著者
山本 元司 岩村 誠人 毛利 彰
出版者
日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.16, no.8, pp.1123-1130, 1998-11-15 (Released:2010-08-25)
参考文献数
12
被引用文献数
1

This paper proposes a planning method for time-optimal trajectories of mobile robots. A dynamical model for two independently driven wheels type mobile robots is derived. Using an idea of path parameter, optimal trajectory for specified path of mobile robot is easily obtained considering dynamical constraints such as driving torques and velocities. An efficient collision-free near-time-optimal trajectory planning method is proposed using a local optimization method and a global search method of initial paths. The B-spline parameter optimization method is used as a local optimization. Some numerical examples show an effectiveness of the proposed planning method.
著者
田平 一行 原田 鉄也 山本 純志郎 岡田 哲明 前村 優子 山本 みさき
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Ae0083-Ae0083, 2012

【はじめに、目的】 運動耐容能の評価として,自転車エルゴメータやトレッドミルを用いた心肺運動負荷試験が行われ,最大酸素摂取量が最も良い指標とされている.これに加えて近年,自転車エルゴメータの漸増負荷試験から得られた最大仕事率(WRpeak)の80%の運動強度での定常負荷試験が実施されている.この試験における運動持続時間(ET)は,薬物や運動療法介入後の効果の反応性が良いとされている.実際の日常生活においても,強い運動よりも長時間運動できることが重要であると思われる.しかしこのETは相対的な運動強度で実施されるため,最大酸素摂取量やWRpeakの影響は受けにくく,影響する因子は明らかになっていない.そこで今回,ramp負荷と定常負荷試験の2種類の運動負荷試験を実施し,ETに影響する因子について検討したので報告する.【方法】 健常男子大学生13名(年齢21.9±0.8歳) を対象に自転車エルゴメータを用いて2種類の運動負荷(ramp負荷,定常負荷)試験を実施した.ペダルの回転数は60回/分を維持させた.その間,呼気ガス分析器(Metamax 3B, Cortex社)を用いて酸素摂取量(VO2),二酸化炭素排出量(VCO2),分時換気量(VE),換気当量(VE/VCO2),死腔換気率(VD/VT)を,組織血液酸素モニター(BOM-L1TRW,オメガウェーブ社)を用いて大腿四頭筋外側広筋部の酸素化ヘモグロビン,脱酸素化ヘモグロビン,総ヘモグロビン(Total Hb),組織酸素飽和度を,非侵襲的血圧測定器(Portapres, FMS社)を用いて収縮期血圧,1回心拍出量,心拍数を測定した.また運動終了時は修正Borg scaleを用いて,呼吸困難感と下肢疲労感を測定した.ramp負荷試験:3分間の安静座位の後,20w/minのramp負荷にて運動を行わせ,症候限界まで実施した.定常負荷試験:3分間の安静座位の後,ramp負荷試験にて得られたWRpeakの80%の運動強度にて症候限界まで運動を行わせた.運動の中止基準は,85%予測最大心拍数,自覚症状,ペダルの回転数が60回/分維持できない場合などとした.解析方法:ramp負荷試験における各指標のpeak値(運動終了直前の30秒間の平均値)とV-slope法により求めた無酸素性作業閾値AT(VO2)および定常負荷試験における運動持続時間(ET)を解析に用いた.統計処理は,ETと各指標との間の関係についてピアソンの積率相関係数を用いた.有意水準は5%未満とした.【倫理的配慮、説明と同意】 本研究は,ヘルシンキ宣言に基づいて被験者に本研究内容および危険性などについて説明し,同意を得てから実施した.【結果】 ETと死腔換気率との間に有意な負の相関関係が認められた(r=-0.654, p=0.013).有意ではなかったが,ETはAT(VO2)(r=0.562),換気当量(r=-0.429),下肢疲労感(r=-0.368),Total Hb(r=0.393)と関係する傾向が認められた.しかしその他の指標とは関連を認めなかった.【考察】 同じ最大酸素摂取量を持つ者でも,ETは異なり,ETが高い方がより持久性があると考えられる.今回の結果,ETとAT(VO2),骨格筋のTotal Hbとは正の,死腔換気率,換気当量,下肢疲労感とは負の関係が認められた.AT(VO2)との相関は,定常負荷試験の場合は,ramp負荷のWRpeakよりも負荷量が低いことから,より有酸素的なエネルギー代謝の影響を受けるためと考えられた.Total Hbは末梢において十分に血管が拡張しているかを反映していると考えられ,下肢疲労感との負の相関は最大運動時に下肢筋に余裕を残していることが考えられ,ETは下肢筋の有酸素能の影響を受けるものと考えられた.また死腔換気率,換気当量との関係は,肺内でのガス交換の影響を示しており,呼吸パターンや肺内の換気-血流比に影響を受けると考えられた.以上より,骨格筋の有酸素能を高めるトレーニングや呼吸パターンの修正,また静脈還流量を増やすような水中負荷,弾性ストッキングの使用などにより,同じ最大酸素摂取量を持つ対象者であっても運動時間を延長できる可能性が示唆された.【理学療法学研究としての意義】 定常負荷試験におけるETは運動療法の介入効果を反映しやすい指標であるとともに,運動の持久性はADL上も重要な要因である.ETの要因を明らかにすることにより,効果的に持久性を高めるためのトレーニング方法など,運動療法のアプローチの再考につながると考える.
著者
島田 敬 山下 達雄 山本 正生 竹林 幸治
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集F (ISSN:18806074)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.556-566, 2010

これまで,滑走路等の建設工事では,舗装工事と航空灯火設置等の電気工事とを別々に施工する方法が採用されてきた.関西国際空港第2滑走路工事では,「航空灯火基台設置と舗装の一体施工法」及び新型の「航空灯火基台」を考案・開発し,現地実験等を行い実施工に採用した.これにより,第2滑走路工事において,工期短縮,建設コスト縮減,環境保全の課題解決に大きく貢献することができた. </br> 本研究は,「航空灯火基台設置と舗装の一体施工法」を実用化するために行った灯火基台開発及び現地実験を総括するとともに,工期短縮,建設コスト縮減,環境保全効果について分析を行ったものである.
著者
吉川 一紀 津村 裕昭 黒目 学 迫本 実 田中屋 真智子 植松 周二 高橋 浩一 山本 剛壮 三上 素子 横崎 宏 田中 義淳
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.96, no.8, pp.969-972, 1999-08-05 (Released:2008-02-26)
参考文献数
9
被引用文献数
1

47歳男性が下血のため入院し,下部消化管内視鏡検査にてBauhin弁より口側6cmにある回腸憩室からの消化管出血と診断された.開腹による回盲部切除では同部位の憩室に魚骨の刺入がみられ,病理学的には刺創周囲に化膿性炎症と血管破綻像をともなう真性憩室であった.大変まれな魚骨による回腸末端の真性憩室からの消化管出血と診断され,若干の文献的考察を加えて報告する.
著者
今村 基尊 山本 妙子 小野 俊朗 今村 節子 会田 栄一 黒須 一夫
出版者
一般財団法人 日本小児歯科学会
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.607-613, 1991-09-25 (Released:2013-01-18)
参考文献数
15
被引用文献数
2

乳歯隣接面齲蝕の診査に咬翼法X線写真を用いることで,齲蝕検出率が高まることはよく知られているが,患者の被爆線量から,頻回撮影することも好ましくない.咬翼法X線写真の撮影回数を減らすために,補助手段としてデンタルフロスによる診査の併用を考え,咬翼法X線写真による診査の結果とデンタルフロスによる診査の結果との関係について検討し,次の結論を得た.1)咬翼法X線診査の結果とデンタルフロスによる診査の結果との一致率は,67.1%~94.3%であった.2)上下顎第一乳臼歯遠心面・第二乳臼歯近心面において,フロスにより異常を感じたならばまず齲蝕があったが,フロスによりsmoothと感じても齲蝕がないとは診断しがたい.3)フロスによる乳歯側方歯群の隣接面齲蝕の診査は,咬翼法X線写真の補助的診査として用いることができると考えられた.
著者
北村 隆一 山本 俊行 神尾 亮
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集
巻号頁・発行日
vol.1999, no.625, pp.171-180, 1999
被引用文献数
1

本研究では世帯の交通エネルギー消費量, 通勤交通機関, 自動車保有台数, 通勤距離を内生変数とする構造方程式モデルを1990年京阪神パーソン・トリップ調査結果を用いて推定し, 世帯の交通エネルギー消費性向に考察を加えると同時に, このモデルを土地利用政策のエネルギー消費削減効果の分析に適用している. モデルの推定結果は, より高密度で職住近接型の土地利用を推進することにより世帯の交通エネルギー消費を削減することが可能であることを示唆している. しかしながら, 既に高密度・混在型の土地利用が展開し自動車利用率が比較的低い京阪神都市圏で世帯交通エネルギー消費の大幅な削減を図るとすれば, 都市圏外延部に居住し長距離通勤を行う世帯を対象とする土地利用政策が必要となることを本研究の結果は示唆している.
著者
山本 剛史
出版者
慶應義塾大学倫理学研究会
雑誌
エティカ (ISSN:18830528)
巻号頁・発行日
no.1, pp.103-128, 2008

Heute werden künftige und sogar gegenwärtige Generationen der ungewissen Wirkung unserer technologischen Handlungen ausgesetzt. Deshalb ist es angezeigt, diemoralische Verantwortung zu untersuchen, und zwar im Rahmen der Ethik des Vorsorgeprinzips, die der Zukunftethik Hans Jonas' entspricht. K. O. Apel kritisiert bekanntlich deren Nicht-Reziprozität und stellt ihr seine diskursive und reziproke Verantwortungsethik gegennüber. Von daher stellt sich die Frage, ob die Ethik desVorsorgeprinzips die reziproke oder nicht-reziproke Verantwortung umfassen soll.Um den Gegensatz aufzulösen, betrachten wir die theologische Ethik Dietrich Bonhoeffers. Die Theologie Bonhoeffers ist bekannt für die "nichtreligiöse Interpretation des theologischen Begriffs". Wenn auch die Meinungen darüber auseinandergehen, ist doch sicher für die Theologie die Handlung als "Nachfolge Christi" am wichtigsten. Deshalb wird in seiner Ethik die Theorie hinter die Handlungen gestellt.Bonhoeffers Ethik betont das menschliche leibliche Leben selbst, weil das Leben, als das Vorletzte, durch das Letzte aufgewertet wird, das das Versöhnungsereigniszwischen Gott und der Welt ist. Demgemäß muß man auf andere antworten. Dieses Leben als Antwort auf das Leben anderer nennt er „Verantwortung auf Stellvertretung". Der Mensch vereinigt in sich das Ich mehrerer Menschen; jeder vertritt und wird vertreten. Aber das impliziert keineswegs die Verneinung der Autonomie jedes Menschen. Deshalb verliert obige Frage ihre Bedeutung. Bonhoeffer entwickelt die Ethik der Verantwortung für das natürliche Leben. DieÜbertragung seiner Ethik in eine rationale verlangt, also die Bildung des Vorsorgeprinzips.
著者
山本 智子 氏家 靖浩 樫田 美雄
出版者
奈良女子大学
雑誌
奈良女子大学社会学論集 (ISSN:13404032)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.51-65, 2011-03-01

The aim of this study is to describe the communication-style in the differentsituations (Testing situation and Chatting situation) by using the case of Mr.S who wasdiagnosed the Asperger Syndrome. It is said that the Asperger Syndrome children has a little social skill and the conversational problems. For example, even though the Asperger Syndrome children talks with someone, he seems to talk with nobody. In the conversation, he just keep talking what he wants and he does not seem to listen to someone's talking. He also receives the meaning what someone says without the real meaning behind. Those ways of conversation are said the characteristics of the Asperger Syndrome children. Are not the actions of human being depend on the situations that he is in? Does not he select his suitable actions and words in the different situations?In this study, I explore the communication-style of the Asperger Syndrome children by adopting the method of the Video-based ethnography and analyzed the communication-style between he and me. The result shows us to the different communication-style that depended on the different-situations such as "the testing situation and the chatting situation. In the testing situation,he tended to behave and speak according to the Asperger Syndrome characters that they are said generally. On the other hand, he behaved and spoke in the ways that the ordinal people do like us when we were just chatting.According to this result, his communication-style depends on the different situations. Therefore, we cannot regard someone to be the Asperger Syndrome children only by referring to the testing but only the daily life that he lives.
著者
王 彩華 棚橋 英樹 佐藤 雄隆 平湯 秀和 丹羽 義典 山本 和彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.421, pp.155-160, 2001-11-08
参考文献数
13

本研究では, K2Tで得られた高解像度パノラマレンジデータと全方向ステレオシステム(SOS)で得られた高解像度全方向画像の位置合わせとセンサの相対的な姿勢の推定について考える.本手法はまずそれぞれのパノラマ画像の縦方向のエッジヒストグラムをマッチングし, 2つのセンサーの方位角を合わせる.次に, 各方位角において, それを中心とした90°の視野角を用いて透視射影のエッジ画像を生成し, 横方向のエッジヒストグラムを生成する.これらの横方向のエッジヒストグラムをマッチングすることによってセンサの縦方向の位置と軸の傾きを推定する.実験では, シーンの状況が多少違う画像を用いて, 提案手法の有効性とロバスト性について検証した.
著者
山本 晴彦 岩谷 潔 鈴木 賢士 早川 誠而 鈴木 義則
出版者
日本自然災害学会
雑誌
自然災害科学 (ISSN:02866021)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.315-328, 2000-11-30
参考文献数
17
被引用文献数
8

Typhoon 9918 (Bart) passed through the Kyushu and the western part of Chugoku districts on September 24,1999. The strong wind and storm surge disasters were caused by the typhoon 9918 in western part of Japan. During the typhoon passing, the peak gust speed recorded at Ushibuka weather station in Kumamoto Prefecture was 66.2 m/s, which was the maximum value in Kyushu district (exclusive of islands). The peak gust speed recorded at the Onoda fire station and the Hofu north base were 58.9 m/s and 61.2 m/s, respectively. The sea level recorded at Moji was 372 cm at 8 : 10,which was 140 cm higher than the calculated value (232 cm). The loss money by the strong wind and storm surge disasters in Yamaguchi Prefecture by the typhoon 9918 exceeded 41 billions yen.
著者
上岡 千紋 由井 芹菜 山本 栞 山崎 広之 西端 芳彦
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第39回ケモインフォマティクス討論会 浜松
巻号頁・発行日
pp.O9, 2016 (Released:2016-09-22)
参考文献数
10

化学構造データベースは、化学に関する研究情報の蓄積・公開には必須のシステムであるが、商用システムは導入・運用コストが高く、大学などの研究機関にはあまり普及していなかった。非営利研究機関向けライセンスやオープンソースソフトウェアの登場により、大学などでの利用も可能にはなったが、実用に供するシステムを開発するには大きな労力が必要である。一方、システム開発の効率化のためにアジャイル開発が注目を集めている。我々は、アジャイル開発と親和性の高いWebフレームワークであるDjangoに注目し、DjangoとRDKit database cartridgeの組み合わせによる化合物データベースシステムの開発を試みた。我々の研究は、コンピュータプログラミングについての知識のない薬学部の学部学生が、短期間で実用的な化学構造検索システムを開発可能であることを示し、DjangoとRDKit database cartridgeの組み合わせによる化学構造データベースシステム開発の有用性を明らかにした。