著者
柏戸 佑介 吉田 健志 押領司 健介 鎌田 一億 水木 伸一 横田 英介
雑誌
松山赤十字病院医学雑誌 (ISSN:03853888)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.69-74, 2013-12

trisomy 8の出現に伴って腸管ベーチェット病様の病態を呈したと考えられる骨髄異形成症候群の一例を経験した。手技的に止血困難な大腸の潰瘍性病変に対してadalimumab(ADA)の投与を行い、潰瘍性病変の改善傾向と下部消化管出血の改善を認めた。腸管型ベーチェット病に対するADAの有効性は報告されているが、骨髄異形成症候群に合併したベーチェット病に対するADAの投与報告はない。最終的には感染症で死亡したが、治療反応性を認めており、選択肢の一つとして検討可能と考えられた。(著者抄録)
著者
吉田 克志 武田 善行
出版者
農業技術研究機構野菜茶業研究所
雑誌
野菜茶業研究所研究報告 (ISSN:13466984)
巻号頁・発行日
no.3, pp.137-146, 2004-03

チャの重要病害である炭疽病の抵抗性検定法を確立するため,付傷接種による抵抗性検定法を検討した。ジャガイモ蔗糖液体培地にメチルセルロース400cPを最終濃度3%(w/v)になるように混合し,これに炭疽病菌分生子を加え,最終濃度が1×10 7個/mlになるように調整した分生子懸濁液を検定に供試した。チャ炭疽病菌分生子懸濁液を付着させた,3mm幅のマイナスドライバーを用いて,充分に硬化したチャ成葉を十字型に付傷すると同時に接種を行った。その後,湿室・暗黒下で26℃,18時間静置した後,オアシス(R)育苗成型培地に接種葉を挿し,湿室条件下で2週間培養すると,その品種の炭疽病拡大抵抗性の強さを反映した,炭疽病の病斑形成が認められた。炭疽病抵抗性の強さを病斑の大きさにより,極強(3mm未満),強(3-5mm未満),中(5-8mm未満)および弱(8mm以上)の4段階に類別した。また,成葉の供試時期の違いにかかわらず再現性の高い結果が得られた。本検定法はチャの拡大抵抗性を調査するもので,圃場抵抗性を直接反映するものではないが,圃場における炭疽病自然発生の程度と本検定法の結果は類似性が高いこと,幼木から採取した成葉も検定法に供試できることから,本検定法はチャ育種における炭疽病抵抗性系統の早期選抜に利用可能であると考えられる。
著者
木暮 槇太 中島 誠 高橋 幸吉 稲神 馨 須藤 芳三 待田 行雄 林 禎二郎 平尾 常男 五十嵐 三郎 仲野 良男 竹林 克明 吉田 徳太郎 宮内 潔 江口 正治 林 幸之 佐々木 周郁 渡辺 忠雄 近藤 義和 渋谷 勲 須貝 悦治 田中 茂光 小山 長雄 田中 一行 竹田 寛 竹鼻 孝夫 室賀 明義 蒲生 俊興 高橋 保雄 西村 浩 長谷川 金作 森 幸之 永友 雄 梅谷 与七郎 中村 晃三 松本 介 宮沢 正明 加藤 康雄 土橋 俊人 高木 直温 柳沼 泰衛 小野 四郎 村山 隆之 近森 俊哉 辻 辰四郎 小川 敬之 小松 四郎 大岡 忠三 妹尾 計一 森本 宏 梶浦 みち子 萩原 清治 瓶子 まち子 中条 紀三 高木 春郎 飯島 荘資 横内 和多良 清水 滋 堀内 彬明 堀内 ちよし 原田 忠次 木村 敬助 青木 秀夫 後藤 四男 小林 恵之助 皆川 基 皆川 豊作 岡村 源一 小河原 貞二 村山 穰助
出版者
社団法人 日本蚕糸学会
雑誌
日本蚕糸学雑誌 (ISSN:00372455)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.244-255, 1956-06-28 (Released:2010-11-29)

蚕卵発育中に於けるPhasphataseの組織化学的所見2雄核の接合に関する細胞学的観察カイコガのモザイク複眼の構造とできかた家蚕蛹の頭部が産卵に及ぼす影響家蚕の血組織に関する生理学的研究 (II) 蛹の発育に伴う囲心細胞及び周気管細胞中の遊離アミノ酸の消長家蚕その他数種絹糸虫における誘引物質の共通性と類縁関係に関する研究蚕種の冷蔵障害と水銀塩による沈澱物前胸腺移植後の結紮と絹糸腺の成長家蚕のフラビン化合物に関する研究 (V) 蛹の器官特に中腸におけるフラビン化合物について (予報)家蚕の計量的形質と脳-食道下神経節連合体の機能追加7.白殫病菌の蚕卵への接種試験繭・繊維の部熱風乾燥に関する研究 (II)繭解じよの向上についての研究 (IV) 病蚕成立繭特に硬化病, 軟化病, 膿繭蚕繭の性状繭及び生糸の繊度変異に関する研究 (9) 定粒生糸と定繊度生糸の性能比較について生糸の摩擦係数に関する研究 (7) 精練度と摩擦係数について糸条斑と繰糸管理について生糸の練減率測定に関する2, 3の知見絹の膨潤現象から見た中心層発現の-所見チオ尿素樹脂の還元性について繭層セリシン溶液の粘度吐糸営繭に伴なう繭形の変化 (続)営繭条件と分離細繊維との関係フイブロインの糸条形成について (VIII) フイブロインの溶液中における分散状態について絹糸構造の研究 (I)酵素製糸の研究 (II)酵素精練の研究 (II)追加8. 落緒に関する研究 (II) 落緒形態の出現率とその分布
著者
齋藤 長行 吉田 智彦
出版者
総務省情報通信政策研究所
雑誌
情報通信政策レビュー (ISSN:24356921)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.E101-E125, 2013 (Released:2020-09-05)

今日、青少年において携帯通信デバイスの利用が普及しており、それに伴い青少年に対して有害な情報との遭遇の問題、不適切利用・取引の問題、セキュリティや個人情報流出の問題など様々な問題が生じている。特に、近年においては青少年層に対するスマートフォンの普及が急速に進んでおり、青少年におけるスマートフォンの利用環境整備に着手することが急務となっている。本稿では、全国23校の国公私立高等学校等の協力を得て、1,428人のスマートフォンを所有する高校1年生等を対象としたアンケート調査結果を分析し、青少年のスマートフォンの利用環境整備の政策的課題について言及する。分析の視点としては、3GとWi-Fiの利用環境、スマートフォンのフィルタリング、アプリケーション、個人情報漏洩などの問題について言及し、特に業界による自主規制およびそれを支える共同規制に関する政策的な課題について議論を展開する。
著者
嶋田 宏 金森 誠 吉田 秀嗣 今井 一郎
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.82, no.6, pp.934-938, 2016 (Released:2016-11-22)
参考文献数
20
被引用文献数
6 23

2015年10月中旬から11月下旬に,北海道函館湾において,魚介類に斃死をもたらす渦鞭毛藻Karenia mikimotoiによる有害赤潮が北日本で初めて発生した。赤潮の発生期間中に斃死した魚介類は,サケOncorhynchus keta,スルメイカTodarodes pacificusおよびエゾアワビHaliotis discus hannaiの3種に及んだ。K. mikimotoi赤潮(3,200-11,500 cells/mL)の発生時における水温および塩分は,それぞれ9.9-15.7℃および31.8-32.2の範囲にあった。K. mikimotoiが北日本へ分布を拡大した原因としては,対馬暖流/津軽暖流による自然な来遊,あるいは船舶バラスト水による人為的輸送が想定される。
著者
加藤 裕美佳 藤井 晴代 吉田 徹 佐尾 浩 長尾 和義 二村 良博
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
人間ドック (Ningen Dock) (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.527-532, 2008-09-30 (Released:2012-08-20)
参考文献数
11
被引用文献数
2

目的:ストレスを感じている受診者の生活習慣,ドック検査結果の傾向およびそれらの3年間の推移を分析し,ストレスの健康に及ぼす影響を検討した.方法:2004年1月から2006年12月までに一日人間ドックを受診した3,244名(男性2,242名,女性1,002名)において,「ストレスがたまっていると感じることがありますか?」の問いの回答により,A群:いいえ,B群:少しある,C群:かなりある・常にある,の3群に分けて検討した.結果:C群は,約15%で,A群,B群と比較し,平均年齢は低く,若い会社員,若い主婦が多い.生活習慣は,趣味は少なく,笑いが少なく,運動しない傾向にあり,さらに睡眠障害の訴えが強く,多彩な身体症状を自覚している。検査結果に異常を認めない割合は高いが,3年間の経過で,約70%に新たな異常所見を認めた.異常所見のうち,早期に出現し,一番頻度が高かったのは,脂質異常であった.慢性的なストレスと睡眠障害を訴えるC群の14.6%が不眠症を含む精神疾患の治療を受けていた.結論:若い世代では,ドックの検査結果上,特に異常を認めないことが多いが,ストレスを感じ,睡眠障害の訴えがある場合は,経過とともに異常所見が出現し,身体的,精神的疾患を生じてくる可能性が高い.睡眠障害の訴えは特に重視し,健診が,心療内科,精神神経科などへの早期受診,指導,治療へとつながってゆく架け橋となる必要がある.
著者
吉冨 泉 川崎 五郎 柳本 惣市 吉田 一 水野 明夫 藤田 修一
出版者
Japanese Society of Oral and Maxillofacial Surgeons
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.244-247, 2005-05-20
被引用文献数
2 1

Primary carcinoma arising in the dorsum of the tongue is very rare and may be erroneously diagnosed as a benign lesion.<BR>We present a case of squamous cell carcinoma of the dorsum of the tongue in a 49-year-old man. Intraoral examination revealed a tumor measuring 41×30×7 mm in the midline of the dorsum of the tongue. A biopsy was performed, and the diagnosis was squamous cell carcinoma. After preoperative chemotherapy, total resection of the tumor was performed. During about 1 year of follow-up, there has been no sign of recurrence or metastasis.
著者
河野 豊 吉田 純一 浅香 正博 原田 文也 舞田 建夫 川上 智史 江口 有一郎
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.61, no.10, pp.527-530, 2020-10-01 (Released:2020-10-08)
参考文献数
4
被引用文献数
1

We investigated the positive detection rates for hepatitis B surface antigens (HBsAg) and hepatitis C (HCV) antibodies as well as the elevation of AST and ALT in patients who were to undergo oral surgery. Our results revealed positive rates of 1.1% and 1.5% for HBsAgs and HCV antibodies, respectively. Patients older than 40 years had a higher proportion of positive HBsAg or HCV antibody results than did patients younger than 40 years. The rate of AST and ALT elevation was 7.3%. There were some missing data on viral infection in patient referral documents or interview sheets, suggesting a perception gap existed with respect to the seriousness of viral hepatitis among dental doctors and patients. These findings suggest that designating a hepatitis medical care coordinator might help not only in understanding patients' infection status but also in collaborating with hepatologists in the field of oral surgery.
著者
荒井 輝博 山田 隆史 吉田 一昭
出版者
岐阜県農業技術センター
巻号頁・発行日
no.11, pp.1-6, 2011 (Released:2015-04-17)

水稲品種「ハツシモ」に戻し交雑により縞葉枯病抵抗性遺伝子を導入し縞葉枯病抵抗性同質遺伝子系統「ハツシモ岐阜SL」を育成した。縞葉枯病抵抗性を有する「岐系164号」を一回親、「ハツシモ」を反復親とし、5回の戻し交雑を行った。「ハツシモ岐阜SL」の品種特性は「ハツシモ」と比較して、出穂、成熟期はほぼ同等、稈長は2~3cm短く、穂長は同等、穂数および収量は多くなった。千粒重は約1g小さくなった。また、「Modan」由来の縞葉枯病抵抗性遺伝子Stvb-iを有するため、縞葉枯病の発病は認められなかった。栽培特性を把握するために、緩効性肥料を用いた栽培試験を行ったところ、基肥: 被覆尿素肥料30日タイプ(N4kg/10a)+穂肥: 緩効性肥料(N4kg/10a)区で最も多収であり、千粒重も確保できることが分かった。
著者
吉田 竜介
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では、①様々な苦味物質に対する応答プロファイルによりマウス苦味受容細胞が幾つかのタイプに分類されること、②茸状、有郭乳頭間でこれら苦味細胞の応答プロファイルに差がないこと、③これら細胞での苦味受容にはgustducin-PLCβ2-TRPM5を介する伝達経路が重要であること、④ヒト苦味受容体阻害剤がマウスの苦味応答には影響を与えないこと、⑤CCKが苦味受容細胞から味神経線維への情報伝達に関与する可能性を示した。これらにより、味細胞における苦味受容機構について明らかとし、末梢における苦味情報の伝達及びコーディングについての知見を得た。
著者
水野 正明 吉田 純
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.10, pp.700-704, 2006-10-20

バイオテクノロジー,ナノテクノロジーやコンピュータテクノロジーは,遺伝子治療をはじめとする新しい先端医療を生み出してきた.われわれはその時代の中で,2000年に純国産技術で作り上げた最初の遺伝子治療を悪性クリオーマを対象に行い,その安全性および有効性を確認した.その成果は,名古屋大学医学部附属病院内に設置された先端医療開発施設,遺伝子・再生医療センターに引き継がれた.同センターでは,2006年,そこで作られる先端医療マテリアルの品質を保証するため,ISO9001(2000)および13485(2003)を取得した.この取得は,大学関連施設ではわが国初である.この施設での活動を通して,患者に役立つ新しい先端医療開発を進めていくことになっている.本稿では,われわれが行っている悪性クリオーマに対する遺伝子治療と,それに関連したわれわれの活動を紹介し,これからの先端医療のあり方について展望した.
著者
古田 世子 吉田 美紀 岡本 高弘 若林 徹哉 一瀬 諭 青木 茂 河野 哲郎 宮島 利宏
出版者
日本陸水学会
雑誌
陸水学雑誌 (ISSN:00215104)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.433-441, 2007 (Released:2008-12-31)
参考文献数
27
被引用文献数
4 6

琵琶湖(北湖)の今津沖中央地点水深90 mの湖水検体から,通常Metallogeniumと呼ばれる微生物由来の特徴的な茶褐色のマンガン酸化物微粒子が2002年11月に初めて観測された。しかし,Metallogeniumの系統学的位置や生化学については未解明な部分が多く,また特に継続的な培養例についての報告はきわめて少ない。今回,Metallogeniumが発生した琵琶湖水を用いてMetallogeniumの培養を試みたところ,実験室内の条件下でMetallogenium様粒子を継続的に産生する培養系の確立に成功した。Metallogeniumを産生する培養系には,真菌が存在する場合と真菌が存在せず細菌のみの場合とがあった。実際の湖水中には真菌の現存量は非常に少ないため,細菌のみによるMetallogeniumの産生が湖水中での二価マンガンイオン(Mn2+)の酸化的沈殿に主要な役割を担っていると考えられる。真菌が存在する培養系では約2週間程度の培養によりMetallogeniumが産生された。しかし,細菌のみの培養系においては,Metallogeniumの産生に4週間から6週間を要した。本論文では特に細菌のみの培養系におけるMetallogeniumの発育過程での形態の変化を光学顕微鏡および走査電子顕微鏡を用いて継続観察した結果について報告する。