著者
山浦 大和 小川 進
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会研究発表会要旨集
巻号頁・発行日
vol.20, pp.65, 2007

16-19世紀,南米ボリビアのポトシ(Potosi)銀山(正称セロ・リコ・ポトシ)では,銀の精錬に大量の水銀が使用され,鉱山周辺は深刻な水銀汚染に見舞われた.そこで本研究では,水銀生産量と衛星データの流域解析から水銀汚染地域を特定し,スペイン統治時代のポトシ銀山における水銀汚染のリスク評価を定量的に行った.その結果,汚染地域がボリビア国境とアマゾン川の流域界まで達し,ポトシは文明崩壊の危機に瀕していた可能性が認められた.
著者
小川 正賢
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.41-46, 2017-11-11 (Released:2018-07-01)
参考文献数
25
被引用文献数
1

「大学教育の国際化」という文脈で,大学の授業を英語で行うことが求められるようになってきているが,「教授学習言語を英語化する」とはいったい「具体的にはどのようなことなのか」を問う研究は多くない.本稿では,「英語と日本語との関係性」という視点から,大学教育の教授学習言語問題を見直す第一歩として,日本の理学系高等教育の創成期での「関係性」を探ることを試みる.具体的には,先駆けの一つであった札幌農学校を事例として取り上げ,そこでの教授学習言語の実情(創設期の外国人教師による英語の講義が,卒業生を中心とした日本人教師になって,講義が日本語化する状況)を受講ノートという史料に基づいて解読し,「英語と日本語との関係性」について,問題点を整理する.
著者
山本 譲 粟屋 敏雄 小城 香緒里 森田 真樹子 川守田 早紀 神崎 郁代 小川 聡 板垣 祐一 大滝 康一 山本 久仁子 田﨑 嘉一 松原 和夫
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.34-42, 2012-01-10 (Released:2013-01-10)
参考文献数
10
被引用文献数
3 2

Shortage of physicians is a serious social issue in Japan. It has become an urgent challenge to support busy physicians. While the number of anesthetists is remarkably insufficient, the number of operations has increased in many hospitals after Diagnosis Procedure Combination (DPC) is implemented. Drugs used in operation rooms include many narcotic analgesic and poisonous drugs, which medical staff are required to strictly control. From the viewpoint of medical safety management, pharmacists should be involved in the management of these drugs. We have started preparation of injections in the operation rooms aiming mainly at supporting anesthetists. Pharmacists make up the anesthetic sets according to anesthetists' order by the evening of the previous day. The pharmacists carry the sets from the pharmacy to the operation room on a wagon. On the early morning of the operation day, two pharmacists mix the injection drugs, fill the syringes, attach the labels, assemble the routes, and check the completed sets in each operating room according to the list. All pharmacists in our pharmacy department engage in this service. We have conducted opinion surveys of pharmacists and anesthetists on this service. Although the workload of pharmacists increased, most pharmacists thought it was worthwhile. Most anesthetists evaluated that this service has improved medical safety. However, there were many requests that the pharmacists should be further involved throughout the entire operation. It is important to support physicians with services such as this by the pharmacist based on pharmaceutical knowledge. This service has a beneficial impact on healthcare professionals.
著者
北條 達也 井口 順太 高橋 仁美 小川 博之 Tatsuya Hojo Junta Iguchi Hitomi Takahashi Hiroyuki Ogawa
出版者
同志社大学スポーツ健康科学会
雑誌
同志社スポーツ健康科学 = Doshisha Journal of Health and Sports Science (ISSN:18834132)
巻号頁・発行日
no.4, pp.51-55, 2012-03-01

肋骨の疲労骨折は,ゴルフなどで生じる中位から下位の肋骨骨折がよく知られているが,第一肋骨の疲労骨折の報告は比較的少ない。われわれは,大学生チアリーダーに発生した第一肋骨の疲労骨折を経験した。左肩甲部痛で発症し,さらに左上肢尺側のしびれと痛みを自覚した。安静および低出力パルス超音波治療によって加療するも骨癒合は得られなかったが,1年後には競技に復帰できた。X線検査では評価が困難な同部位の評価に3DCTは,有用であった。
著者
加藤 輝政 小川 清 佐良木昌
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.69(1997-NL-120), pp.65-70, 1997-07-24

英語複文を4パターンに分類した。典型(プロトタイプ)・定型(ステレオタイプ)・従属接続詞を伴わない型(ポテンシャルタイプ)・句形態に従属節構造が潜む型(レイテンタイプ)。この4パターンの複文は、単文結合に還元可能である。分割するのではなく、接続副詞などにより媒介される単文結合に還元する。
著者
平野 みどり 小川 正光
出版者
愛知教育大学教育実践総合センター
雑誌
愛知教育大学教育実践総合センター紀要 (ISSN:13442597)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.35-43, 2004-02-27

授業方法の変化にともない,近年,供給が増加しているオープンプラン・スクールを対象とし,愛知県内27校について,オープンスペースの類型と活用実態を調査をもとに検討した。①オープンスペースの構成は,学校規模との関係が深いこと,②オープンスペースは,多様な授業の形態に対応可能なことが評価され,音の問題などの問題指摘は少ない,などの成果が得られた。

1 0 0 0 OA 度会郡誌

著者
小川稠吉 著
出版者
随時軒活版所
巻号頁・発行日
1897
著者
大井田 史継 長尾 伊知朗 伊藤 譲治 小川 研一 飯塚 昌彦 久野 恒一
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.24, no.6, pp.712-718, 1992-06-25 (Released:2013-05-24)
参考文献数
8

今回我々は単独心房梗塞と思われる2症例を経験した.2症例とも心筋由来の血清酵素の明らかな上昇が見られたが,心電図において有意なST変化を認めず,P-Taの偏位と上室性期外収縮のみが見られた.その偏位はYoungらが述べた基準を十分に満たすものであり,かつ梗塞部位は左房前壁と推測できた.この偏位は4,5日で消失したが慢性期負荷心電図にて,2症例とも急性期と同じ誘導に,同様なP-Taの偏位を認め,時間の経過と共に改善した.この変化は心房の生理的構造および特性を考えると,単に左心房の虚血のみを反映しているのではなく,運動負荷により左心機能を代償する心房の形態学的変化の関与の可能性も示唆され,興味深い所見と思われた.
著者
宮沢 知修 松井 健郎 小川 清久
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.247-251, 1989-11-01 (Released:2012-11-20)
参考文献数
5

Objective: It has been reported that the acromiohumeral interval (hereafter referred to as AHI) narrows in rotator cuff tears (RCT). In many cases, however, it does not. In this study we re-examined the clinical significance of the AHI.Subjects and method: AHI was studied in the f ollowing: normal shoulders, as the control group,55 cases,55 shoulders; RCT (massive: 45·46; complete: 62·64; partial: 51·52), periarthritis: 57·66, and unstable shoulder: 63·85. The AHI was measured as the distance between the humeral head and the under surface of the acromion in a standingposition A-P view (internal and external rotations and neutral position) and scapular Yview.Results: In normal shoulders the internal rotation AHI was the widest, at 8-16 mm (average 11.3 mm), indicating a significant difference from other roentgenographic directions and measurement values. Concerning the neutal-position measurements in normal shoulders and each disease condition, the AHI was 3-12 mm (average 6.9 mm) for the massive tear group, and this represented the most narrowing found and was significantly different from all of the other groups measured.Conclusion:1) The AH I in normal shoulders expands with internal rotation and narrows with external rotation.2) In AHI measurements, important considerations are consistency of the positioning and the angle of roentgenography, and the most appropriate view is the neutral position.3) With a roentgenographic method in standing-position, the AHI measu r e ment is clinically significant only in diagnosing a massive RCT.4) As a diagnostic standard for a massive RCT, an AHI of 6 mm or less is appropriate, but allowances should be made for 52% of false negatives and approximately 18% of false positives.
著者
小川 俊輔
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.1-14, 2012-04-01 (Released:2017-07-28)

九州地方における「天国」の受容の程度を明らかにするため,九州地方全域300地点において現地調査を行った。調査によって得られた資料から言語地図を描き,考察を行ったところ,「天国」の受容には,宗教差,地域差,場面差のあることが分かった。宗教差については,カトリックと神道の信徒が「天国」を受容しているのに対し,浄土真宗の信徒は「天国」を受容しない傾向がある。彼らは仏教語である「浄土」を持つゆえに,「天国」を受容しない傾向をみせたと推測される。地域差については,宮崎・鹿児島では「天国」の受容が進んでいるのに対し,長崎では遅れている。場面差については,大人が子どもに話しかける場面では「天国」が使用されやすいのに対し,仏教色の強い場面では「天国」が使用されにくい。
著者
小川 賢之輔
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.241-259, 1965-04-01 (Released:2008-12-24)
参考文献数
6
被引用文献数
1

本論文は,駿河湾北部に存在する,田子の浦砂丘を研究することにより,該砂丘類似の地形2)の成因・形成過程及び形成の時期等を解明しようとするものである.筆者は,該研究を進めるにあたり,地形学的方法・地質学的方法及び,考古学的方法等を採用して,下記考察を試みた. 1)海岸に発達する,砂丘地形の観察・地質構造の解明及び,堆積物の岩質等により,物質の供給源と運搬営力とを考察した. 2) 該砂丘類似の地形形成過程に関しては,主として,砂丘の一般地形・地質構造・構成する地層の層相及び,物質の粒度・運搬営力・氷河期及び,地殼変動に於ける海面の昇降・風波の営力等の関連に於て,堆積機構・形成過程等を考察した. 3) 該砂丘類似の地形形成の時期に関しては,洪積世以後の海面の昇降・生物化石・Key bedの追跡・砂丘に埋没している文化遺跡の調査・歴史上の事実等により,砂丘形成時期の考察を試みた. 以上の考察により,一応下記の通り堆論した.即ち, 1) 海岸に発達する,砂丘類似の地形のあるものの成因は,まず,主として,付近河川によって,内陸より運搬された物質・海食により崩壊した物質等が,主として,沿岸流によって,浅海底に運搬され,狭長に堆積して,海面下に沿岸州を形成した. 2) 浅海底に形成された沿岸州は,やがて,海退に伴って海面上に姿を現わし,砂丘の基底をなす砂州を形成した. 3) 砂州が形成されるや,風波の営力による飛砂が堆積し,砂州を覆って,砂丘が発達した.従って,現在各地に存在する,該砂丘類似の地形のあるものは,既に,以上の形成過程に於て,今日観察される地形を決定される。4) 該砂丘類似の地形の,あるものの形成時期は, 2期に分けられる.即ち,前期は,海面下で,沿岸州の成長しつつある時期であり,後期は,海退に伴って,海面上で,砂丘の形成されつつある時期である.
著者
清水 浩 小川 雄之亮
出版者
The Japanese Society of Intensive Care Medicine
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.193-201, 1998-07-01 (Released:2009-03-27)
参考文献数
54

肺サーファクタントの絶対的欠乏による新生児呼吸窮迫症候群(respiratory distress syndrome; RDS)に対する人工肺サーファクタント補充療法は,未熟児の救命率を飛躍的に向上させた。一方,肺サーファクタントが機能的に阻害された病態(胎便吸引症候群,肺炎,急性呼吸窮迫症候群,肺出血)に対しても,この補充療法が検討されている。また肺低形成では,RDS類似の肺の未熟性がみられ,出生後早期に人工肺サーファクタントを投与することによって,呼吸機能の改善が期待できる。最近,人工肺サーファクタント投与による免疫系細胞の機能抑制の問題が明らかにされており,また親水性肺サーファクタント蛋白質の肺局所免疫としての役割がクローズアップされて,次世代の人工肺サーファクタント開発にあたっての問題点を提起している。
著者
小川 昭利 横山 諒一 亀田 達也
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.88, no.4, pp.366-375, 2017 (Released:2017-10-25)
参考文献数
45
被引用文献数
1 4

Theory-of-mind (ToM) has been extensively studied using neuroimaging, with the goal of finding a neural basis for ToM and its associate emotional and cognitive processes. In neuroimaging, a functional localizer is used when a region of interest needs to be identified in a way that is statistically independent of the main experiment. The original ToM localizer (ToM-L) for functional magnetic resonance imaging (Dodell-Feder et al., 2011) measures brain activity when a set of English sentences and related questions are read and answered by participants. We developed a linguistically localized version of the ToM-L for use with Japanese speakers, and evaluated it by scanning 70 participants. The results showed that this localizer could be used to define individual ToM-related areas, requiring about one-third of the scanning time of the original ToM-L while maintaining its statistical ability to identify individual ToM-related brain regions.
著者
小川 隆
出版者
日本動物心理学会
雑誌
動物心理学年報 (ISSN:00035130)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.70-76, 1955-04-25 (Released:2009-10-14)
参考文献数
15
被引用文献数
4 1

伝書鳩を用いて行動の実験的分析をする試みは近来, SKINNER B.F. (10, 11, 12) らによつて努力されている。この方法はネズミを用いる場合と並んで, 問題によつてはそれ以上に有効なようである。筆者らの若干の実験からしても, 条件反応の形成が比較的容易であること, 色彩の弁別などでは鋭敏な能力のあることが認められる。筆者らの実験は広い意味で弁別道具条件づけoperant discriminationに属しているが, 実験の成果については他の機会にゆずり本稿ではその手続, 方法, 条件つげの経過にみられる特徴などについて若干の考察をなし, 鳩を使用して今後, 実験される方々の参考にしたい。