著者
上岡 洋晴 黒柳 律雄 武藤 芳照 上野 勝則 岡田 真平 横井 佳代
出版者
身体教育医学研究編集委員会
雑誌
身体教育医学研究 (ISSN:13456962)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.35-46, 2002 (Released:2008-12-26)
参考文献数
12
被引用文献数
3

The aims of this research were to determine medical and other expenses (transportation fees, purchase of medical supplies or equipment) from being hospitalized or attending a hospital due to fall-related accidents and to determine the effects of such falls on labor productivity and social activity.First, total medical expenses and self-paid expenses were evaluated for 7 elderly participants over the age of 65 who were hospitalized or attended an orthopedic surgery at Hospital A in Tokyo. Second, a telephone interview was conducted on 21 persons above the age of 65 who had fall-related injuries in Kitamimaki Village (Nagano Prefecture), from May 2000 to July 2001. Questions concerned the circumstance of the fall, type and location of the injury, degree of physical and mental sequelae, influence on labor productivity and social activity, conditions of hospitalization and attending a hospital (transportation and frequency), and purchases for medical supplies, etc.Self-paid costs from hospitalization for fractures were 1,200yen per day for cases without surgery and 1,500yen to 3,000yen per day for cases with surgery (depending on surgery method and number of hospitalization days).Although a large variance was observed, average of total costs without medical expenses were 15,385yen, transportation expenses were 12,714yen, and purchases were 2,671yen. Transportation cost 409yen per visit; usage of a self-owned car was less costly than use of a taxi or bus. The influence on labor productivity was mostly on housework. Only 4 cases (19%) reported limitations on social activity; these were absence from meetings or sport lessons. However, physical and mental sequelae were observed in 8 cases (38%) with throbbing pain, movement limitations, and fear of falling.The amount of therapy costs and other self-paid expenses from fall-related injuries were low but medical expenses are high. Results revealed the necessity of fall prevention programs.
著者
岡田 真介 坂下 晋 今泉 俊文 岡田 篤正 中村 教博 福地 龍郎 松多 信尚 楮原 京子 戸田 茂 山口 覚 松原 由和 山本 正人 外處 仁 今井 幹浩 城森 明
出版者
社団法人 物理探査学会
雑誌
物理探査 (ISSN:09127984)
巻号頁・発行日
vol.71, pp.103-125, 2018 (Released:2018-12-28)
参考文献数
43
被引用文献数
2

活断層の評価を行うにあたっては,断層の地下形状も重要な情報の1つである。地下数十m以深の情報は,主に物理探査の結果から得ることができる。これまでには,物理探査は横ずれ活断層にはそれほど多く適用されてこなかったが,本研究では各種の物理探査を行い,横ずれ活断層に対する物理探査の適用性について検討した。対象地域は,近畿地方北西部の花崗岩地域に分布する郷村断層帯および山田断層帯として,4つの測線において,多項目の物理探査(反射法地震探査・屈折法地震探査・CSAMT探査・重力探査)を実施した。その結果,反射法地震探査は,地表下200〜300 m程度までの地下構造を,反射面群の不連続としてよく捉えていた。しかし,活断層の変位のセンスと一致しない構造も見られ,他の物理探査の結果と比較する必要があることがわかった。屈折法地震探査は,原理的に断層の角度を限定することは難しいが,横ずれ活断層の運動による破砕の影響と考えられる低速度領域をよく捉えることができた。CSAMT探査では,深部まで連続する低比抵抗帯が認められ,地下の活断層の位置および角度をよく捉えていたが,活断層以外に起因する比抵抗構造変化も捉えていることから,他の探査との併用によって,その要因を分離することが必要である。重力探査は,反射法地震探査と同様に上下変位量の小さい横ずれ活断層に対しては適さないと考えられてきたが,測定の精度と測定点密度を高くすることにより活断層に伴う重力変化を捉えることができた。
著者
小西 一之 堂地 修 岡田 真人 宮沢 彰 橋谷田 豊 後藤 裕司 小林 修司 今井 敬
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産學會報 = The Japanese journal of zootechnical science (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.11, pp.1075-1084, 1997-11-25
参考文献数
26
被引用文献数
4

持続性黄体ホルモン製剤であるCIDR-B(以下CIDR)を用いて発情周期を制御したウシのFSHによる過剰排卵処理について,Estradiol-17&beta; Valerate (EV)を投与したときの効果を黒毛和種未経産牛を用いて調べるとともに,短期間に実施した連続過剰排卵処理の影響を調べた.黒毛秘種未経産牛16頭を試験牛とし,無作為にEV投与区とEV非投与区(対照区)に分けた.試験牛には発情周期にかかわらずCIDRを膣内に装着し,その翌日にEV投与区にはゴマ油2mlに溶解したEV 5mgを,対照区にはゴマ油2mlを頸部筋肉内に注射した.これらの投与後5日目から過剰排卵処理を開始した.FSH計20AUを3日間の漸減法により筋肉内注射し,FSH投与開始後3日目にCIDRを除去するとともにクロプロステノール750&mu;gを筋肉内注射することにより発情を誘起した.人工授精を約12時間間隔で20行い,発情開始後7日目に非外科的に胚の回収を行った.以上の処理を1クールとし,EV投与区と対照区を交互に反転しながら4クール行った.採胚間隔は28日とした.なお,第3および第4クールは16頭のうち12頭で行った.第1および第2クールでは超音波断層装置によりCIDRの装着から除去まで1日おきに卵巣の動態を観察した.第4クールまでの12頭の過剰排卵処理成績について,EV投与と処理回数の2元配置により分散分析を待った.EV投与により回収卵数は有意に増加した(P<0.05).処理回数の影響はま黄体数でのみ有意であった(P<0.05).また,第1と第2クール分,第2と第3クール分,第3と第4クール分の連続する2クール分の成績をまとめた結果,いずれの場合も対照区の回収卵数が10あるいは8個未満のウシでは,反転させたEV投与区では採胚成績は有意に改善された.しかし,対照区の回収卵数が10あるいは8個以上のウシでは反転させたEV投与区での成績は対照区と差は認められなかった.第1および第2クールの卵巣の追跡では,過剰排卵処理開始時において,対照区に比べ,反転させたEV投与区の大卵胞(径82nm以上)数は有意に少なかった.以上より,CIDRを用いた過剰排卵処理ではEVを併用投与することにより,卵巣中の大卵胞数が抑制されるとともに,過剰排卵処理成績が改善されることが示唆された.
著者
諏訪 直人 岡田 真平 石井 誠 梅垣 茂
出版者
信州公衆衛生学会
雑誌
信州公衆衛生雑誌 (ISSN:18822312)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.46-47, 2013-08

要旨:地域で実践されているオリジナル体操のコンテストを企画し、5年間、6回にわたって開催した効果を検証した。コンテストへは県内で体操の実践活動に取り組む団体がエントリーし、コンテスト当日は、地域住民、健康運動指導士、保健福祉医療関係者等がイベントに参加した。これまでに、エントリーは累計のべ35チーム、イベント参加者は40市町村から累計のべ999名と拡大した。またコンテストの開催が、地域内での活動充実や、地域間での相互作用といった側面でも貢献し、公衆衛生活動としての意義は高い。
著者
小島 千枝子 横地 健治 岡田 真人
出版者
The Japan Society of Logopedics and Phoniatrics
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.225-234, 1983-10-25 (Released:2010-06-22)
参考文献数
22

特異な経過をとった言語発達遅滞の1例を報告した.症例は9歳男児.妊娠, 分娩, 新生児期著変なし, 運動発達は正常.幼児期前半は言語理解, 表出ともになく, 対人関係の孤立, 行動異常をあわせ持つ重度精神遅滞児の病像であった.理解は, 視覚的理解が聴覚的理解に先行して得られ, 対人関係の孤立も消失してきた.5歳10ヵ月の初診時, 発語失行が認められ, 構音訓練を中心とした言語指導を開始し, 急速な発語数の増大, さらに知的機能の上昇が得られた.8歳4カ月時にはIQ (WISC) は104となり, 現在は行動上の問題もないが, なお軽微な発語失行と失文法の問題は残されている.これらの言語, 知能を構成する各種高次機能の不均一な成熟の遅れによってもたらされた, 特異な臨床表現であろうと考えられた.
著者
岡田 真弓
出版者
一般社団法人 日本オリエント学会
雑誌
オリエント (ISSN:00305219)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.138-158, 2009
被引用文献数
1

This article examines how Christian archaeological sites have been excavated, preserved and exhibited in Israel.<br>&emsp;It has been pointed out that the archaeological research and preservation in the Near East have been affected by ethnic, religious and political ideologies in this area: Especially in Israel, archaeology has been used to highlight the idea that this area has been the land of the Israeli from ancient times. Thus, conservation and exhibition of site has also concentrated on Jewish sites. However, it is not clear how non-Jewish archaeological sites, such as Christian and Muslim ones, have been treated in the modern Israeli society.<br>&emsp;Therefore, this article describes how non-Jewish archaeological sites have been dealt with by examining the archaeological practices at Christian sites, especially those of ancient churches.<br>&emsp;Two organizations, the National Park Authority and the Franciscan Order are dealt with in this article. The analysis suggests that the ancient churches in the national parks are preserved as a whole and exhibited as the one of the buildings in the city, whereas, the Franciscan Order keeps them below the modern church buildings and shows them through a window. There are cased where the remains of the ancient churches are mostly covered with marbles or incorporated into new buildings. This difference is due to not only to the difference between the churches build for local congregations, which tends to be found in the national parks and the commemorative churches which tends to be found in the Franciscan properties, but also due to the custodian's sense of value of the church sites. National Park Authority exhibits church remains as the one of the elements of the ancient city or the cultural heritage which reflects a certain period of Israel's history: the Franciscan Order preserves them as the religious sites to show the historical continuity of faith. These results indicate the fact that several approaches exist for examining, preserving and exhibiting the ancient churches. This fact plays a role of balancing the multiple viewpoints to the archaeological remains.
著者
鯉沼 広治 冨樫 一智 小西 文雄 岡田 真樹 永井 秀雄 斉藤 建 柴崎 淳
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.356-360, 2004-03-25

要旨 患者は51歳,男性.便潜血反応陽性.大腸内視鏡検査にて,S状結腸に深い陥凹を有する約10mmのIIa+IIc型病変が認められた.拡大観察では,陥凹面はIIILおよびIIIs型pitで占められ,生検部位でVI pitが認められた.粘膜内病変と判断し内視鏡的粘膜切除を施行した.病理学的には高度異型腺腫を伴う高分化型腺癌で,陥凹部で粘膜下層側へ深く侵入する像が認められた.腫瘍腺管は粘膜筋板を押し下げるように発育し,先進部においても部分的に粘膜筋板が認められた.先進部周囲の間質は粘膜内のものと同様であり,desmoplastic reactionを伴っていなかった.以上より,本病変はinverted growthにより深い陥凹を示したが,本質的にはそのほとんどが粘膜内の病変と考えられた.
著者
黒木 雅大 岡田 真行 鈴木 博人 川前 金幸
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.127-133, 2021

<p>超緊急帝王切開では母体の安全を確保しつつ,迅速な児娩出を目指す.そのために当院では超緊急帝王切開に対し多職種共通のプロトコールを作成し,手術決定から児娩出まで(Decision-to-Delivery Interval:DDI)の短縮を目指した.今回,この共通プロトコール運用の前後において,DDIとその内訳を検討した.共通プロトコールの運用後でDDIは有意に短縮し,特に手術室入室から気管挿管までが有意に短縮された.超緊急帝王切開において共通プロトコールの運用はDDIの短縮に有用であり,それには麻酔科医の行動が大きく関与している可能性が示唆された.</p>
著者
諏訪 直人 岡田 真平 石井 誠 梅垣 茂
出版者
信州公衆衛生学会
雑誌
信州公衆衛生雑誌
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.46-47, 2013-08

要旨:地域で実践されているオリジナル体操のコンテストを企画し、5年間、6回にわたって開催した効果を検証した。コンテストへは県内で体操の実践活動に取り組む団体がエントリーし、コンテスト当日は、地域住民、健康運動指導士、保健福祉医療関係者等がイベントに参加した。これまでに、エントリーは累計のべ35チーム、イベント参加者は40市町村から累計のべ999名と拡大した。またコンテストの開催が、地域内での活動充実や、地域間での相互作用といった側面でも貢献し、公衆衛生活動としての意義は高い。
著者
岡田真由子 金丸隆太#
雑誌
日本教育心理学会第61回総会
巻号頁・発行日
2019-08-29

問題と目的 学童保育とは,保護者が就労等によって昼間家庭にいない小学生を対象とし,放課後,土曜日や春・夏・冬休み等の長期休業中の子どもの生活を保障する施設である。学童保育では,家庭に代わる役割が求められるため,学童保育指導員(以下:指導員)にも高い能力が求められる。しかし,労働条件の低さ,職務の不安定さから離職が早く,入れ替わりが激しく,指導員同士の連携,チームワークの形成が難しい。また,指導員の研修,経験加算が不十分で,専門性の向上が求められている。岡田(2017)で,発達障害児,診断の付いていないグレーゾーンの児童の対応に苦慮していること,研修で学んだことが,現場との相違により,現場で生かせていないことが明らかになった。 本研究では,発達障害児・グレーゾーンの児童対応における,指導員の困り感の低減を目指した仕組みづくりとして,サポートブックを作成し,その有用性を検討することを目的とした。方 法 全国の教員・特別支援員向けの資料を参考に,ドラフト版を作成し,現場の指導員にヒアリングし,その結果を踏まえ,完成版を作成した。完成版は,“OKブック”と名付け, 1.はじめに2.このサポートブックの使い方3.発達障害とは4.リソース集5.支援シート6.引用文献・参考文献の6項目にした。A4サイズのリングファイル入れて,取り出しができるようにした。支援シートは,書き込み型にし,知識部分は短く,該当場面ですぐに確認できるように工夫した。OKブックはX市,Y市,Z市の12施設に1冊ずつ配布し1ヶ月間使用させ,60名の指導員に事後アンケートと,インタビューを実施した。アンケートとインタビューで得られたデータから,OKブックの有用性を検討した。結果と考察 OKブックの使用により,指導員の困り感は低減し,指導員に変化が見られた。また,OKブックのプラス面とマイナス面が明らかになった。 OKブックは,適性(向き・不向き)があった。それは,施設の環境的要因,指導員の個人的要因,集団的要因,リーダーのOKブックへの積極性が影響すると考えられる。OKブックを改訂するとすれば,以下のような案が挙げられる。1.発達障害児への対応だけでなく,保護者対応や他児への説明に関する対応場面や対応方法について,多くの事例を提示する。2.支援シートは,1枚のシートにする。指導員の中には,場面ごとのシートにすること,アセスメントシートがいいといった指導員もいた。書くことへの抵抗感をなくすためにも,エピソードを書き込む方法も考えられる。 OKブックを使用してもらうための工夫としては,まず使い方の丁寧な説明が重要である。OKブックの使用で指導員の困り感が減るということを強調して説明し,動機付けを高めることが重要だろう。また,支援シートは毎日書く必要がなく,残しておきたい情報を書くということを必ず伝える必要がある。併せて支援シートに情報を残すことによるメリットを伝えることで,書くことへの抵抗感が減るのではないかと考えられる。 学童保育は,1人の指導員が何人の児童を見るのか,教員や保育士のような限度がない。また,雇用状況が不安定で,待遇も決して良くはないにも関わらず,多くの知識,技能を求められ,大変さや矛盾も生じている。そのため,経験年数を重ねていても,自分の能力に自信が持てない指導員もいる。それは,研修機会の少なさ,職場内に先輩がいないからとも考えられる。高岡・籠田(2017)は,指導員の専門性の向上のためには,学習,成長が必要だと示唆した。その方法論の1つとして,野中らが提唱し,高岡らが加筆した,組織的知識創造モデルがある。本研究ではOKブックを使用した際の,指導員の知識創造モデルを提唱した。 本研究は学童保育に関する研究の進歩の上で,その一歩を踏み出したと言える。本研究の結果を基に,改訂版を作成し,HPで公開する予定である。
著者
本武 陽一 五十嵐 康彦 竹中 光 永田 賢二 岡田 真人
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第31回全国大会(2017)
巻号頁・発行日
pp.2I23in2, 2017 (Released:2018-07-30)

ノンパラメトリックなスパース変数選択法として,L1VMがL1正則パラメータλをone-standard ruleなどのアドホックな手法によって最適化されて適用されてきた.本研究では,L1VMで抽出された説明変数を用い,交差検証誤差やベイズ自由エネルギーによって各λから求められた説明変数を評価する枠組み(λ-スキャン法)を提案する.提案手法をスペクトル分解に適用し,その有効性を検証する.
著者
児玉 雄二 岡田 真平 木村 貞治
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2002, pp.479, 2003

【はじめに】近年、成長期の中学生におけるスポーツ障害の報告が数多く認められる。我々が相談を受けたY中学校野球部でも、膝関節や足関節周辺のスポーツ障害が数多く認められた。また、ほとんどの選手において柔軟性の低下が認められた。そこで、本研究では、スポーツ障害の予防・改善を目的として柔軟性向上プログラムの指導を実施し、介入前後における柔軟性の変化について検討した。【対象】対象は、Y中学校野球部に所属する1年生13名、2年生3名の計16名で、調査に際しては、本人及び顧問、保護者の同意を得た。【方法】平成14年7月29日に、柔軟性の評価を行った。評価項目は、(1)ハムストリングス:体前屈、(2)腸腰筋:膝窩-床間距離、(3)大腿四頭筋:踵-臀部間距離の3種類とした。次に、これらの筋を中心に全身的な柔軟性向上プログラムを指導した。指導内容は、スタティック・ストレッチとダイナミック・ストレッチ(ブラジル体操)とし、ウォーミング・アップ時とクーリングダウン時に全員で実施するよう指導した。そして、約2ヶ月後の10月3日に柔軟性の再評価を行ない、指導前後での柔軟性の変化をt検定を用いて解析した。また、部員と監督に対し、アンケートによる意識調査を行なった。【結果】柔軟性向上プログラム施行前後での柔軟性の変化については、左右の平均で膝窩-床間距離は6.0cmから4.7cm(p<0.05)へ、体前屈は37.0cmから39.6cm(p<0.05)へ、踵-臀部間距離は10.2cmから9.6cm(p<0.05)へと、すべての項目において有意な改善が認められた。また、アンケート調査では、約7割の部員が、「身体が柔らかくなったと感じる」、「痛みが少なくなった」と回答した。【考察】介入前の評価では、膝関節,足関節周辺の慢性的な疼痛が多く認められるとともに、殆どの選手で柔軟性の低下が認められたことから、中学校野球部でのこれまでの部活動では、野球そのもののトレーニングが中心になっていて、柔軟性などの体力要素に着目した自己管理プログラムの実践が不十分であったと考えられる。また、約2ヶ月という短期間であったが、セルフケアとしての柔軟性向上プログラムの継続的な実施により、有意な柔軟性の改善が認められるとともに、アンケートの結果では、疼痛の軽減が認められた。以上より、今回指導した柔軟性向上プログラムは、柔軟性の向上に効果があるとともに、慢性的な疼痛などのスポーツ障害の軽減にも有効であったため、今後も、コンディショニングやスポーツ障害の予防・改善のための基礎プログラムとして、より多くの学校で実践してもらうよう啓発活動を継続していきたい。
著者
田中 千晶 岡田 真平 高倉 実 橋本 圭司 目澤 秀俊 安藤 大輔 田中 茂穂 Okely Anthony D
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.327-333, 2020
被引用文献数
4

<p>This study examined the relationship between meeting the World Health Organization's (WHO) 24-Hour Movement Guidelines for the Early Years and motor skills and cognitive function in preschool children. Participants were 4-year-old boys and girls in urban and rural areas (n=69). Physical activity was measured using a triaxial accelerometer (ActiGraph GT3X). Screen time and sleep duration were assessed via self-report by guardians. Meeting the 24-h movement guidelines was defined as: 10 to 13 h/night and nap of sleep, ≤1 h/day of sedentary screen time, and at least 180 min/day more than 1.5 METs. Motor skills were evaluated by the Ages & Stages Questionnaires, Third Edition (ASQ-3). Executive functions (shifting, visual-spatial working memory and inhibition) were evaluated by the Early Years Toolbox (Japanese translation). The prevalence of children meeting all three recommendations was 7.2% and 7.2% met none of the three recommendations. Children meeting physical activity recommendation had a better inhibition score compared to children meeting none of the recommendation (p=0.005). While, children not meeting the sleep recommendation had a better inhibition score compared to children meeting of the recommendation (p=0.042). In conclusion, meeting the physical activity or sleep recommendations were positively or negatively associated with the inhibition score. On the other hand, meeting none of the sedentary behaviour and the 3 recommendations was not associated with motor skills or cognitive function.</p>
著者
岡田真人
雑誌
ハイパフォーマンスコンピューティングと計算科学シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.23-24, 2013-12-31

実験や観測によって得られるデータを少数の説明変数で記述することを目的とする 「モデリング」 は自然科学の重要なアプローチの一つである.スパースモデリングは,高次元データからの説明変数の自動抽出を最適化問題の形に定式化する.本講演では,スパースモデリングの適用例を紹介し,ハイパフォマンスコンピューティングとスパースモデリングの関係を述べる.