著者
長瀬 諒麻 古屋 光一
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
科学教育研究 (ISSN:03864553)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.314-324, 2016 (Released:2017-02-02)
参考文献数
7

In this study, we conducted a questionnaire survey using the instrument SUMS to consider the support appropriate for the classroom by typifying the tendencies of junior high school students’ understanding of scientific models. Firstly, a factor analysis was performed to reveal the factors determining students’ understanding of scientific models. Secondly, these factors were examined whether they are reasonable scientific models. Thirdly, on the basis of factor scores obtained from the factor analysis, a cluster analysis was performed to typify the tendency of students’ understanding of scientific models. As a consequence, the following findings were gained:(1) The factor analysis showed that the following five factors were extracted: “Models as multiple representations” “Models as exact replicas” “Models as explanatory tools” “Uses of scientific models” “The changing nature of models”(2) The five factors of students’ understanding of scientific models were examined as to whether those are reasonable scientific models. As a result, factors other than “Models as exact replicas” were judged to be proper scientific models.(3) Cluster analysis based on factor scores indicated four groups. We proposed forms of support in accordance with the characteristics of these groups.
著者
安田 浩一 古澤 清文 奥田 大造 堀口 文嗣 長谷川 貴史 山岡 稔
出版者
Japanese Society of Oral and Maxillofacial Surgeons
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.546-548, 1995-06-20 (Released:2011-07-25)
参考文献数
9

Two cases of gas gangrene in the maxillofacial region and neck that developed after odontogenic infection are reported. Case 1, a 35-year-old man, developed gas gangrene after removal of the mandibular right third molar. In case 2, a 61-year-old man, gas gangrene occurred after apical periodontitis of the mandibular right second premolar. Both cases were treated by digitally opening the site where computed tomography (CT) revealed extension of gas bubbles early after the onset of symptoms and surgical debridement with antibiotics. CT was useful in monitoring the location of gas bubbles to permit opening of the progressive large focus in multiple spaces of maxillofacial region and neck. Digital preparation of the fascia was useful for opening the focus in the early stage of the disease.
著者
神野 佑介 永田 英 新居 優太郎 今林 潤 鷲見 香莉奈 若林 健流 岩築 美幸 松田 孟男 柏木 ハツヱ 佐古 佐世子 鴈金 舞 鄭 喆心 廣岡 陽子 森本 拓輝
雑誌
JpGU-AGU Joint Meeting 2017
巻号頁・発行日
2017-05-10

アトウッドの滑車を利用して加速度をコントロールすれば,月や火星の重力もつくれると考え,重力可変装置を製作した.下降するおもりの側を実験カプセルとして内部の重力を計測した.0.5秒の短い時間ではあるが,火星,月,エンセラダスの表面重力を作ることができた.すでに実働している微小重力発生装置と連携すれば0Gから1Gの任意の重力を生み出すことができる.さらに,上昇するおもりの側を実験カプセルとすれば,約1.5Gまでの重力をつくりだせると考えられる. この装置で作った火星表面重力を用いて,火星での水の振る舞いを観察した.その結果,火星上の水は,地球上での挙動とかなり異なることがわかった.火星重力下での水は,粘性が大きくなったような動きを示した.映像から解析した火星の水の粘性は地球の水と比べて約2.4倍であった. 簡単な原理で目的とする天体の重力を実現することができた.今後の太陽系探査で,さまざまな天体環境での予備実験に重要な役割を果たすと考えられる.
著者
古田 朋子 鵤 心治 小林 剛士
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.71, no.605, pp.135-142, 2006
参考文献数
8
被引用文献数
1

The purpose of this paper is to investigated the fact of technical standards for developments exceeded, to secure the minimal standards of town area. Result is as follows. Ranging small-scale development connected to roads of weak condition in the loose regulated area, which causes a condition of maze-like street. And we showed that technical standards in the City Planning Act are not enough to accumulate an ideal living environment. It is necessary to revise the technical standards or to guide developer development by local governments.
著者
古川 智一 須藤 信行
出版者
福岡医学会
雑誌
福岡医学雑誌 (ISSN:0016254X)
巻号頁・発行日
vol.103, no.1, pp.1-11, 2012-01-25

睡眠障害は現代社会において大きな問題となりつつある.例えば,日本人の5人に1人が不眠症など何らかの睡眠に関する問題を抱えているとされる1).我が国では産業の効率化を図るために交代勤務制をとる事業所も多いが,その結果交代勤務者の健康障害も問題となっている.世界に目を向けてみると,チェルノブイリ原発事故やスペースシャトルチャレンジャー号爆発事故などの大参事もその作業員の睡眠不足によるヒューマンエラーが原因であったとされている.睡眠に対する関心が高まるなか2003 年に新幹線運転士による居眠り運転が報道され,その原因とされる閉塞性睡眠時無呼吸症候群(obstructive sleepapnea syndrome;以下OSAS)が注目を浴びることとなった.OSASは有病率が高く,イビキという容易に観察される現象が発見の手がかりとなる.そのためOSAS を疑い睡眠外来を受診する患者も多く,睡眠障害の中で最も重要な疾患と言える.OSAS による障害は日中の過剰な眠気のみならず,高血圧や心血管障害,脳卒中を含む多くの合併症の発症,悪化因子であるというエビデンスが多くの研究結果から構築されつつある.本稿ではOSASとその主要な合併症との関連について概説し,OSAS の主症状であり日常的によくみられるイビキにも焦点を当てて述べてみたい.
著者
原田 秀一 深瀬 正之 前島 一幸 Jian XING 瀬古 賢司
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.881-888, 2009 (Released:2017-11-29)
参考文献数
12
被引用文献数
1 7

本研究では,多車線高速道路の新たな渋滞対策として,渋滞発生直前の追越車線での交通の偏りを矯正することを目指し,追越車線への車線変更を抑制させ走行車線の利用を促進させる車線利用率の平準化実験を実施した.本論文は,車線利用率の平準化実験の概要及び結果,渋滞抑制効果検証結果について述べた.
著者
阿久津 博美 末定 弘行 河内 賢二 清水 剛 平山 哲三 石丸 新 古川 欽一
出版者
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
雑誌
日本心臓血管外科学会雑誌 (ISSN:02851474)
巻号頁・発行日
vol.20, no.9, pp.1533-1535, 1991-12-15 (Released:2009-04-28)
参考文献数
11

術前高ビリルビン血症を伴った42歳男性の大動脈弁狭窄兼閉鎖不全症に対し人工弁置換術とHaemonetics社製Cell Saver 4®を用いた術中血漿交換療法を施行した.人工心肺の回路残血と術野吸引血11,300mlを洗浄処理し210mgのビリルビン除去が可能であった.術中輸血量は同種赤血球濃厚が2単位,血漿交換に要した同種FFPは36単位であった.ビリルビン値は9.9mg/dlから術直後4.5mg/dlに減少,その後一過性の上昇(9.0mg/dl)を認めたが徐々に正常化し退院した.高ビリルビン血症に対する術中の血漿交換は安全かつ有用な手段と考えられた.
著者
名古屋 学
出版者
日本学校心理学会
雑誌
学校心理学研究 (ISSN:13465732)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.41-45, 2020

<p>特別支援学校には,障がいの状態を踏まえた,より丁寧な対応が必要な児童・生徒等が在籍している。各学校は,緊急事態宣言に伴う臨時休業中,緊急事態宣言解除後の段階的な登校再開,そして通常日課再開に向けて,国や県からの通知やガイドラインを受け,実態に即した取り組みを積み重ねてきている。今回は,知的障害特別支援学校での実践例を報告する。</p>
著者
内田雅代 古谷 佳由理 兼松 百合子 中村 美保
出版者
千葉大学看護学部
雑誌
千葉大学看護学部紀要 (ISSN:03877272)
巻号頁・発行日
no.15, pp.35-43, 1993-03
被引用文献数
1

千葉大学看護学部3・4年次学生に対して,保育園実習前,後,小児病棟実習前,後の計4回,「こどもに対するイメージ」を調査し,小児看護実習を通してのイメージの変化とその要因を分析した。その結果,保育園実習で多項目にわたりイメージの強さが変化し,そのうち「かわいい」「好き」などは病棟実習前に弱い方向に変化し,病棟実習体験により再び強く感じる項目であった。一方イメージの強さが変化しない項目は「わがまま」「自分本位」であった。各時期のイメージの結果を因子分析したところ,こどもとの直接の接触によると思われる変化がみられた。小児病棟実習での各項目のイメージの変化と受持ち児の年齢,疾患,こどもとのかかわり方のよさは,関係がなかった。実習指導において,学生が実習で体験し感じたことを明確にすることが大切であると考えられた。
著者
滝島 勇希 吉田 一也 齊藤 梓 川上 勝 古川 英光
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
機械材料・材料加工技術講演会講演論文集 2018.26 (ISSN:2424287X)
巻号頁・発行日
pp.403, 2018 (Released:2019-05-25)

Various kinds of underwater exploration techniques have been developed. For instance, submersible research vehicles and autonomous underwater vehicle (AUV) have been used for observation of underwater conditions, in addition to the technique of fixed-point observation. However, such research vehicles and conventional AUV are difficult to control, are expensive, and are usually made with non-biodegradable materials such as metals. In contrast, jellyfish is the most efficient swimmers, traveling for long distance with saving energy by drifting in the ocean, its body can be decomposed after death, and safe for surrounding creatures. Therefore, we are developing the jellyfish-mimic AUV using a hydrogel. For designing a Jellyfish-mimic AUV robot, it is preferable to introduce a soft actuator driven by water pressure, as it requires low electric power and it is eco-friendly. In this study, we prototyped a Jellyfish-AUV robot using a soft material and a soft actuator. While it is ideal to make a robot body with hydrogel it is difficult to make the actuator with hydrogel.
著者
古川 安
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.274-277, 2007
参考文献数
3
被引用文献数
1

米国デュポン社の化学者ウォーレス・カローザースと彼によるナイロン発明の物語は,わが国でもさまざまなところで広く語り継がれてきた。しかし,そこでは多くの事実に反する記述がひとり歩きしている。本稿では,デュポン社の基礎研究の設立経緯,カローザースの研究目的,ナイロンの語源,ナイロンのキャッチフレーズ,カローザースの自殺などについて,最新の研究成果を踏まえて伝説と真相の違いを明らかにする。
著者
佐倉井 紀子 古閑 さやか 芦田 朋子 佐倉 伸夫
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.B0665, 2008

【はじめに】重症心身障害児(者)の緊張の緩和、体幹や下肢のストレッチを行う場合、対象者の姿勢としては背臥位で頭部と体幹を床につけたまま臀部を挙上する、または腹臥位を取ることが多い。しかし、臀部挙上では、伸展パターンの強い障害者は緊張が増してストレッチが難しく、また腹臥位を取る方法では、酸素吸入中、人工呼吸器装着中、体が大きい、骨粗鬆症などの障害者にとっては体位変換が困難で、すぐさま行いにくい。そこで背臥位でプラットフォームより膝下を下垂する肢位を取ってアプローチをしたところ、全身の緊張が軽減し、体の左右対称度も増していることに気がついた。更に股関節外転位の蛙状変形についても、正中方向へのストレッチ効果があった。そこで、筋緊張の非対称によって体幹下部、股関節に変形が生じている重症心身障害児(者)に対して、背臥位から膝下下垂肢位を取った場合の対称性の改善率をみて比較検討を行うこととした。<BR>【対象】重症児(者):大島分類1;21名 (風に吹かれた股関節;14名、 蛙状肢位;7名)<BR>【方法】対象者の床上での背臥位と、膝下下垂肢位の6点評価を行い、各測定角度の左右非対称性の改善率を出して効果をみた。風に吹かれた股関節の測定では両角の平均値からの差を偏位とし、蛙状肢位の股関節部は90度との差を偏位として次の式にて改善率を計算した。改善率(%)={(背臥位の偏位-膝下下垂の偏位)/背臥位の偏位}×100<BR>【結果】膝下下垂肢位にて対象者全員に非対称改善の効果が見られ、背臥位と比較して風に吹かれた股関節の体幹下部は約47%、股関節部は約56%、蛙状肢位の股関節部は約52%の改善を認めた。<BR>【考察】単に膝下を下垂する姿勢をとるだけで、体幹と股関節の非左右対称性が50%ほどに改善する。腹臥位姿勢での管理は体幹部の非対称性改善に効果的であるといわれているが、膝下下垂肢位においても対称性が改善される理由として、背臥位では屈曲位になりがちな股関節を腹臥位と同様に伸展するためと考える。股関節屈筋群が足の重みで無理なく伸張されて、全身の対称性も増し、背面にかかる圧力も均等化されるためリラックスを得やすい。人工呼吸器装着中の方にも取り入れやすく、膝下下垂したまま上肢のアプローチを行えば体幹と上下肢を同時にストレッチすることになり効率も良い。更に対称性が改善されることで治療姿勢として次のような有効性がある。1)風に吹かれた股関節の下側下肢のストレッチが行いやすい2)風に吹かれた股関節のねじれ型も下肢正中位でもねじれが増さない3)蛙状肢位の腰椎後彎を前彎方向にストレッチしやすい4)座位姿勢への移行も良好である5)伸展パターンが抑制されアプローチしやすい6)下肢の交叉が強い場合も寝返りできる。膝下下垂肢位を日常的なポジショニングとして使用し、経時的な変化を見ていくことが今後の課題である。
著者
古田嶋 智子
出版者
東京藝術大学
巻号頁・発行日
2017-03-27

平成28年度
著者
古谷 真衣子 小野 哲也 小村 潤一郎 上原 芳彦 地元 佑輔 仲田 栄子 高井 良尋 大澤 郁朗
出版者
一般社団法人 日本放射線影響学会
雑誌
日本放射線影響学会大会講演要旨集 日本放射線影響学会第53回大会
巻号頁・発行日
pp.310, 2010 (Released:2010-12-01)

放射線はさまざまなラジカルを生成させるが、その中でも細胞障害の主な原因となるのは水の分解に伴うOHラジカルであることが知られ、しかもそれはSH剤によって捕獲されることが分かっている。他方、最近細胞内で生じるさまざまな活性酸素のうちOHラジカルだけが水素分子によって特異的に除去されることが示されている(Nature Med 13 (6) 688-694 (2007))。そこで我々はこの水素分子が放射線障害を軽減化する活性がないかどうかについて検討してみた。 [材料と方法] 8週齢のC57BL/6J、雌マウスを用いて2%の水素ガスを1時間吸わせた後同じ水素ガス存在下で8Gy及び12GyのX線全身照射を行い生存日数を調べた。X線は0.72Gy/minの線量率。また水素ガスに1時間曝露後普通の空気吸引にもどし、1時間あるいは6時間経た後で放射線を照射し、生存率を調べた。 [結果と考察] 水素ガス投与によって8Gy照射後の平均生存日数は10日から17日へと有意に増加し(p=0.0010)、12Gy照射でも増加傾向がみられた。これらは骨髄幹細胞や腸のクリプト幹細胞に対し水素ガスが防護効果を持つことを示している。さらに水素ガス吸引の効果は吸引を止めた後1時間及び6時間後では明白に減弱していることも分かった。 これらの結果は水素ガスが新しい放射線防護剤として有用であることを示唆すると同時に、水素分子がOHラジカルと反応し得ることも示唆するものである。 現在、水素ガスの効果が細胞レベル、DNAレベルでも観察されるものかどうかについて検討している。