である。