著者
鳩野 憲志朗 鷲田 一夫 奥野 信一
出版者
福井大学教育地域科学部附属教育実践総合センター
雑誌
福井大学教育実践研究 (ISSN:13427261)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.129-133, 2014-02-14

技術・家庭科(技術分野)の鍛造学習を可能にするため,本研究グループによる先行研究において簡単な鍛造法と安価な木炭炉を開発した。この2つの新しい技術を利用し,異種金属間の鍛接に関する基礎研究を行った。異種金属間鍛接は一般に大がかりな設備が必要であるが,我々が先に開発した簡便な方法で実験した結果,良好な結果を得た。
著者
奥野 洋子 萬羽 郁子 青野 明子 東 賢一 奥村 二郎
出版者
近畿大学医学会
雑誌
近畿大学医学雑誌 (ISSN:03858367)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.115-124, 2013-12

[抄録] 対人援助職は, 職務におけるストレッサーが大きい一方, 対人援助職としての成長もあることが明らかになっている. しかしこれらの研究は, 一時点における横断的調査であり, ストレス体験が対人援助職の自己成長感につながっているのかについての縦断的研究は行われていない. 本研究では, 105人の看護師に対して1年間の縦断的調査を行い, 仕事上のストレス体験と1年後の自己成長感との関連を明らかにすることを目的とした. 自己成長感(心的外傷後成長尺度), ストレッサーとソーシャルサポート(職業性ストレス簡易調査票), 個人特性(15項目ハーディネス尺度), 体験ストレスに関する質問紙調査を看護師に対して実施し, 1年後の自己成長感について重回帰分析を行った. その結果, 周囲の状況に対してコントロールできると考える性格傾向であること, 看護職の経験が浅いこと, そして仕事上のストレス体験が多かったこと, 仕事を自分のペースでできていたこと, 働きがいを感じていたこと, 加えて1年後の現在の, 職務上の身体的・環境的なストレッサーが強いこと, 同僚からのサポートがあることと自己成長感との有意な関連性が認められた. 仕事上のストレス体験の多さは, その時点よりも1年後の自己成長感を高め, 個人特性としてのハーディネスのコントロール傾向の高さも自己成長感を高めることが示唆された.
著者
奥野他見男 著
出版者
東京図書
巻号頁・発行日
1921
著者
西垣外 正行 小海途 銀次郎 和田 貞夫 奥野 一男
出版者
Yamashina Institute for Ornitology
雑誌
山階鳥類研究所研究報告 (ISSN:00440183)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.286-299, 1971-06-30 (Released:2008-11-10)
参考文献数
3
被引用文献数
1

1.1957年から1969年に,大阪,奈良,和歌山の県境を走る金剛山地および和泉山脈のうち,二上山から和泉葛城山までの尾根づたい約40km,幅1kmの範囲で,クマタカの繁殖生活に関する調査を行なった。2.この報告は,12年間に発見された19巣をもとにして,繁殖全期間中,巣場所選定から巣造りまでを扱う。3.本地方におけるクマタカは,1月下旬から2月初旬に巣造り開始の兆候を現わす。4.巣造り期に風雪害による巣に被害が生じた際,営巣が中断され,新に再営巣する。5.巣造りに要する日数はおよそ30日位である。6.本種は自らの古単を利用することがわる。7.営巣樹における巣の位置は,樹幹,樹頂,枝先の3つの型がある。枝先型は本種の特性とみなされる。8.巣の大きさは,直径150cmから80cm位のほぼ円型,巣の厚みは,最大85cmから最小25cm位である。9.産座の材料には,アカマツまたはスギを主とし,ヒノキ,五葉マツを混じえる。いずれも青葉のつらた小枝が使用される。10.巣台に使用される材料は,アカマツの枯枝が主で,最大直径3.5cm,長さ110cmの木片が使用されることがある。11.営巣地点の標高は,250mから600m位で,各主峰に対して1/2位(450m)に位置する事が多い。12.営巣地点と人家の距離150mという例がある。13.営巣林は赤松の純林84%,杉の純林5%,混合林(ヒノキ林にアカマツの混合)11%である。14.営巣樹の大きさは,胸高直径39cm,高さ約5m以上の樹木が必要とされる。15.営巣樹はアカマツ94%,スギ6%である。16.営巣林内の巣の位置は,垂直的には下層部が多く,平面的には何ら特微がない。17.各巣の位置の年変化は,平均590m位である。
著者
大塚 和夫 小杉 泰 坂井 信三 堀内 正樹 奥野 克己 鷹木 恵子 赤堀 雅幸
出版者
東京都立大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1996

3年間にわたる調査・研究の結果、北アフリカのムスリム社会が、近年のグローバル化の大きな波に洗われ、伝統的生活のあり方の一部を維持しながら、さまざまな側面での変容を経験していることが明らかになった。それは食や衣といった物質文化の側面から、女性労働のあり方、歌謡曲などの大衆文化そしてイスラームに関わるさまざまな活動の領域にまで及ぶ。それらを明らかにする過程で、ジェンダーのあり方、イスラーム復興、情報社会化、観光化などのきわめて今日的な人類学的テーマに関しても今後の研究の調査・研究の見通しを得ることができた。その一方において、これまで我が国ではほとんど知られていなかった「伝統的」なイスラーム活動のいくつかの側面に関する基礎データも収集できた。それは、モロッコのスーフィー教団、同じく伝統教育のあり方、そしてエジプトなどにおけるムスリム学者の大衆に対する法的助言(ファトワー)の実態などである。これらは今後のイスラーム研究においてもきわめて貴重な資料である。今回の調査・研究を全体的に見渡すと、やはり広い意味でのグローバル化の影響が、北アフリカのムスリムの日常生活のいろいろな面にまで浸透していることが明らかになった。その結果,今後の人類学=民族誌学的研究においても,フィールドを取り巻くさまざまな環境、とりわけ国家やグローバルなレベルからの政治・経済・文化的なさまざまな影響を、これまで以上に真剣に考慮する必要性が痛感されるようになった。そのような所見に基づき、北アフリカに限定せずにアラブ世界全般を視野に入れグローバル化の過程に着目した人類学的研究のプロジェクトを企画し、その一つを科研費補助(基礎研究C)をえて実施してるところである。
著者
奥野峻弥 浅井洋樹 山名早人
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2014-DBS-159, no.12, pp.1-6, 2014-07-25

従来,著者推定研究は小説に対する著者推定を中心に研究が行われており,推定対象を限定した,少人数に対する著者候補者群が取り扱われてきた.これに対し,我々はマイクロブログを対象にした,不特定多数の候補者群に対する著者推定の提案を行った.その際,精度向上のためマイクロブログ特有の叫喚フレーズに対する正規化手法,および計算量削減のため推定に必要となるメッセージ数を削減する手法を提案してきた.本稿では,より多くのマイクロブログ利用者を対象にした著者推定を行う上での問題点,特に学習用データとテストデータの取得期間の差異が精度に与える影響について検証し,学習用データの取得期間が精度に与える影響を小さくする手法を提案する.実験では Twitter ユーザ 10,000 人に対して著者推定を行い,Precision@1 で 0.535,MRR で 0.602 を達成した.
著者
松田 尚樹 三浦 美和 山内 基弘 奥野 浩二
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.63, no.9, pp.435-442, 2014-09-15 (Released:2014-09-28)
参考文献数
10
被引用文献数
1

東京電力福島第一原子力発電所事故以来,医療スタッフに対する放射線教育の拡充が求められているが,その中心的存在となる医師の放射線に関する知識の程度は明らかではない。本研究では,医師としてのスタートラインに立った臨床研修医のオリエンテーションにおける放射線研修時に確認問題とアンケートを実施し,放射線の理解とリスク認知の状況を調べた。その結果,放射線の理解度では放射線の健康影響,次いで放射線の基礎と安全取扱いについて高く,放射線関連の諸規則や規制科学は全般に低かった。しかし,いずれの分野においても,よく質問されやすいようなごく基本的な内容において,理解度が低いものが見られた。放射線に関連したリスク認知度は,X線検査の受診と放射線診療の実施に対する認知は「リスクは気にしない」程度,その一方,原子力発電と原発の近隣地域での居住については「リスクがあるのでなるべくなら避けたい」レベルで,いずれも福島原発事故後の時間経過にかかわらずほぼ一定を示した。以上の傾向は,従来の他の職種や学生によるリスク認知分布傾向と同様であった。研修医が今後,専門性を獲得していくにともない理解度とリスク認知度も多様化することが考えられるため,継続的かつ反復的な基本的事項及び最新トピックスの研修の必要性が示唆された。
著者
佐伯 裕司 大和 宗久 大西 博昭 久保 隆一 田中 順也 中野 敬次 山田 博生 中嶋 一三 北條 敏也 奥野 清隆 岩佐 善二 安富 正幸
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学医学雑誌 (ISSN:03858367)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.299-305, 1985-09-25
被引用文献数
4

The breast is one of the most common site of cancer originated primarily. Metastatic neoplasma to the breast, however, has been reported as rare. According to the Annul of the Pathological Autopsy Cases in Japan, seventy six cases who had metastatic neoplasma to the breast out of 219,41 cases were reported in 1981,which included 35 cases of the opposite side breast cancer, 9 of gastric cancer, 9 of malignant lymphoma, 5 of cervical or corpus cancer of the uterus etc. The incidence of the metastatic cancer to the breast is 0.35% in all the malignant neoplasma. In this paper, the authors reported 3 cases with the metastatic neoplasma to the breast experienced during a period of these 10 years. The first case was intrahepatic bile ductal cancer, the second was pancreatic cancer, and the third was descending colon cancer. The intrahepatic bile ductal cancer was the first case of metastatic cancer to the breast in Japan in the literature.
著者
平 朝彦 飯島 耕一 五十嵐 智秋 坂井 三郎 阪口 秀 坂口 有人 木川 栄一 金松 敏也 山本 由弦 東 垣 田中 智行 西村 征洋 鈴木 孝弘 木戸 芳樹 渡邊 直人 奥野 稔 井上 武 黛 廣志 小田 友也 濱田 泰治 室山 拓生 伊能 隆男 高階 實雄 勝又 英信 原田 直 西田 文明 南川 浩幸 金高 良尚
出版者
The Geological Society of Japan
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.118, no.7, pp.410-418, 2012
被引用文献数
5

東北地方太平洋沖地震において関東地方を中心に前例のない広域的な液状化被害が報告されている.都市地盤における液状化現象を理解し,その対策を立てるには,液状化が地下のどこで起ったのかを同定することが極めて重要である.本報告では,千葉県浦安市舞浜3丁目のボーリングコア試料に対して,X線CTスキャン解析を実施し,非常に鮮明な地層のイメージの取得に成功した.この結果,地面下13 mまでの地層を5つのユニットに区分することができ,その中で6.15 mから8.85 mまでの間で地層のオリジナルな構造が破壊されており,液状化した層であると判定した.この手法は,今後の液状化研究に関して,大きな貢献が期待できる.
著者
生田 和良 作道 章一 中屋 隆明 高橋 和郎 纐纈 律子 奥野 良信 纐纈 律子 渡邉 洋平 佐々木 正大
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

H5N1亜型高病原性トリインフルエンザウイルス(HPAIV H5N1)は、一部の地域において致死率の高いヒト感染例が散発的に確認され、ヒトに対してパンデミックとなる懸念が指摘されている。エジプトは現在、世界的にも多くのHPAIV感染者を出している流行国の1つである。本研究においては、エジプトで飼育されている家禽からHPAIV分離を試み、得られた遺伝子配列から分子疫学調査を実施した。その結果、エジプトにHPAIVが初めて導入された2006年に比べて、2008-09年のウイルスはヒトに感染しやすいと考えられるα2,6 SA糖鎖親和性を獲得していた。
著者
松田 ひとみ 奥野 純子 柳 久子
出版者
筑波大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

特定高齢者に対して昼間の活動性の向上と夜間の睡眠効率を高くするために、計画的な昼寝の導入による効果を明らかにすることを目的とした。ピッツバーグの睡眠質問票、GDS15とSF8の質問紙および活動量計と連続血圧計により日内変動に関する測定を行った。その結果、75歳以上の高齢者は夜間の睡眠の質が低く、翌日の昼寝を40分以上とることによって補完していること。また昼間の睡眠は午後5時前に行うことにより、夜間の睡眠の質を低下させることなく、昼間の活動を促進させ疲労を回復させていると考えられた。さらに高血圧疾患のある高齢者は、夜間の睡眠の質が低下し、昼寝による効果が得られていない可能性が見いだされた。
著者
奥野 裕子
出版者
大阪大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2010

学童期の高機能広汎性障害と診断された子どもとその保護者を対象に、Problem-Solving Training(PST)を実施し、PST前後で子どもに対しては「対人的自己効力感尺度(松尾・新井, 1998)」、保護者に対しては「家族の自信度アンケート」「子どもの行動チェックリスト: Child Behavior Checklist(CBCL)」を指標にその有用性を検討した。結果として、子どもの外向的問題行動、母親の子どもに対する対応への自信に改善がみられた。
著者
[タカ]橋 俊幸 菊地 聖史 [タカ]田 雄京 奥野 攻
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.126-139, 1998-03-25
被引用文献数
3

近年, 生体材料の安全性が重要視されるようになり, 歯科用金合金にもより高い安全性が求められるようになってきた.金に少量のチタンを添加するとわずかに固溶するため, 生体安全性が高く, 審美性や機械的性質に優れた新しいタイプの金合金を開発できる可能性がある.そこで, チタン添加量を0.5〜2.0%とした金-チタン合金を作製し, 熱処理条件, 機械的性質, 組織, 色調を調べ, 歯科鋳造用金合金としての可能性を検討した.その結果, 歯科用合金として, 溶体化処理条件は1, 000℃, 10分間, 時効処理条件は600℃, 10分間が適当と考えられた.また, チタン添加量は1.0〜1.8%が適切と考えられた.金-チタン合金は, チタン添加あるいは熱処理を行うことで, 軟質から超硬質までの機械的性質が得られることが分かり, 歯科鋳造用金合金として多目的な応用の可能性が考えられた.
著者
奥野 充
出版者
日本第四紀学会
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.225-236, 2002-08-01 (Released:2009-08-21)
参考文献数
91
被引用文献数
24 71

南九州には,最近約3万年間に噴出したテフラが数多く分布している.これらのテフラの噴出年代の決定方法を,(a)古記録との対比,(b)暦年較正曲線での位置,(c)14C年代値の暦年較正曲線への投影,(d)層位による比例配分の4つに区分して,網羅的に整理した.広域テフラである鬼界アカホヤテフラ(K-Ah)および姶良Tnテフラ(AT)の噴出年代は,暦年較正曲線での位置から,それぞれ7.3cal ka BP,29cal ka BPと判断される.これらの噴火の前後の休止期間は1,000~3,000年程度と見積もられ,とくに長い時間間隔ではない.桜島薩摩テフラ(Sz-S/Pl4),池田湖テフラ(Ik)および霧島御池テフラ(Kr-M)は南九州に広く分布するテフラであり,層位学・編年学的に重要である.これらの噴出年代は,それぞれ約13cal ka BP,約6.4cal ka BP,約4.6cal ka BPである.K-AhとIkの時間間隙はおよそ1,000年と考えられるが,より正確に見積もるためにはIkの暦年較正曲線での位置を確定する必要がある.