著者
武岡 和仁 塩原 哲夫 中條 知孝 長島 正治 古川 徹 狩野 葉子 小林 勝 大場 進一郎 林 至 箕輪 悦子 田中 信 和田 啓子
出版者
杏林医学会
雑誌
杏林医学会雑誌 (ISSN:03685829)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.323-334, 1982

昭和53年8月から昭和55年末までに当教室で経験した水疱症10例について検討した。1) 天疱瘡群 : 尋常性天疱瘡1例, 落葉状天疱瘡3例であった。落葉状天疱瘡のうち1例はherpetiform pemphigusであった。螢光抗体直接法で表皮細胞間にIgG沈着を3例, C_3沈着を2例に認めた。天疱瘡抗体価は全例とも皮疹と並行して変動し治療の指標として有用であった。死亡例が1例あった。2) 類天疱瘡 : bullous variety 4例, erythematous variety 1例であった。螢光抗体直接法で基底膜部へのIgG沈着を4例, C_3沈着を4例に認めた。抗基底膜部抗体は3例に認められ, いずれも皮疹と並行して変動した。死亡例が3例あった。いずれも高齢者で, 予後の上で年齢が重要な因子を占めることが示唆された。3) ジューリング疱疹状皮膚炎 : 臨床的に広範囲な浮腫性紅斑と水疱を認め, 螢光抗体直接法で基底膜部にIgAの線状沈着を認めた。血中自己抗体は認められなかった。臨床的に非定型的な症例と考えられた。
著者
石上 惠一 星野 浩之 武田 友孝 月村 直樹 高山 和比古 青野 晃 大岩 陽太郎 濱田 久 島田 淳 片山 幸太郎 大木 一三
出版者
社団法人日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.481-487, 1992-06-01
被引用文献数
16 2

最近,スポーツ医学の一分野として,スポーツ歯学が注目されつつある.これは顎口腔系の状態と全身状態が,密接に影響しあっていることから当教室ではこれらを客観的,生理学的および科学的に探究することを目的とし,検討を行っている.本研究は,その1つとしてスポーツの中で,その種目により静的な基本姿勢,"゜構え"が要求されるアーチェリー競技において,レジンスプリントを装着し,そして咬合させることにより得られた状態とその挙上量の変化とが"的"′を捕らえるときの"構え"の安定性,すなわち重心動揺にどのような影響を与えるかを検討するため,まずその基礎的一資料を得る目的で行ったものである.
著者
渡辺 圧美 内田 武司 古谷 進
出版者
日本陸水学会
雑誌
陸水学雑誌 (ISSN:00215104)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.21-36, 1968-05-28 (Released:2009-10-16)
参考文献数
5
被引用文献数
1 2

1. 古遠部鉱山大黒沢西部OL3ループ坑内水中からチオ硫酸塩を酸化するTh.ferrooxidansが分離された.2. 鉄酸化バクテリア (F.ferrooxidans) による第一鉄の酸化は接種菌量の大きいほど促進される.接種量1.0ml/100ml (培地) では11日間の培養で, 培養初期のFe2+濃度の70%がFe3+に転換されたにすぎなかつたが, 2.0mlの接種では99%がFe3+に転換された.そして4.0~10.0mlと接種が大きくなると, 第一鉄の酸化は一段と促進され, 8日間の培養で97~99%がFe3+に転換された.3. 鉄酸化バクテリアの銅耐性は硫酸銅の濃度を順次高めた培地での培養の繰り返しによつて遂次増大し, 25g/lの銅 (Cu) 濃度に耐性が増大した.4. 鉄酸化バクテリアは第一鉄を酸化するのみならず, 硫黄も酸化する能力を持つが, 多量の硫黄が存在すると第一鉄の酸化は抑制される.5. 鉄酸化バクテリアによる第一鉄の酸化におよぼす有機物の影響を追求したところ, 尿素およびペプトンは0.2%以上の濃度において第一鉄の酸化およびバクテリアの増殖に阻害的影響を示した.グルコースは添加量の増大につれてバクテリアの増殖を促進せしめた.しかし, 0.1%以上の濃度になると, 第一鉄の酸化に阻害的影響を示した.6. 鉄酸化バクテリアのチオ硫酸塩の利用については明らかでなかつたが, 鉄硫黄酸化バクテリア (Th.ferrooxidans) はチオ硫酸塩をよく利用して増殖し, そして硫黄酸化バクテリア (Th.thiooxidans) はチオ硫酸塩を利用する力が小さかつた.7. 鉄硫黄酸化バクテリアおよび鉄酸化バクテリアはエネルギー源として黄銅鉱を利用することができた.鉄硫黄酸化バクテリアは50日間の振とう培養で黄銅鉱中から86%の銅を溶出し, 鉄酸化バクテリアは68%の銅を溶出した.しかし, 硫黄酸化バクテリアは黄銅鉱からの銅の溶出には影響をおよぼさなかつた.
著者
坂本 勝比古 鈴木 成文 日色 真帆
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住宅総合研究財団研究年報 (ISSN:09161864)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.147-157, 1994

この研究は,日本で有数な住宅地として発展を遂げた大阪・神戸間の地域を対象として,それがどのように発展してきたかを,多くの資料や地域の調査を行なうことによって明らかにすることを目的としている。まず,この地域が住宅地として発展した第1の理由は,大阪湾に臨んで北に山を負う恵まれた地形で,住宅地として最適な自然条件を備えていたこと,日本で2番目という大阪・神戸間の鉄道の開通(1874年)があり,さらに1905年に阪神電鉄,1919年に阪急電鉄が開通するなど,大都市間を結ぷ交通機関が整備されたこと,この沿線に私鉄が住宅地経営を積極的に行ない,郊外住宅地の発展に大きく貢献することとなった。また,大正時代には,芦屋市・西宮市で土地区画整理事業が盛んに行なわれ,宅地の供給が促進された。さらに民間土地会社の住宅地経営も計画され,現在の夙川,芦屋の六麓荘などが開かれている。これらの住宅地開発は,大都市の工業化が進み,空気の汚染や住環境の悪化によって,郊外住宅地が注目されるようになったものであるが,その状況は必ずしも良好な住宅地経営ぱかりではなかった。関西で優れた住宅地経営を目指した好例として,日本建築協会が大正11年(1922)に開催した住宅博覧会があり,このような動きに刺激されて,阪急電鉄では,新伊丹住宅地(1935),武庫之荘住宅地(1937)が,いずれも放射状の軸線を持つ住宅地経営で,良好な住環境を持つ住宅地が形成された。阪神間のなかで,住吉・御影地域(旧住吉村・御影町)も早くから住宅地として注目され,特に大邸宅が多く建てられた。なお,戦前に建てられた阪神間の中流住宅の意匠を見ると,和風要素を取り入れたものがかなり多く,これは関西人の住宅に対する考え方に,保守的な見方をする者が多かったからと言える。
著者
吉田 真二 山崎 喜比古
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.241-254, 2021-04-15 (Released:2021-04-23)
参考文献数
57

目的 高齢者のQOL支援のため,健康かつ前向きに生きる力概念を包含した動態的なライフを生命・生活・人生の3つの次元で捉える主観的QOLを測定する尺度の開発を試み,その信頼性と妥当性を検討することである.方法 文献調査,慢性疾患患者へのインタビューを行い項目を作成し,3つの次元各々が1項目ずつの計3項目から成る主観的QOL尺度を完成させた.本尺度は,質問項目に参照期間を設け,誰にでもある生活や人生の浮き沈み双方の日数比をVisual Analogue Scale(VAS)による7件法で自己評価を行うものである.本調査では,病院の外来患者や,地域包括支援センターなどの紹介によりリクルートした70~84歳の在宅高齢者100人を対象に,他記式質問紙調査を行った.信頼性の検討は,Cronbach α(以下α),Item-Total(以下I-T)相関分析,項目削除時のα係数の算出により行った.内容妥当性の検討は,自由回答の内容分析に依った.構成概念妥当性の検討は,階層的重回帰分析を行い,抽出された主観的QOLの関連要因の意味内容を検討し,また先行研究との一致も確認した.結果 信頼性の分析では,α係数は0.898であり,I-T相関と項目削除時のα係数のいずれも基準値をクリアできており,一定の信頼性が確認できた.内容妥当性の検討では,3つの次元各々で抽出したカテゴリは共通性と固有性からなることがみてとれ,ともにQOLの各次元の概念の特徴を示しており,内容妥当性が概ね確認できた.構成概念妥当性の検討では,就労している者,役割や経済的にゆとりが有る者,利用中の介護サービスが1つの者よりも2つ以上の者,主観的健康管理能力やソーシャルネットワーク,Sense of Coherence(以下SOC)が高群の者は主観的QOLが有意に高かった.また,主観的QOLは,SOCの有意味感と経済的にゆとりが有ることとに有意な関連性がみられ,これらの結果は先行研究と一致しており,構成概念妥当性が確認できた.結論 本尺度の信頼性と妥当性が概ね確認でき,使用可能性が示された.
著者
古舘 信生 高橋 修
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.366-377, 2013

銀塩カメラがデジタルカメラに置き換わっている中で,銀塩プリントが市場で活躍していることは,銀塩プリントの基となる銀塩カラーペーパーの品質,コスト,簡便さに負うところが大きい.<br>本「解説」では,銀塩カラーペーパーを構成する主要技術である写真用カプラー技術,特に,色相と画像保存性に関する技術の変遷について,イノベーションの成果が現れた4つの時期に焦点を当てて概観する.第1期は,1970年頃の近代的カプラー群の誕生の時期であり,第2期は1984年~85年頃で,日本企業がコダックに一部の技術で先行した時期である.第3期は,マゼンタ新骨格導入を巡り日本国内企業が大競争を展開した1989年~91年頃である.そして,第4期の1999年~2004年頃は,最後に残された課題(シアン,イエローの色相,画像保存性)を抜本的に解決した時期である.<br>銀塩カラーペーパーは,第4期のプリント感材完成の技術によって,デジタルプリントやフォトブックなどのサービスを通じて今後とも市場で生き続けて行くことであろう.
著者
宮本 俊和 古屋 英治 森山 朝正
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.166-178, 2008 (Released:2008-09-02)
参考文献数
26
被引用文献数
2 2

近年、 子供から高齢者まで多くの人がスポーツをするようになってきた。 そのため、 競技スポーツはもとより、 レクリエーションスポーツにおいても安全で快適なスポーツ環境が社会に求められている。 スポーツ分野の鍼灸のテーマも、 (1)スポーツ外傷・障害の治療(2)スポーツ選手の体調管理(3)生活習慣病の予防(4)競技パフォーマンスの向上など多岐にわたっている。 本シンポジウムでは、 スポーツ鍼灸の研究の現状を報告する。 以下はその概要である。 1)円皮鍼は長期合宿中に起きる筋疲労を軽減する。 2)鍼治療は、 高強度の運動によってもたらされる免疫機能の低下を抑制する。 3)低周波鍼通電は、 マウスの廃用性筋萎縮の進行を抑制する。 4)円皮鍼は運動後の急性筋疲労や遅発性筋痛に有効である。 5)M-テストは、 スポーツ外傷の予防とパフォーマンス向上を評価するのに有効である。
著者
橋本 慎史 市田 大樹 徐 鉉雄 内田 儀一郎 板垣 奈穂 古閑 一憲 白谷 正治
出版者
電気・情報関係学会九州支部連合大会委員会
雑誌
電気関係学会九州支部連合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.23, 2014

Siは太陽光発電市場の90%以上を占めている代表的な太陽電池材料である.1、2世代型太陽電池研究を主導したSi太陽電池はSi量子ドットをもとにして、次世代型太陽電池への可能性を示している。Siの量子特性は以前研究から証明されたにもかかわらず、多重励起子生成の実現と太陽電池への応用は相変わらず非常に難しい課題である.本研究では,Si量子ドットとポリマーを用いて有・無機ハイブリッド太陽電池を研究した.ポリマーの割合調節を通じてエネルギーバンドをコントロールして、Si量子ドットのバンドギャップに合わせたバンド構造から電荷の抽出が改善された高効率有・無機ハイブリッド太陽電池を作製した。
著者
藤尾 久美 井之口 豪 福田 有里子 黒木 俊介 古閑 紀雄 丹生 健一
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.121, no.1, pp.38-43, 2018-01-20 (Released:2018-02-07)
参考文献数
16
被引用文献数
4 6

ほかの感覚器と同様, 嗅覚も加齢性変化を来すことが知られている. しかし, 本邦では年齢を考慮した嗅覚機能の基準が報告されていない. 本研究では嗅覚同定能力研究用カードキットであるオープンエッセンス (Open Essence: OE) を用い, 嗅覚の加齢性変化の特徴を明らかにすることを目的とした.【方法】50歳以上の健常ボランティア50名と50歳未満の健常ボランティア43名に対し OE を施行し, 各嗅素別の正答率について検討を行った.【結果】50歳以上の群では男女とも年齢とともに OE の正答率の低下を認めた. 各嗅素別では50歳未満と50歳以上の2群間で墨汁, メントール, みかん, ばら, 練乳, にんにくの正答率に有意差を認めた. 12嗅素の組み合わせの中で, メントール, みかん, 練乳の3嗅素の組み合わせで50歳以上の嗅覚障害を検出する感度が0.860と最も高くなり, 感度+特異度が1.767となった. この3つの嗅素を組み合わせた検査が加齢性変化を考慮した嗅覚機能のスクリーニングとして有用であると考えられた.
著者
大塚 好古
出版者
海人社
雑誌
世界の艦船
巻号頁・発行日
no.945, pp.94-97, 2021-04
著者
中俣 修 山﨑 敦 古川 順光 金子 誠喜
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.A3O2034, 2010

【目的】体幹部は身体重量の約50%を占める大きな身体領域である。そのため、体幹筋には、体幹の姿勢の平衡状態を維持するために外力に応じて筋出力を調整する機能が求められる。立位では、体幹部の重心線が腰椎のすぐ近位を通過するため、姿勢保持に作用する体幹筋活動が小さい。しかし、変化は少ないながら腹横筋、内腹斜筋には、背臥位から立位への姿勢変換に伴い筋活動の増加を認め、この活動は内臓器の支持、仙腸関節の安定性に関与するとされる。立位における体幹筋活動、鉛直方向の運動負荷に対する体幹筋活動の特徴を明らかにすることは、重力に抗する姿勢保持メカニズムを考える上で重要であると考えられるが、鉛直方向の運動負荷と体幹筋の活動との関係を分析した報告は少ない。そこで、本研究では、跳躍動作により体幹部への鉛直方向の運動負荷を加えた際の腹筋群の筋活動に注目し、鉛直方向の運動負荷に対する腹筋群の活動の特徴を分析することを目的とした。<BR>【方法】対象は健常な大学生男性8名(平均年齢21.6歳、平均身長172.7cm、平均体重61.9kg)であった。体幹筋群の筋電位の計測にテレメーターシステムWEB-5000(日本光電社製)、腰部および膝関節の運動の計測に電気角度計(Biometrics社製)、動作中の加速度の計測には3軸加速度計(MicroStone社製)を用いた。体幹右側の腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋、脊柱起立筋(胸部)、多裂筋(腰部)を被験筋とした。座位にて腹筋群および背筋群の最大等尺性筋収縮(MVC)時の筋電図信号の計測を行った後、腰部および膝関節部に電気角度計、胸骨前面に3軸加速度計を取り付けた。課題動作は跳躍動作とした。被験者には両手を胸の前方で組ませ、体幹部を直立に維持した状態で縄跳びを跳ぶ程度の跳躍動作を15~20回程度反復させた。計測した筋電位・関節角度・加速度の信号をA-D変換器 (AD instruments社製)を介してコンピュータに取り込んだ。体幹の加速度変化および膝関節運動の特徴から跳躍動作の周期(跳躍周期)を決定し、連続した3回の動作を任意に抽出した。跳躍周期における各筋の積分筋電図値を算出した後に跳躍周期の時間で除し、単位時間あたりの積分筋電図値(跳躍動作積分筋電図値)を算出した。さらに跳躍動作積分筋電図値を、MVC実施時の単位時間あたりの積分筋電図値を用いて正規化し、跳躍動作積分筋電図値(%MVC)を算出した。3周期の平均値を分析に用いた。跳躍動作における腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋の跳躍動作積分筋電図値の相違の分析には、Kruskal-Wallis検定を用い、有意差を認めた場合にはBonferroniの不等式による修正を利用し多重比較を行なった。<BR>【説明と同意】研究への参加にあたり、被験者には書面および口頭にて十分な説明を行った後、実験参加の同意を得て実施した。<BR>【結果】跳躍動作積分筋電図値(%MVC)の平均値(標準偏差)は、腹直筋:3.5(1.9)%、外腹斜筋:9.4(5.4)%、内腹斜筋:28.9(9.5)%であった。筋間の筋活動量には有意差を認め(P=.025)、腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋の組み合わせ全てに有意差を認めた(P<.01)。<BR>【考察】跳躍動作周期における筋活動量の分析結果から、腹直筋の筋活動が小さく、内腹斜筋の筋活動が大きい特徴を認めた。この特徴は、ドロップジャンプについて分析を行なった河端らの研究結果とも類似したものであった。今回、計測を行った内腹斜筋部位は、骨盤内を横行するため直接的な脊柱運動への関与はなく、主として骨盤部の安定性、内臓器の支持に関与するとされる。跳躍動作では立位と比較し体幹部にはより大きな圧迫負荷が加わること、内臓器に作用する慣性力が作用する。そのため内腹斜筋部に大きな筋活動を生じたと考えられる。今回の結果より、鉛直方向の運動においては、腹筋群の役割は異なり、腹直筋よりも側腹筋、特に内腹斜筋の役割が大きく関与すると考える。<BR>【理学療法学研究としての意義】本研究では跳躍動作時の体幹筋活動を分析することにより、鉛直方向への運動刺激に対する腹筋群の活動の特徴を検討した。立位姿勢を保持するメカニズムの検討、立位姿勢の指導や荷重位での体幹筋トレーニングを検討する視点として意義が大きいと考えられる。<BR>
著者
富田 和男 桑原 義和 高 裕子 並河 英紀 西谷 佳浩 漆原 佑介 山西 沙祐里 古川 みなみ 宮脇 正一 栗政 明弘 福本 学 佐藤 友昭
出版者
東北医科薬科大学
雑誌
東北医科薬科大学研究誌 = Journal of Tohoku Medical and Pharmaceutical University (ISSN:24325724)
巻号頁・発行日
no.64, pp.49-55, 2017

Oxidative stress is a harmful state for the cell. The state arises from exposure to high levels of reactive oxygen species(ROS).ROS is a key molecule in maintaining cell proliferation, inflammation and cell death. ROS is also involved in aging and causes many diseases such as Parkinson s disease, Alzheimer s disease, cancer, diabetes mellitus and periodontal disease. The primary site of ROS generation in vivo is mitochondria. Mitochondria have its own DNA(mtDNA)that encodes a part of oxidative phosphorylation component proteins in mitochondria, and mtDNA damage by ROS causes neurodegenerative diseases and various types of cancer. Therefore, these damaged cells will provide valuable cell models to study oxidative stress and overcome ROS derived diseases. To analyze the mechanism of oxidative stress and ROS derived diseases, mtDNA depleted cells(ρ0 cells)are developed by treating low dose ethidium bromide. ρ0 cells do not have mtDNA, can't survive without pyruvate and uridine, produce little amount of ATP, sensitive to oxidative stress and generate higher ROS compared with parental cell. in this review, we describe the cellular response by oxidative stress such as radiation and hydrogen peroxide using ρ0 cells. we also discuss the relationship among oxidative stress sensitivity, mitochondria damage and plasma membrane status.