著者
岡本 弘
出版者
一般社団法人 日本ゴム協会
雑誌
日本ゴム協会誌 (ISSN:0029022X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.10, pp.623-635, 1975 (Released:2008-04-16)
参考文献数
89
被引用文献数
5 1
著者
藤井 雄一郎 大塚 雅子 岡本 五郎 日原 誠介 各務 裕史
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.307-311, 2007 (Released:2007-04-23)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

放射線育種により作出されたモモ‘清水白桃RS’は,原品種の‘清水白桃’と比較して果実品質は同等であるが,結実率が低い.開花30日後の結実率を調査したところ,‘清水白桃’が平年では50~70%であるのに対し,‘清水白桃RS’は20~30%と著しく低かった.花器の形態的観察を行ったところ,‘清水白桃RS’には胚珠や胚のうの未発達や退化など形態的異常の花が多く存在しており,これが結実率の低下を引き起こしていると考えられた.また,‘清水白桃RS’は葯当たりの正常花粉数が少なく,このことが受粉の効率を低下させ受精率を低下させているとも考えられた.しかし,結実率の低さが生産性の低下につながることはなく,3~5月にかけての摘蕾・摘果労力の大幅な低減につながる省力品種であることが確認された.
著者
岡本 仁
出版者
国立研究開発法人理化学研究所
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2016-05-31

手綱は、進化的に最も保存された脳の部分の 1 つであり、嫌悪刺激に対処するための行動の制御における役割で知られている。 ゼブラフィッシュでは、社会的闘争において支配的か服従的に行動するかの選択の制御において、背側手綱からその標的である脚間核までの2つの平行な神経経路が重要な役割を果たす。それぞれの経路は、その結合強度が空腹などの魚の内部状態に応じて可変的であり、注意を自分自身か外部に向けるかにおいても重要な役割を果す。 即ち手綱核が、自分自身の身体の状況に注意を払う勝者として、または他者や外界に注意を払う敗者として振る舞うかを制御するスイッチボードとして働く可能性が明らかになった。
著者
和田 章義 柳瀬 亘 岡本 幸三
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
気象集誌. 第2輯 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.100, no.2, pp.387-414, 2022 (Released:2022-04-07)
参考文献数
48
被引用文献数
1 4

2018年台風第12号(ジョンダリ)は7月29日の日本上陸前に、対流圏上層寒冷低気圧の円周に沿った異常な経路をとった。大気海洋相互作用および対流圏上層寒冷低気圧とジョンダリの相互作用が台風経路に及ぼす影響を調べるため、3kmメッシュ非静力学大気モデルと大気波浪海洋結合モデル及び異なる初期時間を採用して作成した初期条件に基づく数値シミュレーションを実施した。シミュレーションされた対流圏上層寒冷低気圧は355K等温線上の高ポテンシャル渦度、低い気圧、低い相対湿度の特徴をもつ。7月25日から27日にかけて対流圏上層寒冷低気圧はジョンダリの北側を南西方向に移動し、この期間にシミュレーションされたジョンダリは対流圏上層寒冷低気圧の円周に沿って反時計回りに移動した。ジョンダリが西に移動し始めてから、大気波浪海洋結合モデルによるシミュレーション結果において、経路に沿って海面冷却が生じていた。日本上陸後にジョンダリは勢力を弱めると、対流圏上層寒冷低気圧も日本の南側で勢力を弱めた。特に潜熱フラックスと対流による対流圏上部における加湿が勢力の弱化に影響を与えていた。ジョンダリが九州の南海上で再び発達したとき、台風域では渦位は柱状に高くなり、一方で対流圏上層寒冷低気圧付近の対流圏上層渦位は相対的に低い値であったことから、台風域の渦は対流圏上層寒冷低気圧と合体する様子がシミュレーションされた。大気波浪海洋結合モデルのシミュレーション結果では、寒冷低気圧付近の対流圏上層部における高渦位は維持される一方、柱状の台風域の渦位はその高さを下げつつ弱まり、台風中心からの対流圏上層への外出流が弱まった。この結果、対流圏上層寒冷低気圧から変形した高渦位の折り返し位置に影響を与える様子が見られた。ジョンダリの経路に影響を及ぼす指向流は、対流圏上層寒冷低気圧下の地衡風の影響を受けていたため、実際は上記海洋結合の効果よりも大気初期条件の違いがジョンダリと対流圏上層寒冷低気圧両方の経路と強度により強い影響を与えていた。
著者
森下 剛久 清水 鈴昭 井村 洋 岡本 昌隆 小野 芳孝 斉藤 稔 中村 康一 松井 俊和 重村 はるひ 井野 晶夫 江崎 幸治 平野 正美
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.627-639, 1984 (Released:2009-01-26)
参考文献数
22
被引用文献数
2

Pulmonary complications were studied in 213 patients with leukemia and lymphoma. The incidence of pulmonary lesions was 38.5% and diffuse changes were encountered twice more frequently than localized ones. Etiological diagnosis during life was difficult. In 38 out of 62 cases with diffuse lesions, their etiology was not determined. In 9 out of 28 cases with localized lesions their etiology was not clear. In some of these cases autopsy clarified their etiology.Among localized cases, infection, mainly of bacterial origin and infiltration of underlying diseases were two main etiologies. On the other hand, diffuse lung lesions were of various etiology; 29 infections (bacteria 8, fungus 9, virus 8, p.carinii 2), 11 tumor infiltrations, 11 interstitial pneumonia, 3 vascular origins. In these cases with diffuse lesions of different etiology, clinical findings such as fever, cough, dyspnea, low PO2, high LDH, increased CRP, and hypoalbuminemia were observed, but not helpful in differentiating the etiology. Eight out of 11 cases of interstitial pneumoonia occurred during or after tapering of glucocorticoid.The mortality rate was as high as 54.4% of all lung diseases. Retrospective studies on the chest X-ray pictures showed that diffuse ill-defined opacities or multilocated consolidations were associated with poor prognosis.The diagnostic value of transbronchoscopic lung biopsy and therapeutic implications of empirical glucocorticoid administration for etiologically undiagnosed lung lesions were also discussed.
著者
岡本 祐幸
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.74, no.6, pp.388-389, 2019-06-05 (Released:2019-10-25)
参考文献数
9
被引用文献数
1

特別企画「平成の飛跡」 Part 2. 物理学の新展開生体分子シミュレーションに関する発展
著者
岡本 健資
出版者
パーリ学仏教文化学会
雑誌
パーリ学仏教文化学 (ISSN:09148604)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.51-72, 2017 (Released:2019-02-01)
被引用文献数
1

The story of Śākyamuni’s descent to earth after preaching for his mother Māyā in Tāvatiṃsa heaven is found in many Buddhist texts and artworks, and thus seems to have been regarded as one of the important events in Śākyamuni’s biography. However, there are some differences between its various versions. In this paper, I will first focus on its version in the Dhammapada-Aṭṭhakathā. Then, I will compare this version with others (found in Za ahan jing, Zengyi ahan jing, Yizu jing, Genben shuo yiqie youbu pinaiye zashi [= Chinese version of the Mūlasarvāstivādavinaya-kṣudrakavastu], Jātaka-Aṭṭhakathā, Paramattha-jotikā, etc.), examining differences between them. In doing so, I will make clear the tradition to which the version in the Dhammapada-Aṭṭhakathā belongs.
著者
首藤 紘一 岡本 敏彦
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.32, no.9, pp.670-686, 1974-09-01 (Released:2009-11-13)
参考文献数
95
被引用文献数
4 5

環境毒のうちでも発がん性物質ほど恐ろしいものはない.発がん性物質には天然起源のものに加えて, この半世紀の問の有機合成化学の進歩と共に産まれたものも少なくないし, 環境汚染の問題が日を追って重大になっていく昨今, 発がん性物質への理解を高めることは, 合成化学者にとっても, いろいろな意味で必要と思われる.また, ここ数年間の発がん物質の化学・生化学の進歩により, 有機化学的な理解が可能になり, 同時に, ますます有機化学の寄与が求められているのが現状である.本稿では, 化学物質による発がんについての近年の考え方と, 発がん物質の分類と反応性について, 化学的立場からまとめてみたい.
著者
竹下 徹 平島 崇男 植田 勇人 岡本 あゆみ 木下 周祐 辛 ウォンジ 幸田 龍星 安藤 瑞帆 中山 貴仁
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.124, no.7, pp.491-515, 2018-07-15 (Released:2018-08-18)
参考文献数
79
被引用文献数
2 2

神居古潭変成岩は古くから典型的な低温高圧型の変成岩として良く知られ,数多くの研究が行われて来た.また,北海道白亜系蝦夷層群は,日本列島の中では極めて大規模な前弧海盆堆積物であり,空知層群(空知オフィオライト)を挟んで神居古潭変成岩の構造的上位に分布している.この神居古潭変成岩-空知オフィオライト-蝦夷前弧海盆堆積物は太平洋を挟んで, 北米西岸白亜紀のフランシスカン・コンプレックス-コーストレンジ・オフィオライト-グレートバレー・シーケンスにも対比出来る.本巡検は,かつて北海道の白亜紀の海溝深部から浅海域に位置していたと推察される 地質体を,1泊2日の短期間で巡ることが出来るよう企画された.神居古潭変成岩についての研究は2000年以降,暫く途絶えていたが,新たな視点での研究が再開された.特に,本巡検では2つのテーマに焦点を当てる. 一つは神居古潭変成岩を構成するメンバーの中で最も初期に形成されたと考えられる蛇紋岩メランジュ中の角閃岩・青色片岩テクトニックブロック で,本岩石を構成する変成鉱物(ざくろ石, 角閃石, 緑簾石など)の組成累帯構造に基づき,テクトニックブロックが顕著な冷却の履歴を被ったことが推察されることである.今日,この冷却の履歴は世界の沈み込み帯起源の青色片岩やエクロジャイトから報告されており,海洋プレート沈み込み開始初期から定常状態の沈み込みに至る冷却を示すと考えられるようになった.もう一つは,神居古潭変成岩上昇時のおそらく前弧域における著しい高温流体活動である.最近,いくつかの試料について炭質物ラマン温度計が適用されたほか,緑色黒雲母の産状が明らかとなるなど,変成岩上昇時に青色片岩を緑色片岩に置き換えてしまうほどの高温流体移動による接触変成作用が生じていたことが明らかになりつつある.この事実は,今後,前弧域テクトニクスを解明していく上で大きな示唆を与える.
著者
一柳 保 田邉 晴山 喜熨斗 智也 北小屋 裕 大迫 幹生 加百 正人 大木 哲郎 岡本 征仁 津田 雅庸 野口 宏
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.613-620, 2019-08-31 (Released:2019-08-31)
参考文献数
13

近年,大小さまざまなマラソン・ロードレースが毎週のように行われ,大会規模相応の救護・医療体制の確保が求められるが,主催者が参考にすべき指針がなかった。このため主催者が参考とすることができ,救護・医療体制を網羅し得る指針を医師・消防機関と協調し作成することとした。方法は,国内外のマニュアルなどを参考にしながら,これまでに救護・医療体制構築に加わった経験者への意見聴取,複数のマラソン・ロードレース大会の視察で得られた知見,文献検索の結果などを取りまとめ,救護スタッフの人数,資器材と救護所の数や規格を具体的に記述した指針案を作成した。マラソン・ロードレースにおける救護・医療体制の適切な確保には,主催者のみならず,消防や医療機関に対しても対応可能な指針の認知が欠かせない。さらに,救護・医療体制をスコア化する評価指標なども含め,統一した指針を使用することで,全国の大会を一定の物差しで横断的に評価することが可能になる。
著者
岡本 由実子
出版者
日本国際情報学会
雑誌
国際情報研究 (ISSN:18842178)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.2-11, 2008-12-05 (Released:2016-01-01)

Many literary works left behind by condemned criminals have been found to be incredibly thought-provoking and moving. Yoshiki Sumitama’s tanka (a form of Japanese poem) anthology, “A Deadly Sin,” is one of such. As one can comprehend how deeply the poet’s thoughts with regard to death as a form of atonement for a criminal’s sin, through reading his tanka in “A Deadly Sin,” I consider what his personal religious beliefs were, his views of sin and death, how he confronted his internal agony of his own deadly sin, and how, ultimately, he faced his own fears of death. He reflected his beliefs through his tanka, questioning that the belief in which one can pay for one’s sin through death, is an illusion. The questions with which he questioned himself are the very same questions he questions society and the current law system with.
著者
齋藤 梓 岡本 かおり
出版者
目白大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本研究では,性被害後の援助要請行動を促進するため,促進および阻害要因,性被害時の被害者心理等について明らかにすることを目的に,定性的調査および定量的調査を行った.その結果,被害時に身体が動かなくなることや,抵抗できなかったことにより,被害者が自分の身に起きた出来事を被害だと認識することが難しく,相談が困難であることが分かった.本研究の結果から,性被害に直面したときの被害者の状態や被害プロセスについて社会に伝えていき,被害者が自責感を抱かず,自分の身に起きたことを被害だと認識できること,また周囲もそれを被害だと認識できることが重要であると考えられた.
著者
岡本 洋子 田口 田鶴子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.48, no.7, pp.621-631, 1997-07-15 (Released:2010-03-09)
参考文献数
20
被引用文献数
2

A survey of the effect childhood diet on the taste sensitivity and personality in later life was conducted on college students from 18 to 20 years of age (93 females). The sensitivity toward sweet, sour, salty, bitter and umami tastes was measured by using aqueous solutions.The students recalled the tastes and nutritional balance from childhood when preparing daily meals. Dishes such as Hamburg steak, curry and rice, and nimono were eaten, together with snacks, cakes and sweet rolls by most of the 93 subjects during childhood.Most of the subjects recalled eating tasty and enjoyable meals around the family dinner table, and that their mothers prepared everything from scratch. A few of the students recalled eating meals alone and having a lot of fast food.Taste sensitivity tests with aqueous solutions showed that the subjects could perceive 0.1-0. 6% of sucrose, 0.01-0.05% of citric acid, 0.01-0.06% of sodium chloride, 1.0 × 10-9-1.0 × 10-4% of quinine, and 0.005-0.035% of MSG. Little difference was found between the diet in childhood and the subsequent taste sensitivity.There was, however, a significant correlation between the diet in childhood and 8 of the 12 personality traits. A balanced diet in childhood had a good effect on personality (i.e., absence of depression, an active demeanor and social extravesion).We conclude that a good diet during childhood had little influence on taste sensitivity in later life, while it had a positive influence on personality development.
著者
岡本 洋子 畦 五月 田口 田鶴子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.166-177, 2000-05-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
11

We investigated the effect of the eating behavior of infants on their taste sensitivity and development. The study was carried out on a total of 130 children between the ages of one and three years (74 males and 56 females in the age range from 18 months to 41 months) who were enrolled at three approved nursery schools in the prefecture of Okayama. The study involved observing the eating habits at mealtimes in households according to Enjoji's Developmental Questionnaire for Infants, and using flavored aqueous solutions for evaluating taste sensitivity. At least half the children lived in households in which they were provided with home-cooked food and were able to enjoy eating while taking with their family during the meal. The majority of the children in this study were sensitive to sweet, sour and salty tastes within a range of concentration of 0.2-0.8% for an aqueous sucrose solution,0.02-0.06% for an aqueous citric acid solution, and 0.04-0.16% for an aqueous sodium chloride solution. We did not observe any statistical correlation between the eating situation and taste sensitivity of the children, except in the case of sensitivity to a salty taste. However, there existed a significant correlation between the eating situation and the development of the children in four to five categories among the total of six categories. It was clear that a healthy eating situation in infancy did play a positive role in development (for example, in such areas as basic habits, language formation and language comprehension). The results indicate that eating patterns in the household during the early stages of infancy did not have a significant effect on taste sensitivity, except for a salty taste, but suggest that there may have been some effect on the children's development.
著者
横尾 真 岩崎 敦 櫻井 祐子 岡本 吉央
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.2_33-2_51, 2013-04-25 (Released:2013-08-25)

本稿では,ゲーム理論の主要領域の1つである協力ゲームについて解説する.協力ゲームは,主に2つの研究領域からなる.1つは,提携内のプレイヤ間で,協力によって得られた利益をどのように分配するかである.本編では,解概念と呼ばれる,協力的なエージェント間で利得を配分する望ましい方法について概説する.古典的な協力ゲーム理論では,コア,シャプレイ値,仁など,さまざまな解概念が提案されている.これらの解概念によって与えられる利得の配分を求めるアルゴリズムと計算量について考察する.2つ目は,全体提携が最適ではない場合,プレイヤがどのような協力関係(提携)を形成するかである.これは,提携構造形成問題(CSG)と呼ばれる.本編では,CSGを効率的に解く制約付き最適化アルゴリズムを紹介する.また,本編ではゲームの簡潔表現法を利用することで解概念やCSGに関する問題を効率的に解くことができるため,協力ゲームの簡潔な記述方法を概説する.