著者
丸山 哲央 山本 奈生 渡邊 秀司
出版者
佛教大学
雑誌
社会学部論集 (ISSN:09189424)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.1-18, 2011-03-01

インドから中国,朝鮮・韓国を経て移入され,日本化された仏教(Japanized Buddhism)は日本固有の要素にすべての時代,地域に通底する普遍的要素を付加し,独自の体系を形成してきた。日本仏教に固有の要素でありながら新たな普遍性を備え,逆に外部に再発信しうる要素とは何かということの解明が,文化のグローバル化現象の根幹をなす問題である。本稿では,日本仏教のグローバル化について,特に布教活動である南米での海外開教を事例として取り上げ,その理論的分析方法について考察する。この際に浄土宗と浄土真宗の開教活動に焦点を当て,見仏体験にかかわる文化の実存的要素の伝播可能性についての究明を試みたが,文化伝播のメディアとの関連での分析が必要なことが明らかになった。
著者
山本 悠理 竹村 研治郎
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp."1A2-E08(1)"-"1A2-E08(4)", 2010

An interface that presents variable sense is paid attentions from virtual reality researches. This paper presents an ungrounded force feedback device using the gyroscopic effect. An ungrounded force feedback device includes the Control Moment Gyro (CMG) that generates the torque due to the gyroscopic effect, resulting in making the system produce the sense of force to an operator. Four CMGs are arranged in pyramid form (4-CMG system), so that the plural CMGs are simultaneously driven to synthesize the torque. We experimentally verify the performance of the developed device. Concretely, we measured the stimulus threshold and evaluate the perception characteristic of an ungrounded force feedback device.
著者
山本 和彦
出版者
判例時報社
雑誌
判例時報 (ISSN:04385888)
巻号頁・発行日
no.1432, pp.p11-17, 1992-11-21
著者
寺谷 美雪 神白 和正 比留間 潔 奥山 美樹 藤田 浩 香西 康司 浅香 祐幸 前田 かおり 國友 由紀子 山本 恵美 高田 裕子 五十嵐 朋子 鳥海 彩子 矢澤 百合香 森口 真理子 藤本 昌子 二木 由里
出版者
一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会
雑誌
日本輸血細胞治療学会誌 (ISSN:18813011)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.679-686, 2010 (Released:2011-01-13)
参考文献数
5
被引用文献数
1 1

【背景・目的】赤血球濃厚液(RCC),血小板濃厚液(PC),新鮮凍結血漿(FFP)などの輸血用血液製剤(輸血用血液)は献血者の人体の一部であり,とりわけ有効利用が求められるが,一定量が有効期限切れで廃棄されているのが現状である.廃棄血を減少させるため有効期限内で別の患者に転用する努力が行われているが,一病院の中では限界がある.そこで,われわれは病院間で輸血用血液を転用し,有効利用する方法(病院間有効利用)を検討し,実施したので報告する. 【方法】東京都が運営する7病院が本研究に参加した.まず,7病院において有効期限切れが原因で廃棄となる輸血用血液の量を調査した(平成17年1~7月).その後,平成19年9~12月の間に各病院で有効期限切れが切迫している輸血用血液の情報をインターネットメールで毎日,定時に発信し,使用できる病院があれば,その病院に搬送し輸血に用いた.搬送にあたっては血液製剤搬送用温度安定剤を用い,温度を管理しながら搬送した.搬送後の品質を管理するため,温度と外観,搬送時間などを評価し記録に残した. 【結果】平成19年9~12月の間に,RCC 18本,PC 1本,FFP 4本の輸血用血液が病院間で有効利用された.その期間のRCCの廃棄率は1.06%で,H19年度の病院間有効利用を行わなかった期間の廃棄率1.78%と比較し明らかに低かった. 【結論】輸血用血液の廃棄量を減少させるために期限切れの前に他の病院で利用することは有効であり,今後,多くの病院間で試みる意義があると思われた.
著者
諏訪 博彦 山本 仁志 岡田 勇 太田 敏澄
出版者
一般社団法人社会情報学会
雑誌
日本社会情報学会学会誌 (ISSN:09151249)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.59-70, 2006-03-31
被引用文献数
6

持続可能な社会の実現のために、様々な方法で環境問題の解決が試みられている。しかし現状では、環境教育プログラムによって環境に対する態度は変化させられるものの、環境配慮行動を促す効果的なプログラムの開発は不十分である。我々は、どのような「環境に配慮する態度」をもっている個人が、「環境に配慮する行動」を実行しているのかを明らかにしたい。このために、既存の環境教育力リキュラムの順序性と心理的プロセスを援用し、人々が環境に対してどのような関心や動機を持ち、行動を行っているのかに関して質問紙調査を行った。調査結果を基に環境配慮行動を促す環境教育プログラム開発のための関心・動機・行動間のパスモデルを構築した。その結果、意識的環境配慮行動を規定する要因として、費用負担意思がもっとも高い影響を及ぼしていることがわかった。
著者
森 晃徳 佐分利 柾寿 斎藤 泰一 山本 和彦
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.45, no.12, pp.1583-1588, 1991
被引用文献数
5

約5〜60秒以下の短期記憶の容量は, 感覚や対象の種類によらずほぼ一定7±2で, 魔法の数7±2と呼ばれている.ここでは, 10〜60分以上の長期記憶の一種である近時記憶においても, 魔法の7±2を限界とする現象が存在することを未知の経路の認知地図に関して明らかにした.まず, 分岐点数が7,8,9,12,13,14の6個の経路の位相構造(分岐点群とその出現順序)の把握の実験を行い, その限界が分岐点数約8であることを示した.続いて, 1つの経路をいくつかの区間に分割してランダムに提示し, それを正しい順序に並べ換えるという1次元ジグソパズル的実験を行った.そして, 並べ換え可能な限界が, 分割数7と10の間にあることを明らかにした.また, 経路の位相構造を把握できなくなると, 作図された地図の形にどんな変化が生じるかを単調順行率なる量を導入して調べたところ, 地図の形に一定の偏りが現れることを明らかにした.前者の結果は, 魔法の数7±2が, 脳における情報表現の基本構造を反映している可能性を示唆し, 後者は, 定型の振舞いをするデフォルトシステムの存在の可能性を示唆していると考えられる.
著者
田上 正範 山本 敏幸 奥貫 麻紀
出版者
追手門学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

学生が大学卒業後も社会で活躍するために、学生と社会人とのコミュニケーション・ギャップを乗り越える、より実践的な育成モデルが必要である。本研究は、ギャップを乗り越える方法論として、「交渉学」に着目し、学生の現実的側面の向上を図るための動画教材の開発と、学生及び社会人のコミュニティ形成に取り組み、両者が学び合う実践モデルを研究した。これらの研究プロセスから得た知見を報告するものである。
著者
齋藤 邦明 山本 康子 村上 由希 齋藤 ゆみ
出版者
京都大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

ストレスは精神神経疾患や生活習慣病など様々な疾患の引き金の一つとして考えられているが、ストレスによる疾患発症の詳細なメカニズムは未だ解明されない部分が多く残されている。本研究では個々のストレス状況を把握し、負荷が少ないIT 技術を用いた利便性の高い設問形式を用いて、ストレス評価法の構築と新規ストレスバイオマーカー検索の可能性について検討した。設問集を用いたストレス解析については、CES-D、GST28などをベースとして、データをIT 技術による算出する方法を確立し、同時に種々の臨床データと経時的に血清等のバイオリソースを高品質で保管管理できるシステムが構築された。本システムが構築された事により、健常人および慢性疾患患者の個々人レベルでの追跡が可能となり、データ解析の際に臨床で問題となるノイズの軽減が可能となった。さらに、高ストレス群と低ストレス群でのプロテオーム解析の結果より、両群間で差のあるいくつかのタンパクが認められた。すなわち、高ストレス群と低ストレス群共に例数を重ねてターゲットタンパクを絞り込み、特異性のあるタンパクを詳細に解析して複数のターゲットタンパクを組み合わせることでストレス度を判定できる新しいバイオマーカーを確立できる可能性の充分ある事が判明した。設問紙を利用することにより、ストレスの総合的解析が可能となり、ストレス軽減方法の開発に寄与できるものと考えている。すなわち、客観的側面からの分析(類似回答パターンの有効性の検討)として、回答から類似の回答パターン(数種類)に分類し、ストレス度が高いパターン、ストレス度が低いパターンを構築したシステムから抽出し、クラスタ分析など統計的解析と血液等のストレスバイオマーカーを加える事による精度の高いシステム構築が可能であることが示唆された。
著者
山本 章
出版者
社団法人日本体育学会
雑誌
体育學研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.43-51, 1972-05-25

本研究は1万m走による尿中17-KS排泄量の変化を調べたものである. 被験者は21才の健康男子1名であり, まず平常日, 次に負荷日の尿中17-KS排泄量の日内変動を調べた. 負荷は11時の採尿後実施した. 採尿は7時に完全排尿後, 7-11時, 11-15時, 15-19時, 19-23時, 23時〜翌日7時とし, 別々のフラスコにとり, 5〜10℃の冷暗所に保存した. 尿中17-KS測定はDrekter法に準じ, 48時間以内に終了した. 測定結果は以下の通りである. 1) 平常日の尿中17-KS排泄量は7-11時或いは11-15時尿で最高値を示し, 15-19時尿で減少し, 19-23時尿でやや増加したが, 23-7時尿で最低値を示した. 2) 負荷日では7-11時尿で最高値を示し, 以後次第に減少した. 3) 平常日と負荷日を比較すると, 全般的に負荷日の方が高値を示し, 特に7-11時, 15-19時, 23-7時尿で著しかった. 以上の結果から, 1万m走の肉体的, 精神的負荷が尿中17-KS量を増加させると言えよう.
著者
堀 敦史 山本 啓二 大野 善之 今田 俊寛 亀山 豊久 石川 裕
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.6, pp.1-8, 2011-07-20

エクサスケールを視野に置いた、メモリや通信の遅延を隠蔽するための新しいマルチスレッドライブラリを提案する。そのためにはサブマイクロ秒でのスレッド制御を可能にする必要がある。本稿では、スレッドスケジューリングとして、プロセッサの Simultaneous Multi-Threading 機能を用い、ハードウェアによる高速なスレッドスケジューリングを用い、また、スレッド間の同期機構として Intel 製のプロセッサが提供する monitor/mwait 命令を用いた新しいスレッドライブラリ、Shadow Thread を提案する。高速な同期と低消費電力を両立させるため、同期フラグを spin-waitとmonitor/mwait 命令を組み合わせた 2-phase の同期機構が有効であることを示す。この方式を用いて開発された Shadow Thread は、メモリ領域のコピーにおいて、最大約 20% の高速化に成功した。Towards the Exa-scale computing, a new thread library is proposed to hide the latencies of memory and communication. For this purpose, thread management must be fast enough in the order of sub-micro seconds. In this paper, the thread library, named Shadow Thread, is developed so that it utilizes Simultaneous Multi-Threading mechanism which schedules threads by hardware in a very fast way and utilizes the monitor and mwait instructions supported by some Intel processors. It is shown that the two-phase synchronization technique combining the conventional spin-wait method and the pair of the monitor/mwait instructions can satisfy the requirement of speed and low-power consumption simultaneously. Evaluation shows that a memory copy function using the Shadow Thread library can exhibit better performance up to 20% compared with the normal memcpy function.
著者
山本 真鳥
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

サモア諸島出身者は、主として環太平洋の諸都市に移民してコミュニティを形成し、今では本国の人口をしのぐほどとなっている。彼らが慣習によって本国の内外で盛んに行う儀礼交換は、互酬性を通じて本国へ現金を送り出す仕掛けとなっており、海外サモア人にとっては大きな負担であるが、サモア人のアイデンティティの徴としてきわめて重要になっているために、なかなか参加がやめられない。一方で、移民アーティストたちはそれに批判的で、参加していない者が多いが、それは彼らが儀礼交換に頼らずともアートにより自らのアイデンティティを作り出すことができるからである。
著者
安藤 寿男 長谷川 卓 太田 亨 山本 正伸 長谷部 徳子 高橋 正道 長谷川 精
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

モンゴル南東部の白亜紀中期(シネフダグ層)とジュラ紀中期(エーデムト層)の湖成層を対象に,(1)炭素同位体比,カイエビ化石,凝灰岩のF-T年代などに基づく年代層序の構築と,(2)岩相変化(頁岩・ドロマイト互層)から復元した湖水位変動の周期解析,鉱物・主要元素組成による化学風化度変動,有機化学指標(TEX_<86>)による湖水温復元などに基づく古環境変動復元を行い,モンゴル湖成層には,白亜紀中期温室期に頻発した海洋無酸素事変期(OAE1a~1b)の,地球軌道要素を反映した降水量および古気温変動が記録されている.