著者
堀 隆博 斎藤 恭一 古崎 新太郎 須郷 高信 岡本 次郎
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.6, pp.795-800, 1987-11-10 (Released:2009-11-12)
参考文献数
17
被引用文献数
6 8

放射線グラフト重合法によってアミドオキシム型キレート樹脂を合成し, 海水中におけるウランと樹脂との吸着平衡関係を調べた.短時間で平衡に到達させるため, アミドオキシム基量を1kg基材あたり0.105 mol以下に制御した.アミドオキシム基量が0.064 mol/kg-BP以下の樹脂では, 海水中でのウラン吸着が飽和に達していた.グラフト鎖上で隣接した二個のアミドオキシム基が, ウラニルイオン一個を捕捉し, 単独のアミドオキシム基はウラン吸着に寄与しないと考えた.隣接アミドオキシム基とウラニルイオンの錯形成の反応式から, Langmuir型吸着平衡式を導き, 吸着平衡の実験結果を整理した.全アミドオキシム基量0.105 mol/kg-BPの樹脂について, 隣接アミドオキシム基量は, そのうち0.39%という結果を得た.
著者
岡本 智周 笹野 悦子
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.16-32, 2001-06-30
被引用文献数
1 2

本稿は, 戦後の新聞紙上で「サラリーマン」の表象がいかに変化してきたのかを分析する.近年しばしば「サラリーマンと主婦に子ども」という家族構成が家族の「55年体制」と称されている.その「55年体制的サラリーマン」が戦後の全国紙において生成し, 消失していく過程を具体的に提示することが, 本稿の意義である.<BR>分析の対象は, 1945年から1999年の『朝日新聞』における, 見出しに「サラリーマン」という語が入った全1034件の記事である.我々はまずこれらの記事を量的に検討し, それらを内容の面から8つのカテゴリーに分け, さらにカテゴリーごとに「55年体制的サラリーマン」を自明視する記事の割合の増減を検討した.この作業によって戦後を5つの時期に区分することができた.<BR>次に我々は, 内容分析によって各時期の「サラリーマン」の特徴を提示した.「55年体制的サラリーマン」に関して明らかになったことは, その自明性が高度経済成長期の初期に初めて成立し, 「サラリーマン」に対して1960年代後半においては「納税」が, ポストオイルショック期においては「性別役割分業に基づいた家族への回帰」が期待されていたことである.また, その自明性がバブル経済期半ば以降に問い直され始め, 1990年代において「サラリーマン」にはリスクを伴う個人化傾向・周縁化傾向が促されつつあるということも, 本研究によって確認された.
著者
岡本 達雄 福山 国夫 東端 泰夫 土田 伸治 半田 健二 益尾 潔
出版者
社団法人 日本鋼構造協会
雑誌
鋼構造論文集 (ISSN:18809928)
巻号頁・発行日
vol.3, no.10, pp.7-19, 1996-06-28 (Released:2011-03-01)
参考文献数
8
被引用文献数
2

The 1995 Hyogoken-Nanbu Earthquake attacked Kobe on January 17, 1995 and brought us the huge destruction. At the IKUTA shrine, a lot of buildings were damaged and the Hall of Worship fell down completely. In the ruins, the superior priest of the shrine requested us to restore the buildings as soon as possible to encourage citizens of Kobe. Then reconstruction of the shrine started on January 22, 1995. The progressive technology to give the buildings sufficient seismic resistant capability is intended. For the columns of the new Hall of Worship, CFT(Concrete Filled steel Tube) is used, and the concrete which compressive strength is 160 NJmm2, is filled into the tube. The reconstruction procedure of the new Hall will be reported herein.
著者
松村 真宏 河原 大輔 岡本 雅史 黒橋 禎夫 西田 豊明
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.93-102, 2007 (Released:2007-01-05)
参考文献数
18
被引用文献数
1 3

To overcome the limitation of conventional text-mining approaches in which frequent patterns of word occurrences are to be extracted to understand obvious user needs, this paper proposes an approach to extracting questions behind messages to understand potential user needs. We first extract characteristic case frames by comparing the case frames constructed from target messages with the ones from 25M sentences in the Web and 20M sentences in newspaper articles of 20 years. Then we extract questions behind messages by transforming the characteristic case frames into interrogative sentences based on new information and old information, i.e., replacing new information with WH-question words. The proposed approach is, in other words, a kind of classification of word occurrence pattern. Qualitative evaluations of our preliminary experiments suggest that extracted questions show problem consciousness and alternative solutions -- all of which help to understand potential user needs.
著者
岡本 一毅 奥西 淳二 渡邉 幸彦 西原 豊 池田 雅裕
出版者
Japanese Society for Infection Prevention and Control
雑誌
日本環境感染学会誌 = Japanese journal of environmental infections (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.68-72, 2010-03-25
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

現在,アルコールベースの消毒薬は手指衛生において重要な役割を担っている.しかし,臨床的なニーズを充足できていない点も有している.その一つとして,近年その感染拡大が社会問題となっているノロウイルスなどのノンエンベロープウイルスに対する薬効が挙げられる.今回,我々はアルコールに有機酸と亜鉛化合物を組み合わせた処方を用いノンエンベロープウイルスに対する薬効(<i>in vitro</i>)と皮膚刺激性(<i>in vivo</i>)に着目した検討を行った.アルコールに有機酸を添加した処方では,ネコカリシウイルスに対して接触時間30秒以内に4 log以上の不活化効果を示したが,アデノウイルスに対しては消毒用エタノールと同程度の薬効であった.一方,アルコールに有機酸と亜鉛化合物を添加した場合,ネコカリシウイルスとアデノウイルスの両ウイルスに対して30秒以内に4 log以上の不活化効果を示し,消毒用エタノールよりも優れた薬効を示した.また,ウサギ皮膚を用いてこれら処方の皮膚刺激性試験を実施した結果,アルコールに有機酸と亜鉛化合物を組み合わせた場合,刺激をほとんど示さないことが明らかとなった.このように,アルコールに有機酸と亜鉛化合物を組み合わせた処方は,ノンエンベロープウイルスに対して従来にない有効性を示すと共に,スキンケアの観点から皮膚への刺激にも配慮した新しいアルコールベースの消毒薬を創出できる可能性が示唆された.<br>
著者
澤邉 一秀 岡本 祐樹 田辺 匠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MR, 磁気記録 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.546, pp.3-7, 2005-01-06

近年、ネット家電と呼ばれるネットワーク機能を備えた家電製品への期待が高まっている。そのネット家電において、我々は今回開発したDVDレコーダの機能の一つであるネットワークを介してAVコンテンツを再生可能とするためのAVストリーミング技術を開発した。我々はDVD-VR動画コンテンツの最大通信レート10.08Mbpsを確保するため、TCP/IPのプロトコルスタックのチューニングを行った。また、通信プロトコルにHTTPを用いてクライアントでの特殊再生を実現するため、サーバからAVコンテンツの構成情報を含むIFOの取得を行い、HTTPのRangeヘッダを用いた要求を行うことでストリーミングを実現した。
著者
岡本 昭 濱田 友貴 三浦 勝貴 野中 健 桑原 浩一 大迫 一史 三嶋 敏雄 橘 勝康
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.918-923, 2006 (Released:2006-09-22)
参考文献数
22
被引用文献数
7 8

養殖イサキの死後変化に及ぼす致死条件(延髄刺殺,苦悶死,温度ショック,脊髄破壊)と保存温度(氷蔵,5, 10, 15, 20℃)の影響を検討した。致死条件実験では ATP 量,IMP 量,K 値,硬直指数の経時変化は脊髄破壊が最も遅かった。夏期(飼育水温 25℃)と冬期(15℃)のイサキを用いた保存温度実験における死後変化は冬期群が夏期群に比較して遅く,10℃ 保存で K 値,硬直指数の上昇が最も遅延した。養殖イサキの死後変化の遅延は飼育水温に関らず,保存 24 時間以内で脊髄破壊後 10℃ 保存が最適であった。

3 0 0 0 OA 難波江

著者
岡本保孝
出版者
巻号頁・発行日
vol.巻1,
著者
岡本 紀久
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.259-267, 1989
被引用文献数
3

紫外線によるゴキブリ防除の可能性を探るため, 殺菌灯の照射野にゴキブリが侵入する頻度と, 室内放飼実験による致死効果について検討した。シェルターを設けたゴキブリ行動自動記録装置を作製し, 殺菌灯から約10cmの距離に赤外線センサーを置き, 強力な紫外線照射野へのゴキブリの侵入頻度を観察記録した。チャバネゴキブリも, ワモンゴキブリも殺菌灯の近くにかなり高頻度に現れ, 大部分の幼虫は1週間以内に, 成虫も2週間以内に死亡するのが観察され, 致死効果が認められた。チャバネゴキブリとワモンゴキブリの幼虫と成虫をゴキブリ飼育用の恒温室内に一定数放飼し, 恒温室中に設置した殺菌灯下で活動するか否かを煤紙を置いて調べ, 毎日1回死体を集めて累積死亡率を求めた。その結果, 両種の幼虫とチャバネゴキブリの成虫は, 殺菌灯下を自由に歩き回り, 紫外線線量が高いほど死亡率も高いことが見いだされた。しかし, ワモンゴキブリの成虫は, 殺菌灯の光が強すぎるとこれを避ける傾向があり, 致死率も低下することが観察された。とはいえ, 殺菌灯下に餌を置いた場合には, 強い線量の殺菌灯下でも動き回り, 致死率が高まることが観察された。これらの観察結果から, 殺菌灯から照射される紫外線を利用するゴキブリ駆除の可能性が示唆された。殺菌灯を住居内に設置する方法については今後さらに検討を行い, 安全かつ効率的な基準を確立する必要があると考えている。
著者
浜田 英里 岡本 憲省 奥田 文悟 中村 俊平 川尻 真和 小原 克彦 三木 哲郎 大塚 奈穂子
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.94, no.11, pp.2379-2381, 2005-11-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

尿閉を呈した脳脊髄髄膜炎2症例の臨床的特徴を検討した.いずれも感冒症状後に意識障害や脊髄症・神経根症を伴って発症し,ステロイドが有効であった点,髄液の細胞蛋白の上昇がみられた点などからウイルス感染を契機とした急性散在性脳脊髄炎(ADEM)と診断した.ステロイドを中心とした治療により神経徴候と尿閉は比較的速やかに改善した.尿閉の成因として無菌性髄膜炎に伴う急性仙髄神経根障害とそれに随伴した一過性の括約筋障害(Elsberg症候群)が考えられた.

3 0 0 0 OA 綺堂戯曲集

著者
岡本綺堂 著
出版者
春陽堂
巻号頁・発行日
vol.第7巻, 1925
著者
伊藤 君男 岡本 真一郎
出版者
愛知学院大学
雑誌
愛知学院大学論叢. 心身科学部紀要 (ISSN:18805655)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.29-32, 2007-03-10

悪徳商法における強制的な説得・承諾のプロセスを,より詳細に検討するために,本研究では,被害者に対するインタビュー調査をおこなった.そして,説得の開始から承諾にいたるプロセスを,TEMを用いることで,詳細に記述・分析を行った.調査対象者は20代女性3名であり,彼女らはエステ・補正下着の強制的な勧誘を受けていた.TEMの分析によって,エステ・補正下着の勧誘のプロセスは,「来店」「勧誘」という必須通過点(OPP)を経て,「契約する」という等至点(EFP)に至ることが示された.そこでは,「友人の勧め」「無料体験」「脅し・強い勧誘」などの圧力が働いていることも示された.
著者
岡本 和也 内山 俊郎 竹村 匡正 足立 貴行 粂 直人 黒田 知宏 内山 匡 吉原 博幸
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.40-47, 2011-02-10 (Released:2011-12-13)
参考文献数
30

A DPC code expresses a primary disease, a complication, and procedures, etc. In 2010, 1334 hospitals use DPC codes for calculations of medical fees. Since, in the hospitals, the medical fee of each case is calculated based on one DPC code, each case must be classified into one DPC code. However, the classification is difficult in some cases because patients sometimes have various conditions. Therefore, automatic DPC code selections using machine learning are being studied. Suzuki et al. evaluated automatic DPC code selections from discharge summaries using a vector space method. However, there are general machine learning methods except for the vector space method. Hence, we must evaluate other machine learning methods exhaustively for improvement of accuracy of automatic DPC code selections. Therefore, we evaluated automatic DPC code selections from discharge summaries using naïve Bayes method, SVM, concept base method, and another vector space method which is different from the vector space model used by Suzuki et al. We considered these machine learning methods as general ones. We also focus on characteristics of each machine learning methods on automatic DPC code selections and we utilize a method which combines some machine learning methods. First, the combining method estimates confidences of the machine learning methods bases on classification scores that the machine learning methods regard as classification evidence. Next, the combining method adopts the method whose confidence is highest. We compared accuracy of the methods using discharge summaries created in 2008 fiscal year in Kyoto University Hospital. As a result, SVM classified 72.2% of the cases into correct DPC codes though the vector space model utilized by Suzuki et al. classified 64.8% into correct DPC codes. Moreover the combining method classified 76.1% into correct DPC codes. In conclusion, we achieved significant improvement.
著者
岡本 耕太 清水 裕史 津田 英隆 仲 美津子 伏見 祥子 堀口 泰
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.66, no.7, pp.345-351, 2016-07-01 (Released:2016-07-01)

近年,企業活動における情報分析の重要性が大きくなっている。本稿は,筆者らは空気清浄機を開発,製造,販売する電機メーカA社の経営企画担当者であると仮定して,公開情報(製品,特許,論文など)を分析して新事業創出のための提案を作成する手法の検討を行った。手法の検討にあたっては,以下(1)~(3)の観点からのアプローチを行った。(1)A社空気清浄機技術の強み,(2)空気清浄機技術と既存技術の組み合わせ,(3)社会ニーズに対応する次世代技術
著者
永田 郁子 上國 愛 岡本 淳子 井町 海太 䑓丸 裕 中西 慶喜 大下 孝史 藤本 英夫
出版者
特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会
雑誌
日本臨床細胞学会雑誌 (ISSN:03871193)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.39-45, 2016

<b>背景</b> : 腹腔内原発二相型滑膜肉腫の腹腔内洗浄水と腫瘍捺印の細胞像を報告する. <br><b>症例</b> : 50 歳代, 女性. 約 15 cm 大の腹腔内腫瘍に対し, 腹腔内洗浄細胞診と腫瘍捺印細胞診が行われた. 腹腔内洗浄水では, 孤立性の紡錘形異型細胞が少数と小集団の上皮様異型細胞が, 腫瘍捺印では, 細胞密度の高い紡錘形異型細胞集塊と小集団や孤立性の上皮様異型細胞が認められた. 紡錘形異型細胞は, 葉巻状核や核のくびれ, 核内細胞質封入体が, 上皮様異型細胞は類円形で, N/C 比大, 核圧排像, 相互封入像がみられた. 病理組織学的には, 束状配列の紡錘形細胞成分と, 胞巣状の上皮様細胞成分が認められ, EMA, AE1/AE3, CK7, vimentin, calretinin に陽性であった. また, RT-PCR で SYT-SSX1 transcript が証明され, 腹腔内原発二相型滑膜肉腫と診断された. <br><b>結論</b> : 二相型滑膜肉腫の細胞診断には, 紡錘形異型細胞と上皮様異型細胞の腫瘍細胞の出現が手掛かりになると思われ, また, 診断には融合遺伝子の証明が有用である.
著者
岡本 隆司
出版者
慶應義塾福沢研究センター
雑誌
近代日本研究 (ISSN:09114181)
巻号頁・発行日
no.28, pp.143-175, 2011

特集1 : 近代日本の外交はじめに一 「大君」の消滅二 明治維新と「独立」概念三 江華条約と「自主」概念四 「自主」の分裂五 朝鮮における「自主」の重層化六 「自主」の一元化まとめ