著者
石橋 悟 小林 道生 小林 正和 佐々木 功 高橋 邦治 高橋 洋子 市川 宏文 古田 昭彦 石井 正 久志本 成樹
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.17, no.6, pp.737-742, 2014-12-31 (Released:2015-01-24)
参考文献数
2

東日本大震災後,緊急被ばく医療の体制強化が重要な課題となった。原子力発電所所在地域を支える災害拠点病院である当院の緊急被ばく医療に対する取り組みを報告する。2002年4月に「緊急被ばく医療マニュアル」を作成し,同時に緊急被ばく医療チームを結成した。院内研修会,緊急被ばく傷病者受け入れ訓練を継続的に実施し,実際の管理区域内労働災害傷病者もほぼ毎年受入れた。原子力安全研究協会主催の緊急被ばく医療研修は2012年度までにのべ280名の職員が受講した。2002年度から,地域を越える広域対応のために宮城地区被ばく医療ネットワーク会議に参加するとともに,2008年度には,当院独自のネットワークを基本として石巻地区被ばく医療ネットワーク会議を立ち上げ,地域の緊急被ばく医療体制を構築した。実効性のある緊急被ばく医療を提供するには,職員の放射線に対する知識習得に加えて,緊急被ばく医療を災害医療の重要な一領域と捉え,最悪の事態は必ず起こるという現実的危機をもった広域の体制作りが肝要と思われる。
著者
古谷 成司
出版者
千葉大学教育学部授業実践開発研究室
雑誌
授業実践開発研究 (ISSN:18848818)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.35-42, 2009-03

本研究では、朝ごはんを題材とし、「朝ごはんを食べること」の必要性を理解することをねらいとした授業プログラムを開発し、その成果と課題を考察することを目的とする。現在、文部科学省から「早寝早起き朝ごはん」国民運動が進められており、子どもたちの生活習岨の乱れが問題視されている。このことが学力低下や生徒指導上の問題を引き起こしているともいわれている。そこで、f朝ごはんを食べること」がなぜ必要かということを、血糖値や体温をとりあげて科学的根拠に基づいた理解を図るように授業実践を行った。その結果、「朝ごはんを食べること」の大切さについて理解が深まり、さらに、「朝ごはんを食べよう」とする意識も高めることができた。
著者
畑中 雅昭 中保 仁 岡 信恵 亀淵 興紀 笠井 保志 白川 理恵 富田 晃子 長 和彦 古川 宇一
出版者
北海道教育大学
雑誌
情緒障害教育研究紀要 (ISSN:0287914X)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.79-90, 1998-02-10

本報告では,旭川市内にある小学校特殊学級の自閉的傾向と診断された男児へのIEP(個別教育計画),TEACCHプログラムの考え方を取り入れた関わりについて述べたものである。朝起きてから家を出るまでの特に歯みがきと洗顔を中心とした行動の習慣化をめざし家庭での指導とその支援を工夫した。少しずつだが自発的に行動がみられるようになってきた。個別学習ではコミュニケーション能力の向上をめざして課題や指導の工夫を続けた。課題が終わると,「まるをつけてください」と言葉で要求したり,動作を表す言葉を理解したりすることができるようになってきている。
著者
橋本 千絵 古市 剛史
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 (ISSN:09124047)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.17-22, 2000 (Released:2009-09-07)
参考文献数
6
被引用文献数
1 2

We captured 26 males for marking with tattoo using a blowpipe dart containing anesthetic. Individuals shot with a blowpipe got temporarily disabled. When these individuals were released still being disabled, members of the same troop showed various attitudes toward them. Only young males of 5 to 9 years old received aggressive behaviors. Aggressors were also young males of 7 to 8 years old, and they showed both aggressive and affinitive behaviors against the disabled individuals. An adult male and adult females showed only affinitive behaviors, and they protected the disabled individuals from the attack by young males. Close and unstable dominance relationships might cause the aggressive interactions between young males.
著者
古本 大
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.149-157, 2006-08-31
被引用文献数
3

高校生物のカリキュラム的な制約と時間的な制約によって、野外調査を行うことはなかなかできないのが実状である。その中で、本校独自のカリキュラムとして高校生物の授業や宿題の中で、校内の樹木観察や磯採集などを行っている。これらの課題により、生徒たちは抽象的な生物というものではなく、個々の種を知ることの大切さを初めて認識するようになった。また生物部の短期的な活動として、生物の採集を合宿先や日帰りで行ける海、山、川などいろいろな場所で行い、持ち帰って飼育している。採集・飼育によって、生徒はその生物の分布や生活環境について考えるようになった。長期にわたる研究としてはセミの抜け殻調査や幼虫の羽化の研究、成虫の再捕獲調査など多岐にわたる調査を1995年以降、毎年夏に行ってきた。セミの研究については毎年、大阪府高等学校生徒生物研究発表会で発表させるとともに、数年分をまとめて学生科学賞に応募してきた。賞への応募は研究内容を深めることや、生徒の目的意識を高める効果があった。これらの実践により、生徒は種の多様性や自然環境の大切さを感じるようになっていったようだ。

2 0 0 0 OA 将棋貫珠

著者
河村古僊 著
出版者
河村古僊
巻号頁・発行日
vol.詰手, 1877

2 0 0 0 OA 将棋貫珠

著者
河村古僊 著
出版者
河村古僊
巻号頁・発行日
vol.[本編], 1877
著者
川村 純 琴浦 聡 奥山 孝子 古本 真理 府中 英孝 三明 清隆 杉山 雅昭 大西 正男
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.218-224, 2013-05-15 (Released:2013-06-30)
参考文献数
25
被引用文献数
1

廃鶏表皮を原料として脱脂乾燥鶏皮粉末(DCS)を調製し,その摂取がヒトの肌に及ぼす影響を確認する目的でヒトによる二重盲検並行群間試験を実施した.その結果,DCS摂取群において皮膚水分量の増加傾向が認められ,特に皮膚の乾燥が重度な被験者においてはプラセボ摂取群と比較して有意に増加した.また,DCSの摂取後では皮膚弾力性が摂取前と比較して有意に増加していた.本試験の結果から,DCSの摂取は皮膚の乾燥が重度な人の皮膚保湿性を改善させ,加齢により低下した皮膚弾力性を改善する可能性が示された.
著者
古川まどか
雑誌
JOHNS
巻号頁・発行日
vol.13, no.6, pp.895-900, 1997
被引用文献数
3
著者
古川 康一 升田 俊樹 西山 武繁 忽滑谷 春佳
出版者
嘉悦大学
雑誌
嘉悦大学研究論集 (ISSN:02883376)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.29-44, 2013-03-20

本論文では、チェロの奏法について、多くのプレーヤーに納得できるような奏法を、スキルサイエンスの立場とプロのチェリストの経験を融合させて追及した試みについて報告する。具体的には、スキルサイエンスの研究者である第1著者とプロのチェリストである第2著者の論争とコラボレーションを通して、如何にして余分なエネルギーを使わない、体に無理のない運弓法に関する新たな知見が得られたのかを見ていく。本論文で取り上げる論争のテーマは、すばやい動作を含む困難な課題をこなすために、「首を振る」動作を意図的に行うべきか否か、という問題である。このテーマについて、第1著者が生体力学的な視点からプラスの評価を与えているが、第2著者は経験知からマイナスの評価を与えている。その論争を解決するためのいくつかの試みについて述べる。第1に、インタラクティブ・インタビューと呼ばれる著者らが開発したインタビュー法により、議論の中から問題点を抽出する試みについて述べる。第2に、生体力学的な考察に欠落していた鞭動作の起動に関する考察と、その実現方法についての新たな知見を紹介し、それが論争の一部を解決できることを示す。
著者
古谷 大輔 中本 香
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、近年の近世ヨーロッパ史研究で議論されている複合国家論で典型例とされているスウェーデン、スペインを例にとり、国際戦争後の「帝国」再編過程を分析することから、空間的範囲設定を前提とした特異なスウェーデン民族性を統合軸とするようになったスウェーデン、イベリアとアメリカを自由主義的経済政策により相互補完的に統合したスペインといった複合的国家編成をまとめあげる統合軸の論理の差違を明らかにした。
著者
光山 慶一 増田 淳也 山崎 博 桑木 光太郎 北崎 滋彦 古賀 浩徳 内田 勝幸 佐田 通夫
出版者
公益財団法人 日本ビフィズス菌センター
雑誌
腸内細菌学雑誌 (ISSN:13430882)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.143-147, 2007 (Released:2007-05-31)
参考文献数
15

プロピオン酸菌による乳清発酵物は,乳清をエメンタールチーズ由来のプロピオン酸菌で発酵させて製造したプレバイオティクスである.その主要成分である1,4-dihydroxy-2-naphthoic acidはビフィズス菌を特異的に増殖させ,腸内環境を宿主に有益な方向へ導くことが可能である.我々は,本食材が実験大腸炎モデルや潰瘍性大腸炎患者に有用であることを明らかにした.本稿では,これまでに報告されたプロピオン酸菌による乳清発酵物の特性について概説するとともに,潰瘍性大腸炎への治療応用について述べる.
著者
小谷 一郎 古厩 忠夫 丸尾 常喜 丸山 昇 佐治 俊彦 尾崎 文昭 伊藤 虎丸
出版者
埼玉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

1.研究会の開催、研究者のネットワーク化私たちは研究計画に基づき、メンバー以外の研究者にも呼びかけながら研究会を組織、開催した。この研究会は平成11年度に4回、12年度に3回、13年度に3回、つごう10回開かれた。研究会には毎回メンバー以外の多くの研究者が参加され、その数は40名前後にも及ぶ。また在中国の研究者からも積極的な支援、協力を得ることができた。その結果、研究者の学際的ネットワーク作りが基本的に終了し、今後の研究発展に向けて大きな足掛かりを得ることが出来た。2.関係資料の発掘、収集、整理、データベース化 本研究の遂行、発展のためには 次資料の発掘、収集が不可欠である。私たちは研究計画に基づきメンバー以外の研究者の協力を得ながら資料の発掘、収集に当たった。その結果、これまで日本国内になかった1920年代から40年代の資料をマイクロフィルムなどのかたちで100点近く入手することが出来た。これらの資料は現在も分析、データベース化が進行中であるが、複製があり埼玉大学に集中してあるので、要請があればいつでも提供可能な状態にある。3.成果の公開私たちは研究会の開催以外に本研究の成果を論文等のかたちで公開してきた。その詳細は別記の通りである。また私たちは発掘、収集した資料のうちすでに,データベース化を終えた13種について、それを『1920-40年代中文稀観雑誌目録・第一集(附著者別索引)』のかたちで公刊した。このデータベース化は現在も進行中である。私たちは本研究の成果を基に今後も研究の発展に努めていく所存である。
著者
古田 公人
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.86, no.2, pp.129-133, 2004-05-16

モミジニタイケアブラムシ有翅虫初飛来週からカエデの50%紅葉週までの時間差(以下,時間差と略)と飛来数・増殖率の関係を解析した。調査区ごとの調査期間は6〜14年であった。5調査区間に50%紅葉週は最大2.65週の差があり,紅葉の色相も赤色〜黄色と異なった。有翅虫の初飛来週には差はなかったが,初飛来時の紅葉割合は6〜87%と異なった。有翅虫ピーク数,仔虫ピーク数,有翅虫の増殖率は調査区間で有意差があった。有翅虫ピーク数と時間差の間に有意な正の相関(2調査区)があった。すべての調査区を込みにした場合も有意な正の相関があった。有翅虫ピーク数は色相番号とも有意な相関が認められたが,偏相関係数は時間差のみが有意であった。時間差と増殖率との間には1調査区のみ有意な正の相関があったが,すべての調査区を込みにした場合は有意な正の相関があった。色相番号についても同様であったが,偏相関係数は時間差のみが有意であった。以上,有翅虫の初飛来週から50%紅葉週までの時間差が有翅虫ピーク数と有意に関係していることが明らかになった。
著者
菅原 和孝 木村 大治 舟橋 美保 細馬 宏通 大村 敬一 岩谷 洋史 亀井 伸孝 岩谷 彩子 坊農 真弓 古山 宣洋
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、身ぶりと手話を微視的に分析し、対面相互行為の構造を身体性の基盤から照射した。また、通文化的な視野から、映像人類学、コミュニケーション科学、生態心理学の思考を交叉させ、マルティ-モーダルな民族誌記述の土台を作った。とくに、アフリカ狩猟採集民サン、カナダ・イヌイト、インドの憑依儀礼と舞踊、日本の伝統的な祭礼、日本酒の醸造、ろう者コミュニティ、数学者の討議といった多様な文脈における発話と動作の連関を解明し、記憶の身体化を明らかにした。さらに、過去の出来事が語られるプロセスを、表情をおびた身ぶりとして了解することにより、表象と知覚の二項対立を乗り超える理論枠を提示した。