1 0 0 0 歴史と人物

著者
坂本太郎著
出版者
吉川弘文館
巻号頁・発行日
1989
著者
坂本 成司
出版者
鳥取大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

【背景と目的】集中治療患者では安静による筋力低下が大きい。なかでも特に下肢の筋力や運動を維持することは下肢の血流を保つのにも重要で、下肢静脈血栓症の予防にもつながる。しかしながら、集中治療患者では鎮静剤により自発的に筋肉を動かすことができない。これに対してEMS(電気的筋肉刺激)を用いることにより、自発運動の低下した患者でも筋肉を動かし、下肢の血流を保つことができるか調べる。【方法】健常成人男性9名を対象に右大腿静脈血流速度を超音波ドップラー法で測定し、安静時の最大血流速度に対して(1)自発的に下腿筋肉を収縮させた時、(2)下肢静脈血栓予防のための間欠的空気圧迫装置使用時、(3)EMS(電気的筋肉刺激)を下腿筋肉に使用時、それぞれの最大血流速度増加を比較した。【結果】右大腿静脈の最大血流速度は安静時に比べ、(1)下腿の等尺収縮時は2.7倍、足の底屈時は2.9倍、(2)間欠的空気圧迫時は2.3倍の有意な増加があった。(3)EMS(電気的筋肉刺激)では1.3倍となったが、有意な増加とは言えなかった。【考察】下腿に対するEMS(電気的筋肉刺激)による右大腿静脈の最大血流速度増加は当初想定していたほどの効果は見られなかった。自発的な下腿筋肉の収縮や間欠的空気圧迫装置による血流増加は瞬間的に起こるのに対して、実験に用いたEMS(電気的筋肉刺激)は時間が長く持続的な刺激であるため、瞬間的な血流増加が起きなかったものと考えられる。被験者の感覚としても自発的な収縮とEMS(電気的筋肉刺激)による刺激では筋肉の収縮パターンが違うとのことであった。また、今回の刺激ではEMS(電気的筋肉刺激)による筋肉の動きが小さい割に、被検者の痛みや不快が大きかった。今後はEMS(電気的筋肉刺激)パターンを工夫することにより、自発的な筋肉収縮と近い刺激を調べる必要がある。
著者
坂本 亮太 廣田 峻
出版者
日本植物分類学会
雑誌
分類 (ISSN:13466852)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.137-145, 2015-10-14 (Released:2017-03-25)

本研究は,19世紀後半に日本国内に帰化したと考えられている,コマツヨイグサOenothera laciniataの繁殖生態を明らかにする.福岡,岐阜の2地点における7種類の袋がけ処理の結果,処理区間のいかなる組み合わせでも,果実あたりの種子生産数に有意な差異は検出されず,コマツヨイグサは開花前の自動同花受粉によって,外交配花粉に頼らずとも種子を生産できることが明らかとなった.これらの結果は,原産地である北米での研究報告と矛盾せず,日本国内においても,開花前の自動同花受粉と同時に,Permanent Translocation Heterozygotes(PTH)と呼ばれる繁殖様式を維持していることが強く示唆された.PTHは受粉を必要とするものの,クローン種子を同花花粉で作るため,繁殖相手が少ない帰化先において分布を拡大できた大きな要因であると考えられた.コマツヨイグサは現在までに,環境省の要注意外来生物種に指定され,日本各地で定着防除策がとられている.PTHのような侵入に適した形質の認識不足は,防除対策の課題となり得るため,今後の更なる周知および新たな調査が必要である.
著者
坂本 信太郎
出版者
早稲田商学同攻会
雑誌
早稲田商学=The Waseda commercial review (ISSN:03873404)
巻号頁・発行日
vol.302号, pp.165-201, 1983-12 (Released:2016-11-23)
著者
坂本 卓也
出版者
佛教大学大学院
雑誌
佛教大学大学院紀要. 文学研究科篇 (ISSN:18833985)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.55-71, 2018-03-01

幕末期以降日本に導入された蒸気船について、その心臓部である蒸気機関の運転と修理・建造技術の国内化過程の検討を行った。分析の時期は幕末から明治期とし、国内における技術導入の牽引役となった幕府海軍と日本海軍を主な分析対象とした。幕末期の運転技術について、長崎海軍伝習所や軍艦操練所などで技術伝習が行われるが、実地訓練の不足などにより、その技術には大きな不安を抱えたままであった。また修理・建造技術についても、長崎と横浜の両製鉄所において外国人の技術伝習が行われるが、彼らの指導下から脱することはできなかった。明治期以降には、イギリス海軍機関士の体系的な教育や遠洋航海により運転技術の向上が見られ、明治二〇年(一八八七)には国内化を達成している。修理・建造技術についても横須賀造船所におけるフランス人技術者による指導や、留学生の派遣による技術向上により、明治四〇年頃までには国内化を達成している。幕末明治蒸気船蒸気機関運用
著者
葉原 芳昭 坂本 健太郎
出版者
北海道大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011-04-28

モモイロペリカンとハイイロペリカンの胸部、キングペンギンとコウテイペンギンの耳部と頚部・上胸部に他の部位と比較して紫外線を吸収する紫外線低反射羽毛領域が種を超えて存在することが紫外線カメラ撮影と分光測光で明らかとなった。この領域はロペリカン両種では黄色の、ペンギン両種では橙色の羽毛領域とほぼ一致していた。モモイロペリカンでは、この紫外線低反射領域は、成長に伴って現れることが推定された。この「紫外線模様」は性成熟もしくは繁殖可能性を示すサインとして機能している可能性があるが、雌雄判別への関与は少なくともこの4種の鳥類ではないと結論された。一方、カラスでは判別に関わっている可能性がある。
著者
小林 照忠 西村 洋治 網倉 克己 坂本 裕彦 田中 洋一
出版者
The Japan Society of Coloproctology
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.59, no.8, pp.448-451, 2006 (Released:2009-06-05)
参考文献数
21

症例は76歳,男性.検診で便潜血陽性のために前医を受診し,肛門管の扁平上皮癌と診断されて,当院へ紹介された.肛門管内にIIa+IIc型病変を認めたが,腫瘍径13mmであり,壁深達度も粘膜下層までと診断し,経肛門的局所切除術を施行した.病理組織所見では癌の広がりは上皮内に止まっており,免疫組織化学的検査で腫瘍部に肛門管癌発生との関連性が報告されているヒトパピローマウイルス(以下,HPV)感染が証明された.
著者
寺内 美紀子 町田 敦 坂本 一成 奥山 信一 小川 次郎
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.67, no.554, pp.159-166, 2002-04-30 (Released:2017-02-04)
参考文献数
24
被引用文献数
2 3

The aim of this study is to clarify the spatial composition of exterior void space in contemporary architecture forming a street wall. That composition is formed by relationship between arrangement of exterior void space and connection with spaces without site and inside of building. Arrangement is integration of void's position on outside volumes and division of outside volumes. Connection has two ways that accessibility or openness to the eye. Comparing the patterns of composition, they are classified into three groups; passage, end, extension of inside space. An alternative composition is found according to opposite of these groups.
著者
田中 惠子 坂本 裕子
出版者
京都文教短期大学
雑誌
京都文教短期大学研究紀要 (ISSN:03895467)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.73-82, 2018-03-01

京都府南部の幼児を持つ母親を対象に食の安全に関わる調査を実施した。幼児の食のリスクを適切に認識していない者、リスクを低減するための知識や習慣が身についていない者が一定の割合存在した。食品添加物のリスクを知覚する者の特徴から、リスクの低い問題に対しリスクを知覚することが、実質的にリスクの高い問題への意識を低める可能性が示唆された。母親を対象として、リスクリテラシーを身に付けることを含めた食の安全教育の必要性が示された。
著者
平田 大二 山下 浩之 坂本 泉 小田原 啓 滝野 義幸 鬼頭 毅 藤巻 三樹雄 萬年 一剛 新井田 秀一 笠間 友博 齊藤 靖二
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.119, no.5, pp.911-916, 2010-10-25 (Released:2011-01-21)
参考文献数
12

The bottom topography of lake Ashi-no-ko, in the Hakone volcano caldera, was examined using the SeaBat8101 narrow multi-beam sonar system. The purpose of micro-topographical observations of the lake bottom is to understand the tectonic relations between the historical formation-process of the caldera and the strike-slip motion in the Tanna-Hirayama active fault system. At the southeastern part of the lake, west of the Dougashima, undulations at the bottom such as swells, hollows, and stairs extending in the northwest-southeast direction, were observed. These bottom-forms show a northern extension of the Hakonemachi active fault, running along the east side of lake Ashi-no-ko. They may correspond to one of the north spray faults of the Kita-Izu active fault system, which is the source of the A.D.1930 Kita-Izu earthquake, and to motions of the western margin of the Manazuru micro-plate, in relation to caldera formation as a strike-slip basin.
著者
豊原 容子 桐村 ます美 河野 篤子 坂本 裕子 福田 小百合 湯川 夏子 米田 泰子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.27, 2015

【目的】日本調理科学会平成24~25年度特別研究「次世代に伝え継ぐ日本の家庭料理」の一環として、京都府下の昭和30年~40年代の家庭の食についての聞き取り調査を行った。この調査結果から、京都府全体に共通する家庭料理の特徴について明らかにすることを目的とした。 【方法】日本調理科学会特別研究の調査ガイドラインに基づき、北部海岸沿いの丹後地区と舞鶴地区、中部の丹波地区、京都市内、南部平野部の京田辺地区、南部山間部の宇治田原地区の6地区の64歳から84歳の計22名を対象として、平成25年12月~平成26年2月に聞き取り調査を行った。この調査内容から、京都の家庭料理の特徴について検討した。 【結果】京都の家庭料理において、「倹約(しまつ)」を旨として材料を活かし使い切る工夫がさまざまになされていた。日常は、自家製の味噌を使った味噌汁、野菜や豆の炊いたん、切り漬けやどぼ漬けなどの漬物といった、季節の野菜、採集した野生の動植物、また自家製の乾物や加工品などを主材料とした料理を組み合わせて食べていた。これらの料理には、高価な昆布や鰹節のだしは使わず、煮干しが使われた。さらに野菜の炊いたんには、じゃこや油揚げなどを取り合わせおいしく食べる工夫がなされていた。油揚げは肉の代用として使われることも多かった。一方、魚や肉などを主材料とする料理は、野菜や乾物を主材料とするものに比べ非常に少ない。この中で、全域であげられた鯖寿司や自家で絞めた鶏のすき焼きは、行事やもてなしの折に作られる特別なごちそうであった。バラ寿司も行事に欠かせない特別な料理であるが、具については地域や家庭によって違い、常備した素材を用いる質素なものもあった。
著者
作田 はるみ 片寄 眞木子 坂本 薫 田中 紀子 富永 しのぶ 中谷 梢 原 知子 本多 佐知子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.27, 2015

<br><br><br><br>【目的】兵庫県は南北を海に接して大小の島を擁し,中央部には東西に山地が横たわっている。河川の下流には肥沃な平野が開け,多彩な産物に恵まれるとともに,都市としても発展してきた。日本の縮図ともいわれる気候風土の違いが,地域ごとに伝統的な食文化を形成してきた。本研究では,各地域で昭和30・40年代に食べられていた家庭料理の中で主食となる「ごはんもの」と「もち・もち米」について,各地域の内容や背景を比較し,その特徴を明らかにすることを目的とした。<br><br>【方法】神戸,東播磨(瀬戸内海沿岸),東播磨(平野),北播磨,中播磨(平野),西播磨(山地),但馬(日本海沿岸),丹波,淡路の9地域を選定して平成25,26年に調査し,平成24~25年度『次世代に伝え継ぐ日本の家庭料理』聞き書き調査報告書(日本調理科学会)を資料とした。本研究では,家庭料理のうち,「ごはんもの」と「もち・もち米」について各地域の日常食と行事食について検討した。<br><br>【結果】日常の主食は,西播,丹波,但馬では麦飯,他地域では白米飯,神戸の朝食はパンであった。山地では山菜や野菜,沿岸部では魚介や海草といった季節の食材を使用した炊き込み飯や混ぜご飯,寿司も食べられていた。特に行事食では,秋祭りに鯖寿司が作られている地域が多かった。巻き寿司やいなり寿司は,運動会などの行事でよく作られ,具材の取り合わせに地域の特徴がみられた。もちについては,正月の雑煮として各地域で食べられていた。雑煮は,丸もちとみそ仕立ての地域が多かった。西播磨では,すまし仕立てで蛤が入り,淡路では,三が日はもちを食べず4日目に食べられていた。また,もちはあられやかきもちに加工され,ひなまつりやふだんのおやつとして食べられていた。