著者
實吉 尚郎 小野 晶
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.465-472, 2015-11-25 (Released:2016-02-25)
参考文献数
44

合成核酸(合成オリゴヌクレオチド)を医薬品として開発する試みが活発である。同時にさまざまな乗り越えるべき問題点が多く存在しているのも事実である。本総説では、核酸分子固有の問題点を列挙し、それらを克服しえる化学的な手法について歴史をさかのぼって概説する。オリゴヌクレオチドの化学合成、使用される保護基、化学修飾に用いられる置換基、機能性残基を概観し、将来の核酸医薬の合成と応用に利用可能な手法を展望する。
著者
小野寺 翼
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.156-159, 2018-04-01 (Released:2018-04-01)

ソーシャルメディアの台頭によりインターネット上での生活者と情報との接点は大きく変化した。この変化にともない広報発信という視点でも従来のマスメディア以上に生活者視点の重要性が高まっている。本稿では,ソーシャルメディア普及のきっかけやメディア特性,Facebook,Twitter,Instagramといった代表的なプラットフォームの特性を紹介している。複数の企業に対しソーシャルメディア活用の支援をしてきた筆者の観点で,広報発信のあり方を紹介する。ソーシャルメディアにおける広報発信の根本となる考え方を理解いただけるのではと考える。
著者
磯谷 順一 谷井 孝至 小野田 忍 寺地 徳之 川原田 洋 角谷 均 Fedor Jelezko
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2014-04-01

室温量子スピンとして優れたNVセンダ同士の相互作用に着目した。量子レジスタの多量子ビット化をめざして、短い距離(~13 nm)のNVセンダ配列を規則的なナノホール配列をもつマスク注入により作製する技術を開発した。平均距離~5nmの高濃度NVセンタを作製し、離散的時間結晶の生成を室温で実証した。単一NVセンタにもナノホール注入を応用し、量子センサー・アレイを作製した。量子アルゴリズムを高磁場測定と組み合わせたナノNMRにおいて超微量の試料のケミカルシフトを観測する高分解能を達成した。高品質結晶合成により、結晶中の離れた位置のSiV-センタから識別できない単一光子を発生することに成功した。
著者
小野 孝明 友成 航平 森 名生 冨阪 吉登 西 英二
出版者
日本法科学技術学会
雑誌
日本法科学技術学会誌 (ISSN:18801323)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.69-81, 2015 (Released:2015-02-10)
参考文献数
18
被引用文献数
3

Accurate DNA quantification is required for the short tandem repeat typing of forensic samples. Various commercial DNA quantification kits for forensic DNA analysis have recently been released. However, DNA quantification may fail if too much PCR inhibitor is extracted with the target DNA sample. Therefore, this study experimentally evaluated the degree of the alteration of DNA quantification results of various commercial DNA quantification kits (Takara RR281, Quantifiler Duo DNA Quantification Kit, Plexor HY System, Investigator Quantiplex HYres Kit, Quantifiler Trio DNA Quantification Kit, and Quant-iT dsDNA HS Assay Kit) in the presence of various concentrations of PCR inhibitors such as hematin, humic acid, indigo carmine, melanin, and tannic acid. Compared to the other kits, the DNA quantification abilities of the Investigator Quantiplex HYres Kit and Quant-iT dsDNA HS Assay Kit were not negatively affected by high concentrations of hematin. The DNA quantification abilities of the Quantifiler Trio DNA Quantification Kit and Quant-iT dsDNA HS Assay Kit were not negatively affected by high concentrations of PCR inhibitors containing humic acid, indigo carmine, or melanin. The DNA quantification abilities of the Investigator Quantiplex HYres Kit and Quantifiler Trio DNA Quantification Kit were not negatively affected by high concentrations of tannic acid. Furthermore, the DNA quantification ability of the Quantifiler Trio DNA Quantification Kit was more reproducible than those of the other kits. Moreover, this kit was able to assess the degree of DNA degradation by comparing quantified both the short amplicon (80 bp) and long amplicon (130 bp). However, the short amplicon was not negatively affected by high concentrations of PCR inhibitors in contrast to the long amplicon. These results indicate forensic DNA analysts should select the appropriate DNA quantification kits that are unaffected by PCR inhibitors and carefully interpret DNA quantification results.
著者
小野 正揮 新舎 博 中川 大輔 丸岡 弘晃 堤 彩人
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集C(地圏工学) (ISSN:21856516)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.365-379, 2015

東京都新海面処分場は東京港内の最後の廃棄物処分場であり,できるだけ長く利用することが求められている.そこで,Cブロックにおいて,粘土の減容化施工を実施した.施工は幅150 mm×厚さ3.9 mmのPBDを1.8 m間隔の正方形配置で,平均A.P. +1.5 m~-33.8 mまで水上から打設し,-65 kN/m<sup>2</sup>の負圧を310日間継続して作用させるものである.工事は2005年度の試験施工から始め,本施工は2007年度~2015年度まで実施した.施工面積は38.3万m<sup>2</sup>であり,平均沈下量は5.13 m,総沈下容積は216.7万m<sup>3</sup>である(2015年4月の推定値).この沈下容積は東京都の浚渫土埋立処分計画量の約2.3年分に相当する.本文は地盤工学の観点から,減容化施工とその効果について,総合的にまとめたものである.
著者
小野沢 隆
出版者
Historical Society of English Studies in Japan
雑誌
英学史研究 (ISSN:03869490)
巻号頁・発行日
no.26, pp.173-183, 1993

This study attempts to examine the aspects, debated by modern historians in the U.S.A., of Tokugawa Japan. The academic foundation of Tokugawa Japan could be largely divided into two schools, namely the Norman line and the Reischauer line.<BR>The Norman line, influenced by the Japanese Marxist ideology, argued that Meiji Japan was undemocratic with its roots in the Tokugawa period. As a result, they tended to have a negative view toward the Tokugawa period. On the other hand, the Reischauer line, based on the modernization theory, claimed that the Meiji period brought upon a successful development for modern society. This thesis resulted in a positive view that Tokugawa Japan must have had a precondition relating to modernization.<BR>Although evaluated differently, both lines have recognized the existence of a link between the Tokugawa and the Meiji period. Therefore, the understanding of Tokugawa Japan seems to be determined by the evaluation of Meiji and what followed.<BR>This Tokugawa (traditional society) -VS.-Meiji (modern society) contrast shows the approach in which the American academic circle analyzes the Tokugawa period. What is needed for a better understanding of Tokugawa Japan will be a constructive dialogue between the Norman line and the Reischauer.
著者
小野 芳彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.404-414, 1990-03-15
被引用文献数
2

2ストロークコード入力であるTコードの使い勝手を良くし また実務に就くまでの練習期間を短くするために 二つの補助入力方式を開発した.一つは字単位の合成を行うもので Tコードで入力した2文字の字形を組み合わせてその字形をもつ漢字を入力フロントエンドが探索することによってコード化されていない文字でも入力できるようにしたものである.JIS X 0208の全漢字について字形を二つの部品に分ける試みを行い 2文字から直接 あるいはその部品から間接に合成を行って目的の漢字を検索するアルゴリズムを実現した.これは 従来の字形入力がもつコードの重なりを極端に低くしている.もう一つはコード化入力方式に熟語のカナ漢字変換機能を融合したもので 被変換表記にTコードで入力できる漢字を交ぜるようにした方式である.これによってカナ漢字変換の欠点である同音語の選択の濃度を低くでき 変換結果を目視しないで打鍵を続ける可能性を高くした.通常の設計では辞書の大きさが数倍にふくれるのを コードの習得グレード別の辞書を作るという方式で押さえている.
著者
近藤 有希 海老名 葵 重本 千尋 澤 龍一 斎藤 貴 村田 峻輔 伊佐 常紀 坪井 大和 鳥澤 幸太郎 奥村 真帆 松田 直佳 小野 玲
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.44 Suppl. No.2 (第52回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0298, 2017 (Released:2017-04-24)

【はじめに,目的】妊娠中には多くの女性が妊娠関連の腰痛骨盤痛(Lumbopelvic Pain;LPP)を発症するといわれており,約8割の女性が症状に悩まされている。LPPは妊娠中のホルモン変化や体重増加による腰部への負荷の増大が原因とされているが,産後も多くの女性がLPPを持続して有しており,成人女性の慢性腰痛の20%は妊娠中に発症したものであるとの報告もある。産後のLPPはADL障害やQOL低下,産後うつにも悪影響を及ぼし,産後休職の原因になるともいわれており,予防・解決すべき重要な問題である。産後持続するLPPの原因として,関節弛緩や腹部筋力低下など体幹の不安定性についての研究はあるが,一般的な慢性腰痛への影響が報告されている胸椎・ハムストリングスの柔軟性との関連を検討した研究はない。育児をする母親が頻繁に行う動作と考えられる前方屈み動作において,胸椎・ハムストリングスの柔軟性低下は腰部への負荷を増大させることが報告されていることからも,産後LPPに影響を与える可能性が考えられる。本研究の目的は胸椎・ハムストリングスの柔軟性と産後LPPの関連を明らかにすることである。【方法】対象者は,兵庫県内の4ヶ月児健診に参加し,研究への同意が得られた産後女性のうち,妊娠中にLPPを発症した女性66名とした。対象者には質問紙により,一般情報に加えて,妊娠中と産後4ヶ月時のLPPの有無・強度を聴取した。痛みの強度はNumerical Rating Scale(NRS)を用いた。胸椎の関節可動域は傾斜計を用いて屈曲・伸展の角度を検査し,中央値で可動域制限群と非制限群に群分けした。ハムストリングスの柔軟性はSeated Knee Extension(SKE)を行い,中央値により可動域制限群と非制限群に群分けした。なお,各身体検査は理学療法士有資格者が行った。各群間での産後4ヶ月時のLPPの有病率の比較はカイ二乗検定を用いた。多変量解析では,目的変数を産後4ヶ月時のLPP,説明変数を各可動域制限群/非制限群とし,交絡因子を先行研究から年齢,BMI,出産歴,妊娠中のNRSとして強制投入法による多重ロジスティック回帰分析を行った。統計学的有意水準は5%未満とした。【結果】胸椎の可動域制限群は非制限群と比較して産後LPP有病率は有意に高く,SKEにおいても非制限群と比較して可動域制限群は産後LPP有病率が有意に高かった。交絡因子の調整後も胸椎・SKEともに可動域制限群が産後LPPを有しやすいという結果であった(胸椎:OR 3.11,95%CI 1.08-8.94;SKE:OR 3.21,95%CI 1.08-9.60)。【結論】本研究により,胸椎とハムストリングスの柔軟性は,産後のLPPに関連する要因である事が示唆された。
著者
小野澤 明良 村井 まどか 神谷 嘉美 木下 稔夫 山内 友貴
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.13, 2014 (Released:2014-07-04)

三次元造形装置は、意匠モデルやコンペ・展示会出展用モデルの作成に多く利用され、カラーモデル化が求められている。本研究では、ナイロン粉末焼結型RP造形品のカラーモデルの提供を目的に、RP基材に適した塗装および着色技術の開発を行った。前処理、塗料、塗装方法、塗装仕様と加工技術などの塗装適性の検討により、RP製品モデルに活用できる物性と塗装外観をもつ塗装工程の開発をした。塗装では、立体造形品をプロトタイプモデルとして有効に活用できる外観を実現することができた。
著者
常川 真央 小野 永貴
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.107, pp.1702, 2017-12-29 (Released:2017-12-29)

大学図書館のサービスは,資料中心型から利用者の活動中心型へと変容した。これからの大学図書館は,利用者の知的生産活動をいかに捕捉していくかが鍵を握る。知的生産活動を捕捉することは,必然的に「電子図書館」と「場所としての図書館」を接合させる。これを達成する新たな図書館像として,学習活動自体を「コト」の情報として保存・発信できる「記憶するラーニング・コモンズ」を提案する。本構想を実現するには,メタデータ技術からセンシング技術まで,多様な情報技術の統合的活用が不可欠である。図書館のシステム設計に対する考え方を転換し,学生の学習活動全体を支える連続的なプラットフォームの一部として捉えることが重要である。
著者
小野 啓子 安藤 徹哉
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.77, no.671, pp.207-215, 2012-01-30 (Released:2012-03-05)
参考文献数
25

Natsujima (Tonoas) in the Truk (Chuuk) Islands was the geographical center of Japanese Micronesia (Nan'yo Gunto) where the original administrative headquarters was established in 1914. Without any large-scale industries, Japanese population in Truk remained small for years. However, conditions drastically changed after the mid-1930s when the Navy began to fortify the islands as the chief naval base in the Pacific for World War Two. This paper examines the Japanese settlement process in Truk and the urban morphology of Natsujima as well as the life of Japanese and Trukese in Natsujima-cho, during prewar and early wartime years. It also discusses the features of bonito fishery bases operated by Okinawans in small and dispersed settlements in Truk.

2 0 0 0 OA 緜考輯録

著者
[小野景湛] [等編]
巻号頁・発行日
vol.第14冊, 1000
著者
中村 晃士 鈴木 優一 山尾 あゆみ 加藤 英里 瀬戸 光 沖野 慎治 小野 和哉 中山 和彦
出版者
一般社団法人 日本女性心身医学会
雑誌
女性心身医学 (ISSN:13452894)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.121-125, 2012-07-15 (Released:2017-01-26)

われわれは,家族内葛藤から生じたと思われる心因性難聴と診断された女児Aを経験した.16歳の女児Aの幼いころの家庭では,父親がアルコールによる病的酩酊があり,父親から母親に対する暴力が日常的にあった.患者自身は被害に遭うことはなかったが,母親が父親に暴力を振るわれる姿をいつも見ており,緊張した毎日を送っていたと思われる.こうした中,患者は小学校低学年から耳が聞こえにくいという症状を呈していたが,耳鼻科を受診するも耳鼻科の診断がなされるが精神科治療に結びつくことはなかった.患者が小学5年生のときに両親は離婚しているが,父親の仕事をAが手伝うといった形をとっていたため,家庭,そして両親のバランスをAがとるという調整役を担わされていた.その結果として,難聴は次第に悪化し,16歳まで遷延化したため,精神科治療に導入された.診察の結果,Aの難聴は心因性であるとされ治療が開始された.面接の中で,Aにとって難聴は,意思を表明しないための道具であり,防衛として理解された.すなわち,Aは両親の狭間で意見を求められたり,ときにはどちらにつくのかといった態度の表明を迫られたりし,それを出来ないAにとっての防衛策が難聴だったのである.Aは家庭内で調整役を担わされているために葛藤状況が生じていると考えられ,Aの思いを言語化するよう治療では促された.もちろん,防衛としての難聴をAが手放すには時間がかかるが,Aが家庭内での調整役を担わなくても家族が崩壊しないことを現実生活の中で体験していけば,少しずつ難聴を手放せていけると思われた.また現代社会の中で,家庭環境はより複雑化していく一方であり,このような患者が増えていくことが予想される.治療者は,家族内の病理が女性や子どもといった弱い立場の人の身体症状という形で表面化しやすいということを念頭に治療に当たらなければいけない.
著者
小野原 彩香 谷岡 健資 土山 玄 大森 崇 オノハラ アヤカ タニオカ ケンスケ ツチヤマ ゲン オオモリ タカシ Onohara Ayaka Tanioka Kensuke Tsuchiyama Gen Omori Takashi
出版者
同志社大学文化情報学会
雑誌
文化情報学 (ISSN:18808603)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.1-11, 2013-03

研究論文本報告では、統計教育大学間連携ネットワーク連携校6校で行われている統計関連科目のシラバスを分析し、文化情報学部における統計教育の時間数の多さと内容の多様性が明らかとなった。また、文化情報学部にて開講されているデータサイエンス科目を受講する学生に対し、授業評価アンケートを行った結果、グループ活動の重要さと理系・文系出身者での授業に対する印象の違いが明らかとなり、今後の授業作りに示唆を与える結果となった。In this research, we analyzed syllabuses of subjects about statistics which had been taught in six universities which belong to the organization about statistics education. In result from analyses, it was revealed that Faculty of Culture and Information Science has most statistics classes and various contents in six universities. On the other hand, we surveyed assessments of data science's classes by their students, and we got suggestions about the direction of class through facts that is importance of group work and the difference of idea between the arts students and sciences students.
著者
小野 晃
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.92, no.7, pp.533-541, 1984-01-25 (Released:2009-11-12)
参考文献数
12