著者
野間 晴雄 野中 健一 宮川 修一 岡本 耕平 堀越 昌子 舟橋 和夫 池口 明子 加藤 久美子 加納 寛 星川 和俊 西村 雄一郎 鰺坂 哲朗 竹中 千里 小野 映介 SIVILAY Sendeaune 榊原 加恵 SOULIDETH DR.MR. Khamamany BOURIDAM MS. Somkhith ONSY Salika CHAIJAROEN Sumalee 岡田 良平 的場 貴之 柴田 恵介 瀬古 万木 足達 慶尚 YANATAN Isara 板橋 紀人 渡辺 一生
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

東南アジア大陸部に位置する天水田農業を主体とした不安定な自然環境における平原地帯(東北タイドンデーン村とラオスのヴィエンチャン平野ドンクワーイ村)における多品種の稲や植物,魚介類や昆虫など様々な動植物資源の栽培・採集・販売などの複合的な資源利用の実態とその変化の態様を地域の学際的・総合的共同調査で明らかにした。両村ともグローバル市場経済の影響が認められるが,ドンデーン村ではかつて存在した複合的な資源利用が平地林の消滅や都市近郊村落化によって失われており,ドンクワーイ村はグローバル化や森林伐採で変容を遂げつつあるが,インフラの未整備によって伝統は保持されている。
著者
花枝 英樹 芹田 敏夫 宮川 公男 胥 鵬 須田 一幸 広田 真人 木村 由紀雄
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

(1)「日本企業の配当政策・自社株買い-サーベイ・データによる検証-」概要:わが国全上場企業を対象にペイアウト政策についてのサーベイ調査を行い、つぎのような結果を得た。配当決定は投資決定とは独立に行われており、減配回避の考えが非常に強い。一方,自社株買いは配当と比べれば柔軟性をもって決められている。情報効果仮説については,配当・自社株買いとも支持する結果が得られた.ペイアウト政策を敵対的買収防止手段として考えている企業が多く,株主構成の違いもペイアウト政策の意識に影響を及ぼしている。(2)"The choice of financing with public debt versus private debt: New evidence from Japan after critical binding regulations were removed"概要:成熟企業と成長企業の資金調達と社債発行との関連を分析した。とりわけ、日本の経験から、最も有効な社債市場育成策は、銀行の利権を保護する規制を緩和し、社債と銀行借入の選択を企業に委ねるべきことを提案している。(3)"Ownership structure and underwriting fee: Evidence from Japanese IPOs"概要:企業の株式所有構造と新規公開時の引受手数料,IPO後の長期パフォーマンスの間の関係について,1997年から2002年にJASDAQへIPOした企業サンプルを用いて検証した。(4)"Financing constraints and Research and Development Investment"概要:わが国企業の研究開発投資と資金調達の関係を実証分析し、特に、キャッシュフローの多寡で表せる内部資金制約が研究開発投資の大きさに大きな影響を及ぼしていることを明らかにした。
著者
白木 仁 青野 淳之介 八十島 崇 宮下 寛子 花岡 美智子 向井 直樹 宮川 俊平 宮永 豊
出版者
筑波大学体育センター
雑誌
大学体育研究 (ISSN:03867129)
巻号頁・発行日
no.26, pp.23-32, 2004-03

下肢伸展挙上運動(Straight Leg Raise Exercise:以下SLR Ex.)は、関節に荷重負荷がかからず、安全に膝関節のトレーニングが行えることから、膝関節疾患等に対する運動療法の1つとして、医療現場を中心に幅広く行われている。市橋らは、SLR Ex.時の股関節屈曲角度や負荷量の違いが、大腿四等筋の筋活動に及ぼす影響を節電図学的に検証し、 ...
著者
アンドウ シャーリー 宮川 真子
出版者
大手前大学・大手前短期大学
雑誌
大手前大学論集 (ISSN:1882644X)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.A1-A7, 2007

明治維新ならびに、第二次世界大戦敗北が主な引き金となって、日本は欧米の文明に習った近代化を急速に推し進めた。その結果、民主的政治形態が確立し、科学技術や産業もめざましい発展を遂げた。経済も急速に発展し、多くの国民が物質的な豊かさを享受できるようになった。反面、「欧米に追いつき追い越せ」のスローガンの下に始まった近代化の思想が、日本より欧米の方が優れていると考える傾向を生み、日本が自信と誇りを失ってしまったようだ。「校内暴力」、「いじめ」、「引きこもり」、「学級崩壊」、「モンスターペアレント」などの社会問題は日本でも深刻の度を増しているが、アメリカではすでに半世紀前から問題となっていた。さらに現在急速な経済発展を遂げている国々でも同様の問題が起き始めている。著者らはこの点に着眼し、上の社会問題と日本が大きな影響を受けたと考えられる西洋文明の物質的側面との関連を検証し、それぞれの異なった観点や分析を開示し、その解決法を模索した結果がこの論文である。今回は、アンドウが論点を解説し、宮川がその論を展開した前半部分を提示している。宮川は日本の社会問題の解決を、欧米に見習うだけでなく、日本古来の精神文化の再評価を通して日本人であることに自信と誇りを取り戻し、現代社会に役立てる知恵を自らの文化の中に見出すことによって独自の問題解決を試みることを提案する。これに対してアンドウは、上の現象は近代化の過程でどうしても避けられないもので、日本固有のものとは捉えがたいという観点から、次回の論集においてその論を展開する。
著者
古谷野 英一 宮川 裕之
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会誌 (ISSN:03864812)
巻号頁・発行日
vol.38, no.6, pp.364-371, 1988-02-15

本研究は作業者の脈拍速度曲線を先行指標として, その変化から事務ミスの発生を予知すことのできる方法の開発である.本稿では第3報, 第4報の知見を基として新しい予知方式を開発(試作)し, 被験者4名を用いて各2時間の実験を20回, 延40時間の検証実験を行い, 事務ミス発生予告警告54回のうち, 96%は平均誤打率よりも1σ以上多い場合を予知し, 79%は平均誤打率よりも2σ以上多い場合を, 平均約7分以前に予知できることが認められた.また検証実験の結果より脈拍速度曲線の変化を各データの平均値±2σ, 各データ間の差異の平均値±2σの管理限界によって監視することにより, 平均誤打率より1σ以上多くなる場合の90%を予知し, 平均誤打率より2σ以上多くなる場合を88%予知できることがわかった.なお本方式には4%の第1種のエラーがあったが, 第2種のエラーは発生しなかった.
著者
中山 剛 宮川 陸男 三浦 種敏
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.22, no.6, pp.332-339, 1966-11-30
被引用文献数
2

A model of the process of evaluating reproduced sound quality was examined experimentally. As shown in Fig. 1, it was assumed that there was such relationship between the preference scale of sound quality R and multidimensional sensory scale D_i(i=1, 2. . . , n), as R=w_iD_i, where w_i=W(L, S, A), L: listener groups classfied in terms of the similarity of preference, S: musical signals classfied by their effect on w_i, A: age(time) and D_i=φ_i(t_j, s_i), t_j: a physical parameter of a transmission system, s_i: components of S, contributing to D_i. To examine this model, three experiments were made. The first and the second experiments were made to examine a linear equation relating to above-mentioned R and D_i. Stimulus conditions are shown in Table 1, and the block diagram of experimental circuits is shown in Fig. 2. Two of classic music(A: synphony, B: string quartet) were used as the source S, and presented to ten listeners under the above stimulus conditions. By means of the method of paired comparisons, the preference scale R and two sensory scales D_1(sensation of noises, mainly related to nonlinear distortion) and D_3(sensation ob treble, mainly related to low-pass filtering frequency) were obtained. From three scales the least square solutions of w_1 and w_3 were calculated. These values are shown in Fig. 3 and 4. Finally, from the scale values of D_1 and D_3 and estimated weights w_1 and w_3, estimated value R^^~ of preference scale was calculated. As shown in Figs. 3 and 4, the coincidence of observed value R and estimated value R^^~ was fairly good. This seems to prove the adequacy of the model. Fig. 5 shows the coincidence of R and R^^~ with four dimenstional sensory scales (D_1-D_4) taken into account. This third experiment was made to examine the stability of w_i. If w_i is only affected by L, S and A, and not by t_j, and once w_i for definite L and S is obtained, as far as L and L and S are fixed, R^^~ for various t_j will be able to be estimated from the curves of φ_i. These estimated values of R^^~ should coincide with observed R for such t_j. Fig. 6 shows the curves, in which w_i was calculated, and Fig. 7 shows tho estimated scale values of D^^~_<2i> for the second set of t_j, which is different from that used in determing w_i (the first set of t_j). From such predetermined w_i and estimated D^^~_<2i>, estimated value R^^~_2 of preference scale was calculated. As shown in Fig. 8, estimated value R^^~_2 and obserbed value R_2 for the second set of t_j coincided with each other very well again. If this model is proved to be adequate, and when a listener group and a source classification are given, it will became possible to design a transmission system, the sound quality of which is liked best by the listener group.
著者
花屋 達郎 宮川 道夫 林 豊彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式
巻号頁・発行日
vol.96, no.401, pp.55-60, 1996-12-12

本研究では,ヒトの様々な顔特徴こ対して発火するサル大脳ニューロン群,いわゆる「顔ニューロン」の研究成界を,ヒト顔画像からの特徴抽出処理こ応用した個人識別法を提案し,ニューラルネットワークを用いた識別法との比転,検討を行った.具体的こは,入力された顔画像から顔ニューロンが個人特徴として識別に利用する特徴をコンビュータで,自動抽出,(1)パタ-ン認識こよる個人同定方法とニューラルネットワークを用いた識別方法(2)学習パラメータに顔の距離要素を学習させたもの(3)距離要素中で髪の要素を除レ,たものさらに(4)顔ニューロンの特徴を用いたニュートラルネットワークの識別法による34人から顔画像の同定実験を行いその結果を示す.
著者
宮川 明美 谷川 攻一
出版者
一般社団法人 日本災害医学会
雑誌
日本災害医学会雑誌 (ISSN:21894035)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.89-100, 2023-12-02 (Released:2023-12-02)
参考文献数
22

【目的】双葉郡は2011年の福島第一原子力発電所事故の影響を最も受けた地域である。我々はこの地域における医療体制の再整備に関する課題を把握するために、事故後の医療ニーズの変化と医療体制の変遷について調査した。【方法】福島県と地方自治体からの報告、双葉消防署からの救急搬送データ、ふたば医療センター(FMC)での患者データの分析を行った。【結果】事故後、2014年からの避難指示解除に伴い、救急搬送件数は年率約10%で増加した。事故後早期には労働関連事故や交通事故による外傷の割合が30%以上増加した。住民の帰還に伴って内因性疾患(呼吸器疾患が最多)の割合が増加した。2018年にFMCが開設されたが、60歳代の患者が多く、2019年には80歳代の患者の割合が著しく増加した。【考察と結語】事故後、継続して行われた除染事業や復興事業、および住民の帰還による人口統計の変化は観察された外傷や疾病構造と関連していた。なお、本論文は以下の原著論文の和訳である。Miyagawa A, Tanigawa K: Health and medical issues in the area affected by Fukushima Daiichi nuclear power plant accident. Int J Environ Res Public Health 2022; 19: 144.
著者
木下 茜 山田 大介 本多 一貴 團野 哲也 徳永 まゆ子 宮川 仁平 田口 慧 秋山 佳之 山田 雄太 佐藤 悠佑 久米 春喜
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.113, no.4, pp.147-151, 2022-10-20 (Released:2023-10-20)
参考文献数
17

48歳女性.前医婦人科にて子宮筋腫,子宮内膜症に対し子宮全摘術と両側卵巣囊胞切除術を施行された.術後に腎機能の増悪を認め,病理組織検査で尿管組織を指摘され,左尿管損傷修復について当科紹介受診した.腎瘻からの順行性腎盂造影検査にて尿管欠損部は9.5cmであった.尿管損傷修復として尿管膀胱吻合は困難と考えられ,右腸骨窩の癒着が強くなく血管が確保できれば自家腎移植術の方針とした.術中操作で骨盤内の血管を確保できたため,左腎の右腸骨窩への自家腎移植術を施行した.術6カ月後の腎機能は保たれ,エコーで水腎を認めず腎血流も良好であった.尿管損傷の再建法を苦慮し文献検索をした経験から,尿管損傷長によるアルゴリズムを作成した.
著者
萩原 英雄 高雄 啓三 宮川 剛
出版者
一般社団法人 日本血栓止血学会
雑誌
日本血栓止血学会誌 (ISSN:09157441)
巻号頁・発行日
vol.26, no.6, pp.633-640, 2015 (Released:2015-12-15)
参考文献数
8

要約:マウスはヒト疾患のモデル動物として広く使われているが,ヒトで重篤な炎症が起きた時に発現が変化する遺伝子群はマウスでは全く異なるふるまいをしており,この観点からヒトとマウスはほとんど似ていないという報告が2013 年に出された.この報告はマウスをヒト疾患のモデル動物として使うことの有効性や妥当性などについて大きな議論を巻き起こした.しかし筆者らは,この報告で解析されたのと同じ遺伝子発現データを用いて,解析手法の改善を加えて再解析をした結果,マウスはヒトの炎症性疾患のモデルになり得ることを改めて確認することができた.この結論は,炎症性の疾患に限らず,ヒト疾患のモデルとしてマウスを用いて病態・病因の解明や治療法の開発を行う際に,ヒトとマウスの共通している部分に注目して研究を進めることが有効であることを示唆するものと考えられる.
著者
宮川 美知子 伊藤 隆一 林 泉彦 辻 祐一郎 津田 隆 神川 晃 佐藤 德枝 沼口 俊介 野間 清司 宮下 理夫 三澤 正弘 泉 裕之 松裏 裕行 塙 佳生
出版者
公益社団法人 日本小児科医会
雑誌
日本小児科医会会報 (ISSN:09121781)
巻号頁・発行日
vol.62, pp.230-234, 2021 (Released:2021-12-07)
参考文献数
9

いくつかの自治体で救急受診に際しての電話相談事業が活用され,軽症児(者)の救急外来受診や不急の救急車出動の抑制に効果を挙げている。代表的な事業は「#7119救急安心センター事業」と「#8000子ども医療電話相談事業」であるが,前者は総務省の所管,後者は厚生労働省の所管と異なる。運用状況も自治体によって違うことから,東京小児科医会小児救急部では,「日本小児科医会#8000情報収集分析事業ワーキンググループ」と相談・協力して,本会が#7119事業もしくは別番号で同様の事業を行っていると把握している19の自治体の小児科医会にアンケートを実施,運用実態を調査した。アンケートの回収率は100%で,集計の結果,消防庁などの行政が直接職員を雇用して運用している自治体は少なく,多くはその自治体以外に拠点がある民間業者に委託していることがわかった。また,1つの業者が複数の自治体から受託している場合もみられた。アンケート結果を検討し,各自治体内で抱える本事業運用上の問題点や課題,#8000との関係などを考察した。現在同様の事業を実施している地域や,今後#7119が行われる予定の地域への情報提供になると考えた。
著者
宮川 友博
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement 第22回日本霊長類学会大会
巻号頁・発行日
pp.87, 2006 (Released:2007-02-14)

雌の配偶戦略という面から群れの成り立ちを見ると、1、発情期が一時期に集中する雌の集団において、雄は発情期のみ必要である。(雌のみの集団)2、発情期が個体毎に違う雌の集団においては、一匹の優位な雄が常時群れに入ればよい。(一夫多妻の集団)3、2において、雌が群れの外の雄と時々浮気をすると、重層社会ができる。単雄複雌群れにおいて雌が群れの外の雄と浮気を行う社会でこそ重層社会が成立し、ヒトは進化のかなり初期からこの浮気性を持ち、重層社会を作っていたと考えられる。 また、テナガザル、オランウータン、ゴリラ、チンパンジー、ビーリアを順に見ると、雌の浮気性(同一繁殖期内において 複数雄を誘う性質)がチンパンジーにおいて著しく増大し、ヒトはゴリラとチンパンジーの中間に位置している。すなはち、 テナガザル、オランウータン、ゴリラ、ヒト、チンパンジー、ビーリアの順となり、進化の過程において雌の浮気性(同一繁殖期内において複数雄のを誘う性質)が順に増大してきた可能性をうかがわせる。
著者
加藤 みゆき 田村 朝子 水落 由美子 大森 正司 難波 敦子 宮川 金二郎
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.44, no.7, pp.561-565, 1993-07-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
12
被引用文献数
4

後発酵茶の一種である阿波番茶についてその製造工程中の成分の変化について検討した.浸出液の色については, 製造工程が進むにつれて380nmの比色値は高くなりポリフェノール含量も増加の傾向を示した.しかしカテキン含量は製造工程が進むに従って減少していた.呈味成分であるアミノ酸は, 阿波番茶では減少していた.有機酸としては修酸, クエン酸, 乳酸, 酢酸等が認められた.カフェイン含量についてはあまり変化は認められなかった.
著者
宮川 弘之 藤沼 賢司 鎌田 国広
出版者
特定非営利活動法人 化学生物総合管理学会
雑誌
化学生物総合管理 (ISSN:13499041)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.32-38, 2009 (Released:2009-09-16)
参考文献数
12

ビール中のホルムアルデヒドのGC/MSによる分析法を検討し、市販のビール中のホルムアルデヒドを測定した。試料中のホルムアルデヒドをPFBOAにより誘導体化し、n-ヘキサンで液液分配抽出後、GC/MSにより測定した。検出限界は0.009μg/mL、定量限界は0.030μg/mLであった。本法を用いて市販の外国産ビール、国産ビールおよび国産発泡酒類計23品目を分析したところ、1品目から0.032μg/mL、7品目から痕跡量のホルムアルデヒドが検出された。今回ビール類から検出されたホルムアルデヒドの量は、健康に影響を及ぼす量ではないと考えられた。
著者
芦谷 啓吾 山岡 稔 小林 威仁 今枝 博之 中元 秀友 宮川 義隆
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.107, no.2, pp.269-275, 2018-02-10 (Released:2019-02-10)
参考文献数
16

33歳,男性.1週間持続する発熱と咽頭痛を主訴に地域の病院を受診した.細菌性咽頭炎の診断で抗生物質を投与されたが改善せず,単純CT検査で肝脾腫,脾臓の出血性梗塞を認め,当院に転院した.Epstein-Barr virus (EBV)関連抗体であるvirus capsid antigen(VCA)-IgMが陽性,EBV DNA定量が4.7×103 copies/106 cellsと上昇していることから,伝染性単核球症に合併した脾梗塞と診断した.伝染性単核球症の発症中に,ループスアンチコアグラントが一過性に陽性となり,脾梗塞発症への関与が疑われた.