著者
安達 恵利子 藤田 和俊 中橋 達 石立 誠人 宮川 知士 北見 欣一 三山 佐保子 井原 哲
出版者
日本小児放射線学会
雑誌
日本小児放射線学会雑誌 (ISSN:09188487)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.144-148, 2017 (Released:2018-04-11)
参考文献数
7

Tuberculous meningitis is a rare and potentially fatal infectious disease. Delayed diagnosis and treatment will result in a poor neurologic outcome; however, early diagnosis is not always easy because of nonspecific signs and symptoms. We report a 10-month-old boy presenting vomiting and “not doing well”, finally diagnosed as having tuberculous meningitis. Brain CT on admission showed significant basilar meningeal enhancement as well as obstructive hydrocephalus and multiple ring-enhanced parenchymal lesions. Even though the clinical manifestations or laboratory test results were not specific, the neuroimaging findings led us to raise a high index of suspicion of tuberculous meningitis. Specific laboratory tests for Mycobacterium tuberculosis were promptly initiated, which aided in the immediate confirmation of the diagnosis. The characteristics of the neuroimaging findings of tuberculous meningitis have been well documented; however, not every pediatrician is familiar with interpretation of the imaging findings. The present case will help pediatricians to be aware of clues to the early diagnosis of tuberculous meningitis.
著者
大崎 篤史 芦谷 啓吾 大庫 秀樹 山岡 稔 市村 隆也 李 治平 永田 耕治 茅野 秀一 宮川 義隆 山本 啓二 中元 秀友 今枝 博之
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
雑誌
Progress of Digestive Endoscopy (ISSN:13489844)
巻号頁・発行日
vol.87, no.1, pp.160-161, 2015-12-12 (Released:2016-01-06)
参考文献数
10

A 60-oyear-oold male visited a clinic because of gastric discomfort. This symptom was temporarily improved by a proton pump inhibitor, but it was worsened by discontinuation of the drug. He was referred to our hospital. Esophagogastroduodenoscopy showed an elevated lesion with multiple whitish small granular protrusions in the duodenal second portion, occupying two thirds of the circumference. The lesion was diagnosed to be a follicular lymphoma by histopathological examination including immunostaining of the biopsy specimens. He was admitted to our hospital. Abdominal CT scan showed no lymph node metastasis. Capsule endoscopy of the small intestine showed lymphoid follicles in the distal ileum in addition to the duodenal lesion. Bone marrow aspiration showed no invasion of lymphoma cells. This case was diagnosed as stage I according to the Lugano international conference classification. He underwent monotherapy using rituximab four times. However, the lesion did not respond. Therefore, radiotherapy was added which induced regression of the duodenal lesion. Follow-oup capsule endoscopy did not show any lesion in the distal ileum. As long-term outcome after treatment for duodenal follicular lymphoma is not known, strict observation is considered to be necessary.
著者
宮川 昭義
出版者
拓殖大学経営経理研究所
雑誌
拓殖大学経営経理研究 = Takushoku University research in management and accounting (ISSN:13490281)
巻号頁・発行日
vol.111, pp.265-278, 2018-02-28

本稿では,まず,いわゆる取得原価会計および公正価値会計が,会計理論としての完全性を提供するものではなく,企業の業績指標としての利益計算構造を当期純利益とするのか包括利益とするのかいずれが適当であるかを考える主観的なアプローチの違いに過ぎないことを指摘する。したがって,前者は取得原価主義会計であり,後者は公正価値主義会計であり,それぞれの利益観自体に優劣があるわけではないことを明らかにしている。その論拠として,取得原価主義会計から見るクリーン・サープラスが,公正価値主義会計では達成されないとの批判について,ゴーイング・コンサーンを前提とする取得原価主義会計による期間損益の総和が,名目資本維持を前提とする限り全体損益と一致せず,当該期間損益には業績損益と評価損益が混在していることを明らかとしている。つまり,クリーン・サープラスそれ自身にも公正価値主義会計における包括利益的要素が含まれているのである。結果として,「包括利益」と呼称するかぎり,それは一意の利益ではなく,「その他包括利益」をリサイクリングするかどうかが今日の会計観が取得原価主義会計に依拠しているか,公正価値主義会計に依拠しているかの判断基準となることを理論分析している。公正価値主義会計において,リサイクリングを採用することは,公正価値主義会計そのものが取得原価主義会計の範囲に引きつけられていることを明らかとしている。
著者
宮川 澄
雑誌
立教經濟學研究
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.109-140, 1963-02
著者
宮本 五郎 村山 勇 宮川 俊夫 坂部 健
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会会誌 (ISSN:18846327)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.124-129, 1956-11-30 (Released:2011-08-11)

Optimal amounts of phenidone and hydroquinone in D-76 type PQ developers (pH 8.7), are 0.2g and 5.0g per 1000cc each other, as shown in Fig. 1 and 2. This Formula (PQE) gives slightly more fog than D-76, but addition of 0.2g KBr or 0.01g benzotriazole retards fog (Fig. 3).Optimal pH ranges have been estimated in several kinds of developing formula (Fig. 4-13).PQ-MK (Fig. 15, 16) and PM-MK (Fig. 17, 18) developers give sensitivity about two to three times more than D-76.
著者
鵜澤 吉宏 金子 教宏 田代 尚範 宮川 哲夫 田中 一正 押味 由香
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.67-70, 2007-04-27 (Released:2017-04-20)
参考文献数
11

3学会合同呼吸療法認定士が,資格取得後どのように呼吸療法へかかわっているかについて全国規模のアンケート調査を実施した.回答者の意見として資格の取得を通じた学習で知識の向上は得られたと感じているが,業務への反映が不十分であること,呼吸療法業務に従事していない者が多くみられた.本制度への今後の希望は資格制度の発展への期待が最も多く,続いて職場環境の充実,教育体制の確立などの意見もみられた.
著者
見上 葉子 高木 優子 宮川 弘之 山嶋 裕季子 坂牧 成恵 小林 千種
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.12-19, 2022-02-25 (Released:2022-03-10)
参考文献数
16
被引用文献数
3

食品添加物であるジブチルヒドロキシトルエン(BHT),ブチルヒドロキシアニソール(BHA)およびtert-ブチルヒドロキノン(TBHQ)のHPLC分析条件について検討した.内径2.1 mmのカラムを用い,タイムプログラムを使用し各至適蛍光波長に切り替えることにより,25分間で一斉分析が可能となった.蛍光検出をUV検出と併用することにより選択性が向上し,夾雑ピークの影響を大幅に改善できた.また,ガス供給不足に対応するため,GC-MSによる確認法の代替としてLC-MS/MSによる確認法を作成した.さらに,上記3化合物標準溶液の長期安定性について検討した.その結果,0.1%アスコルビン含有メタノールを用い−20℃の条件で,TBHQは約1年間保存が可能となったが,BHT, BHAは著しく減少する場合があった.BHA, BHT混合標準溶液の場合は,メタノール溶液で4℃,BHA, BHT, TBHQ混合標準溶液は0.1%アスコルビン酸含有メタノール溶液で−20℃としたときいずれも約1年間安定であることを確認した.
著者
筧 祐未 金谷 悠司 宮下 和也 真柴 久実 光井 康博 小川 浩平 宮川 史 浅田 秀夫 竹内 三佳 宮田 梨世 萬木 聡 桑原 理充
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
雑誌
皮膚の科学 (ISSN:13471813)
巻号頁・発行日
vol.18, no.5, pp.295-299, 2019 (Released:2020-05-20)
参考文献数
19

72歳,男性。約50年前に工場の爆発で熱傷を受傷した。その後左大転子部外側の熱傷瘢痕部に変化が生じてきたため当科を紹介され受診した。初診時,左大転子部外側に手掌大の淡紅色局面を認め,表面には鱗屑・痂皮が付着していた。また辺縁は全周性に黒色調を呈しており,病変周囲には拘縮と瘢痕を認めた。皮膚生検を施行したところ,表皮から連続して真皮浅層に腫瘍細胞が胞巣を形成していた。胞巣辺縁は柵状配列を示し胞巣周囲にムチンの沈着を認め,真皮内には瘢痕形成が著明であった。病理組織学的所見から基底細胞癌と診断し,5mmマージンで皮膚腫瘍切除術と左遊離広背筋皮弁術を施行した。全切除標本の病理組織学的所見からは,基底細胞癌と真皮から皮下に広範囲の瘢痕形成を認めた。熱傷瘢痕上に有棘細胞癌が生じることは良く知られているが,熱傷瘢痕癌の中では基底細胞癌は比較的まれである。 (皮膚の科学,18 : 295-299, 2019)
著者
千葉 敦子 石田 賢哉 大西 基喜 メリッサ 小笠原 木村 美穂子 宮川 隆美 水木 希 澤谷 悦子 梅庭 牧子 奥村 智子
出版者
日本ヒューマンケア科学学会
雑誌
日本ヒューマンケア科学会誌 (ISSN:18826962)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.11-17, 2018 (Released:2022-02-02)
参考文献数
11

保健協力員は市町村長の委嘱を受けて地域住民の健康づくり活動を行う住民組織集団であり、青森県では短命県返上に向けてその活動が期待されている。しかし、保健協力員は担い手不足による固定化や高齢化が課題とされており、活動の活性化に向けた方策が求められている。活動を活性化するためには保健協力員の集団特性を把握し、組織特性に応じた支援の方向性を検討する必要がある。そこで、本研究ではA保健所管内の保健協力員と一般地域住民のヘルスリテラシーおよび主観的健康感を比較し、保健協力員の集団特性に応じた組織支援の示唆を得ることを目的に横断調査を実施した。その結果、ヘルスリテラシーでは「情報を理解し人に伝えることができる」の項目が、保健協力員の方が一般地域住民より有意に高いという結果であった。また、健康状態を示す主観的健康感が、保健協力員の方が一般地域住民より有意に高いという結果であった。
著者
宮川 道夫 川田 洋平 Mario Bertero
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-2, 情報・システム 2-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.84, no.7, pp.1512-1521, 2001-07-01
参考文献数
17
被引用文献数
10

チャープパルスと信号処理技術を用いて生体の内部構造及び温度変化量の分布を計測するチャープパルスマイクロ波CT(CP-MCT)によって獲得されるCT画像を数値計算により求める手法を開発した. ガウスパルスを用いて送受信アンテナ間の余効関数をFD-TD法により計算し, これに時間軸で入カチャープパルス信号を畳み込み, 実測と同様の信号処理を行って1点の計測信号を生成する. この計算を並進走査軸の各点で繰り返し, 投影データを得てCT画像を生成する. 余効関数法と名づけたこの計算手法の妥当性を, 分解能や温度変化量計測の実測結果とそれを模擬した計算結果とを比較することによって示した. 余効関数法を用いれば, 実測が困難な撮像系の点広がり関数を求めることも可能である. また, ヒト頭部の解析モデルを作成して減衰量分布や温度変化量分布のシミュレーションを行い, CP-MCTによる生体撮像の可能性について検討した.
著者
須藤 圭治 今井 義廣 沖井 明 喜多 憲司 近藤 圭三 松本 初男 宮川 智 左古 多佳子 奥野 秀樹
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.G0405, 2008

【はじめに】ポートフォリオとは、学習者自身の意志で成果や情報を一元化したファイルのことを指す。その作成を通じて学習のプロセスを再確認し、新たな価値を見出すことをポートフォリオ評価という。鈴木らは、当事者の内省と主体性の発揮を促す面で医療者の卒前卒後教育へのポートフォリオ評価導入の有用性を説いているが、理学療法士の臨床実習においては未だ導入経験の報告がない。今回我々は、鈴木の提唱する「ポートフォリオ評価」を基軸にした臨床総合実習を試みたのでその経過を報告する。<BR>【方法】対象:臨床総合実習生1名。期間:実習期間8週、指導者2名が担当。報告会は、医師、作業療法士も同席する症例検討会型式で行い、実習生へのフィードバックは口頭及び用紙記入で行い、回収した用紙は学生に明示した。総括は実習終了時のレポート、感想文、成長報告会での意見を参考に行った。実習の進行は以下のとおり。第1週「目標書き出しシート」にもとづく「目標カード」の作成とオリエンテーション、第2週:主症例の評価開始、第3週:症例初期評価報告会、第5週:文献抄読の報告会、第7週:症例最終評価報告会、第8週:成長報告会。<BR>【結果】ポートフォリオはクリアファイル2冊分になり、内容の割合は症例関係5割、勉強会関係3割、自己学習2割であった。実習生の感想は「気づきのチャンスが増え、主体的に学習できた」「自身の成長過程がわかった」「実習後の取り組みに生かせる」であり、要望は「実習前、実習初期にこの評価の十分な説明があればよかった」であった。スタッフの感想は「振り返る機会になる」「自己の問題点と改善点が整理できている」「自身の目標を持ち続ける大切さを学べたのではないか」である一方で、「この評価法を理解していないため意見し難い」「勉強会が必要」との意見があった。<BR>【考察】一般的な臨床実習は症例の初期評価に始まり最終評価で帰結し、養成校の評価表にそって指導者が実習生を評価するものであるが、今回の試みは、この流れを踏襲しながらも、「ポートフォリオ評価」を導入する事によって実習生の内省が常に必要とされる点が特徴といえる。実習導入期の「目標シート」作成、展開期の報告会および多面的なフィードバッグ、最終週の成長報告会は、ポートフォリオの見直しを通じての自己省察を深める機会となった。課題としては、実習生に簡潔に説明できる当院での「ポートフォリオ評価」マニュアル作成とスタッフ内の周知の必要性があげられる。今後、実習施設でのポートフォリオ評価が浸透すれば、学内教育と臨床教育との連携を強化するための有効なツールになると考える。<BR>
著者
小野 理恵 橘 一也 松浪 薫 木内 恵子 宮川 慈子 香河 清和 渡辺 高士 奥山 宏臣
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.213-218, 2008-04-01 (Released:2008-11-01)
参考文献数
7

気管無形成は予後不良の先天性疾患で,長期生存例の報告はほとんどない。今回,退院に至った気管無形成患児の集中治療管理について報告する。患児は出生直後よりチアノーゼを呈し,食道挿管によって換気可能となった。気管無形成と診断し,出生当日に食道皮膚瘻造設術,食道絞扼術,胃瘻造設術を行った。術後,気道として利用している食道と気管食道瘻が容易に閉塞し,換気不全を繰り返した。鎮静や高いPEEPにより気道の開存維持を図ったが著効せず,呼吸管理に難渋した。生後52日目,人工心肺下に食道気管吻合と食道外ステント術を施行し,術後呼吸状態が安定した。2回目の術後34日目に人工呼吸からの離脱が可能となり,生後10ヶ月で退院となった。気管無形成では,出生直後の適切な蘇生処置とそれに続く姑息的手術により生存可能であるが,呼吸管理が困難であり,気道の開存を維持するために更なる外科的治療を考慮する必要がある。