著者
山本 泰智 山口 敦子
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.1K2J403, 2019

<p>我々はUmaka-Yummy Dataという生命科学分野のLinked Dataを提供するSPARQLエンドポイントの評価システムを構築し、結果を公開している。その目的は、より良いLinked Data利用基盤を構築することであり、そのためには、Linked Data提供者と利用者の相互理解を促すことが必要と考えているからである。SPARQLエンドポイントの評価は稼働率など6つの観点から行い、100点満点の数値化したUmaka Scoreとしている。これまで3年間の運用を経験し、Linked Data提供者から様々な意見や質問を得ている。本論文ではこれらの意見や質問を議論し、上述のより良いLinked Data利用基盤を構築するために必要な事項をまとめた。その結果、Linked Data提供者と利用者の間の相互理解を促すのに先立ち、信頼できる評価を提供するために、Linked Data提供者と我々の間の信頼関係の構築が重要であることが分かった。</p>
著者
植竹 智 原 秀明 平木 貴宏 岩崎 達郎 笠松 良崇 北尾 真司 小林 康浩 小無 健司 増田 孝彦 増田 亮 宮本 祐樹 岡井 晃一 大久保 翔 尾崎 亮太 笹尾 登 佐藤 帯子 T. Schumm 瀬戸 誠 重河 優大 S. Stellmer 鈴木 健太 渡部 信 山口 敦史 安田 勇輝 依田 芳卓 吉見 彰洋 吉村 浩司 吉村 太彦
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会講演概要集 72.1 (ISSN:21890803)
巻号頁・発行日
pp.789, 2017 (Released:2018-04-19)

229トリウムには,原子核としては異常に低い数eVの励起準位が存在することが知られている.この原子核遷移は電子に遮蔽されているため外乱の影響を受けにくく,レーザーにより直接励起できる可能性がある.そのため新世代高精度周波数標準としての応用を目指した研究が世界各国で進められている. しかしながら,先行研究で明らかになった遷移エネルギーは7.8±0.5eV (159±10nm) と不定性が大きいため,より精密な決定が急務である.我々はSPring-8の高輝度放射光X線による核共鳴散乱を用いた新しい手法により,原子核遷移周波数を精密に決定することを目指している.これまでにX線の高時間分解能検出器開発,高密度229トリウム標的開発などを進めてきた.講演では実験の現状について詳細を報告する.
著者
石原 孟 山口 敦 藤野 陽三
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.731, pp.195-211, 2003-04-21 (Released:2010-08-24)
参考文献数
34
被引用文献数
2 2

本研究では複雑地形における局所風況を数値的に予測するために必要な計算領域の大きさを明らかにするとともに, 新しい境界処理手法と数値解法を提案し, 大型風洞実験によりその妥当性を検証した. まず計算領域の大きさに関して, 計算領域の高さ, 幅, 上流境界の位置が流れ場に与える影響を明らかにした. また境界処理方法として, 地形の体積が一定となるような緩衝領域を境界付近に設置するとともに, 対象領域と同じ程度の大きさの付加領域を上流に設置する手法を提案した. さらに大規模線形連立方程式の数値解法について詳細な比較検討を行い, 高速かつ安定な数値解法を提案した. 最後に実地形模型を用いた大型風洞実験を行い, 本研究で開発した数値予測手法が従来の手法より複雑地形上の局所風況を精度よく予測できることを実証した.
著者
久米 元 山口 敦子 青木 一郎
出版者
長崎大学
雑誌
長崎大學水産學部研究報告 (ISSN:05471427)
巻号頁・発行日
vol.84, pp.39-46, 2003-03
被引用文献数
1 1

東京湾、大阪湾、新潟県沿岸域、有明海の4海域で底曳網によって採集した1454個体の標本をもとに、テンジクダイの食性について調査を行った。有明海個体群については、サンプル数が十分ではなかったため、そのデータは胃内容物組成の解析にのみ用いた。空胃率は大阪湾個体群の24.9%から新潟県沿岸域個体群の43.4%、胃内容物重量指数は新潟県沿岸域個体群の0.66から東京湾個体群の1.6と、ともに個体群間で大きな違いがみとめられた。平均重量百分率、出現頻度、ランキングインデックスの3つの指標を用いた解析により、主要な餌生物は全ての個体群で甲殻類であり、なかでも東京湾、大阪湾、新潟県沿岸域の3個体群では小型長尾類が、有明海個体群ではアミ類が最も重要な餌生物となっていることが判明した。東京湾個体群では、小型長尾類のなかでもエビジャコに対する割合が極めて高かった。甲殻類以外では、有明海を除く全ての個体群で魚類がみとめられた。また、産卵期に多くの雄の胃内に未発達で消化の進んだ同種の卵塊がみられた。各個体群で、全長の大きいものほど高い割合で卵食を行っていることが明らかとなった。本種特有の口内保育様式から判断して、この結果は、雄が大型個体ほど高い頻度で口内保育を行っていることを間接的に示していると推察される。
著者
土屋 律子 坂本 恵 鐘ヶ江 あゆ美 菊地 和美 木下 教子 坂本 佳菜子 佐藤 恵 菅原 久美子 田中 ゆかり 庭 亜子 畑井 朝子 藤本 真奈美 宮崎 早花 村上 知子 村田 まり子 山口 敦子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.26, 2014

【目的】日本調理科学会特別研究(平成24~25年度)「次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理」の先行研究・資料とすることを目的に昭和30~40年頃までに北海道に定着してきた家庭・郷土料理に関する書誌情報を収集した。地域を道央、道南、道北、道東に分け、北海道のみの記載、地域の特定のないものは、「北海道」としてまとめた。今回は、これらの資料に記載されている料理の地域性、主材料、調理操作について検討したので報告する。【方法】書誌収集は、平成25年3月~12月に実施した。収集された資料は62冊、料理数は1066件であった。料理の主材料を日本食品標準成分表2010年に基づき分類、調理操作は調理方法の記載、および明らかに推定できる操作を加え分類し検討した。【結果】料理数は、道東が多く全体の30.2%(322件)、道南23.5%、道央13.3%、道北10.2%であった。「北海道」は242件で、地域の記載がない28件を含めた。主材料を見ると、魚介類が37.9%と魚種、調理法も多く、中では鮭、鰊、いかの利用が多い。鯨、ごっこ、サメの利用もみられた。次いで野菜類(14.6%)、穀類(13.4%)、いも類(12.6%)と北海道の特産物の利用が多い。地域別では道南、道央は魚介類、道北は野菜類、道東はいも、野菜類の利用が多い。穀類は道央(29.6%)が多く道南、道北と続き、道東は6.4%と少ない。調理操作では、「煮る」が31.4%と最も多く、次いで「漬ける」(18.0%)、「焼く」(10.9%)、「和える」(7.2%)の順であった。「煮る」では、鰊の三平汁、鮭の石狩鍋、「漬ける」では、鰊、ほっけの飯ずし、いかの粕漬け、松前漬けなど、「焼く」では、いか焼きやいももち、ジンギスカンなどがあげられていた。地元の食材を多種多様に調理・加工し、利用している様子を窺い知ることができた。
著者
菊地 和美 菅原 久美子 木下 教子 酒向 史代 坂本 恵 高橋 セツ子 土屋 律子 芳賀 みづえ 藤本 真奈美 村上 知子 村田 まり子 山口 敦子 山塙 圭子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.24, 2012

【目的】年中行事や通過儀礼を行うハレの日には、食事も日常とは区別され、各家庭や地域で独自の習慣がみられている。食生活が多様化する中、地域における年中行事や伝統食を大切にし、次の世代への継承にむけた取り組みが推進されるようになってきた。そこで、本研究は北海道の行事食と儀礼食について、親子間(学生とその親)からみた認知状況や摂食状況などの実態把握を行い、地域性を明らかにすることを目的として検討した。【方法】調査は日本調理科学会特別研究(平成21~23年度)に基づき、北海道に居住する親181名と子181名(計362名)を対象として、調査時期は平成21年12月~22年8月に実施した。データは単純集計および親子間によってクロス集計を行い、χ2検定により分析した。【結果】親子間で認知・経験が一致する回答は、行事食が74.0%、儀礼食は49.8%であった。行事食と儀礼食を認知している割合は親が子よりも多く、親子間で有意差がみられたのは盂蘭盆、お七夜、百日祝い、初誕生、厄払いであった(p<0.01)。行事食と儀礼食の経験がある割合も親が子よりも多く、有意差がみられたのは春分の日、端午の節句、盂蘭盆、土用の丑、お月見、秋分の日、出産祝い、お七夜、百日祝い、初誕生、成人式、結納、婚礼、厄払い、長寿であった(p<0.01)。北海道の正月料理のうち、親子間で「現在、家庭で作る」という回答が一致していたのは、たこ刺身が7組(親子間一致なし12組)、くじら汁が2組(親子間一致なし3組)、いずしが2組(親子間一致なし2組)であった。今後はさらに、北海道における特徴的な行事食・儀礼食の親子間による伝承を検討する必要性が示唆された。
著者
山口 敦嗣 吉村 忍 山田 知典
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.340-340, 2006

階層型領域分割法はWS/PCクラスタを含む多様な並列計算機に適した連立一次方程式ソルバーであり、ライセンスフリーでソースコード公開のADVENTURE_Solidなどに用いられてきた。本研究では、数千自由度級の動的地震応答弾塑性有限要素解析を行うための基礎的技術の開発を目的とし、動的繰り返し弾塑性解析機能を構築し、その基本性能を確認した。
著者
津田 博幸 佐藤 信一 遠藤 慶太 佐野 誠子 山口 敦史 市田 悟 一色 知枝 稲生 知子 遠藤 慶太 奥田 和広 木下 綾子 笹生 美貴子 布村 浩一 保坂 秀子 三品 泰子 村本 春香 本橋 裕美 山田 純 湯浅 幸代 尤 海燕
出版者
和光大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

『経国集』対策部の諸写本の写真・コピーを全て入手し校訂本文を作成した。その上で「対策」全26首の注釈をほぼ完成した。合わせて、「対策」をベースにして、古代文学・思想・文化・宗教・古代史などに新たな光を当てる領域横断的研究に着手し、現在、各メンバーが論文を執筆中である。
著者
山口 敦子 古満 啓介
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究では近年の温暖化傾向がエイ類に与えている具体的な影響について検証することを目的として調査を行った。その結果,モデル海域である有明海でのエイ類の分布特性と種組成,東アジア河口域生態系におけるエイ類の分布状況について新たな知見を得ることができ,有明海および東アジア河口域との共通種についてリストアップすることができた。それらの生物情報に基づき,温暖化により西日本に卓越したと考えられたナルトビエイの分布,日周行動,行動と水温との関係について解析した。ナルトビエイは従来から少なくとも九州沿岸域には分布していたが,冬季の平均的な水温が上昇傾向にあることから繁殖・摂餌場に近い深場で越冬可能となり,徐々にその分布を本州西部にまで拡大した可能性があること等を明らかにした。
著者
山口 敦史
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.1-8, 2003

『日本霊異記』に登場する〈女性像〉を取り上げ、そこに見られる各種の〈女性〉が、背景とする思想・宗教や歴史性によって、いかに異なって把握されるかを考察する。一説話の〈女性像〉についても、それを〈母性〉-子を慈しむ存在-と把握するか、〈女人〉-罪深く性欲が盛ん-と把握するかで、説話の読みに変化が生じる。これらの〈女性像〉は、漢訳仏典の価値観に根ざすもので、『日本霊異記』にもそれが踏襲されている。
著者
山口 敦子 龍崎 大介 武田 健一 川田 洋揮
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SDM, シリコン材料・デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.412, pp.59-63, 2010-01-29

Cu/low-k配線パターンのラインエッジラフネス(LER)評価方法を確立するため,レジスト,low-k,Cu/low-kパターンをCD-SEMで観察し,典型的なラフネス形状を抽出するとともに,LER起因の電界集中をシミュレーションにより見積もった.low-k及びCu/low-kパターンにはくさび形のLERが観測されたが,このようなLERはくさびの先端部で,時間依存性絶縁破壊(TDDB)特性劣化につながる電界集中を引き起こすことがシミュレーションにより示された.また電界集中の予測には,low-kパターンのエッチング後及びCuのCMP後に,LERの大きさ(3sigma)とくさび形の開き角を評価することが効果的であると分かった.
著者
橋本 篤 叶木 律子 早崎 宣之 山口 敦 梶原 史洋 荒川 忠一
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
日本風工学会論文集 (ISSN:13493507)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.17-26, 2010-01-31 (Released:2010-09-21)
参考文献数
20

The objective of this study is to investigate the differences in accuracies of wind predictions among four different meso scale meteorological models that will be used to develop a wind power prediction model. Hindcasts of winds are carried out using these models for four wind farms (three in Tohoku and one in Kanto districts). The performances of the models are discussed by comparing the simulated results with the wind data observed at these wind farms under different meteorological conditions. The results show that the meteorological models exhibit similar tendencies for general meteorological cases. On the other hand, significant differences are found in some cases such as those characterized by the passages of cold fronts, typhoons, and so on. The evaluations of the uncertainties in the meteorological model predictions show that the individual models have uncertainties of approximately 3 m/s in wind speed and 40° in wind direction. Additionally, the results also indicate that uncertainties attributable to the differences of the model design amount to only 10% of the total uncertainties, and that the initial and boundary conditions as well as the formulations of the models themselves can have more significant effects on the prediction accuracies.
著者
石原 孟 山口 敦
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究では、まず鉄道沿線の建物と植物の影響を予測できる一般化キャノピーモデルを開発すると共に、風洞実験と現地観測により、その精度を明らかにした。次に、数値竜巻発生装置を開発し、竜巻に伴う強風特性を明らかにすると共に、竜巻の中心付近に瞬間風速が大きくなっていることを明らかにした。最後に、数値流体解析および現地観測データを利用した鉄道沿線における強風予測手法を提案し、複数地点における最大風速の記録と比較することにより、予測手法の精度を検証すると共に、徐行運転と防風フェンス等の横風対策の効果を定量的に評価した。
著者
石原 孟 山口 敦 藤野 陽三
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

浮体式洋上風力発電システムを対象に、浮体と風車の連成振動を考慮した応答予測モデルを開発するとともに浮体の係留を含む構造物の大変形を考慮できる新しい解析モデルを提案し、風力発電設備用浮体の波浪応答予測システムを開発した。また、風車の回転と制御を考慮した風車応答予測システムを開発し、浮体の波浪予測モデルと合併させることにより、浮体式洋上風力発電設備の応答を求めることを可能にした。さらに、浮体式洋上風力発電所設計のために日本全国任意地点において設計波高および設計風速を求める手法を開発した。