著者
江口 泰正 井上 彰臣 太田 雅規 大和 浩
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.256-270, 2019-08-31 (Released:2019-08-31)
参考文献数
34
被引用文献数
12

目的:忙しい労働者における,運動継続が出来ている人の特性について,特に運動継続の理由・動機に着目して探索的に明らかにし,新たな行動変容アプローチに関する示唆を得ることを目的とした.方法:労働者に対して運動実施状況や運動継続の理由等について質問紙による横断的調査を実施し,1,020名から回収できた.無効なデータ等を除いた最終的な分析数は521名分であった.継続理由の強さを1~5点に得点化し,平均値を運動継続群と非継続群で比較した.また継続理由を因子分析した.結果:労働者における運動継続者の継続理由の上位[推定平均値(SE)]には,体力向上[4.02(0.12)],体型維持[3.98(0.13)]や健康への好影響[3.90(0.12)]など,健康への利益が多かったが,非継続者も上位は同様で,得られる利益について認識していることが明らかになった.次に継続理由の因子として「楽しさ・高揚感」「依存・自尊」「外観・陶酔」「健康利益」「飲食的充足」の5つが抽出された.このうち運動継続者に見られる顕著な特性として「楽しさ・高揚感」の重要性が示唆された.また「飲食的充足」は,非継続者の方が継続者より有意に得点が高かった.結論:労働者における運動継続への動機として「楽しさ・高揚感」が最も重要であることが示唆され,この因子に対する良いフィードバックが継続へのアプローチとして有効となる可能性がある.
著者
林田 明香里 加藤 邦拓 太田 高志
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2023論文集
巻号頁・発行日
vol.2023, pp.313-315, 2023-08-23

本研究ではスピーカを取り付けた洋服を実装し,ユーザの動きによるインタラクティブな音楽体験を設計する.具体的には,CD アルバムのジャケット画像が印刷された洋服をユーザが着用すると,洋服上のスピーカからアルバム内の楽曲が再生される.またユーザ同士が肩を組む,あるいはハグといったスキンシップをすることで,お互いの洋服から同じ楽曲が再生されて,音楽を共有できるインタラクションを設計する.提案手法により,ユーザは音楽配信サービス上でダウンロードした音源を物理的に所有できるようになり,洋服を着用することによる視覚的かつ聴覚的な自己表現が可能になる.また,ユーザ同士の自然なコミュニケーションによる楽曲共有を可能にすることが目的である.
著者
前田 菜緒 太田 尚孝 新保 奈穂美
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画報告集 (ISSN:24364460)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.20-23, 2023-06-09 (Released:2023-06-09)
参考文献数
16

近年、短時間強雨の発生回数の増大により洪水発生リスクが増大している。本研究では対策としてグリーンインフラの一種である雨庭を取り上げ、先進的に整備の進んでいる京都市における雨庭の導入、整備のプロセスと維持管理の成果・課題を主体間の関係性と防災・減災効果と共に明らかにすることを本研究の目的とした。GISを用いた立地分析、文献調査、ヒアリング調査、現地調査を通し、本研究では以下の三点が明らかになった。1.現状では日常的なレベルの降雨には対応できるが極端な水災害との関係性は薄いといえる。2.京都造園建設業協会からの提言があり京都市が主体的に整備することで雨庭整備が実現し維持管理を地域ボランティアが担っている。3.整備は途中段階であり、維持管理に際して行政とボランティア間のズレがある。
著者
荒井 三津子 杉村 留美子 片村 早花 佐藤 理紗子 太田垣 恵 鈴木 恵 Mitsuko Arai Rumiko Sugimura Sayaka Katamura Risako Sato Megumi Otagaki Megumi Suzuki 北海道文教大学人間科学部健康栄養学科 北海道文教大学人間科学部健康栄養学科 北海道文教大学人間科学部健康栄養学科 北海道文教大学人間科学部健康栄養学科 北海道文教大学人間科学部健康栄養学科 北海道文教大学人間科学部健康栄養学科
雑誌
北海道文教大学研究紀要 = Bulletin of Hokkaido Bunkyo University
巻号頁・発行日
no.36, pp.45-54, 2012-03-15

青森県のごく一部の地域と北海道でのみ作られるべこもちは、同じ材料と形でも地域によって名称が異なったり、型で抜くものや手で成形するもの、立体造形的に花などを作るもの、黒砂糖色の一色、黒白の二色、多色づかいのものなど、実に多様である。そのルーツも、北前船ルートと津軽海峡ルートが主に考えられる。べこもちの地理的な分布と、ルーツを探り、北海道の開拓の歴史と食文化を考察する。

4 0 0 0 OA 南部叢書

著者
太田孝太郎 等校
出版者
南部叢書刊行会
巻号頁・発行日
vol.第1冊, 1931

4 0 0 0 OA 帝國地名辭典

著者
太田爲三郎 編
出版者
三省堂
巻号頁・発行日
vol.上卷, 1912
著者
伊東 信宏 小島 亮 新免 光比呂 奥 彩子 太田 峰夫 輪島 裕介 濱崎 友絵 上畑 史 阪井 葉子
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

ブルガリアの「チャルガ」は、「マネレ」(ルーマニア)、「ターボフォーク」(旧ユーゴ諸国)などのポップフォーク(民俗的大衆音楽)と並んで、1990年代以降バルカン諸国に特有の社会現象であり、同様の現象は日本の「演歌」をはじめとしてアジア各国にも見られる。本研究はそれら諸ジャンルの比較を行い、その類似と差異をあきらかにすることを目指してきた。これまでに大阪、東京などの諸都市で、8回の研究会を開催し、20の報告が行われた。2017年にはこの問題に関する国際会議を開催する予定である。そこでは上記諸ジャンルの社会的文脈を検証し、歌詞や音楽構造の分析が行われた。日本語による単行本出版が準備されている。
著者
太田 裕信
出版者
西田哲学会
雑誌
西田哲学会年報 (ISSN:21881995)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.78-95, 2012 (Released:2020-03-22)

Many scholars such as Shizuteru Ueda and Ryousuke Ōhashi have insisted that Nishida’s philosophy has a close affinity with the work of Heidegger. However, there have been few comparisons drawn between them. The reason for this is that Nishida’s criticism of Heidegger is rather obscure and difficult to understand. In this paper, therefore, I want to explain his criticism of Heidegger and examine its validity, which will in turn make clear the essence of Nishida’s philosophy. The most important issue is the affinity and difference between their philosophical principles, as it is, a comprehension of being(Seinsverständnis) and self-awaking(Jikaku). In Self-awaking-determination of Nothingness, Nishida criticized Heidegger’s idea of “comprehension” as an incomplete idea of “self-awareness”. This issue relates to the concept of time and otherness. Nishida’s idea of time which he terms “self-determination of the Eternal Now” bears resemblance to Heidegger’s temporality(Zeitlichkeit), however, Nishida criticized Heidegger from his perspective of time which is grounded in his idea of otherness. Although there are many similarities between Heidegger and Nishida, we should acknowledge the important differences between “Seinsverständnis” and “Jikaku”. If we come to compare them more profoundly, we can see a picture of a concrete ontology of self which transcends the limitations of specific cultural frameworks.

4 0 0 0 OA ビタミン総論

著者
太田 好次
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.187-192, 2015 (Released:2018-08-26)
参考文献数
19

栄養素(正常な生命活動維持のために体内に取り入れる物質)には,糖質,タンパク質,脂質,無機質(ミネラル)およびビタミンがある.食物として摂取された糖質,タンパク質,脂質などの栄養素が消化,吸収され,細胞内でそれぞれ特有の必要な化合物が合成される.ところが,体内で新たに作ることができないか,作られても量が十分でない有機化合物で,しかも生命に必須な微量化合物がビタミンと呼ばれる化合物である.すなわち,ビタミンは正常な生理機能を営むために必要不可欠であるが,その必要量を体内で作れないので体外から取り入れなければならない有機化合物のうち,必要量が微量であるものの総称で,微量有機栄養素である.表1に示すように13種類のビタミンがあり,生体内での働きは種類により異なっている.すなわち,ビタミンは物質名ではなく,機能で分類されている.ビタミンには,水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンが存在する.水溶性ビタミンには,ビタミンB1,B2,B6,B12,ナイアシン,葉酸,ビオチン,パントテン酸などのビタミンB群とビタミンCの9種類がある.脂溶性ビタミンには,ビタミンA,D,EおよびKの4種類がある.また,生体内で化学的変化を受けてビタミンとなることができる天然化合物のプロビタミン(ビタミン前駆体)がある.プロビタミンとしては,ビタミンAになることができるα-カロテン,β-カロテン,γ-カロテンなどのカロテノイドおよびビタミンDになることができる生椎茸などに含まれるエルゴステロールとコレステロールから生じる7-デヒドロコレステロールがある.エルゴステロールは紫外線照射でビタミンD2となるので,プロビタミンD2といわれる.7-デヒドロコレステロールは皮膚に移行し,日光を浴びるとビタミンD3となるので,プロビタミンD3といわれる.
著者
太田 和希 吉田 拓矢 小野 響也 前村 公彦 谷川 聡
出版者
一般社団法人 日本体育・スポーツ・健康学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.67, pp.793-808, 2022 (Released:2022-09-29)
参考文献数
38
被引用文献数
2

This study investigated the relationships between pelvic behavior and impulse of ground reaction force as well as leg backward swing velocity during the acceleration phase and full speed phase of sprint running. Eleven male sprinters performed 30-m and 60-m sprints from a crouching start at maximal effort. Threedimensional motion analysis was performed to investigate the relationships between pelvic behavior and impulse of ground reaction force as well as leg backward swing velocity during the acceleration phase and full speed phase of sprinting running. The angular displacement of the pelvic free leg side lateral flexion in the frontal plane showed a significant positive correlation with the propulsion and vertical impulse during the acceleration phase. Also, the lumbosacral free leg side lateral flexion angular impulse showed a significant positive correlation with the propulsion and vertical impulse during the acceleration phase. Additionally, the lumbosacral free leg side torsion angular impulse showed a significant positive correlation with the peak value of the free leg backward swing velocity during the full speed phase. Therefore, the results obtained during the acceleration phase suggest that the pelvic free leg side lateral flexion was able to increase the propulsion and vertical impulse, whereas during the full speed phase, the pelvic free leg side rotation contributed to increasing the free leg backward swing velocity.
著者
見城 勝 大倉 さゆり 任田 美穂 金子 智佳子 太田 尚子
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.365-373, 2000-12-20 (Released:2010-08-06)
参考文献数
15
被引用文献数
5 3

皮脂は皮膚表面に恒常的に分泌されて皮膚表面の保護的作用を果たす一方, 過剰あるいは不十分な分泌による肌状態への影響が懸念されている。皮脂成分と肌状態の関係についてはこれまでも多くの研究が行われているが, 季節変動に着目して検証した例は少ない。われわれは皮脂の分泌量および組成と肌状態評価値について, 個人レベルでの季節的な変動幅 (冬, 春) について検討を実施したところ, 以下に示す興味深い結果が得られた。 (1) 総皮脂量と組成は冬, 春で大きく変動し, その傾向は個人により異なっていた。 (2) 肌状態評価値も季節変動があり, 傾向は個人により異なっていた。 (3) 皮脂成分と肌状態の解析を個人で対応させて実施したところ, 皮脂中の遊離脂肪酸比率の低下に伴い乾燥性の肌荒れが改善すること, 不飽和度 (遊離脂肪酸中の不飽和/飽和比率) の低下により角質細胞面積が増大傾向にあること等が見出され, 皮脂成分の変動が肌状態に影響を与えている可能性が示唆された。 (4) 肌質との関係については, 不飽和度が高く総皮脂量が少ない人たちがやや敏感肌および敏感肌群に属していたことから, 皮脂組成が肌の敏感度にも影響を与えている可能性が示唆された。
著者
古賀 俊充 田中 義輝 伊奈 研次 南部 隆行 玉城 裕史 不破 大祐 小島 木綿子 佐々木 陽子 柏原 輝子 榊原 千穂 高橋 彩子 太田 圭洋
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.55, no.9, pp.525-531, 2022 (Released:2022-09-28)
参考文献数
26

レムデシビルはCOVID-19 治療薬として本邦で最初に承認された抗ウイルス薬である.一般集団におけるレムデシビルの有用性については多くの報告があるが,透析患者に対するレムデシビルの安全性に関する情報は限られている.本研究では2022 年4 月までにCOVID-19 に罹患した透析患者58 例を対象にレムデシビルによる有害事象を後方視的に評価した.レムデシビル投与群43 例と非投与群15 例で有害事象の頻度に有意差を認めず,またレムデシビル3 日間投与群と非3 日間投与群においても有害事象の発生率と有効性に差はなかった.レムデシビル投与後,肝機能障害が3 例発現したが,1 例はグリチルリチン製剤を投与するのみで改善し,ほか2 例は自然に軽快した.以上よりCOVID-19 の治療として,レムデシビルの投与は,肝機能障害に注意すれば,血液透析患者に対しても安全で有用な治療法と考えられる.