著者
宮崎 哲次 井濱 容子
出版者
琉球大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では減圧障害の診断基準を確立することを目的とした.非肥満ラットと肥満ラットを用いて生前減圧群(AD)死後減圧群(PD)対照群の3群に分け,それぞれの群における血管内気泡と組織学的所見を比較した.特に肺の気腫性変化は画像処理ソフトを用いて定量評価した.血管内気泡はADとPD両方に確認された.AD群では,高圧負荷時間とともに血管内気泡と肺の気腫性変化が高度になり,死亡群ならびに肥満ラットにおいて変化がより著明となった.本研究では肺の気腫性変化の定量評価によって生前減圧と死後減圧を鑑別できる可能性を示した.本結果は,実際に減圧障害を含むダイビング関連死亡の剖検診断に役立つと考えている.
著者
宮崎 隆 玉置 幸道 鈴木 暎 宮治 俊幸
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.450-456, 1988-05-25
被引用文献数
2

ポーセレン(リブデント, ビタVMK), キャスタブルセラミックス(ダイコア)及びマシナブルセラミックス(マコール)を用いて光沢のある仕上げ面を得る目的で超音波ラップ研磨を行ない, 研磨能率と研磨面性状を検討した.超音波ランプ研磨は市販の超音波研磨機(周波数28.5KHz, 10W)を用いて, 木材のラップ棒と試料の間にアルミナ, セラニア, ジルコニア, 酸化クロム, ダイヤモンドなどの遊離砥粒を介在させて行なった.ポーセレンはダイヤモンド以外の砥粒では能率が悪かったが, ダイヤモンドを用いるとグレーズ面のような良好な仕上げ面が得られた.マコールやダイコアはポーセレンよりも研磨性が良く, ダイヤモンドは勿論, アルミナやセラニアでも良好な仕上げ面が得られた.
著者
宮崎 育子 浅沼 幹人 中村 一文
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

農薬でミトコンドリアComplex I阻害剤であるロテノンを慢性皮下投与したラットを用いた検討により,ロテノン神経毒性は中枢よりも末梢神経の方が脆弱であること,また中枢神経系と同様に,腸管神経叢周囲にもGFAP陽性アストログリアが存在し,ロテノン神経障害発現に伴って,GFAP陽性アストログリアの活性化が惹起されることを明らかにした.初代培養細胞を用いた検討により,ロテノン神経毒性発現にはアストログリアが関与しており,とくに中枢神経系においては,ロテノン曝露により中脳アストログリアから特異的に分泌される何らかの因子がドパミン神経障害を惹起すること,さらに抗酸化分子メタロチオネインがこのドパミン神経障害を阻止しうる分子であることを見出した.
著者
三橋 勇 成沢 広幸 Isamu Mitsuhashi Hiroyuki Narusawa 宮城大学 宮崎産業経営大学
出版者
宮城大学事業構想学部
雑誌
宮城大学事業構想学部紀要 (ISSN:1344607X)
巻号頁・発行日
no.6, pp.167-209, 2003

Inland waterway tourism in Europe has been nowadays developing from the 50s of the former century, inheriting the developed waterway transportation system. This paper aims to give an overview of this tourism, especially in France. The inland waterway tourism in France is based on three dimensions : "blue", "green" and "gray" At first, the blue dimension is the most basic element of this type of tourism, which is repesented by river cruise and leisure navigation in inland waterways. Then "green" dimension is concerned with the rural tourism practiced near the waterways. At last "gray" dimension represents the urban areas where waterways flow. These three dimensions constitute so called "le tourisme fluvial" in a wide sense. And this synthetic type of tourism can contribute to the regional development. The government and local governments are trying to promote this tourism.
著者
田中省作 冨浦洋一 宮崎佳典 小林雄一郎 徳見道夫
雑誌
第75回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.83-85, 2013-03-06

科学論文などの英語(EAP)には,EGPとよばれるような一般的な英語とは異なる表現や構成が求められる.さらに,それらは分野によっても大きく異なることが知られており,分野ごとの学術表現リストの作成はEAPにおける重要な課題の一つである.本研究では,近年,多くの研究機関で整備されつつある自組織の研究者が執筆した著作物を電子的に蓄積・公開しているデータベース・機関リポジトリに着目する.それらのデータを活用することで,当該機関が扱う研究分野に依拠したような,従来よりも粒度の細かい部局別の英語学術表現リストの効率的な作成支援を試みる.
著者
上川智幸 宮崎大輔 馬場雅志 古川亮 青山正人 日浦慎作
雑誌
研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)
巻号頁・発行日
vol.2013-CVIM-189, no.5, pp.1-6, 2013-11-21

3 次元モデル化を行う上で,密な 3 次元形状を取得することは非常に重要である.本稿にて提案する手法では,レンジセンサより得た形状を制約条件とすることで,未校正照度差ステレオ法を起点とした密な法線の推定を行う.はじめにレンジデータの制約を用いて未校正照度差ステレオ法の曖昧性を解いた後,求められた法線および光源方位,さらには入力画像から影や鏡面反射を取り除いた線形化画像を最適化するような処理を繰り返す.このようにして法線,アルベド,光源方位,線形化画像を同時に得られることが本手法の利点であり,同時に入力データが形状および画像のみであることから,計測の負担が少なく汎用性の高い手法にもなっている.
著者
宮崎 清恵 高梨 薫
出版者
神戸学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

周産期医療施設766施設においてソーシャルワーク業務を担当している職員に対するアンケート調査、事例研究、および文献研究をおこなった。それらの分析により、極低出生体重児へのソーシャルワーク実践モデルを開発した。実践モデルは(1)実践理論、(2)実践の対象、(3)実践の意義、(4)援助の手続き、(5)必要な知識・価値・技能、(6)業務環境で構成される。今回の研究では、それぞれの項目の内容を明確にした。

1 0 0 0 郁雨歌集

著者
宮崎大四郎著 阿部たつを編
出版者
東峰出版
巻号頁・発行日
1963

1 0 0 0 啄木書翰集

著者
石川啄木著 宮崎郁雨編
出版者
弘文社
巻号頁・発行日
1927
著者
宮崎郁雨著
出版者
宮崎郁雨
巻号頁・発行日
1945
著者
宮崎 悠
出版者
北海道大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

本研究の目的は、政治における公共宗教の役割と、それが国民国家の台頭に与えた影響を明らかにする事にあった。研究の対象は、世紀転換期から戦間期までのポーランド(ポーランド会議王国~第二共和国)とした。その理由は、国民国家の枠組みが流動化する中で宗教が果たした役割の変遷が顕著に表れた時代・地域であったと考えられるからである。19世紀末から1939年までの僅か半世紀で、ポーランドは行政的・地理的分割状態から第一次大戦後の領土変更を経て主権国家として統一された。しかしその領域にはロシア系、ドイツ系、ユダヤ系をはじめ多くのマイノリティ集団が含まれ、宗教的にもカトリック、プロテスタント、東方正教、ユダイズムなどが重層的に存在していた。政治的ナショナリズムを標榜する各集団は、信仰というモチーフや教義をとりこみ、また同時に、宗教の側もナショナリズムと共にある事で生存を図った。現段階での成果として、前年度までに取り組んだテーマ「ポーランドにおけるシオニズムの析出」を深化させ、「世紀転換期ポーランド・シオニズムにおける空間概念」というタイトルの論考にまとめた(『東欧史研究』へ投稿、修正作業中)、また、空間概念の理論的整理を兼ねた書評「板橋拓己著『中欧の模索:ドイツ・ナショナリズムの一系譜』創文社、2010年」が『境界研究』第三号に掲載された。2012年10月には日本国際政治学会のパネル「宗教、国際政治、ナショナリズム」において報告を行い、近現代のポーランド社会においてカトリック教会が果たした役割を俯瞰すると同時に、同国出身のローマ法王ヨハネ・パウロ二世と「宗教間対話」の試みを取り上げ、「普遍教会」の代表たる宗教者が政治的アクターとして果たした役割を再検討した。同年11月には福岡=釜山で行われた国際会議BRIT2012において報告し、A.ハルトグラスの思想分析を元にシオニズムの多義性を論じた。
著者
三橋 俊雄 牧田 和久 宮崎 清 田中 みなみ
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.94, pp.67-74, 1992-11-10

本論文は,新潟県山北町における「地域特質を表現する図像」構築過程の観察を通して,内発的地域作り計画と実践の意義を考察したものである。第1段階として,町内外の人びとが地域に対して抱く心象に関するアンケート調査,町内においてすでに使用されている視覚媒体物の採集,図像のモチーフとなりえる各種地域資源の採集,地域住民からの図像アイデアの募集などを通して,地域特質に関する把握とその表現方策に関する検討を行なった。第2段階では,それらの結果に基づき,地域特質を表現する図像の実体化作業を展開し,地域住民による投票ならびに内外の人びとによる図像評価に基づき,「地域特質を表現する図像」として10点を策定した。第3段階としては,イメージカラーやロゴタイプと組み合わせ,策定された図像の具体的活用に関するマニュアルを作成した。最後に,「地域特質を表現する図像」の構築を内発的に展開する計画・実践は,当該地域の人びとが地域の有する種々の価値を再確認し,共同してそれを維持・発展させていくためのツールとして機能する点において今日的意義があることを指摘した。
著者
ダニエルス クリスチャン 宮崎 恒二 大塚 和夫 西井 涼子 眞島 一郎 関根 康正 河合 香吏 陶安 あんど
出版者
東京外国語大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2002

本計画研究の最終年度に当たる本年度は、これまでの4年間の研究成果を踏まえて、総まとめと研究成果の公表に重点をおいた。これまでの研究活動においては、三つの基本課題に沿って知識が資源化される過程を検討してきた。第一課題は、知識の所有・占有・共有である。第二課題は、現代における前近代知識の読み直しであり、第三課題は、実体化された知識である。実践の中で生まれてくる知識がどのように資源化されるかが大きなテーマである。本年度は、領域研究全体のr資源」概念の再構成に貢献できるように、上記の三課題を視野に入れながら、資源化メカニズムの解明を継続・研究した。これまでに知識の「資源化」と知識の「商品化」とのあいだに本質的な懸隔のあることを明らかにした。本年度は、資源としての知識が拡散と流動のベクトルをもつのに対し、その商品化は固定と秘匿のベクトルをもつという分析指標から計画研究の総まとめを行った。班員がその立場を取り入れた形で成果論文の執筆に執りかかった。具体的な活動は(1)総括班主催で2006年12月9日-10日に開催した資源人類学国際シンポジウムでの発表、及び(2)2007年秋に刊行する予定の責任編集・全9巻からなる資源人類学成果論文集の1巻をなす第3巻「知識資源の陰と陽』に掲載する論文作成であった。(1)の国際シンポジウムでは、関根はハワイ南アジア系移民社会における伝統知識の再活性化(宗教・呪術の復活)の補充調査をした上で、「On the Shift from Knowledge as a Capital to Knowledge as a Resource」と題する発表を行った。(2)については、班員はそれぞれ上記の三課題を中心に5年間の研究成果を論文にまとめる作業を行った。ダニエルスは、上記の第3巻の責任編集に当たると同時に、雲南における伝統技術の補足調査をした上で成果論文集の第1巻に掲載する伝統技術の資源化過程に関する総論を準備した。
著者
菊池 利彦 宮崎 清
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.91-100, 2009-11-30

「死」はかつて、人びとの身近に存在した。死者がでると、人びとは自ら埋葬を行い、死者の鎮魂をし、死者に由来する魔や穢れの処理を行った。葬送儀礼は、穢れが漂う空間を平穏な日常空間に復旧するための空間意匠を内包するものであったといえる。本稿では、千葉県成田市台方における葬送儀礼に注目し、儀礼に内包される空間意匠を抽出するとともに、その特質について考察を行った。これにより以下の知見を得た。(1)出棺から埋葬までにみられる-連の所作は、葬家から埋葬地に至る空間に幾重にも分節点を築き、それにより此の世と彼の世を峻別するものである。(2)葬送儀礼には、日常において忌避される「逆さ」にする所作が散見される。これらの所作には、死を日常と対置することにより、日常の時間・空間へ穢れが流入するのを防ぐ意図が内包されている。(3)葬式翌日以降の多様な供養の儀礼は、一様に過ぎていく時間の流れに分節点を築き、穢れが希薄化していく過程、荒々しい死者が祖霊へと変化する過程を、人びとが実感するための作法であるといえる。
著者
多賀 直恒 富樫 豊 宮崎 正
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会論文報告集 (ISSN:03871185)
巻号頁・発行日
no.324, pp.95-103, 1983-02-28

長周期微動観測によって地盤振動特性を評価する際に, 例えば, 得られた卓越周期が何に依存し, いかなる意味を有すのかを明確にする必要がある。そこで, 岩盤露頭のサイトからたい積層厚が2km程度のサイトまでの測線上の観測と, それらの結果を別の観点から補填する意味で空間的に広く分布する岩盤露頭の四サイトで固定観測も平行して実施した。既報の結果をも踏まえて, 本観測で得られた結果を以下にまとめる。1)たい積層厚が深くなるのに対応して, 水平動成分の卓越周期は1.5秒〜5秒まで伸長する。2)岩盤あるいはそれに等しいサイトではスペクトルは一か所で卓越し, 波浪を振動源とした時の周期と関連性が高いと考えられる5秒前後の卓越周期のみが現れる。3)たい積層厚が数百m程度のサイトまではスペクトルは二か所で卓越し, 振動源効果に依存する特性と地盤固有の振動特性の両方が現れていると考えられる。両者の卓越振動数にかなりの差がある時に, 明確な連峰型のスペクトル形状を示す。4)たい積層厚が2km程の深いサイトではスペクトルは一か所で卓越し, 振動源効果に依存する周期特性と共有する周期域(5秒前後)で地盤が卓越している。大型台風通過時の観測結果からも, 5秒前後が地盤の卓越周期と考える。5)空間的に広く分布する岩盤上での固定観測によれば, 水平動成分と上下動成分の卓越周期の値は, 互に良く似た値であり, また, 観測サイトどうしで比較的似た値である。そして, 波浪の周期特性と密接な関係がある。6)卓越周期・地盤構造と台風という関連では, スペクトル中の振動源効果に依存する部分が台風の影響を反映して変化しているものと考えられる。さて, 長周期微動の周期特性などが徐徐に解明されてきた。これからは, これまでに得られた結果や既往の研究をもとに, 数kmにもおよぶ地盤構造の推定やそれに基づく地盤の卓越周期の確認, そして地震工学への応用という観点から長周期微動特性と地震動特性との比較, あるいは数値実験的な面からの検討を目ざしたいと考える。
著者
安梅 勅江 田中 裕 酒井 初江 庄司 ときえ 宮崎 勝宣 渕田 英津子 丸山 昭子
出版者
日本保健福祉学会
雑誌
日本保健福祉学会誌 (ISSN:13408194)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.9-17, 2004-03-30

子どもの3年後の発達に影響を与える要因について、長時間保育を含む保育形態、育児環境、属性等の関連を明らかにした。全国87園にて保護者と園児の担当保育専門職に質問紙調査と訪問面接調査を実施し、追跡可能であった485名を有効回答とした。その結果、1)3年後の子どもの発達への年齢・性別調整後の関連要因は、<対人技術>で一緒に買い物に連れて行く機会が乏しい、きょうだいがいる、基準年の運動発達がゆっくりである、<粗大運動><理解>で基準年の運動発達がゆっくりである場合、有意にリスクが高くなっていた、2)全変数投入の多重ロジスティック回帰分析では、<粗大運動>で本を読み聞かせる機会がめったにない、基準年の運動発達がゆっくりである、<対人技術>できょうだいがいる場合、有意にリスクが高くなっていた、3)3年後の子どもの発達への有意な関連要因として、「保育時間」はいずれの分析でも有意とならないことが示された。