著者
山内 正仁 今屋 竜一 増田 純雄 山田 真義 木原 正人 米山 兼二郎 原田 秀樹
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
環境工学研究論文集 (ISSN:13415115)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.545-553, 2005

To help develop a technology for the conversion of the solid matter contained in sweet potato shochu lees, which is a food industrial waste, into a new resource, a study was conducted on the use of dried shochu lees as a nutrient material in the culture medium of hiratake mushrooms (Pleurotus ostreatus). Mushroom cultivation could be shortened by 4-8 days by using the shochu lees medium in lieu of the conventional rice bran medium. The mean yield in a test plot with 60% shochu lees was 137g, which was 1.6 times the yield from rice bran medium. Moreover, hiratake cultured in the shochu lees medium contained more protein than mushrooms grown on rice bran medium, indicating that the use of dried shochu lees could make it possible to commercially produce mushrooms with higher protein contents than conventionally grown mushrooms and open a way for large-scale utilization of shochu lees.
著者
市田 公美 細谷 龍男 細山田 真 松尾 洋孝 中村 真希子
出版者
東京薬科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

URAT1/SLC22A12とGLUT9/SLC2Aは近位尿細管における尿酸再吸収に働くトランスポーターで、この欠損は腎性低尿酸血症を引き起こす。URAT1/SLC22A12とGLUT9/SLC2A9の変異で、尿酸輸送能に影響を与えないと報告されていた変異を検討し、アフリカツメガエルの卵母細胞を用いた輸送実験の条件を変更することにより、変異による尿酸取り込みの減少を示し、腎性低尿酸血症を惹起する可能性を明らかにした。ABCG2は尿酸の分泌に働くトランスポーターであり、この機能低下や欠損を認める一塩基多型により高尿酸血症を来たしやすくなる。血清尿酸値における、ABCG2の機能の重要性を示した。
著者
佐々木 實 石川 智子 山田 真司
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.45, no.10, pp.743-747, 1989-10-01
被引用文献数
11 2

人間の手によるピアノの直接演奏において、楽譜上の等しい時価を演奏したときの時間間隔に見られるゆらぎについて分析を試みた。各音符の長さをできる限り正確に弾いたメトロノーム的な演奏(Aタイプと名づける)と、芸術的な演奏(Bタイプと名づける)とについて、各音符の時価に対応する時間間隔を測定し、その時系列からゆらぎのパワースペクトルを求めた。その結果次の結論を得た。1)Aタイプの演奏は全体のゆらぎのパワーが小さく、かつ、スペクトルエンベロープの傾きは、平坦又は右上がりである。2)Bタイプの演奏は全体のゆらぎのパワーが大きく、かつ、長い周期によるゆらぎが強調されており、スペクトルエンベロープの傾きは右下がりである。3)A、B両タイプのスペクトルエンベロープの傾きの係数の境界はおおまかに-2付近に設定できる。
著者
長野 宏子 粕谷 志郎 鈴木 徹 下山田 真
出版者
岐阜大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

世界中の伝統的な発酵食品から食品に関与しているたんぱく質分解能微生物の探索・保存をペプチドの機能性を検討した。目的は、伝統発酵食品由来微生物の探索・保存とデータベース化を続けることと、その微生物が産生する酵素の機能性への関与を検討することである。特に、プロテアーゼ活性の強いコラゲナーゼ様酵素を産生する微生物(Bacillus属)の産生する酵素の有効性を探ることである。食由来微生物の保存とデータベース化は、生物多様性下において、タイ、ベトナム、中国、カンボジアとMOUを締結でき、公開可能な状況になった。たんぱく質分解能があり、普遍的に存在しているBacillus属を同定し、Bacillus subtilisの16S rDNA結果より、系統樹を作成した。B.subtilis M2-4株の産生する精製酵素の特徴を検討した結果、分子量は、33kDaと推定し、N-末端アミノ酸配列はAQSVPYGISQIKAPAであり、サブチリシンと同じであったが、小麦粉発酵食品からは初めて分離された微生物であった。酸性カゼインに対する分解フラッグメントのC末端は、特に親水性アミノ酸Arg,Gln,疎水性アミノ酸Val,Ile等のアミノ酸であり、ペプチダーゼの可能性がある。牛乳たんぱく質β-ラクトグロブリンに対する酵素作用には、B.subtilis DBの濃縮粗酵素を用い分解能を検討した。β-ラクトグロブリンは、短時間でペプチドに分解され、ペプチドファラグメントのN-terminalアミノ酸配列は、β-ラクトグロブリンアミノ酸配列の23、36と一致し、β-ラクトグロブリンのアレルギーエピトープ部分の分解能があった。この酵素はアレルギー患者にとって低アレルギーなど機能性食品になる可能性をもっているものである。人々の知恵の結晶である「発酵食品」中の微生物が利用される可能性のあるものとなった。
著者
山田 真大 林 和宏 鈴木 章浩 岡本 幸太 小林 良岳 本田 晋也 高田 広章
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.18, pp.1-7, 2013-07-24

組込み向け機器に利用されるハードウェアの高性能化に伴い,組込み OS として Linux などの汎用 OS が搭載されるようになった.組込み機器では,リアルタイム性が重要視されるため,Linux を採用する場合,カーネルに改良を施すことでリアルタイム性を確保している.また,マルチコア CPU を搭載する組込み機器では,Linux が持つ CPU affinity の機能を用いることで,シングルコアでは不可能であった高負荷時におけるリアルタイム性も確保することが可能になった.しかし,CPU コア毎に存在するカーネルスレッドは CPU affinity を適用することができず,また,この処理がまれに引き起こすタイマのカスケード処理には多くの処理時間を必要とし,リアルタイム性を阻害する原因となる.本論文では,マルチコア CPU の各コアを,リアルタイム性を必要とする CPU コアと不要とする CPU コアに分割し,リアルタイム性を必要とする CPU コアでは,タイマのカスケード処理を発生させないよう事前に対策を施すことで,リアルタイム性を確保する手法を提案する.With the increase in hardware performance of modern embedded systems, general-purpose operating systems (OS) such as Linux are commonly used as embedded OSs. Furthermore, the use of multi-core CPUs enables Linux to improve its real-time performance even on high-load scenarios which is rather hard to achieve on single-core CPUs thanks to its "CPU affinity" functionality. However, we found two issues in the current version of the Linux kernel: the CPU affinity of some kernel threads cannot be specified; and the use of timer cascading (use of multiple hardware timers to count time) increases the worst-case response time of real-time tasks. In this paper, we classify the cores in a multi-core CPU into 2 different groups: cores which require real-time performance guarantees; and cores which do not require such guarantees. Then, we propose and evaluate a method that improves the real-time performance of the system by disabling timer cascading on cores which require real-time performance guarantees.
著者
山田 真司 山田 典子
出版者
青森県立保健大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

唾液アミラーゼ活性によるストレス測定値それ自体,および測定値の前後変化と質問紙による主観的な質問項目(疲労感,興味,楽しさなど)との関連については一つの質問項目を除き乏しかった.従って,これらの主観的な感覚は複数の要素から構成されたものであり,唾液アミラーゼ活性によるストレス測定値のみによって代替することは困難であると思われる.ストレス測定値と関連の高かった質問項目は「これから計測するストレス値は高いだろう」というものであったことから,唾液アミラーゼ活性によるストレス測定値に示される客観的な身体状況が主観的にも的確に評価できているという結論が導かれた.
著者
木村 幹 大嶽 秀夫 下斗米 伸夫 山田 真裕 松本 充豊
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究は、現在の各国政治に顕著に見られる「ポピュリズム現象」に注目し、その原因と各国の事情について分析したものである。研究の概要は以下のようなものである。1)「ポピュリズム」の概念に対する検討。本研究においては、従来の錯綜した議論の中から、ポピュリズムを政治家や政党の「戦略」としてのポピュリズムと改めて位置づけた。2)戦略としての「ポピュリズム」が採用されるに至った各国の事情。本研究におしては、主たる検討対象として、日本、ロシア、台湾、韓国の4カ国を取り上げ、その具体的な状況について検討を行った。3)各国に共通する状況と世界的な「ポピュリズム」現象が持たされた理由。本研究では、その理由として、従来の政治体制、就中、政党と議会に対する信頼の低下が、各国の政党や政治家をして、政治的リーダーシップの獲得・維持のための合理的な選択として、政治家の個々の個人的人気に依拠せざるを得ない状況を作り出していることを指摘した。また、このような政党と議会に対する信頼の低下の背景に、冷戦崩壊とグローバル化の結果として、各国の従来の政治システムが機能不全を起こしていることがあることを明らかにした。以上のような、本研究は今日も続く、世界各地の「ポピュリズム」現象とその結果としての不安定な政治状況に対する包括的な理解を築くものとして、大きな学問的意義を有している。そのことは、本研究の成果が既に国際的な学術会議や、雑誌論文として公にされ、国内外に広く反響をよんでいることからも知ることができる。
著者
山田 真世
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.47-57, 2014

幼児期の子どもにとって,絵は他者との重要なコミュニケーションツールの1つである。日常保育場面では,幼児が自身で描いた絵を説明することが多々あるが,その絵は技術不足から本来の描画意図とは異なって他者に解釈をされることもある。本研究はこのような絵に関するミスコミュニケーション場面を設定し,幼児期の絵の命名行為の変化から,描画意図の発達を明らかにすることを目的とした。2歳クラスから5歳クラスの子どもにおいて,事前の命名を行い,参加児に描画意図を持って絵を描くように促す条件(以下,事前命名あり条件)と,形を真似て描くだけの条件(以下,事前命名なし条件)を設定した。その後,絵を描くところを見ていない実験者が,「何の絵か」,幼児の絵の説明以外にも「他の物(例えば赤信号)にも見えるが,どちらの絵か」「最初に何を描こうとしたのか」を尋ねた。結果,2歳クラスの子どもでは事前に描く対象を定めていても,描画後には同じ絵に異なる命名を行っていた。一方で,3歳クラスから5歳クラスの子どもは描画後に他者からの異なる命名を受けても,最初の自身の描画意図を自覚した回答が可能であった。さらに5歳クラスの子どもでは,自身の絵について,他者からの見えと自身の描画意図を比較し調整する反応が見られた。
著者
関 実 山田 真澄
出版者
千葉大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2011-04-01

マイクロ流体工学技術を駆使することで,複数種の細胞の位置を正確に制御しつつ,異方的なハイドロゲル材料に導入する技術開発を目指した。主に肝組織をターゲットとし,個別の単位材料を複合化することで,潅流培養可能な機能的組織を作製した。また同時に,細胞選抜技術,細胞外基質の加工技術などの周辺技術の開発を行い,3次元生体組織構築における基盤技術の確立を目指して研究開発を行った。
著者
山田 真裕
出版者
日本政治学会
雑誌
年報政治学 (ISSN:05494192)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.1_62-1_78, 2009 (Released:2013-02-07)
参考文献数
10

The purpose of this article is to examine the effects of electoral reform and tendency toward Duvergerian equilibrium in the lower house elections in Japan to voters. At first, using aggregate data of voting, we confirm the tendency to the Duvergerian equilibrium at the single-member district level. Next, in order to test the relationship between voter turnout and effective number of candidates (ENC) in the SMDs, we estimate OLS regression. After that, combining calculated the ENCs with survey datasets, we observe voters’ perception about satisfaction to election results, belief to function of election, and external efficacy.   Here we have two main findings. The one is the positive relationship between voter turnout and the ENCs at the SMDs. The other is the robustness of the voters’ perceptions to electoral reform and the tendency toward the Duvergerian equilibrium at the SMDs. From these findings, we conclude that Japanese voters do not share so pessimistic views as some critics to current electoral system and bi-partism. Simultaneously, we argue that we should be cautious of abstention and the validity of survey datasets.
著者
三輪 のり子 大橋 達子 岩城 直子 河相 てる美 滝原 香 吉澤 環 福井 則子 石川 今日子 寺嶋 順子 山本 美千代 梅田 加洋子 堅田 智香子 高木 妙子 細川 佳子 山田 真由美 楠 早苗 若林 理恵子 安田 智美 泉野 潔 永山 くに子 田中 三千雄
出版者
富山大学
雑誌
富山医科薬科大学看護学会誌 (ISSN:13441434)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.101-110, 2005-07
被引用文献数
1

本研究では,欧米における内視鏡看護研究の歩みと現状を明らかにすることを目的に文献的考察を行った. MEDLINE (1951〜2003年)とCINAHL(1982〜2003年)のOvidのWeb版(2004年5月7日現在)を使用し, Key wordを"Nursing and Endoscopy"とする全種類の文献のうち,看護系雑誌に掲載されていた109篇を対象に分析を行った.その結果, 1966〜1980年代までは解説が中心であったが, 1990年代に入ると研究報告や症例報告もみられるようになり,文献数は増加傾向を示していた.しかし約50年間において,解説に準ずるものが全体の86%を占め,研究報告8.3%,症例報告4.6%であり,未だに内視鏡看護に関する研究が乏しい現状が明らかとなった.文献は活用目的により,『患者の安全・安楽への援助(48.7%)』『医学知識の習得(22.9%)』『看護業務の質の向上や円滑化(28.4%)』の3カテゴリーに大別された. 1960年代後半は医学知識の習得のための報告が主であったが, 1980年代中頃から患者の安全・安楽への援助に関するものが急増していた.さらに1990年代になると,再び医学知識の習得のための報告があり,看護業務の質の向上や円滑化を図るための報告も次第に定着してみられるようになっていた.これらは報告内容によりさらに12サブカテゴリーに分類された.とくに患者の成長段階・理解力・疾患や病期・心理面など患者の特性に視点を置いた看護の報告や,スタッフの教育や健康管理,関連部門や他職種との連携などの実践に繋がる報告が少なく,この方面への研究の蓄積が今後の課題として考えられた.
著者
川人 貞史 増山 幹高 山田 真裕 待鳥 聡史 奈良岡 聰智 村井 良太 福元 健太郎
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

この研究では,政治制度と政治アクターの相互作用のダイナミックスを,民主政治の機能に焦点を当てて分析する.共通する研究課題として,(a)政治制度は民主政治の機能にとってどのような影響・効果を持つか,(b)政治制度がどのようにして形成・創設されたか.それが,政治制度の効果にどのような関連性を持つか,を設定して,明文,不文の政治制度ルールを分析する.
著者
平野 浩 小林 良彰 池田 謙一 山田 真裕
出版者
学習院大学
雑誌
特別推進研究
巻号頁・発行日
2007

本研究プロジェクト(JES4)では、2007年参院選後から2011年末までの期間に、全国の20歳以上の男女から無作為抽出したサンプルを対象として、前後7回にわたるパネル調査(面接調査5回、郵送調査2回)を実施した。得られたデータの分析を通じて、(1)選挙制度や政党システムの変化、(2)社会経済的な構造の変化、(3)情報環境の変化、などが投票行動に及ぼす影響が明らかにされつつある。
著者
中川 種昭 磯部 秀一 池上 暁子 林 真理 渋川 義宏 住井 浩剛 高橋 潤一 轟 啓造 山田 真美 大串 勉 佐和 正彦 角田 正健 山田 了
出版者
特定非営利活動法人日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.674-680, 1993-12-28
被引用文献数
13 4

2種類の電動歯ブラシと手用歯ブラシを用い,任意刷掃時間と3分におけるプラーク除去効果および手用歯ブラシの刷掃技術レベルの違いによる電動歯ブラシの刷掃効果について18名の被検者を用い検討した。その結果,電動歯ブラシにおける任意刷掃時間は,毛束反復回転式で平均7分3秒,ユニット運動式で7分22秒で,従来規定することの多い3分より長い時間であった。そのプラーク除去効果は3分と比較して10〜15%高く,その差は多くの被検者で舌側,隣接面といったプラークコントロールに重要な部位に認められる差であり,電動歯ブラシにおいてもある程度長い刷掃時間が必要であることが示された。また,手用歯ブラシの刷掃技術レベルの高い群と低い群での電動歯ブラシのプラーク除去効果について調べたところ,その刷掃効果は同程度であり,手用歯ブラシの刷掃技術が低い患者に対して電動歯ブラシの使用がとくに有効であることが示唆された。