著者
大土 隼平 石井 陽子 中谷 桃子 大塚 和弘
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J105-D, no.9, pp.504-517, 2022-09-01

複数人対話におけるファシリテータによる対話者の状態把握を支援するため,頭部運動の機能に関する特徴量を用いた対話者の主観的印象の予測モデルを提案する.女性4名,17グループの対話を対象とし,雰囲気の良さ,楽しさ,やる気,集中度について,2分単位に自己報告された9段階のスコアを予測の対象とする.まず,対話者の頭部姿勢角及び発話の有無の時系列を入力とする畳み込みニューラルネットワークを用いて,頭部運動機能10種を検出する.次に頭部運動機能特徴として,検出された頭部運動機能から各機能の出現率や構成比等を2分単位の区間ごとに算出する.また,頭部運動の活発さを表す特徴も併せて抽出し,ランダムフォレスト回帰モデルを用いて内観スコアの予測を行う.実験の結果,全グループに対するモデルでは,印象4項目中3項目にて弱い相関(≥ 0.3)が確認でき,また,グループごとのモデルでは,約32%のグループにて中程度以上の相関(≥ 0.5)が得られるなど印象の予測可能性が示唆された.更に予測モデルの説明可能性を示すため,SHAP分析を用いて予測に寄与した対話者の行動と印象との関連性について考察する.
著者
大塚 剛史 中村 貞夫
雑誌
日本薬学会第141年会(広島)
巻号頁・発行日
2021-02-01

【目的】マスクはインフルエンザなどの病気の拡散および予防だけでなく、花粉症対策や大気汚染対策に用いられているが、コロナウィルス対策に有効であるため、世界中でマスクは欠かせないものとなった。マスクは輸入品の割合が多く、今ではスポーツブランドやファッション性の高いマスクなど、様々なマスクが市販されている。コロナ禍でマスクの着用期間が増えたため、その安全性は重要である。マスクから溶出する(揮発する)化学物質について検討した報告は殆どなく、第139年会においてGC/MSと加熱脱着装置と組み合わせ、マスクからの溶出物について報告した。今回は全国マスク工業会会員マークの無いマスクや不織布製以外のマスクについて検討した。また、分離カラムの直接加熱やカラムカットが不要など革新的機能を搭載したGC/MSとヘッドスペースサンプラと組み合わせ、マスクからの溶出物について測定した結果を報告する。【実験・結果】GC/MSを用いて材質の異なる様々な市販品マスクを静的ヘッドスペース法により直接抽出した結果、体温に近い温度では検出されるピーク数が少なく、その強度は小さかった。抽出温度を上げるほどより多く、より強いピークの検出が確認されたが、解析ソフトウェアによるデコンボリューション機能により、複数のピークが検出された場合も解析は容易であった。以上のことから静的ヘッドスペース法を組み合わせたGC/MSでもマスクからの溶出物の測定および同定を効率的に行うことが可能であった。なお、今回測定した全国マスク工業会会員マークの無いマスクであっても、毒性の高い化合物の検出は確認されなかった。
著者
長谷川 正哉 金井 秀作 清水 ミシェルアイズマン 島谷 康司 田中 聡 沖 貞明 大塚 彰
出版者
コ・メディカル形態機能学会
雑誌
形態・機能 (ISSN:13477145)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.75-80, 2007-03-22 (Released:2010-09-09)
参考文献数
29
被引用文献数
5

靴着用が原因と考えられる扁平足、外反母趾等の障害が増加している。これら足部障害の予防には、靴等の環境要因の改善および足部内在筋強化等の身体要因の改善が重要である。本研究では履物着用中の歩行が足部に及ぼす影響について調査し、その中で下駄着用歩行の有効性について検討する事を目的とした。実験は裸足、靴着用、下駄着用の3条件とし、足趾MP関節運動及び内側縦アーチの動態を計測した。関節角度の計測には三次元動作解析装置であるOxford Metrics社製VICON512を用いた。結果、裸足と比較して靴着用中におけるMP関節運動範囲、Arch運動範囲が有意に減少した。また、靴着用中と比較して下駄着用時にはMP関節運動範囲、Arch運動範囲が改善する傾向が認められた。足趾の積極的な使用が足部障害発生予防に有効であると報告されており、下駄着用による歩行の有効性が示唆された。

1 0 0 0 将軍実朝

著者
大塚久 著
出版者
高陽書院
巻号頁・発行日
1940
著者
今井 具子 加藤 友紀 下方 浩史 大塚 礼
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.75, no.4, pp.161-173, 2022 (Released:2022-08-24)
参考文献数
40

一般住民の食事データを用いて日本食品標準成分表2015年版 (七訂), 及び2020年版 (八訂) で算出した栄養素等摂取量についてデータベース切り替えによる影響を検討した。対象は老化に関する長期縦断疫学調査の第1次から第7次調査参加者のうち秤量法による3日間食事調査を完了した累計男性7,596名, 女性7,566名とした。男女別に検討したところ, 有意な相関はあるものの, 七訂と八訂の差は測定法が変更されたエネルギー (5.1%), 炭水化物 (5.8%), アミノ酸組成によるたんぱく質 (6.0%) や, 成分値の収載数が大きく変わった有機酸などの栄養成分項目の算出値に差が生じ, 系統誤差が生じる可能性が明らかとなった。またこれらの差には性差が見られ, 対象者の食事内容により影響を受ける程度が異なる可能性も考えられた。栄養アセスメントの側面では, データベースの切り替えを慎重に行う必要があることが示唆されたが, 対象者をランク付けする等の疫学研究ではデータベース改訂の影響が比較的小さい可能性も示唆された。
著者
木村 拓也 荒井 克弘 大塚 雄作 林 洋一郎 西郡 大 立脇 洋介 中世古 貴彦 竹熊 尚夫 花井 渉 田中 光晴 渡辺 雅幸 牧 貴愛 関口 洋平
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2022-04-01

本研究は,大学入学者選抜統一試験が、高等教育の大衆化・国際化・情報化という大きな変化の中で、如何に制度としての公平性・公正性を担保しているのかについて学際共同研究を行うものである。資格試験制度と選抜試験制度とがモザイク状に混在するアジア各国の大学入試制度に着目し、時代の変化と共に制度設計が益々困難となりつつある、大学入学者選抜統一試験に焦点を当てる。本研究では、教育計画論の立場から大衆化に代表される変化の中での大学入学者選抜統一試験の課題を理論的に精査し、比較教育学の立場からその制度変容(改革経緯)と制度設計の具体を精査し、社会心理学の立場から受験生の納得感を公正知覚の観点で計量分析を行う。
著者
栗田 浩樹 大井川 秀聡 竹田 理々子 中島 弘之 吉川 信一郎 大塚 宗廣 岡田 大輔 鈴木 海馬 佐藤 大樹 柳川 太郎
出版者
一般社団法人日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.11, pp.842-847, 2012 (Released:2012-11-22)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

Orbitozygomatic approachはpterional approachの応用で, より外側下方から頭蓋内高位を見上げる手法である. 本稿では, われわれが施行している基本手技 (1-piece method) について解説し, 脳血管外科領域における本法の臨床応用について検討したので報告する. 過去2年間に施行された脳血管外科手術290例 (脳動脈瘤直達術251, 脳動静脈奇形 [AVM] 摘出術39) のうち, 本法が適応されたのは7例 (2.4%) であった. 内訳はcoil塞栓術が困難と判断されたBA-tip AN 4例, 高位BA-SCA AN 2例と, 大型の左medial temporal AVM症例であり, 術後は全例で病変の消失が確認され, morbidityは1例にとどまった. Intravascular treatmentが普及した現在, 脳血管領域では使用頻度こそ少ないが, 広いsurgical corridorが得られる本法は, 高難易度病変に対して必要不可欠なapproachである.

1 0 0 0 刑法概説

著者
大塚仁著
出版者
有斐閣
巻号頁・発行日
2005
著者
近藤 貴仁 小川 恭生 大塚 康司 北島 尚治 稲垣 太郎 清水 重敬 小林 賀子 鈴木 衞
出版者
一般社団法人 日本めまい平衡医学会
雑誌
Equilibrium Research (ISSN:03855716)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.213-217, 2010 (Released:2010-10-01)
参考文献数
14
被引用文献数
5

When examining patients with vertigo, it is essential to differentiate between central and peripheral lesions. It has been reported that some infarctions associated with the posterior inferior cerebellar artery (PICA) can mimic peripheral vertigo, such as benign paroxysmal positional vertigo (BPPV). We report on a case that had been treated as BPPV at another institution and eventually turned out to be cerebellar infarction in the PICA legion. Two infarction lesions were observed in the cerebellum. Obstruction of the left vertebral artery was found on MRA. Six months from the first consultation, the BPPV decreased. We should be aware of cases of cerebellar infarction in which nystagmus mimics BPPV.
著者
大塚公子著
出版者
角川書店
巻号頁・発行日
1998
著者
大塚 祐一 Yuichi Otsuka
雑誌
麗澤学際ジャーナル = Reitaku Journal of Interdisciplinary Studies (ISSN:21895333)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.81-93, 2017-03-10

In previous times, Japanese companies were regarded as a kind of community (Gemeinschaft). The Japanese management style which respects harmony and cooperation supported the growth of companies from the period of high economic growth to the 1980s. Generally, in Japanese management theory, the value of collectivism as an ideology is emphasized. Apart from this, a new view of corporate-community based on Aristotle philosophy (virtue ethics) or communitarian-thinking appeared after the 1990s. The purpose of this paper is to clarify the characteristics of each concept of corporate-community and to examine the differences between them.
著者
大塚 陽菜 横窪 安奈 ロペズ ギヨーム
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.3B3GS1105, 2022 (Released:2022-07-11)

これまでの教育現場では,授業の説明中や課題取り込み中,授業者は生徒の表情から精神状態や理解度などの要素をうかがって,授業内容の調整や,適切なタイミングでの声掛けなどが可能だった.しかし,昨今コロナ禍においてマスク越しでは常に生徒の表情が分からないため,授業内容の理解ができず困っているなどの要素が把握できず,授業者として,適切な指導が行いにくく,授業者・生徒も精神的な負担の増加につながっている.本研究では,コロナ禍における教育現場でマスク越しのコミュニケーション課題を改善するため,授業中における学生の気持ち通知システム「MaskForce」を開発した.システムは,学生のマスクに脈拍センサを取り付け,脈拍間隔情報を取得し,授業者の情報端末へ通信する.また,脈拍変動解析により,各学生の精神状態をリアルタイムに推定し,可視化することで,授業者はどの学生が困っているかを随時把握し,適切なタイミングでサポートに回ることができることがわかった.そのため,今後授業内容の理解向上,課題の達成効率向上などが期待できる.
著者
津久井 誠 大塚 紘司 筋 一男 松岡 敏郎
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋醫學會誌 (ISSN:1884202X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.186-190, 1975-06-30 (Released:2010-10-21)
参考文献数
16

当帰芍薬散水エキスを飼料中に0.1, 1.0%添加し, CF#1系マウス雄雌とも4週令から第5産終了時まで30週間以上, 自由摂取により連続投与を行なった。無投与対照群の出産率51%に対し, 当芍エキス0.1%投与群60%ならびに1.0%投与群59%を示したことから当芍エキスはマウスの妊娠, 出産に何らかの影響を与えるものと推察された。また本実験の範囲内では当芍エキスの毒性はきわめて低いものと推察された。
著者
八木 文雄 倉本 秋 大塚 智子 奥谷 文乃 三木 洋一郎 上原 良雄
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.141-152, 2005-06-25 (Released:2011-02-07)
参考文献数
18

問題解決型学習への取り組み, 医療スタッフや患者さんとの円滑なコミュニケーションなどをはじめとして, 医学生に要求される態度・習慣領域の課題は多い. また一方では, 入学後における態度・習慣領域の教育には大きな限界があることは, 医学教育に携わる誰もが認識していると思われる. 高知大学医学部では, 入学前の成育歴において長期間を要して培われた, 態度・習慣領域の能力を入学者選抜時に評価することを主眼として, 平成15年度から一部の入学定員についてAO (態度評価) 方式を導入した. 現在, その入学者が1年次を修了した段階であるが, この方式による入学者選抜が良好な結果をもたらしていることが, 1年次履修全科目を対象とした入学後の追跡調査において検証された.