著者
太田 次男
出版者
慶應義塾大学
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.34-74, 1957-07

一 天正狂言本に於ける大明二 大名狂言から小名狂言へ三 狂言に於ける昔話の變質

4 0 0 0 OA ネット理論

著者
太田 淳 辻 孝吉
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, pp.4_56-4_67, 2009-04-01 (Released:2011-05-01)
参考文献数
29
被引用文献数
2

ペトリネットはコンカレントシステムの重要なモデルの一つである.ペトリネットはチューリング機械と有限オートマトンの中間のモデル化,解析能力を持つ.ペトリネットの構造を限定することで,解析が容易となるサブクラスが得られる.一方,ペトリネットに拡張を加えることで,チューリング機械と等価なモデル化能力を持つ拡張クラスが得られる.本稿ではペトリネットの解析問題,サブクラス,拡張クラスに関して近年の研究成果の例を示しながら概説する.
著者
小林 哲 村山 一茂 太田 悠葵 川崎 ナナ 豊島 聰 石井 明子
出版者
一般社団法人 日本薬剤疫学会
雑誌
薬剤疫学 (ISSN:13420445)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.63-76, 2017-03-31 (Released:2017-05-25)
参考文献数
23
被引用文献数
2

日本で承認されている免疫調節作用を有する抗体医薬品 12 品目について,報告数の多い有害事象の基本語 (Preferred Term;PT)を特定するため,2015 年時点で医薬品医療機器総合機構が公開していた医薬品副作用データベースに集積されていた症例を解析した.その結果,報告数の多い PT として,肺炎,間質性肺疾患,ニューモシスチス・イロベチイ肺炎 (Pneumocystis jiroveci pneumonia;ニューモシスチス肺炎),蜂巣炎,敗血症,および帯状疱疹等を特定した.これらの PT について,特に日本で 5 種類の製品が承認されている抗 TNF 薬 (infliximab,adalimumab,golimumab,certolizumab pegol およびetanercept) をはじめとした関節リウマチ治療薬に着目し,医薬品ごとに各 PT の発現頻度と初回発現時期を解析・比較した.ここでは,シグナル検出指標の報告オッズ比 (reporting odds ratio;ROR) を発現頻度の指標として用いた.また,初回発現時期の対照薬としては,抗 TNF 薬とは標的が異なる関節リウマチ治療薬で,症例の報告数も比較的多い抗インターロイキン-6 受容体抗体の tocilizumab を選択した.その結果,肺炎と間質性肺疾患,および敗血症については,ROR と初回発現時期の解析からは特定の関節リウマチ治療薬との関連を示唆する結果は得られなかった.一方,ニューモシスチス肺炎については,特に infliximab で高い ROR が得られた.Infliximab ではニューモシスチス肺炎の初回発現時期も他の医薬品より早い傾向にあり (0.19 yr),tocilizumab (0.32 yr)を対照として Mann-Whitney 検定を行うと,有意水準 1%で有意差が認められた.Infliximab はニューモシスチス肺炎の ROR が高いだけでなく,初回発現時期も特徴的であることから,ニューモシスチス肺炎との間に他よりも強い関連が示唆された.同様なことが,蜂巣炎とtocilizumab,帯状疱疹と certolizumab pegol についても観察され,感染症に関する一部のPT は,特定のバイオ医薬品に強く関連する可能性が示唆された.肺疾患や皮膚疾患を持つ患者等については,抗 TNF 薬を使用する際に,これらの感染症が生じやすい可能性に配慮する必要があると考えられた.
著者
米川 紘子 安達 薫 太田 文彦
出版者
日本喉頭科学会
雑誌
喉頭 (ISSN:09156127)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.139-145, 1989-12-01 (Released:2012-09-24)
参考文献数
16
被引用文献数
1

A total of 300 patients, 167 males and 133 females, with recurrent laryngeal nerve paralysis examined at the Department of Otolaryngology of Kinki University Hospital during the period from 1975 to 1988 were reviewed retrospectively. The results were as follows : (1) The age ranged from 40 to 79 years in 81 percent of the entire patients. (2) The incidence was higher for males than for females in the age group of 50 years and over. (3) The nerve was affected on the left in 187 (62.3%), on the right in 98 (32.7%) and on both sides in 15 patients (5.0%). (4) The paralysis was post-surgical in 125 patients and non-surgical in 175. The cause of paralysis was chest disease in 67, idiopathic in 48, neck disease (thyroid cancer in the majority) in 45, thyroid surgery in 40, chest surgery in 39 and endotracheal intubation in 36 patients. Chest diseases and surgeries were more frequent in males than in females whereas neck disease and thyroid surgeries were more frequent in females. (5) In 87 patients, paralysis resulted from malignant neoplasms. Forty-six of the 87 patients developed malignancies in the thorax. (6) The initial symptom of eight lung cancer, one mediastinal neoplasm, one esophageal cancer and three aneurysm cases was hoarseness. (7) Chest X-ray, CT and MRI and fluoroscopy of the esophagus were useful in detecting intrathoracic pathologies.
著者
太田 真紀 長澤 泰子
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.255-265, 2005

本研究の目的は、吃音のある学齢児童の自尊感情の関連要因を明らかにすることである。対象者は小学校3〜6年の吃音児およびその養育者124組であった。対象児に4因子からなる自尊感情尺度を実施し、学業成績、運動能力、友人関係、親が吃音を話題にする経験の4要因について分析を行った。その結果、以下の2点を明らかにした。(1)学業成績が高い/ふつう、あるいは運動能力が高い吃音児は、それらが低い吃音児より4因子得点のうち自信因子得点が有意に高かった。(2)親が吃音を話題にしていない吃音児群の5、6年生は、3、4年生より4因子得点のうち自己受容得点が有意に低かった。しかし、親が吃音を話題にしている吃音児群の3、4年生と5、6年生の間に、自己受容因子得点の有意な差はみられなかった。さらに、養育者8名へのインタビューにより、親が話題にする吃音の話は、吃音を否定的に捉えさせないように吃音児を支える内容であったことを明らかにした。
著者
太田 健太郎 小林 健太郎 山里 敬也 片山 正昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.378, pp.137-142, 2011-01-13

太陽エネルギーの取得を行う無線センサネットワークにおけるノード稼働率の向上を目指している.ネットワーク全体の消費エネルギーを低減できる方法として,データ送信時にノードがデータの中継を行う協力伝送方式がある.しかし,取得エネルギーの変動を考慮しない場合,夜間にノード稼働率が低下する問題が生じる.本稿では,電池切れにより停止したノードの再稼働条件を導入することで昼夜のノード稼働率の平滑化を行い,要求される高いノード稼働率を達成する.
著者
諏訪 博彦 梅原 英一 太田 敏澄
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

本研究の目的は、株式掲示板におけるアノマリーを発見すること、株式掲示板の投稿内容より株式リターンを説明するファクターを作成することである。形態素解析と主成分分析を用いて投稿内容を分析することで、新たなファクターの作成を行っている。結果、株式掲示板におけるアノマリーが存在している可能性があること、主成分得点を利用した新たなファクターが存在することを確認している。
著者
林 和弘 中谷 敏幸 太田 暉人
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.51, no.12, pp.902-913, 2009 (Released:2009-03-01)
参考文献数
13
被引用文献数
3 2 1

電子出版では電子ジャーナルサービスを支える,XMLなどに代表されるメタデータを作成することが必須である。日本の主な学術ジャーナル出版では冊子製作後に電子ジャーナル用データを作成することがまだ多く,速報性に欠けるなどいくつかの電子ジャーナルの利点を生かせていない。日本化学会では国際標準的な電子出版を目指してSGML,TeXなどのメタデータを利用したさまざまな手法を経験した。それらのメリット,デメリットと国際状況を考察し,その結果を踏まえて改良し2009年から開始した国際的にも通用する新しいXML出版体制を紹介して運用と課題を考察する。この体制では,eXtylesというツールを利用してMS-Wordから直接NLM-DTD準拠のXMLを作成し,できたXMLを利用して版下を作成後,著者校正が終わり次第すぐに電子ジャーナル公開が可能になる体制となった。
著者
M.H.B. Radford L. Mann 太田 保之 中根 允文
出版者
The Japanese Group Dynamics Association
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.115-122, 1989-02-20 (Released:2010-02-26)
参考文献数
23
被引用文献数
5 4

意志決定は, 文化の違いを越えて共通に見られる基本的な認識作用である。本研究は, 長崎大学に在学中の156名を対象にして, 意志決定行為と人格特性について, JanisとMann (1977) が提唱した意志決定の葛藤理論に基づく尺度により調査した研究の第一報である。調査結果は, 葛藤理論に基づく予想を支持するものであった。すなわち, 意志決定者としての自己評価が高い場合には, 「熟慮」型の意志決定スタイルとポジティブな相関関係が見られ, 「自己満足」「防衛的回避」および「短慮」といった不適切なスタイルとの相関関係はネガティブであった。更に, オーストラリアの同年代で同質の学生と比較したところ, 意志決定行為の違いが明らかになった。この結果については, 意志決定の葛藤理論を文化の違いを越えて適用することの是非を問い直すという観点から考察をくわえ, かつ今後も継続的に比較研究することの重要性について述べた。
著者
西村 秀一 太田 玲子 大宮 卓 北井 優貴 勝見 正道
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.97, no.4, pp.117-124, 2023-07-20 (Released:2023-07-20)
参考文献数
14

周囲への感染リスクを有するCOVID-19感染者を検出するために迅速抗原検査を用いたスクリーニングを行うことの妥当性の有無を知る目的で,COVID-19患者/疑い患者ならびに無症状の患者濃厚接触者から採取した鼻咽頭拭い検体の中で定量的リアルタイムRT-PCR検査でSARS-CoV-2遺伝子が検出された162検体について,ウイルス分離を試み分離陽性検体を101検体得た.また,これらの162検体について本邦で市販されていた5社5種類の簡易迅速抗原検出キット製品を用いた抗原検査を試みた.PCRで得られた検体中のウイルス遺伝子コピー数のデータとウイルス分離成績の結果をあわせ,用いた製品ごとに解析した.その結果,被験者の症状の有無にかかわらず,すべてが感染性ウイルスが分離された検体の95%以上に陽性を示し,このような検査対象集団においては迅速抗原検査に感染伝播リスクの見逃しが少ないことがわかった.
著者
辻 智大 岸本 博志 藤田 浩司 中村 千怜 長田 朋大 木村 一成 古澤 明 大西 耕造 西坂 直樹 池田 倫治 太田 岳洋 福岡 仁至
出版者
特定非営利活動法人 日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.129-160, 2023-09-30 (Released:2023-11-02)
参考文献数
49

Kuju volcano, located within Beppu-Shimabara graben central Kyushu, Southwest Japan, has been active in the recent 200,000 years. The 54 ka Handa eruption, as large as VEI 5 or 6 and the largest one of the volcano, released large-scale pyroclastic flow deposits (Handa pfd; Kj-Hd) and a wide-spread tephra (Kj-D ash and Kj-P1 pumice fall deposits) that has been reported at more than 500 km from the source. The stratigraphic relationships among the deposits from the Handa eruption are important for volcanology and disaster prevention, and have been studied in various studies, but there is no consensus on the stratigraphy. In this study, we examined the stratigraphic relationships and the eruption history based on the stratigraphic and petrographic studies around Kuju volcano, as well as on Shikoku and Honshu Islands. As the results, the stratigraphic relationships were revealed as follows. 1) The pumice fall deposit, that has been named Kj-Yu, was previously included in Kj-D ash layers, but is revealed to be a much older ejecta than Kj-D ash, along with the tephras newly named Kj-Tb1 and 2. 2) The clay-rich layer just below Kj-D was previously considered to be soil, but it contains a large number of volcanic ash particles so that it is defined as Kj-Y ash layer. 3) Three light brown fine ash layers, newly named Kj-D-U2, 4 and 6, sandwich between the blue grey sandy ash layers i.e. Kj-D-U1, 3, 5 and 7, are revealed to be the co-ignimbrite ash derived from Kj-Hd 1, 2 and 3 pfd, respectively. It suggests that the Kj-Hd1, 2 and 3 pfd are interbedded with Kj-D-U ash layers. 4) Kj-P1 overlies on Kj-D-U7 ash layer that mantled the reworked deposit of Kj-Hd3. 5) Kj-P1 is divided into lower and upper units based on the grain-size analysis, petrography, the chemical composition of glass shards and the isopach maps. Kj-S pfd was formed in the same time as the upper unit. Based on the results, the eruption history is assumed as follows. Pre-Handa eruption: the activity was low and the small-scale explosive eruptions that had released the pumice and volcanic fragments in loam (Kj-Y), followed by a relatively large explosive eruption that had formed Kj-AL. Early phase: the eruption started with phreatic eruption, sub-plinian eruption that deposited the lower unit of Kj-D ash. Subsequently, the eruption changed to vulcanian eruptions that ejected Kj-D-U. This eruption continued for a long period time. During the time, three large-scale pyroclastic flow eruptions happened and has formed Kj-Hd1, 2 and 3. Their co-ignimbrite ashes generated from the Kj-Hd pfds were deposited as Kj-D-U2, 4 and 6. Lahar were generated after Kj-Hd2 and 3 deposition. This phase was terminated by the deposition of Kj-D-U7 ash. Late phase: the plinian plumes occurred twice and deposited lower and upper lalyers of Kj-P1. The second one is the largest plinian eruption in the whole volcano history, with a large umbrella plume producing a wide-spread tephra at more than 500 km from the source and an intraplinian pyroclastic flow (Kj-S).
著者
太田 久晶
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.212-216, 2020-06-30 (Released:2021-07-01)
参考文献数
18

右大脳半球損傷は, 患者に病巣対側の空間や身体に対する認知の障害をもたらしうる。この障害にはいくつかの症状が該当し, 脳損傷の範囲が広ければ, 複数の症状が同時に出現することも少なくない。 しかしながら, 患者の日常生活場面やリハビリテーション場面などの行動観察のみでは, 各患者がどのような症状を呈しているのかを十分に把握しきれない。そこで, 本稿では, その代表的な症状として半側空間無視, 身体に対する半側無視, 片麻痺に対する病態失認, 半側身体失認・身体パラフレニアに対する検査方法と各症状の出現に関与する病巣部位について紹介する。患者の脳損傷部位を踏まえて, 上記の複数の検査を実施することは, 各症状の有無に加えて, 出現した症状の程度や特徴の把握を可能とする。さらに, 得られた結果を総合的に解釈することは, 個々の患者の呈する病巣対側の空間や身体に対する認識の障害を包括的にとらえることにつながると考える。