著者
東田 京子 田中 智貴 山上 宏 泊 晋哉 福間 一樹 奥野 善教 阿部 宗一郎 長束 一行 豊田 一則 猪原 匡史
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.217-222, 2018 (Released:2018-04-25)
参考文献数
17
被引用文献数
3 3

脳卒中後てんかんの大規模研究は少なく,一定のコンセンサスが得られていない.今回,本邦での脳卒中後てんかんの診療実態を明らかにすることとした.2015年2~5月の脳梗塞治療症例数上位500施設を対象に患者数,検査,治療について,計14問のアンケートを依頼し,189施設から回答が得られた.てんかん入院症例の39%に脳卒中既往があった.検査については頭部MRIや脳波検査はそれぞれ99,97%の施設で施行されていたが,検査陽性率は低値であった.治療については発作の再発抑制にはカルバマゼピン,バルプロ酸,レベチラセタムの順に第1選択薬とされていた.
著者
似内勇太 奥野拓
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.561-562, 2014-03-11

現在,Web上には人名,地名,住所など様々なデータが文章中に含まれ公開されている.文章をLinked Data化する場合,文章中のリソースの特定作業とプロパティの選定作業が課題となる.本研究では,Linked Data化する対象を観光情報サイト内の文章と定め,固有表現抽出を用いて文章に含まれるリソースの抽出とプロパティの推薦を行う.機械学習の手法の一つであるCRFを用いて固有表現抽出を行うために,観光情報サイト内に含まれる店名やメニューなどの観光属性情報を定義し,観光情報サイト内の文章から教師データを作成する.また,抽出結果に付与される属性情報とプロパティを関連付け,プロパティの推薦を行う.
著者
田中 正泰 針ヶ谷 弘子 鎌田 樹志 氏原 一哉 橋本 勝 橋本 貴美子 松田 冬彦 柳屋 光俊 白濱 晴久 奥野 智旦
出版者
天然有機化合物討論会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集
巻号頁・発行日
no.34, pp.110-117, 1992-09-10

Ohwaraitake is Japanese name of a poisonous mushroom Gymnopilus spectabilis and means "a loud laugh mushroom". Accidental ingestion of it causes hallucinosis and abnormal behavior. A hallucinogenic mushroom contains usually psilocybin or its analogues but it is reported that any psilocybin or its congenor does not found in Japanese Ohwaraitake. The toxic symptoms suggest that any neuroexcitatory substance must be contained. The isolation was carried out monitoring depolarizing activity on the new born rat spinal cord. 1. Chromatographical fractionation and bisassay showed that the neuroexcitatory active compounds were gimnopilins (G) which were known as bitter principles of this fungus. Further fractionation revealed that G (1) was inactive and activities of G (2) increased from n=7 to n=5 and besides, G (2), which was newly isolated this time, was more active than G (2). 2. The structure of the new G was determined by the chemical degradation as formula 3. 3. The Chirality of hydroxymethylglutamic acid (HMGA) part was determined as S configuration by the acquisition of (R)-mevalonaloctone through LiBH4 reduction or G (1 and 2). 4. G (2) does not work as an ion carrier probably, since it does not particularly take metal ion from aqueous solution into an organic solvent. 5. Determination of the chirality of tert-alcohols in gymnoprenol (G'), that is, G without HMGA part, was attempted. Eight isomers of the model compounds corresponding to G' (m=2, n=4) were synthesized and were not discriminated by HPLC and NMR. Since two diastereoisomers of MTP-ethoxy-methoxy derivatives of G' (m=1, n=2) were distinguished by ^1H and ^<19>FNMR, these derivatives may be applicable to identification of the synthetic and the natural G'.
著者
太田 貴久 南 拓也 山崎 祐介 奥野 好成 田辺 千夏 酒井 浩之 坂地 泰紀
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.2L103, 2018 (Released:2018-07-30)

本研究では,発明の新たな用途先を探す手法を提案した.提案手法では,はじめに,技術的特徴とそれに対応する効果を抽出する.その後,ユーザが指定した発明と,技術的特徴が類似し,かつ効果が類似しない他の特許を検索する.このような手法によって,発明の新たな用途先を探索する.提案手法に対して実験を行った結果,実際に別用途へ展開された特許の例を再現することでできた.
著者
内匠 真也 奥野 航平 大月 勇人 瀧本 栄二 毛利 公一
雑誌
研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC)
巻号頁・発行日
vol.2015-CSEC-68, no.12, pp.1-8, 2015-02-26

情報漏洩の多くは人為的なミスにより発生している.そこで,人為的ミスによる情報漏洩を防止するために,ファイルごとに設定可能なデータの機密度に基づいて,データの出力処理を制御するセキュアシステム DF-Salvia の開発を行っている.DF-Salvia では,コンパイラと OS が連携し,プロセス内部のデータフローを追跡する.本論文では,そのデータフロー追跡手法について述べる.具体的には,コンパイラによってデータフローの静的解析情報を生成するとともに,実行時に動的解析を可能とするためのデータフロー追跡用コードを挿入する.OS は,それらの情報をもとに動的にデータフローを解析する.本手法をアプリケーションに適用させた結果,データフローを追跡し,情報漏洩を防止できることを確認した.
著者
萩原 正敏 武内 章英 大江 賢治 二宮 賢介 飯田 慶 奥野 友紀子
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究の目的は、スプライシング異常に起因するRNA 病を標的とした新規治療方法を創製することであり、関連する論文を2報、報告した。一つ目は、加齢黄斑変性症における病的な脈絡膜血管新生を抑制する化合物SRPIN803を同定した論文である(Molecular Pharmacology May 20, 2015 mol.114.097345)。SRPIN803は、SRPK1(SRSF protein kinase 1)とCK2 (Casein kinase 2)を同時に抑制することにより、リード化合物であるSRPIN340よりも強い病的血管新生作用を示した。加齢黄斑変性症のモデルマウスにおいて点眼による効果であり、臨床応用の可能性が示唆される報告である。二つ目は、メタボリックシンドロームにおける脂肪分化を抑制する化合物BINDYを同定した論文である(Bioorganic & Medicinal Chemistry 23:4434,2015)。BINDYは、リード化合物であるINDYよりも強いDYRK kinase阻害効果を有し、脂肪分化に重要な転写因子であるPPARγとC/EBPαの発現を抑制することにより、3T3-L1細胞の脂肪分化を抑制した。最近、DYRK1Bの機能獲得型の遺伝子変異がメタボリックシンドロームを増悪させる報告からも、BINDYがメタボリックシンドロームに効果を示す可能性が示唆された。
著者
奥野 拓 高橋 正輝 山田 亜美 川嶋 稔夫
雑誌
じんもんこん2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.3, pp.199-206, 2014-12-06

公立はこだて未来大学では,函館市中央図書館と連携して歴史資料の登録から公開までの業務をサポートするデジタルアーカイブCMS を開発し,デジタル資料館として運用している.蓄積された膨大な歴史資料のファインダビリティを改善し,多目的に活用する目的で,LOD 化に取り組んでいる.他の歴史コンテンツと関連付けるため,日付,人物,場所をリソースとして抽出し,絵葉書資料RDF データセットを作成している.また,歴史的エピソードを仲介させることにより,間接的に関連する絵葉書資料を閲覧できるシステムを構築している.さらに,デジタル資料館の歴史資料を引用して特集コンテンツを作成するデジタルテーマ展や,市民が歴史資料にアノテーションを行う市民編纂SNS,様々な歴史資料RDF データセットを利用する観光アプリの構築を検討している.
著者
藤原 康雄 奥野 博久 松岡 義幸 萱原 瑞穂
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.191-196, 1991

JR大阪環状線は戦後の復興の中から大阪市民の強い要望により1956 (昭和31) 年3月20日に着工され、1961 (昭和36) 年4月に完成した。しかしながら「の」字運転のためににそれほどの効果が期待されず、ほぼ同時に旧西成線の高架化も着工し、1964 (昭和39) 年に完成した。この年は東京オリンピック、東海道新幹線の開通と大きなプロジェクトが成功した。<BR>環状線の開通は種々の困難を乗り越え、最新の技術を酷使し、城東線と西成線をむすぶことによって旅客の流動の差を2倍程度に押さえ、大阪市の発展に多大な効果があった。
著者
奥野 義雄
出版者
奈良大学文学部文化財学科
雑誌
文化財学報 (ISSN:09191518)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.43-58, 1994-03

中世公家・武家の孟蘭盆習俗は、端的に祖先祭祀を表現するものである。すでに、公家・武家の孟蘭盆習俗にみる燈籠進供について触れたが、そこでは、中世孟蘭盆の習俗とは、古代の孟蘭盆習俗とは違って新しい習俗が付加されたものであることを大雑把に提示したのみであり、もう少し詳しく中世公家・武家の社会における孟蘭盆習俗を検討し、どの時期にどのような習俗が付け加えられてきたかを究明することによって、中世以降の孟蘭盆習俗とどのようにかかわっていくのかを考えていく手掛りを捉えることができるのではないかと想定し得るからである。また、中世の孟蘭盆習俗を軸に古代の孟蘭盆習俗と対比することによって、中世の孟蘭盆習俗の存在形態が明確にし得るのではないかと考えたからにほかならない。この視点で中世公家・武家の孟蘭盆習俗について、小稿で検討することにしたい。
著者
今西 泰一郎 吉田 晶子 奥野 昌代 平沼 豊一
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 : FOLIA PHARMACOLOGICA JAPONICA (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.126, no.2, pp.94-98, 2005-08-01
参考文献数
28
被引用文献数
3 1

マウスのガラス玉覆い隠し行動(marble-burying behavior)は,敷き詰めた床敷(オガクズ)上に配したガラス玉をマウスが床敷内に埋めてしまう行動であり,選択的セロトニン再取り込み阻害薬(Selective Serotonin Reuptake Inhibitor: SSRI)により行動抑制を伴うことなく抑制される.無害なガラス玉を床敷で覆い隠そうとするマウスの行動が不合理と認識しつつ繰り返される強迫性障害患者の強迫行為と見かけ上類似していること,SSRIがうつ病のみならず強迫性障害の治療薬としても有用であること,不安の代表的な動物モデルであるコンフリクト試験や高架式十字迷路試験ではSSRIは効果を示さないことから,ガラス玉覆い隠し行動は強迫性障害の動物モデルとして位置付けられつつある.反面,ガラス玉覆い隠し行動は,強迫性障害には無効とされているベンゾジアゼピン系やセロトニン5-HT<sub>1A</sub>受容体作動性の抗不安薬によっても抑制されることから,強迫性障害に対する治療効果のみを反映するモデルとは言い切れない側面を併せ持つ.ガラス玉覆い隠し行動に関連する研究は充分に行われているとはいえず,今後の研究課題の一つと考えられる.<br>
著者
代市 拓也 奥野 厚志 若林 康夫 越川 尚男
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.75, no.3, pp.707-710, 2014 (Released:2014-09-30)
参考文献数
11
被引用文献数
1 2

症例は78歳,男性.虫垂腫瘍の診断で,術中所見から悪性を疑い回盲部切除術(D3)を施行した.切除標本では虫垂は横径6 cmと腫大し内腔に白色ゼリー状物質が充満していた.病理検査では中等度の核異型を示す高円柱状の細胞が単層性および小乳頭状に増殖し,一部粘液が漿膜にまで及んでおり,WHO分類に基づきLow-grade appendiceal mucinous neoplasm (LAMN)と診断された.LAMNは組織学的には良性と思われても腹膜偽粘液腫をきたし得るなど臨床的に悪性の性格を示すため,WHO分類では悪性腫瘍に分類され,大腸癌取扱い規約第8版においても低異型度虫垂粘液性腫瘍として新たに分類された.LAMNの治療法に関しては明確なガイドラインは存在しないが,潜在的に悪性であることを考慮すると,十分なマージンを確保した外科的切除を行いつつ,術後の厳重な経過観察が必要であると思われた.

1 0 0 0 OA 別府夜話

著者
奥野他見男 著
出版者
潮文閣
巻号頁・発行日
1925
著者
中屋 宗雄 森田 一郎 奥野 秀次 武田 広誠 堀内 正敏
出版者
The Oto-Rhino-Laryngological Society of Japan, Inc.
雑誌
日本耳鼻咽喉科學會會報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.105, no.1, pp.22-28, 2002-01-20
参考文献数
30
被引用文献数
1 2

目的: ライフル射撃音による急性音響性難聴の聴力像と治療効果に対する臨床的検討を行った.<BR>対象と方法: ライフル射撃音による急性音響性難聴と診断され入院加療を行った53例, 74耳とした. 治療方法別 (ステロイド大量漸減療法群23耳とステロイド大量漸減療法+PGE<SUB>1</SUB>群51耳) と受傷から治療開始までの期間別 (受傷から治療開始まで7日以内の群42耳と8日以降の群32耳) に対する治療効果と聴力改善 (dB) についてretrospectiveに検討した. また, 各周波数別に治療前後の聴力改善 (dB) を比較検討した.<BR>結果: 全症例の治癒率19%, 回復率66%であった. ステロイド大量漸減療法群では治癒率17%, 回復率78%, ステロイド大量漸減療法+PGE<SUB>1</SUB>群では治癒率24%, 回復率63%であり, 両者の群で治療効果に有意差を認めなかった. 受傷から7日以内に治療を開始した群では治癒率21%, 回復率78%, 受傷から8日目以降に治療を開始した群では治癒率16%, 回復率50%であり, 受傷から7日以内に治療を開始した群の方が有意に治療効果は高かった. 入院時の聴力像はさまざまな型を示したが, 2kHz以上の周波数において聴力障害を認める高音障害群が50耳と多く, 中でも高音急墜型が20耳と最も多かった. また, 治療前後における各周波数別の聴力改善 (dB) において, 500Hz, 1kHzの聴力改善 (dB) は8kHzの聴力改善 (dB) よりも有意に大きかった.<BR>結論: 今回の検討で, 受傷後早期に治療を行った症例の治療効果が高かったことが示された. また, 高音部より中音部での聴力障害は回復しやすいと考えられた.
著者
横溝 岳彦 佐伯 和子 奥野 利明
出版者
順天堂大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2010-04-01

BLT2は上皮細胞に発現し、腸管バリア機能の維持や皮膚創傷治癒に必要な受容体であることが分かった。BLT2アゴニストは難治性皮膚潰瘍の治療薬候補と考えられた。アスピリンはBLT2リガンドである12-HHTの産生を抑制することで創傷治癒を遅延させた。BLT1、BLT2はゼブラフィッシュの胚発生に必須の遺伝子であった。遺伝子欠損マウスの解析から、BLT1が多発性硬化症を増悪させたり、脊髄損傷の回復を遅らせること、BLT2が気管支喘息の反応を抑制していることも分かった。
著者
奥野 良之助
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.93-101, 1985-03-30 (Released:2017-05-23)

OKUNO, Ryonosuke (Dept. Biol., Fac. Sci., Kanazawa Univ., Ishikawa). 1985. Studies on the natural history of the Japanese toad, Bufo japonicus japonicus. V. Post-metamorphic survival and longevity. Jap. J. Ecol., 35 : 93-101. Post-metamorphic survival rates of the Japanese toad, Bufo japonicus japonicus, inhabiting the Botanical Gardens of Kanazawa University were as follows : Survival rate between 1 and 2 years of age was about 40% ; between 2 and 3 years of age was 40-70% ; between 4 and 5 years of age was 65-80%. Survival rates were decreased gradually after age 5,although they were kept over 50% to age 8. Four out of 178 individuals, which had been marked at age 1 in the autumn of 1973,were still surviving in the spring of 1981 (9 years old). Longevity of the males was presumed to be 11 years, and that of the females was estimated at 8 or 9 years. Sex ratio (♂/♀) of matured toads was 2.71.