著者
中野 秀俊 大西 正光 小林 潔司
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.227-244, 2014 (Released:2014-12-19)
参考文献数
30

建設プロジェクト契約には多くの不確実性やリスクが介在する.イスラム法を意味するシャリーアは,不確実性に関わるガラールやマイスィルを禁止する.したがって,プロジェクトに関わる契約は,契約内容によってシャリーアに抵触する危険性を含む.シャリーアに準拠したプロジェクト契約を遂行する場合,契約マネジメントにおける不確実性への対処方法のシャリーア適合性が重要な課題となる.現在のところ,イスラームにおけるシャリーア適合性に関して厳密な定義や普遍的な法解釈が存在するわけではない.また,地域によって適合性の解釈に多大な多様性が介在する.本研究では,プロジェクトに関わる完備契約を対象として,契約のシャリーア適合性を判定する理論モデルを提案し,典型的な契約スキームのシャリーア適合性について考察する.
著者
山田 貴之 寺田 光宏 長谷川 敦司 稲田 結美 小林 辰至
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.219-229, 2014-07-08 (Released:2014-08-22)
参考文献数
18
被引用文献数
2

本研究の目的は, 児童自らに変数の同定と仮説設定を行わせる指導が, 燃焼の仕組みに関する科学的知識の理解と, 燃焼現象を科学的に説明する能力の育成に与える効果について明らかにすることである。この目的を達成するために, 第6学年「ものの燃え方と空気」において, “The Four Question Strategy”に基づく「仮説設定シート」(4QS)を用いた実験群37人と, 用いなかった統制群37人を対象とした授業実践及び学習前後の質問紙調査の分析を行った。その結果, 実験群の方が, 燃焼の仕組みに関する科学的知識を高い水準で理解し維持できることが明らかとなった。また, 燃焼現象を科学的に説明する能力の育成にも有効であることが示唆された。
著者
栗原 淳一 益田 裕充 濤崎 智佳 小林 辰至
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.19-34, 2016-07-12 (Released:2016-08-09)
参考文献数
24
被引用文献数
3 3

本研究は, 中学校第3学年の「月の満ち欠け」と「金星の満ち欠け」の学習において, 地球と天体の位置関係を作図によって位相角でとらえさせる指導が, 満ち欠けの空間認識的な理解と満ち欠けを科学的に説明する能力の育成に与える効果について明らかにすることを目的とした。そこで, 実験群では地球と天体の位置関係を作図によって位相角でとらえた後に, 満ち欠けの現象を説明する仮説を立てさせて, モデル実験で検証させた。一方, 統制群では作図を行わせないで, 同様の学習に取り組ませた。そして, それぞれの群の満ち欠けの空間認識的な理解度と科学的に説明する能力を質問紙調査によって比較検討した。その結果, 統制群に比べ, 実験群の方が満ち欠けの空間認識的な理解度が有意に高かった。また, 満ち欠けを科学的に説明できる生徒も有意に多かった。このことから, 作図によって地球と天体の位置関係を位相角でとらえさせる指導は, 満ち欠けの現象を空間認識的に理解させたり科学的に説明したりする能力の育成に有効であることが示唆された。
著者
小林 建一
出版者
北海道大学高等教育推進機構
雑誌
高等教育ジャーナル : 高等教育と生涯学習 (ISSN:13419374)
巻号頁・発行日
no.25, pp.23-36, 2018-03

The change of regulation concerning faculty meetings of university in the School Education Law has changed the administration of the university. The president has become able to make all of the administrative decisions of the university, because the president can freely deny the opinions of the faculty meeting. This is called the "ultimate decision-making authority" by the Ministry of Education. There is no definition or direct regulation of the decision-making authority in the School Education Law. This power is due to the interpretation of law by the Ministry of Education. The technique of interpretation is a fiction of law. This technique is strongly technical and arbitrary, indicating a limitation of the law. This fiction of the law is based on the theory that the ultimate decision-making power rests with the chief of an organization because the legislation concerning the power in the law of administrative organization is not sufficient. Practically, however, the chief cannot decide by himself and needs a consensus on the various steps in the administrative organization. The Ministry of Education says that the president has the power to decide because of his ultimate responsibility based on the principle of power corresponding with responsibility, but the relationship between decision-making authority and responsibility is complex, and not easy to clarify. We can understand it by considering the problem of legal responsibility, because someone must actually take responsibility in spite of not having the ultimate decision-making authority in the organization. Therefore, the power with responsibility needs a fictional explanation. The ultimate decision-making authority is a fiction of the law but is actually defined for the university by the Ministry of Education. Appropriate legislation is needed to prevent abuse of this fiction of the law with the understanding that the president's power of decision should be circumscribed within the constraints of political majority rule.
著者
小林 洋行 宍戸 宏行 加瀬 正人 景山 倫也 﨑尾 浩由 大口 真寿 池野 義彦 福島 史哉 佐藤 隆 阿久津 郁夫
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.106, no.2, pp.295-302, 2017-02-10 (Released:2018-02-10)
参考文献数
10

既往歴のない45歳,男性.貧血・白血球減少の精査目的に骨髄検査を施行.明瞭な骨髄芽球,赤芽球異形成により骨髄異形成症候群も考慮されたが,骨髄球の細胞質空胞化を認め,血清銅・セルロプラスミンが低値であったため,銅欠乏性造血障害と診断した.銅の含有が豊富なココアの摂取を励行した結果,貧血・白血球減少とも回復し,骨髄の異形成も消失した.なお,偏食や亜鉛サプリメント摂取歴はなく,銅欠乏の原因は不明である.
著者
小林 繁
出版者
International Society of Histology and Cytology
雑誌
Archivum histologicum japonicum (ISSN:00040681)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.511-528, 1970 (Released:2009-02-20)
参考文献数
38
被引用文献数
9 6

シマヘビ65ヒキの種々の器官を電子顕微鏡下に観察して, 約3割の個体の血中に従来記載のない特異なコロイド粒子を認めた. この粒子は高電子密度球型の小体で, 直径約20mμあり, 血液中と血管周囲の組織腔に分布していた.毛細血管壁ではこの粒子は内皮細胞の膜構造物, 内皮下腔, 基底膜中にみられ, これらの所見はこの粒子の毛細血管壁通過を示すと解釈された.この粒子は毛細血管壁の物質透過性の形態的研究に従来使われてきた標識物質と大きさはほぼ同じであるが, それ自身血液の生理学的構成要素である点で根本的にちがっていた.本研究で, 毛細血管内皮はいわゆる窓のほか2つ以上の小胞がつながってできる細管により貫かれ, 血管腔と組織腔とはこれを通して結ばれていることが明らかになった. 窓の隔膜と同様の構造が小胞の開口部および2つの小胞の癒合部にもみられた. これらの隔膜はコロイド粒子の通過をさまたげるもので, 生理学者のいう“small pore system” はこの隔膜に含まれると考えられた. 隔膜がすべてとり去られた場合, 細管は巨大な粒子をも通過させ得る. PALADEらのいう“transport in quanta”は本研究で明らかにされた内皮細胞を貫く細管系による物質の流出よりも効率が低いと想像され, 毛細血管内皮の物質透過が“transport in quanta”とちがうことを強調するためにこの論文では細管系による物質の流出は“transport in continuum”と呼ばれた.コロイド粒子は一般的には毛細血管の基底膜を通過するが腎糸球体ではこの膜は完全にこの粒子の通過を阻止していた.
著者
稲増 一憲 池田 謙一 小林 哲郎
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.40-47, 2008 (Released:2016-10-03)
参考文献数
20

2007年参院選最大の争点は年金であったとされるが,有権者にとって,「年金が争点」とはどういうことを意味していたのだろうか。本稿では,国会答弁・新聞報道・一般有権者の自由回答という3種類のテキストデータを用いた計量的な分析を行うことで,2007年参院選における争点の構造を検討し,年金争点の持つ意味を明らかにすることを試みた。本研究で用いたテキストデータの分析は,研究者があらかじめ質問を用意するのでなく,人々が自発的に語った内容を分析することにより,研究者の先入観をなるべく排除して争点の構造化を行うことが可能になるという利点を持つ。分析の結果,年金が2007年参院選最大の争点であったことは間違いないものの,一般有権者における年金争点への態度とは,年金制度そのものへの態度というよりは政治や行政のあり方についての評価に近かったということが明らかになった。
著者
小林 芳文 松瀬 三千代
出版者
横浜国立大学
雑誌
横浜国立大学教育紀要 (ISSN:05135656)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.147-164, 1984-10-30

The purpose of this study was to investigate the balancing ability of the mentally retarded children (ages from six to eighteen) based upon the data on gravity change referring at the same time to their bilateral motor ability. The results were as follows; (1) On standing balance with both leges, the gravity change of mentally retarded differed from age to age in a great deal and instability was the gravity change tended to be smaller and became stable after the age sixteen (2) Many of the mentally retarded children showed difficulty in standing on one foot balance and therefore, gravity change was large and unstable. (3) It was observed that the mentally retarded children were inferior in gross and fine bilateral motor abilities. (4) Those mentally retarded children with less gross and fine bilateral motor abilities were observed to show more gravity imbalance on standing balance and to have greater difficulty to stand on one foot balance. From the above observation, the gravity change, which is one of the balancing abilities, was assumed to be closely correlated to bilateral motor ability.
著者
原田 雅隆 増田 新 小林 創 澁谷 颯之
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
シンポジウム: スポーツ・アンド・ヒューマン・ダイナミクス講演論文集 2018 (ISSN:24329509)
巻号頁・発行日
pp.B-28, 2018 (Released:2019-05-25)

In recent years, the number of patients with low back pain has increased, and it is a problem in various aspects such as health and economics. It is caused by a mechanical load acting on the muscles and the spine in the lumbar part. To reduce the risk of back pain, a support wear that reduces the load on the lumbar spine during flexion has been suggested by our group. This paper presents a dynamic model to calculate the load on the lumbar vertebrae. Especially, ligament tension considering Flexion Relaxation Phenomenon (FRP) which has not been considered so far and intra-abdominal pressure using two dimensional image information were modeled. First, the degree of FRP was measured from the myoelectric potential information of the back muscle in different bending postures. Next, we modeled the ligament tension using the results. Finally, the intra-abdominal pressure was incorporated into the model to calculate the compression force of the lumbar spine, and the experiment to estimate the lumbar load was performed. As a result, the experiment show that the load of the lumbar spine increases markedly due to FRP and this model is effective in calculation of the lumbar load compared to results of actual measurements of internal pressure.
著者
佐口 健一 田中 佐知子 小林 文 中村 明弘
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.75-80, 2019 (Released:2019-08-10)
参考文献数
4

近年,教育現場における学習成果の評価方法として,パフォーマンス評価が求められており,その評価方法の一つとしてポートフォリオ評価が挙げられる.ポートフォリオには学生が学修カリキュラムを通した振り返りとして,成長した点や反省点などが記述されている振り返りシートが含まれる.そこで本研究ではテキストマイニングの手法を用いて振り返りシートの記述内容の分析を試みた.2018年度の2〜4年次の学生582名の内,本研究に参加の同意が得られた557名を対象とし,各学生が2年次3月初めのオリエンテーションの際に提出した1年次振り返りシートを解析した.調査項目は,1年次を振り返り,自分の「成長した点」と 「反省点」についての自由記載とした.解析の結果,「成長した点」として最も多かったカテゴリは「寮生活」で,次いで「友達」,「コミュニケーション」であった.これらの抽出されたカテゴリから,本学の特徴である初年次全寮制教育において学生はコミュニケーション能力が高まったと感じていることが明らかとなった.また,「反省点」として最も多かったカテゴリは「勉強」で,次いで「テスト」,「予習復習」であり,集中して勉強できなかったことや,勉強開始がテスト直前になってしまったことなどを挙げている.これらの結果から,テキストマイニングの手法を用いてポートフォリオの振り返りシートの記載内容を解析することにより,学生が初年次全寮制教育プログラムで学んだと感じている内容を,教員が根拠をもって認識できることが明らかとなった.
著者
私市 正年 清水 学 川島 緑 小牧 昌平 東長 靖 赤堀 雅幸 小林 寧子 栗田 禎子
出版者
上智大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本報告は、現代イスラーム運動や民主化問題の背後にある民衆の役割と宗教運動について、歴史性と現代的諸状況とを総合的に比較しながら、その実態の分析を行なった調査・研究の成果概要である。東長と私市は、スーフィズムと聖者崇拝の原理と思想的本質の分析をすることによって、それが民衆イスラームを包含する多元的性格を有していることを解明した。小牧と川島は、それぞれ遊牧社会のアフガニスタンと農耕社会のフィリピンを事例にして、近代から現代初頭に関する新資料の調査、解読により、近代以降の当該社会の民衆がナショナリズムやイスラーム政治思想の形成に重要な役割を果たしていることを明らかにした。栗田は現代スーダンを事例に、イスラーム復興と民主化への動きにおいて民衆の担う役割を分析した。小林はインドネシアにおける宗教法改正案を分析し、その背後に民衆の「市民社会的権利」を拡大する努力を見出した。清水と赤堀の成果は、それぞれ中央アジアのイスラーム運動とエジプトの遊牧民を事例にして、地域ごとに異なるイスラーム運動の多様性および遊牧社会のイスラーム価値観の変容を明らかにした。両者の成果はステレオタイプ的イスラーム理解に対する鋭い批判であり、この視点こそ「民衆と宗教運動」の研究の意義、イスラーム社会を相対的に理解する重要性を示しているといえよう。また私市「北アフリカ・イスラーム主義運動の歴史」は、大衆に支えられた社会運動としてのイスラーム主義運動の総括的研究である。本研究プロジェクトを効率よく推進するため、高橋圭(研究協力者)が「民衆と宗教運動」に関する文献リストを作成した。また、民衆が関与するNGO活動の重要性にかんがみ、岡戸真幸(研究協力者)がエジプトの同郷者集団の調査を実施した。
著者
江端 俊彰 小林 謙二 長内 宏之 川山 照雄 戸塚 守夫 早坂 滉
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.948-952, 1978-11-01 (Released:2009-09-30)
参考文献数
13

1975年より1977年までの3年間で当科におけるエンドトキシン血症は34例で,良性疾患14例,悪性腫瘍20例であった.エンドトキシン血症を呈した8例と,エンドトキシン血症を示さなかった15例についてchemical mediatorのうち,血漿ヒスタミン,血漿セロトニン濃度について比較検討すると, Limulus test陽性例では血漿ヒスタミン,血漿セロトニン濃度ともLimulus test陰性例と比較し,有意な上昇を示した.また,実験的エンドトキシンショックにおいても, chemical mediatorのうち血漿ヒスタミン,血漿セロトニン,血中ブラディキニン濃度の上昇を確認している.エンドトキシンショックの病態生理については種々の意見があるが,エンドトキシンショック時にchemical mediatorが放出され,末梢循環不全より血液のpoolingが起きショックになると考えられている.したがって,エンドトキシンショック時にはchemical mediatorの放出が,エンドトキシンショックのtriggerとなることが示唆され,エンドトキシン血症とchemical mediatorの関係は重要なものと考えられた.
著者
井上 勉 渡辺 裕輔 野平 由香 新井 鐘大 佐藤 貴彦 菊田 知宏 小林 和裕 池田 直史 鈴木 洋通
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.97, no.12, pp.3049-3051, 2008 (Released:2012-08-02)
参考文献数
4
被引用文献数
1 1

56歳,女性,腹膜透析患者,3年前よりうつ病あり塩酸トラゾドンを使用していた.徐々に増悪した嘔気,嘔吐,水様下痢を主訴に救急外来を受診,血圧202/86mmHg,ミオクローヌスも認めたが原因は不明であった.入院後,経口薬剤を中止してから血圧は次第に下降し,消化器症状も改善した.頭部および胸腹部CT,上部消化管内視鏡で器質的疾患は否定された.これら臨床経過から塩酸トラゾドンによるセロトニン症候群の可能性が示唆された.
著者
岡本 和明 小林 まさよ 荒川 幸 福村 成哉
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
地球化学 (ISSN:03864073)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.205-215, 2012-12-31 (Released:2017-02-20)
参考文献数
40

Dehydrated fluid in deep subduction zone causes various geological phenomena such as earthquake, and arc volcanism. It has been considered that there is a correlation between the double seismic zone and metamorphic dehydration reaction in deep slab. The location of the upper limits of the upper seismic plane correspond to metamorphic facies boundary where H2O contents change in subducting crust; numerous earthquakes from 60 to 110 km depths in the lawsonite-blueschist facies, many earthquakes in the lower crust of the slab from 110 to 150 km depths in the lawsonite-amphibole eclogite facies and few earthquakes in the lawsonite eclogite facies. Recent petrological researches have revealed that both blue schist and lawsonite eclogite are stable in the same pressure and temperature condition because chemical variation including water content creates both lawsonite-amphibole eclogite and lawsonite eclogite in different portion of subducted crust. Partial melting would occurred in eclogite in deep subduction zone if warm slab is subducted. In descending slab, the eclogite would reach wet solidus defined as phengite-, through zoisite-, and amphibole-decomposition reactions with increasing temperatures. The lower plane of the double seismic zone, is considered to be related to dehydration reaction in the slab. Metamorphic olivine has been described in vein from serpentinite mylonite. The vein was created by dehydration reaction to decompose antigorite under shear deformation. In the cold slab beneath Tohoku arc, the reaction has a negative slope in P-T space and forms olivine + orthopyroxene + fluid. In the warm slab beneath SW Japan, the reaction has a positive slope in P-T space and forms olivine + talc + fluid. The above these dehydration reactions are well-described in the serpentinite from high P/T metamorphic belt from Spain, and Italy, respectively.