著者
三浦 美和 林田 りか 高尾 秀明 小野 孝二 松田 尚樹
出版者
Japanese Society of Radiation Safety Management
雑誌
日本放射線安全管理学会誌 (ISSN:13471503)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.46-53, 2013

From October to December 2010, just before the radiological accident at the Tokyo Electric Power Company Fukushima Daiichi nuclear power plant, 71 radiation professionals belonging to the radiation facilities in Japan were asked what they consider as a "safe" dose of radiation for themselves, their spouse, parents, children, brothers and friends. Although the "safe" dose varied widely from less than 1 mSv/y to higher than 100 mSv/y, the average dose was 35.6 mSv/y that was around the middle point between the exposure dose limits for annual average (20 mSv/y) and for any single year (50 mSv/y). Similar results were obtained from another surveys for the members of Japan Radioisotope Association (36.9 mSv/y) and for the Oita Prefectural Hospital (36.8 mSv/y). Among the family members and friends, the minimum average "safe" dose was 8.5 mSv/y for children, to whom 50% of responders claimed the "safe" dose less than 1 mSv. Gender, age and specialty of the responder also affected the "safe" dose. These findings suggest that the perception of radiation risk varies widely and that the legal exposure dose limit derived from the regulatory science may act as an anchor of safety even in radiation professionals. The different level of risk perception for different target groups in radiation professionals appears similar to those in non-professional whole population. The gap between these characteristics of real radiation professionals and the generally accepted picture of radiation professionals might take a part in a state of confusion after the radiological accident.
著者
有賀 康裕 小野澤 実 新井 喜美雄 落合 圭 川井 千香子 宍戸 範生
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構 一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.63-67, 2010

特許マップに反して技術文献マップは事例も少なく、十分な評価が確認できていない。本研究では、特許と技術文献を比較的に捕らえて分析を行った。その結果、「特許側から見て1年半前の情報」、基礎研究から製品開発や応用開発の段階へ進む際にある障壁いわゆる「デスバレーの問題」などと関連する情報が得られた。さらに、この「デスバレーの問題」は、技術開発から製品化に至っていない技術文献側に存在する技術情報またはアイデア情報などを示すものであり、それ自体が今後の応用開発または製品開発へのネタ情報になり得るものであった。
著者
小野 清美 永野 聡一郎
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.49-57, 2013-03-30
被引用文献数
3

葉の老化は黄葉・紅葉現象に見られるように劇的な変化であり、古くから研究されてきた。また、葉は個体の成長を支える炭素獲得器官であり、窒素保持器官であることから、葉が老化することが個体の物質生産、子実の収量にどのような影響を与えるのか調べられてきた。ここでは葉の老化に影響を与える環境要因、およびそれらと個体レベルでの葉の老化の制御機構との関連について述べる。また、葉の老化の進行を実験的に操作することが個体の物質生産にどのような影響を与えたのかを明らかにした研究を紹介したい。
著者
小野 一 永吉 照人 望月 明
出版者
神戸大学
雑誌
兵庫農科大学・神戸大学農学部研究報告 (ISSN:0367603X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.107-110, 1968

1) アクリルアミドを担体としたディスク電気泳動を用いて, コムギの胚乳に含まれるアミラーゼの分析を行なった。2) 供試材料はTriticum monococcum var vulgar, T. timopheevi, T. durum var Stewart, およびT. aestivum var Chinese Springの4種である。3) 貯蔵種子のアミラーゼ含量は低く, T. timopheeviとT.durumにおいて, 僅かに1本の活性部位を検出できた。4) 発芽後時間と共にアミラーゼ活性は急にたかまる。発芽後3日目の胚乳のザイモグラムから合計9つのアミラーゼアイソザイムを検出した。それらに易動度の小さいものからA, B, C, ……, Iと符号をつけた。5) A, B, C, Dはα-アミラーゼ, G, H, Iはβ-アミラーゼと推定した。6) A, B, バンドは供試4種のコムギに共通の主バンドで, 各種が共通にもつAゲノムがこの形成に関与すると推察された。一方IはT. timopheeviに個有の主バンドで恐らくGゲノムに由来すると考えた。
著者
小野 知洋 高木 百合香
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.325-330, 2006-11-25
被引用文献数
12

オカダンゴムシは交替性転向反応を示すことが知られている.この反応の機構として,左右の脚にかかる負荷を均等にするというBALM仮説が知られている.しかし,直線歩行路とジグザグ歩行路を歩かせると,直線歩行路においてより早く方向転換や脱出が見られることから,生得的な行動パターンとして存在することを示していると思われた.一方,走触性にもとづく歩行においては,壁面からの離脱はいつでもできる状況でありながら,かなり壁面に沿った歩行を行うことが示された.このような行動パターンの適応的な意味について,T字路が連続する歩行路を用いて,自発的歩行と逃避的歩行で比較したところ,逃避的な歩行において,交替性転向反応を示す比率が高いことがわかった.また,逃避的歩行の場合には歩行速度が迷いことがわかった.これらの事実から,交替性転向反応は天敵などからの逃避の際に有効な行動であることが示唆された.
著者
的野 春樹 丸森 宏晋 加藤 寿宏 渡邊 昭信 小野 裕明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MR, 磁気記録 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.424, pp.1-4, 2008-01-10

FPDのHD化の流れに沿って、家庭用ムービー市場もHD化が進んでいる。しかしながら、記録媒体としてはテープ、DVD、HDD、SDカードと乱立状態である。それぞれメリット、デメリットがあるが、ユーザにとって選択は難しい。今回開発したBDカメラは(1)5M画素CMOSセンサ、(2)HD対応カメラ信号処理LSI、(3)高圧縮H.264コーデックLSI、(4)BD記録対応により、家庭用ムービーとして十分な1時間記録が可能なHDカメラである。また、H.264/MPEG2/JPEGを1チップで処理可能なコーデックLSIを採用し、ソフトウェア制御も新たにマルチコーデック対応とした。
著者
小野英志
出版者
九州芸術工科大学
巻号頁・発行日
1998

タイムズ・ニュー・ローマンは、ロンドンで発行されている平日版朝刊紙『ザ・タイムズ』の専用タイプフェイス(活字書体)として、1932年にデザインされたものである。翌1933年、開発主体であるタイムズ紙がその独占的使用権を放棄して一般に解放したため、それ以降たいへん広範にわたる普及をみせ、現在では、例えばパーソナル・コソピュータのシステムに標準的に添付されるような状況にある。 この書体については、その開発経緯に関わる幾つかの研究が行われているが、いずれも開発責任者であるスタンリ・モリスンのディレクションのありかたが中心となっている。「タイプ・デザインに際して独自のラフスケッチを起こした」というモリスン自身による記述に対しては、モリスン没後、複数の研究者によって否定的見解が示されているが、ラフスケッチに代わるものは何であったのか、モデルとした書体はプランタン・モレトゥス博物館のものなのか、あるいはモノタイプ社が20年前に製品化したものか、などの未詳の部分を残しつつも、これらの諸研究は専ら書体史家でタイポグラファたるモリスンの個人的資質にタイムズ・ニュー・ローマンのデザインの契機を見い出そうとしている点で共通している。 本研究では、タイムズ・ニュー・ローマンに対するタイポグラファの評価、先行研究を概観(第2章、第3章)した後、開発を発注したタイムズ紙、それを受注した英国モノタイプ社、開発責任者モリスンの三者いずれにも、当時新聞印刷専用書体として広く普及していたレジビリティ・タイプを忌避し、オールド・フェイスの手直し向かう高い蓋然性が存在していたことを明らかにした。 第4章では、タイムズ紙について検討した。同紙は1784年に印刷所として創業されているが、創業時に於ける最新組版技術ロゴグラフィの特許買収以降、印刷技術面での同業他社に対する優位性を常に主張してきている。特に19世紀に入ってからは、印刷に関わる技術開発で世界的なリーダーシップを発揮し、1828年から1868年にかけては20年毎に自社技術として輪転機を新規開発している。 20世紀に入って経営危機を経験した後は、印刷技術を自社開発する積極的姿勢は後退したが、「スペシャル・プリンティグ・ナンバー」と称する別冊をたびたび発行し、依然として新聞印刷におけるリーダーたることを強くアピールしている。またニューズ・メディアとしての成長も著しく、タイムズ・ニュー・ローマン開発当時、タイムズ紙は自他共に認める世界で、最も権威あるニューズ・メディアであった。したがって、既に広く普及しているレジビリティ・タイプを、しかも他紙に大きく遅れて採用したのでは自己の権威の否定にこそなれ、強化にはならない。すなわちタイムズ紙には、レジビリティ・タイプを忌避する素地があった。 次に第5章では、英国モノタイプ社について検討した。同社は鋳造植字機メーカーとして、米国モノタイプ社から南北アメリカ大陸以外の地域に於ける営業権を獲得して1897年に発足し、1908年にタイムズ紙がモノタイプを導入した後は経営的にも安定した。 1912年の雑誌『インプリント』に対する新書体開発での協力を契機に、オールド・フェイスの覆刻を中心とする新書体開発に力を注ぎ、また、ウィリアム・モリスらに由来する機械の使用に対して否定的な態度を、印刷・出版界から排して徐々に書籍印刷市場に浸透していった。ケンブリッジ大学出版局やナンサッチ・プレスなどの有力出版社が、鋳造植字機としてのモノタイプのみならず、英国モノタイプ社が開発した新書体を積極的に使用する事態が手伝って、タイムズ・二ュー・ローマン開発当時には、同社は英国の書籍印刷市場に於いてほとんど独占的支配を達成する。しかし、英国モノタイプ社の競争相手であり、新聞印刷市場に強いライノタイプ社やインタータイプ社によって開発され普及をみたレジビリティ・タイプと同様のものを開発しても、英国モノタイプ社にとってはマーケットでの競争力の強化にはならないため、英国モノタイプ社にもレジビリティ・タイプを忌避し、書籍市場から歓迎されているオールド・フェイスの覆刻に重点を置く製品計画を継続する素地があった。 次に第6章では、スタンリ・モリスンについて検討した。彼には独学によって形成した書体史に関わる該博な知識と、タイポグラフィックなデザイン・ワークの実務経験はあっても、タイプフェイスそのものをデザインするタイプ・デザイナーとしての実技能力や経験はなかった。したがって、彼にとっては既存の書体の手直しが、最も迅速かつ確実な手段であった。そのためモリスンはタイムズ紙との事前の合意形成の手段として、1930年に『タイムズ紙のタイポグラフィ改訂に関するメモランダム』をタイムズ紙宛てに提出した。その中でまず彼は、より質の高い書籍印刷を新聞印刷も目指すべきことを主張し、さらにその書籍印刷においてはオールド・フェイスの使用が主流となっていることを示唆した。この『メモランダム』を根拠としてモリスンは、オールド・フェイスの採用という方針に沿ってデザイン・ワークを指揮し、タイムズ・ニュー・ローマンをタイムズ紙の専用新書体として完成させた。 第7章で、タイムズ紙、英国モノタイプ社、モリスンの三者に対する検討を総括した後、第8章では、タイムズ・ニュー・ローマンの歴史的位置付けとして、次のように結論づけた。 タイムズ・ニュー・ローマンの形態上の直接的なモデルは、ダッチ・オールド・フェイスと呼ばれる、17世紀頃のオランダのタイプフェイスのひとつであるプランタンに求めることができるが、その開発の姿勢は、19世紀中葉のイギリスに始まった印刷復興の動きと志向性を同じくするものである。この印刷復興はチジク・プレスによるキャズロン製のオールド・フェイスの復刻をもって開始されたと見るのが一般的であり、タイムズ・二ュー・ローマンもまた、英国モノタイプ社に於いて一連の古典的タイプフェイスの覆刻を指揮しつつあったスタンリ・モリスンが開発した点で、オールド・フェイス復活すなわち印刷復興以来の流れに沿うものである。しかし、このタイプフェイスの開発の直接のきっかけは、新聞印刷専用書体であるレジビリティ・タイプの急速な普及によってもたらされたもので、その点ではタイムズ・二ュー・ローマンには、レジビリティ・タイプに対する一つの対案という性格が認められる。すなわちタイムズ・ニュー・ローマンとは、継時的には、ルネサンス期のオールド・フェイスからダッチ・オールド・フェイスさらには印刷復興期の覆刻オールド・フェイスという、欧米のタイプ・デザインの主流の末端に位置するものであり、同時的には、新聞の高速大量印刷を背景としてつくられたアメリカ製レジビリティ・タイプに拮抗する、イギリス製の相対的タイプフェイスとして位置付けられるものである。

2 0 0 0 OA 緜考輯録

著者
[小野景湛] [等編]
巻号頁・発行日
1000
著者
都築 政起 水谷 誠 伊藤 愼一 小野 珠乙
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1996

ヒメウズラ(Excalfactoria chinensis)を鳥類最小の実験動物として確立するためのデータ収集を、発生・発生工学的ならびに遺伝学的見地から遂行し、以下の成果を得た。1. 体表各部および骨格系の発達程度を全射卵期間に渡って調査し、それぞれ39および15ステージからなる「ヒメウズラ胚の正常発生における発生段階表」を完成した。2.酵素・タンパク質の多型を検出するための、従来よりも簡便な電気泳動方法の検討を行い、23種類の酵素およびタンパク質を検出するための泳動条件を確立した。また、7種の酵素・タンパク質について、その遺伝様式を明らかにした。3.胚盤葉細胞注入によるキメラ作成を行った。ドナーにヒメウズラを、レシピエントにウズラを用いた場合と、その逆に、ドナーにウズラを、レシピエントにヒメウズラを用いた場合の2種類の異属間移植を行い、いずれの場合もキメラ作出に成功した。しかしながら、後代検定の結果、このキメラの子孫にはドナー由来の形質をもつ個体は出現せず、今回得られたキメラは生殖細胞キメラにはなっていない可能性が示唆された。4.ミトコンドリアDNAのシトクロムb領域に対し、PCR-RFLP解析を行って切断型多型を検出すると共に、シークエンシングを行って、シトクロムb遺伝子の全塩基配列を決定した。5.ニワトリのマイクロサテライトDNA増幅用プライマーセットの内、約20%のものがヒメウズラにも適用可能であることが明らかになった。この事実から、今後、ヒメウズラのゲノムマッピングのためにはヒメウズラ専用のプライマーセットを開発する必要があることが示された。6.各種植物レクチンあるいはウイルス性凝集素により識別される6種の赤血球凝集原を発見し、それぞれの遺伝様式を明らかにした。以上の成果から、ヒメウズラの実験動物化のための第一段階は完遂されたと考えられる。
著者
藤井 大輔 小野田 鶴
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネスassocie (ISSN:13472844)
巻号頁・発行日
vol.8, no.13, pp.74-80, 2009-06-16

1973年生まれ。95年大阪大学経済学部卒業後、リクルート入社。「ゼクシィ」「AB-ROAD」「ダ・ヴィンチ」「都心に住む」などの媒体に携わる。2004年「R25」創刊に関わり、2005年から編集長。現在、「R25」を中心としたメディアプロデュースを担当。今年2月に刊行された著書『「R25」のつくりかた』が話題に。
著者
須田 義大 大口 敬 中野 公彦 大石 岳史 小野 晋太郎 吉田 秀範 杉町 敏之
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.95-98, 2016

新たなモビリティ社会の実現のためには,車両制御以外の様々な課題に対する取り組みが必要である.まず,全ての自動化のレベルでHMI が重要課題となる.次に,自動運転により人間にはできない高度な運転が実現できる一方で,一般交通への受容性評価もまた重要課題である.さらに,自動運転の実用化に向けては,自動運転に関する総合的なエコシステムを整え,社会制度との適合性を含む社会受容性を確保する必要がある.本稿では,このような自動運転により新たなモビリティ社会を築くための様々な重要課題と展望について述べる.
著者
小山 充道 小野 実佐 今泉 明子
出版者
藤女子大学
雑誌
藤女子大学紀要. 第II部 (ISSN:13461389)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.121-135, 2012-03-31

This is a case study of a sexually abused child and her mother (non-perpetrator parent) who underwent parallel interviews conducted by therapists in a child and family support center. The child was in the first grade of an elementary school and had been sexually abused by her father. One therapist carried out play therapy for the child once a week. The treatment target was to overcome her trauma. A second therapist interviewed her mother with the aim of psychological recovery and support that would allow the mother to take a role in the daily care of her child. In this paper we discuss the psychological transformation and recovery process as well as the ideal method of psychological support in cases of sexual abuse, such as the case of the mother and child described above. The stages of the psychological transformation process through which the child passed during the play therapy were as follow: reproduction of the abuse and her self-image as a survivor, the image of a safe place to stay and the expression of her feelings, and, finally,the care of her mind and body and the recovery of self-image. On the other hand, the stages her mother passed through included acceptance of the fact of sexual abuse fact, understanding of the damage received by the child and psychological care,and,finally,an understanding of the damage done to the mother. As a result of support provided for both the mother and child, they were able to recover psychologically and their domestic relations were reestablished.
著者
清水 肇 小野 尋子
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 第41回学術研究論文発表会 (ISSN:1348284X)
巻号頁・発行日
pp.36, 2006 (Released:2007-01-05)

那覇市首里金城地区においては、歴史的環境を有する地区としての景観整備が1980年頃から取り組まれてきた。その過程において、中央部を貫く石畳道を保全し、地区外に通過用道路を建設し、さらにアプローチ道路を整備することが行われてきた。その過程で生活環境を整備しつつ細街路の歴史的形態を保全・整備する方法について模索が行われてきたが。2005年に細街路の両側の石垣を含めて道路用地として石垣や石積の保全修復をはかり、道路自体は歩行者専用道路として整備して有効幅員を2?2.7mとする都市計画決定が行われた。これによって沿道敷地は幅員4m以上の道路に接することとなる。これは環境、利用、設置の三側面を実質的に評価して細街路の目標を定めることによって可能となった細街路整備の方法である。
著者
赤川 玄樹 小野 富士恵 柏 健一郎 木村 康宏 七尾 大観 藤本 潤一 西澤 英雄
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.328-332, 2016-05-01 (Released:2016-05-02)
参考文献数
20
被引用文献数
1

症例は17歳,女性。意識障害を主訴に当院受診。てんかん重積状態(status epilepticus, SE)の診断で入院となり,第2病日に呼吸管理目的にてICU入室となった。SEの原因は入院中の精査で全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus, SLE)と判明した。原疾患の治療を行いつつ,SEのコントロール目的に抗痙攣薬を開始したがコントロールがつかず,静脈麻酔薬による全身麻酔療法を開始した。それでもSEのコントロールに難渋したため,第10病日より吸入麻酔薬のイソフルランを併用した。その使用期間は38日間に及んだが,経過中イソフルランの使用に伴う重篤な合併症はみられず,比較的長期間安全に管理することができた。静脈麻酔薬による全身麻酔療法でSEのコントロールに難渋する場合には,吸入麻酔薬を併用することも選択肢の一つと考えられた。
著者
西岡 雅行 福田 正博 根来 俊一 高田 実 楠 洋子 益田 典幸 瀧藤 伸英 松井 薫 中島 俊文 小野山 靖人
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.335-341, 1991-06-20
被引用文献数
2

切除不能の肺非小細胞癌17例に対して,シスプラチン(100mg/m^2,day1),ビンデシン(3mg/m^2,dayl and day8)と胸部放射線照射(2Gy/day,day2〜15)の同時併用療法を行った.適格例は16例で,腫瘍効果はPR/2例,NC3例,PD1例,奏効率は75%であった.骨髄抑制は強く,食道炎も高頻度に発生したが一過性で,その他に重篤な合併症はみられなかった.本療法は許容範囲内の副作用で,高い奏効率が示されたことから,IIIA,IIIB期の切除不能肺非小細胞癌に有効な治療法と考えられた.
著者
神谷 昭基 小野 功 小林 重信
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.117, no.7, pp.829-836, 1997-06-20 (Released:2008-12-19)
参考文献数
13

Start-up scheduling is aimed at minimizing the start-up time while limiting turbine rotor stresses to an acceptable level. This scheduling problem has a wide search space. In order to improve the search efficiency and robustness and to establish an adaptive search model, we propose to integrate evolutionary computation, based on Genetic Algorithms (GA), with reinforcement learning. The strategies with our proposal include: multi-boundary-based enforcement operator and multi-elitist plan. By setting a second boundary, located right outside the existing boundary containing those feasible schedules, we extend our proposed enforcement operator and the conventional elitist plan into the multi-boundary-based enforcement operator and multi-elitist plan. These two strategies work together to focus the search along the boundary, around which the optimal schedule is supposed to exist, so as to increase the search efficiency as well as its robustness. During a search process, GA guides the reinforcement learning to concentrate its learning on those promising areas instead of the entire space. In return, reinforcement learning can generate a good schedule, in the earlier stage of the search process. We obtain encouraging test results. In this paper, we propose the GA-based search model with these strategies and discuss the test results.