著者
小野寺 淳 渡辺 英夫 吉田 敏弘 岩鼻 通明
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

1.出羽国絵図・陸奥国絵図の所在調査と写真撮影東北地方の所蔵機関のみならず,現存の可能性がある機関でも調査を行い,出羽国絵図160点,陸奥国絵図164点の所在を確認した。このうち今年度は弘前市立図書館所蔵の津軽領国絵図の撮影を実施したほか,東北歴史博物館,宮城県図書館,国立公文書館所蔵の国絵図の写真版なども収集した。2.現存国絵図の年代推定とデータベースの作成国絵図の原本調査を行い,環境・景観復原を行うために不可欠な絵図の作成年代を推定し,出羽・陸奥国絵図の所在データベースを作成した。さらに,本研究の目的には含めていなかったが,撮影した国絵図の画像データベースの作成も進め,一部完成している。3.環境・景観変化の復原作業画像処理によって正保・元禄国絵図の図形の歪みを修正し,さらに現況の図形に変形した上で,東北地方の平野部について,明治後期測量の旧5万分の1地形図をベースにした正保または元禄期の環境・景観の復原作業を実施した。その一部を報告書に掲載したが,いずれ何らかの方法で公開していきたい。
著者
吉田 敏弘 石井 英也 松村 祝男 吉田 敏弘 林 和生 小野寺 淳 小倉 眞 松村 祝男 小倉 眞 古田 悦造 林 和生 野間 晴雄 小野寺 淳 松尾 容孝 原田 洋一郎
出版者
国学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

文化財保護法や景観法に基づく文化的景観の保全事業実施にあたり、保全対象となる文化的景観の選定にあたっては、文化的景観のAuthenticityを学術的・客観的に評価する必要がある。本研究では、「一関本寺の農村景観」と「遊子水荷浦の段畑」を主たる事例として、景観の価値評価を試行し、次のような5つのステップから成る基礎調査が有効であると判断した。(1)明治初期地籍図などに記録された伝統的景観の特質の解明、(2)伝統的景観(地籍図)と現景観との精密な比較、(3)近代以降の景観変化の過程とメカニズムの解明(土地利用パターンや作物、地割など)、(4)伝統的な景観要素残存の背景を地域の社会・経済・文化的側面から考察、(5)現景観の活用可能性の考察と保全の方向性の提示。なお、上記の作業をヴィジュアルに活用するため、GISの導入と時系列統合マップの構築が有効であることも確認した
著者
吉松 弘喜 海江田 康光 吉田 健治 神保 幸太郎 田中 憲治 坂井 健介 後藤 琢也 瀧 健治 山下 寿 佐藤 公昭 永田 見生
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.667-670, 2011-09-25 (Released:2011-12-09)
参考文献数
10

16例のMRSA化膿性脊椎炎について調査を行った.MRSA化膿性脊椎炎の特徴はcompromised hostが多い,先行感染を有する割合が高い,膿瘍合併が多い,麻痺を生じやすい,死亡率が高いとされている.今回の調査では診断時に31%の症例が重症敗血症を合併しており,それらの症例は外科的治療困難で死亡に至っていた.一方,診断時に重症敗血症合併のない症例では再発率,麻痺発生率は高いものの,死亡に至った症例はなかった.従来の報告通り,診断時に重症敗血症を合併している症例では治療に限界があったが,重症敗血症合併のない症例では比較的良好な成績であり,全身麻酔困難例での経皮的病巣掻爬ドレナージの有効な症例を認めた.保存的治療に抵抗性があれば,全身状態をみて早期に低侵襲治療を検討すべきと考えられた.
著者
野村 知子 天野(吉田) 恭子 中島 幸範 高妻 和哉 須摩 茜 樋口 和彦 杉山 義宣 西村 直記
出版者
日本生気象学会
雑誌
日本生気象学会雑誌 (ISSN:03891313)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.89-99, 2019-10-01 (Released:2019-10-24)
参考文献数
39

クロロゲン酸はコーヒー豆に多く含まれ,血管機能改善作用を有することが知られている.本研究では,クロロゲン酸飲料の単回摂取が冷水負荷後の末梢部皮膚温および皮膚血流に及ぼす効果について検討した.健常女性24名を被験者とし,クロロゲン酸飲料(クロロゲン酸270mg含有)あるいはプラセボ飲料を用いたランダム化プラセボ対照二重盲検クロスオーバー試験を実施した.試験飲料摂取50分後に水温15℃の水浴に1分間両手を手関節部まで浸漬する冷水負荷試験を実施した際の指先の皮膚温と皮膚血流の変化を観察した.試験完遂者は21名であった.クロロゲン酸飲料摂取時の冷水負荷後の皮膚温の回復はプラセボ飲料摂取時と比較して有意に高く,同様に皮膚血流の回復もクロロゲン酸飲料摂取時に有意に高かった.以上の結果より,クロロゲン酸飲料摂取は冷水負荷により低下した皮膚温および皮膚血流の回復を早める効果があることが示唆された.
著者
亀卦川 学 長谷川 英明 吉田 真人 廣岡 敏彦 中沢 正隆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OFT, 光ファイバ応用技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.257, pp.51-56, 2003-08-14
参考文献数
13

我々はこれまでに従来の光ファイバをフォトニック結晶ファイバ(PCF)に接続する場合にはクラッド部の屈折率の差から大きなフレネル反射が生じることを報告した。これは従来のファイバ接続にはない巨大フレネル反射であり、フォトニック結晶ファイバを光部品や伝送路に用いる場合にはその反射が問題となる。本論文ではPCFと従来ファイバの接続特性をさらに詳細に測定し、その接続点におけるフレネル反射光強度をレイリ散乱のレベルまで抑制する接続条件を明らかにした。また、ファイバ接続点付近におけるPCFの断面構造をSEMで観測し、フレネル反射の低減とPCFのクラッド部における空孔形状の関係を議論した。
著者
木村 康郎 吉田 英二 中沢 正隆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会秋季大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1994, no.1, 1994-09-26

エルビウム添加光ファイバ増幅器(EDFA)を集中定数型増幅器として用いて40Gbit/s-1000kmの高速光ソリトン通信が報告されている。しかし、さらに数百Gbit/s以上の超高速ソリトン通信を実現するためには、パルス幅1psec以下のパルスを用いるので、集中定数型EDFAを用いた増幅は難しくなり、分布定数型EDFAを用いて光ソリトンパルスのピークパワーの変動が少ないアクティブ線路の構成が必要となる。本報告では、分布定数型EDFAを用いた48kmのアクティブ線路の高入力状態での利得特性と雑音特性について報告する。
著者
小野 敦 吉田 真人 中沢 正隆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OFT, 光ファイバ応用技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.262, pp.25-30, 2004-08-20
参考文献数
13

高調波再生モード同期エルビウムファイバレーザはGHz帯で数ピコ秒のトランスフォームリミットなパルスを容易に発生できるため、超高速光通信用光源として注目されている。またこのようなファイバレーザは共振器長が長くレーザ共振器のQ値が高いため、その発振線幅が1kHz以下と狭線幅であり、縦モード間のビート信号を用いた高純度な光マイクロ波発振器としての応用も期待できる。今回我々は共振器長の大幅な可変を目指して、レーザの利得媒質として従来のエルビウム添加ファイバ(EDF)の代わりに半導体光増幅器(Semiconductor Optical Amplifier:SOA)を用いた10GHzモード同期SOAファイバレーザを作製し、その発振に成功した。またその発振線幅について詳細に測定したので報告する。
著者
吉田 克已 上住 南八男
出版者
社団法人 大阪生活衛生協会
雑誌
生活衛生 (ISSN:05824176)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.130-136, 1961-08-30 (Released:2010-10-28)
参考文献数
11
被引用文献数
1
著者
松田 忠義 吉田 翼 有岡 孝則 高塚 貞雄 二川 佳央 菊地 眞
出版者
Japanese Society for Thermal Medicine
雑誌
日本ハイパーサーミア学会誌 (ISSN:09112529)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.317-329, 1988-12-01 (Released:2009-10-21)
参考文献数
21
被引用文献数
5 5

Heating experiments on phantoms and miniature pigs were made by using two lens applicators and a waveguide applicator fed by the 430MHz microwave heating system (HTS-100, producted by Tokyo Keiki Co., Ltd.). Temperature distributions of agar phantoms and miniature pigs were measured at regular intervals during heating. As the results of these experiments, the followings are obtained.1. The results of effective heating depth varying with a focal length confirm lens effect.2. Using a four-aperture lens applicator and miniature pigs, the heating depth of 6cm and it almost doubles that of the ordinary waveguide applicators. The heating area is 12cm x 6cm at 4cm depth.3. Dielectric properties of miniature pig buttocks are nearly equal to these of the agar phantom containing 0.35% NaCl and 0.05% NaN3.
著者
吉田 智一 高橋 英博 寺元 郁博
出版者
農業情報学会
雑誌
農業情報研究 (ISSN:09169482)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.187-198, 2009 (Released:2009-12-26)
参考文献数
23
被引用文献数
8 4

多数の圃場を管理する地域農業の担い手が直面している栽培管理事務作業を効率化し負担を軽減する目的で,GIS互換の圃場地図を使用した作業計画管理ソフトを開発している.このソフトは作物生産に関係する圃場や作付から一連の栽培作業,収穫後の調製・出荷に至るまでの様々な生産過程で発生する情報をデータベース化して管理することを基本とし,そのユーザインタフェイスにGIS互換の圃場地図を使用して直感的に分かりやすい視覚的なデータ入力および表示を実現しているところに一つの特長がある.同様の機能は市販のGISソフトを用いても構築可能であるが,本ソフトではデータベースエンジンやマップ表示にランタイムライセンスフリーのコンポーネントを使用し,その上に圃場管理や農作業管理に必要なユーザインタフェイスを実装していることから,無償配布可能となっていることにもう一つの特長がある.本ソフトはWeb公開による利用者からのフィードバックに基づき機能を改良・拡充しながら,現場農業者への普及を進めている.
著者
比嘉 詠美 桃原 由二 池宮城 梢 吉田 朝秀 屋良 朝雄
出版者
一般社団法人 日本周産期・新生児医学会
雑誌
日本周産期・新生児医学会雑誌 (ISSN:1348964X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.305-308, 2020

<p> 母児間輸血症候群(FMT)は母体血液循環に胎児の血液が流入する現象である.症例は29週1日にFMTによると思われる胎児機能不全のため緊急帝王切開で出生した児である.出生時Hb 2.0g/dLと重度の貧血を認めたが,部分交換輸血により全身状態は安定した.その後動脈管開存症の治療や経腸栄養の開始などを経て,日齢6に胃破裂を発症した.新生児胃破裂のリスクとして重度の貧血が挙げられた報告はこれまでになく,FMTによる重度の貧血が他の因子とともに複合的に胃破裂発症に関与した可能性があり,考察とともに報告する.</p>
著者
藤井 克人 高橋 貞雄 吉田 博 鈴木 義彦
出版者
一般社団法人 照明学会
雑誌
照明学会雑誌 (ISSN:00192341)
巻号頁・発行日
vol.49, no.9, pp.510-518, 1965

When observing an object through fog, its visibility is reduced by the scattering of the light emitted or reflected from the object. Our efforts have been rendered towards observing the physical characteristics when we view a light source or object through fog.<BR>In this paper, the practical comparison of some light sources such as a fluorescent lamp, a sodium lamp or a mercury lamp about visual conditions is made at night in fog on an experimental basis. The effects of color improved mercury lantern and sodium lantern, which are used practically in highway lighting are compared in fog, and visual ranges of colored objects on the road surface lighted by them are also measured.<BR>The most important result of the experiment is that the visual difference depending on various kinds of light sources can't be noticed so much as the large decrease of visibility by the fog itself.
著者
吉田 豊 永田 義毅 広田 幸次郎 柴田 恵三 石瀬 淳 北 義人 金兼 弘和
出版者
The Japanese Society of Intensive Care Medicine
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.375-380, 1997-10-01 (Released:2009-03-27)
参考文献数
8

多臓器不全を合併したインフルエンザA(H3N2)感染の一例を経験した。既往歴に心電図異常を指摘されていた16歳女性が,数日間の感冒様症状の後,呼吸困難となり入院した。呼吸不全に加え,横紋筋融解症,心不全,腎不全を認め,インフルエンザ感染による合併症と診断された。直ちに人工呼吸管理,血液浄化法,カテコラミン投与を開始した。持続的血液濾過法は,水分,電解質バランスの維持およびミオグロビンの除去に効果的であったと考えられる。インフルエンザ感染による致死的合併症は高齢者で稀にみられるが,若年者においても慢性心疾患のある症例では,これを十分考慮し,速やかに対処することが重要である。
著者
升田 吉雄 吉田 明夫 林 文明 佐々木 健 本田 良行
出版者
THE PHYSIOLOGICAL SOCIETY OF JAPAN
雑誌
The Japanese Journal of Physiology (ISSN:0021521X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.327-336, 1982 (Released:2011-06-07)
参考文献数
25
被引用文献数
14 19

The steady-state ventilatory responses to hypercapnia and hypoxia in 7 assisted breath-hold divers (Funado) were compared with those in 7 normal sedentary controls.Ventilatory response to hypercapnia was measured from the slope of the hyperoxic VN-PETCO2 line, where VN was normalized minute ventilation using the allometric coefficient and PETCO2 end-tidal PCO2. The slope of this line in the Funado (1.48±0.54 liters·min-1·Torr-1) was significantly less than in the control (2.70±1.08 liters·min-1·Torr-1)(p<0.025). On the other hand, hypoxic sensitivity estimated by hyperbolic and exponential mathematical equations was not found to be significantly different between the two groups, although estimated increments in ventilation using the hyperbolic equation exhibited significantly lower response in the Funado than in the control only when PETO2 decreased lower than 50 Torr (p<0.05).These findings in the Funado were different from our previous observations obtained in unassisted breath-hold divers (Kachido), in whom no obvious attenuations in CO2sensitivity were seen. This difference was assumed to be derived from more hypercapnic and hypoxic conditions produced in the Funado than in the Kachido during diving activities.
著者
升田 吉雄 吉田 明夫 林 文明 佐々木 健 本田 良行
出版者
THE PHYSIOLOGICAL SOCIETY OF JAPAN
雑誌
The Japanese Journal of Physiology (ISSN:0021521X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.187-197, 1981 (Released:2011-06-07)
参考文献数
21
被引用文献数
22 26

The ventilatory responses to hypoxia and hypercapnia of 5 Amas (Kachido) were compared with those of 5 controls of similar ages, physical characteristics and lung volumes. The responses to hypoxia and hypercapnia were analyzed by the equations originally proposed [a] by Lloyd et al. and [b] by Kronenberg et al. as follows:[a] VN=(PCO2-B')·D·(1+A/PO2-C) +VB'.[b] VN=(PCO2-B')·D·(1+R0·exp (-k·PO2)) +VB'.The CO2-response slope in hyperoxia, D, of the Ama (1.820±0.441 liters·min-1·Torr-1) was slightly higher than that of the control (1.148±0.586 liters·min-1·Torr-1), but the difference was not significant. However, the slope of CO2-response in hypoxia at PETO2=44 Torr, S44, was almost the same in the two groups (Ama, 1.822±0.689 liters·min-1·Torr-1; control, 1.742±0.902 liters·min-1·Torr-1). The ratio of S44 to D was significantly lower (p<0.05) in the Ama (1.039±0.377) than in the control (1.529±0.249). Comparing the hypoxic response in terms of the ventilation ratio (VR), the elevation of ventilation with augmentation of hypoxia in the Ama was exceeded by that in the control.Thus, it was suggested that the difference in the ventilatory response to hypoxia between the Ama (Kachido) and the control may have been derived from the respiratory adaptation of the Ama (Kachido) acquired by their daily diving activities.
著者
本田 良行 林 文明 吉田 明夫 升田 吉雄 佐々木 健
出版者
THE PHYSIOLOGICAL SOCIETY OF JAPAN
雑誌
The Japanese Journal of Physiology (ISSN:0021521X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.181-186, 1981 (Released:2011-06-07)
参考文献数
15
被引用文献数
3 5

Relative contributions of chemical and non-chemical respiratory stimulations to breath-holding time (BHT) were examined in assisted (Funado) and unassisted (Kachido) breath-hold divers (Ama). In the Funado the magnitude of the chemical contribution was reduced, though statistically not significant. On the other hand, in the Kachido no difference in chemical contribution was seen from the control. This was considered to be due to the fact that ventilatory response to CO2 was reduced in the Funado, but not in the Kachido. Despite the decreased contribution of CO2 drive to BHT, absolute BHT in the Funado was not prolonged. This may be related to sensitization of the respiratory centers to non-chemical stimulation. Such adaptation would be effective for preventing the danger of losing consciousness in the Funado who face extreme hypoxia on returning to the surface from a dive.