著者
山本 謙吾
出版者
The Linguistic Society of Japan
雑誌
言語研究 (ISSN:00243914)
巻号頁・発行日
vol.1949, no.14, pp.49-62,114, 1949-11-25 (Released:2013-05-23)
参考文献数
9

There are a good many words, ended with the suffix-ri, in Manchurian and Mongolian languages. They are nouns derived from verbs. Followings are their examples: Ma.p.50-52; Hong. p.52-56.We can find this suffix in Evengki language (one' of the nor.-them dialects of tungus language), too. In the latter-ri is used as the termination not only for noun but also for verb.In Manchurian language, besides, -ri is petrified in a series of nouns: niyengniyeri “spring”, juwari “summer”,, bolori “autumn”, tuweri “winter”, cimari “morning”, dobori “night”. In spite of theabsence of verbal stems, *niyengrirge-, *juwa-, *cima-, *dobo- etc., this theory is supported by the following facts, There are vivid Evengki verbal stems corresponding to the petrified Manchurians (see p.57-58), on the one hand, andthere are some doublets in Manchurian language itself, on the other hand: eimari, cimaha; dobori dulin, dobon dulin nmidnigtu etc.
著者
山本 竜市 平田 英明
出版者
行動経済学会
雑誌
行動経済学 (ISSN:21853568)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.51-53, 2011 (Released:2012-03-29)
参考文献数
9

本研究では第一に,日本の投資家が期待を形成する際,ファンダメンタル戦略・トレンドフォロイング戦略を用いていることを示す.第二に,それら戦略を時間を通じて使い分けているという意味で「戦略の切り替え」を行なっていることを実証する.第三に,この「戦略の切替え」が実証的に見て日本の株価のファンダメンタル価格からの乖離を説明する上で重要であることを示す.本研究ではデータをバイサイドとセルサイドに分けて両者の「戦略の切替え」を検証し,戦略の切替の株価への影響の大きさを分析し,その影響の度合は投資家の属性により異なることを示す.
著者
安積 一平 西田 英高 田中 美有 桑村 充 嶋崎 等 田中 利幸 山本 卓矢 秋吉 秀保
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.e75-e80, 2023 (Released:2023-05-02)
参考文献数
12

7歳齢の避妊雌のトイプードルが,右前肢の跛行を主訴に受診した.初診時のX線検査では右肩甲骨の骨増生及び皮質骨の不整が認められた.病変部位の組織の一部を採取したところ,非感染性の骨の炎症が疑われた.プレドニゾロン内服によって臨床徴候の改善が認められ,休薬によって血中C反応性蛋白(CRP)の高値及び両後肢不全麻痺が認められるようになった.核磁気共鳴画像(MRI)検査によって,第1-2胸椎,第4-5胸椎の硬膜外脂肪の炎症が認められ,特発性無菌性化膿性肉芽腫と診断した.免疫抑制量のプレドニゾロン及びシクロスポリンの内服によって,両後肢の神経徴候は改善し,血中CRPは正常範囲内まで低下し,MRI検査では病変は消失していた.本症例では,無菌性化膿性肉芽腫が肩甲骨及び硬膜外脂肪に発症したと考えられた.
著者
木村 優里 西谷 友樹雄 新井 佑梨 高津 南美子 山本 裕 鴻 信義 小島 博己
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.104-108, 2020-06-15 (Released:2021-06-15)
参考文献数
16

側頭筋内膿瘍は頸部膿瘍の中でも文献的報告が少なく, 発症病態の詳細はあまり知られていない。 側頭筋は咀嚼筋に含まれ, 上記疾患の症状として開口障害, 側頭部腫脹を呈する。 炎症は咀嚼筋間隙内の咬筋, 内・外側翼突筋や隣接する間隙にも波及することがあり, その波及形式の相違によっても臨床像は多彩である。 顔面痛を主訴に発症した基礎疾患のない側頭筋内膿瘍を経験した。 本邦での頸部膿瘍形成としては下方への波及が典型的であるが, 今回経験した側頭筋内膿瘍では側頭筋に沿って上方へ波及した膿瘍を形成していた。 CT など画像による病巣評価のみならず, 開口障害, 側頭部腫脹といった身体所見に着目することが本症例の病態把握に重要である。 側頭部穿刺, 経口腔的切開排膿, 抗生剤投与で軽快した1例であった。
著者
山本 大地
出版者
日本フランス語学会
雑誌
フランス語学研究 (ISSN:02868601)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.45-53, 2007-06-01 (Released:2017-09-08)
参考文献数
14

Cet article a pour but d'analyser la phrase exclamative de type Quel...! en nous centrant sur les propriétés des adjectifs susceptibles d'entrer dans cette construction. Afin de la distinguer des autres types d'exclamative utilisant un interrogatif (Quel...!, Ce que...!, Qu'est-ce que...! etc.), nous proposons deux contraintes qui pèsent sur le choix des adjectifs: l'une tend à favoriser les adjectifs munis de propriétés qui concernent l'échelle subjective et l'autre privilégie les adjectifs avec l'attribut constant.
著者
山本 容子
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.17-22, 2016 (Released:2018-04-07)
参考文献数
25

バイオフィリアの概念を導入した環境教育,特に初等教育の展開についての文献調査を行った結果,アメリカでは,小学校の学習環境の設定に,バイオフィリックデザインを取り込み,それを使った体験学習のアプローチが検討,実践されていること,子どものバイオフィリアの育成時期として,幼児教育,初等教育段階が適切であるという議論がなされていること,子どものバイオフィリアを引き出す活動を導入したアプローチにより,認知と言語の発達などの教育実践目標の達成を図るような教育プログラムが行われていることが明らかになった。
著者
竹内 康剛 山本 英樹
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.571-574, 2013 (Released:2014-04-03)
参考文献数
8
被引用文献数
3

Background: We experienced 2 cases of axillary artery injuries complicating proximal humeral fracture. Preoperative CT images were evaluated retrospectively in patients with proximal humeral fractures who underwent surgery in our hospital. The purpose of this study is to evaluate the association between the medial displacement of the humeral shaft and axillary artery injuries.Methods: A total of 27 patients with proximal humeral fractures who underwent open reduction and internal fixation between April 2010 and March 2012 were included in this study. There were 11 men and 16 women with a mean age of 63.0 years (24 to 92 years). We retrospectively evaluated preoperative CT images, and the distance between the medially displaced humeral shaft and the axillary artery was assessed.Results: Axillary artery injury was observed in 2 patients. The distance between the medially displaced shaft and the axillary artery showed a significant difference between the group with axillary artery injury (injury group: Group I) and the group without axillary artery injury (non-injury group: Group NI).Discussion: We consider that there is a risk of axillary artery injuries at the time of injury or reduction when patients have remarkable medial displacement of the shaft in a proximal humeral fracture, regardless of the AO classification, and therefore require adequate attention. We suggest that patients with remarkable medial displacement of the shaft in a proximal humeral fracture undergo preoperative CT angiography or doppler ultrasound to evaluate the risk of axillary artery injury.
著者
林 伸和 佐々木 優 黒川 一郎 谷岡 未樹 古川 福実 宮地 良樹 山本 有紀 川島 眞
出版者
日本臨床皮膚科医会
雑誌
日本臨床皮膚科医会雑誌 (ISSN:13497758)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.629-634, 2021 (Released:2021-10-06)
参考文献数
3

経口イソトレチノインは,皮脂の分泌と毛包漏斗部の角化異常を抑制することで痤瘡を改善することから,海外では集簇性痤瘡あるいは重症・最重症の尋常性痤瘡に対して推奨されているが,本邦では未承認である.そこで,本邦における集簇性痤瘡や重症・最重症の尋常性痤瘡の患者数や現状での治療状況,イソトレチノインに対する考え,使用実態などについて日本臨床皮膚医会(日臨皮)と日本美容皮膚科学会(美容皮膚)の会員を対象に調査を行った. 日臨皮会員4,539名中565名(12.4%),美容皮膚会員2,711名中の158名(5.8%)から回答を得た.その結果,「男性に好発し、顔面のみならず胸背部に、多数の面皰と嚢腫・結節の多発をみる難治性の痤瘡ないし膿皮症の一型」と定義した集簇性痤瘡を両学会会員の85.6%が経験し,うち48.6%が年間1~2例を経験していた.また,経験者の81.7%は「標準治療だけでは治療不可能」と回答し,81.5%は経口イソトレチノインが「必要」,あるいは「必要性がとても高い」と考えていた.従来の治療で十分な効果が得られない重症・最重症の尋常性痤瘡については,90.8%が何らかの形で経験しており,そのうちの75.0%が経口イソトレチノインが「必要」あるいは「必要性が高い」と回答していた.また,何らかの手段でイソトレチノインを現在処方している医師の割合は全体の5.1%(美容皮膚会員15.8%,日臨皮会員2.1%)であった. 本調査では,集簇性痤瘡および従来の治療で十分な効果が得られない重症・最重症の尋常性痤瘡は,稀ではあるが皮膚科医が経験する症状であり,それに対して海外のガイドラインで推奨されている経口イソトレチノインへの期待が高いことが示唆された.経口イソトレチノインの必要性は高く,一部の皮膚科医がすでに処方している実態がある.しかし,催奇形性等の重大な副作用を伴うことから,十分な管理の下で経口イソトレチノインは使用されるべきである.現状の使用状況をより好ましい形にするために,安全性と有効性を確認する臨床試験を経たうえで,早期に薬事承認を目指す必要があると考えた.
著者
川島 一郎 日向 英人 中楯 礼人 細川 恵理子 坂本 勇磨 鈴木 潤 熊谷 拓磨 輿石 めぐみ 鈴木 愛 山本 健夫 中嶌 圭 桐戸 敬太
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.83-90, 2023 (Released:2023-03-29)
参考文献数
18

同種造血幹細胞移植(allogeneic hematopoietic stem cell transplantation, allo-HCT)時には低K血症を高頻度に認め,非再発死亡(non-relapse mortality, NRM)との関連も報告されている。しかし,日本のK注射製剤の添付文書を厳格に遵守すると,補正が困難な場合が多い。今回我々はallo-HCTにおける低K血症とK補充療法について検討した。当科で施行したallo-HCT症例75例を後方視的に解析した。低K血症は92%に認め,grade3以上は40%であった。Grade3以上の低K血症を認めた症例は有意にNRMが高く,予後不良であった(1年:30% vs 7%,p=0.008)。75%の症例で,添付文書の範囲を超える補充療法が必要であった。K注射製剤の添付文書の基準は1988年以降見直されておらず,現状に即した改定が望まれる。
著者
山本 剛優 伊藤 政喜 奈良 一寛
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 2021年度大会(一社)日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.26, 2021 (Released:2021-09-07)

【目的】不溶性食物繊維を多く含む全粒穀物の摂取が、冠状動脈疾患のリスク低減に有効であることが報告されている。スナック菓子の原材料としても多く利用されているトウモロコシも食物繊維の豊富な全粒穀物の一つであることから、その利用が期待される。一方でトウモロコシでは、多糖類にフェルラ酸がエステル結合して存在することが明らとなっているが、穀粒の形や性質による差異については十分に明らかではない。そこで本研究では、トウモロコシ多糖類の微細構造の差異について明らかにするため、トウモロコシの種類さらにはそれらの加工品におけるフェルラ酸量の差異について調査した。【方法】トウモロコシ(ポップ種、デント種、ワキシー種)およびトウモロコシ加工品(ポップコーン、コーングリッツ、フライ製品)を材料とした。粉砕した試料を一定量はかりとり、1M水酸化ナトリウムを加えアルカリ処理することでフェルラ酸を遊離させ、遊離したフェルラ酸をHPLCにて測定した。【結果・考察】デント種とワキシー種においては差が認められなかったが、ポップ種においては顕著に多かった。ポップ種はバタフライ型とマッシュルーム型に分類されるが、バタフライ型において、よりフェルラ酸が多いことが明らかとなった。コーングリッツおよびコーングリッツを使用したフライ製品では原料に比べ顕著に減少していた。一方で、ポップコーンは加工後も原料と同程度のフェルラ酸が残存していることが明らかとなった。 以上のことから、トウモロコシ及びその加工品では、種類や加工法によってフェルラ酸に差異が見られることが明らかとなった。中でもポップコーンは、フェルラ酸が多いことから、その摂取源としては有用な素材であることが示唆された。
著者
石塚 淳子 笹野 幸春 山本 哲子 小元 まき子 渋江 かさね 山崎 準二
出版者
順天堂大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

近年、看護師養成の課程をもつ看護系大学・学部が急増し、それに伴い看護教員の不足と質の低下が大きな問題となっている。日本の看護教育において、これからの看護教員の教育力の向上のためには、諸外国の物真似ではない日本独自の社会的背景の中で発展してきた熟練看護教員の力量発達過程を活用したプログラムが有用である。そこで申請者が長年研究してきた研究の成果を活かし、教師教育や生涯教育の研究者らと協力して熟練看護教員の経験をライフヒストリー・アプローチで描き出しながら現役若手看護教員らによる“実践コミュニティ(経験から学ぶ場)”プログラムを試みる。
著者
山本 智支 乾 和郎 片野 義明 三好 広尚 小林 隆 松浦 弘尚
出版者
一般社団法人 日本胆道学会
雑誌
胆道 (ISSN:09140077)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.147-155, 2019-03-25 (Released:2019-04-08)
参考文献数
32

急性胆嚢炎は胆嚢に生じた急性の炎症性疾患と定義され,原因の85~95%は胆嚢結石である.リンパ管のうっ滞・拡張を認める浮腫性胆嚢炎,壊死出血を認める壊疽性胆嚢炎,膿瘍化してきた化膿性胆嚢炎に分けられる.診断は,臨床兆候(Murphy's signと右上腹部の腫瘤触知・自発痛・圧痛),血液検査,画像所見により行う.白血球異常,CRPの上昇などを認め,ビリルビン,肝・胆道系酵素の上昇は軽度見られることが多い.腹部USでは,胆嚢腫大,壁肥厚,結石嵌頓,デブリ,sonographic Murphy's signのほか,胆嚢周囲浸出液貯留,胆嚢壁hypoechoic layer,不整な多層構造を呈する低エコー帯,ドプラシグナルが診断に有効である.急性胆嚢炎の診断が困難な場合や胆嚢穿孔,胆嚢周囲膿瘍などの合併症が疑われた際には,ダイナミックCTが有用である.
著者
竹之下 康治 堀之内 康文 山本 昌家 平野 裕士 岡 増一郎 岡本 学
出版者
Japanese Society of Oral and Maxillofacial Surgeons
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.187-191, 1989-01-20 (Released:2011-07-25)
参考文献数
19
被引用文献数
3 3

Fracture of the mental spine (genial tubercles, spina mandibularis) is comparatively rare entity of mandibular fracture. It can be assertained only by occlusal radiogram. This type of fracture is considered that normal occlusal stress is a main role, in the severely atrophied edentulous mandible and hypertrophied spines in the denture bearing elders.The pathogenesis of this fracture is proposed as one of the stress or spontaneous fractures, like a so-called pathologic fracture. In this sequence, the dental practitioners should keep in mind the possibility of this fracture, especially in denture construction.The authors reported three further cases treated conservatively and discussed the mechanism and treatment of this injury.