著者
村田 伸 中野 英樹 安彦 鉄平 岩瀬 弘明 豊西 孝嘉 松倉 祥子 児島 諒
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.109-113, 2017

<p>本研究は,開発した下肢がむくみ難いパンプス(開発パンプス)を紹介するとともに,そのむくみ抑制効果について検証した。方法は,開発パンプスと一般パンプスを交互に履くクロスオーバーデザインを採用し,かつそれぞれのパンプスが対象者に分からないようブラインド化して効果を検証した。なお,下肢のむくみは下肢容積を水置換法によって計測することで判定した。対象とした女子大学生12名両下肢24肢の登校時と下校時の下肢容積変化量を比較した結果,開発パンプス装着日は-15.4±19.5ml,一般パンプス装着日は41.7±14.0ml であり,有意差(p<0.05)が認められ,開発パンプス装着日の下肢容積の減少が確認された。このことから,開発パンプスの下肢のむくみに対する一定の抑制効果が確認された。</p>
著者
嶋村 崇 畠山 省四朗 岩瀬 将美 貞弘 晃宜 大崎 大 吉田 康平 川崎 崇博 久保 槙太郎 寺田 達典
出版者
自動制御連合講演会
雑誌
自動制御連合講演会講演論文集 第51回自動制御連合講演会
巻号頁・発行日
pp.33, 2008 (Released:2009-04-14)

本研究では一輪車操作を上達させる支援システムの構築を行う. 操作補助は,真に補助を必要とする時のみに行うことが望ましいと考え,一輪車操作補助においては,一輪車に乗って倒れてしまう限界領域を見極めた上で支援することが重要となる. 本稿では操作者が一輪車に乗っている状態の物理モデルを立て,モデルに基づき,倒れる限界領域の導出について検討する.
著者
繁富 香織 岩瀬 英治 尾上 弘晃
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

1) 微細加工技術を用いて細胞の足場となるマイクロプレートを作製し細胞を折り紙のように折ることで、3次元立体を作製する手法を確立した。2) マイクロプレートに磁性体を埋め込み磁場をかけることで、細胞の形状変化を可能とするアクティブデバイスを作製した。3)幹細胞を立体的に培養しすると骨に分化しやすいことがわかった。4) NIH/3T3とHepG2を立体的に共培養することで、平面状に共培養するより、HepG2のアルブミンの生成が増えることがわかった。5) NIH/3T3を培養した後に、折り畳み展開を繰り返すことで、細胞内のアクチンの配向に影響を及ぼすことがわかった。
著者
岩瀬 裕美子
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
vol.40, 2013

2012年11月にStep 2に到達した「ICH S10:医薬品の光安全性評価ガイドライン(案)」では,光安全性評価を実施する要件の一つとして,290 - 700 nmの波長において吸収がある有効成分と新規添加物について光安全性評価を行うことが合意された。しかしながら,光照射後における活性酸素の生成や組織分布を根拠とすることについては,日本と欧米当局間で考え方が異なっている。光安全性の評価が必要になった場合には,<I>in vitro</I>試験,<I>in vivo</I>試験,臨床試験のいずれかで判断することになるが,その実施にあたり,化合物の光化学的特性や臨床適用経路を考慮して,適切な試験系を用いてリスク評価を行うことが必要である。<I>in vivo</I>光毒性試験を実施する場合,現時点ではバリデートされた試験系がないことから,医薬品開発者は,各自で適切であると考えられる試験系(動物種,投与回数,光照射条件等)を選択する必要がある。光毒性評価に際し,一般的に皮膚への作用を評価するが,例えば全身に曝露される医薬品の場合,可視光域に光吸収をもつ化合物については,皮膚だけではなく網膜へのリスク評価も必要となる。一方,光アレルギー性については,ヒトにおける予測性が不明であることから,非臨床試験は推奨されていない。光化学的特性や光安全性を評価する方法の選択は,原則として医薬品開発者の判断で行うことになるが,ケースバイケースで規制当局との検討も可能である。本ワークショップでは,医薬品の光安全性評価における留意点,当局の要求レベル,ICHブリュッセル会議(2013年6月)における議論等について紹介する予定である。
著者
山口 拓洋 岩瀬 哲 後藤 悌 山本 大悟 小田桐 弘毅 坪井 正博 川口 崇
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

PRO-CTCAE 日本語訳 東北大学/東京大学/JCOG版について、平成23年度から実施したがん患者へのインタビュー調査の結果をまとめ、言語的妥当性、原版との文化的・意味論的同等性、言語的流暢性を評価した。JCOG1018試験で使用する9項目(下痢、活力低下、手足症候群、吐き気、手足の痺れ等)のfeasibility studyの結果から本尺度は臨床試験において測定可能と確認した。計量心理学特性は米国で既に検討がなされている為、欧米の先行研究結果と大きな差異がない事の確認を目的とするバリデーション研究を計画し、タブレット入力が可能となるようなプラットフォームの開発も同時に進め、登録中である。
著者
柴原 弘明 戸倉 由美子 伊勢呂 哲也 惠谷 俊紀 池上 要介 神谷 浩行 橋本 良博 岩瀬 豊 植松 夏子 今井 絵理 西村 大作
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.514-517, 2012 (Released:2012-05-22)
参考文献数
17
被引用文献数
1

【緒言】ミルタザピンはノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA)で, 5-HT3受容体拮抗作用をもち, 嘔気を改善する先行研究が報告されている. 【症例】38歳, 女性. 遠隔転移を伴う進行腎がんに対し, スニチニブとオキシコドンを投与した. 経過中に出現した難治性嘔気・嘔吐に, ミルタザピン1.875 mg/日を開始した. 開始翌日に嘔吐は消失し, 2日目に3.75 mg/日へ増量したところ, 3日目には嘔気も消失した. 消化器症状でスニチニブとオキシコドンを中止することなく治療を続行できた. ミルタザピン15 mg/日の投与量では眠気が出現することがあるが, 今回の低用量投与で眠気はみられずに消化器症状の改善が得られた. 【結論】ミルタザピンの低用量投与は, スニチニブとオキシコドン併用時の難治性嘔気・嘔吐に対して, 有効な選択肢の1つであると考えられる.
著者
岩瀬 元治郎
出版者
京都府立医科大学
雑誌
京都府立医科大学雑誌 (ISSN:00236012)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.949-960, 1934

肝臟ガ糖新陳代謝ニ際シテ如何ナル役目ヲナスカノ問題ニ就テハ既ニ温血動物ノ肝臟灌流實驗多數ニ行ハル,然レドモ多クノ塲合ニ於テハ肝臟ハ他イ動物ヨリ取リタル大量ノ血液或ハリんげる氏液ヲ以テ灌流セラレ從ツテ肝臟灌流ニ於ケル生理的状態ヨリ離ル丶事遠シ.余ノ曩ニ行ヒタル實驗"甦生肝臟ノ痙攣毒結合機能ニ就テ"ニ際シ余ガすくらむりつく氏裝置ヲ改良セルモノヲ使用シ肝臟ヲ當該動物ヨリ得タ脱纎血液ヲ以テ灌流シクルニ良好ナル結果ヲ得クルニヨリ之ト同一ノ方法ニテ家兎肝臟ヲ灌流シ種々ノ要約ノモトニ家兎肝臟ノ出糖状況ヲ研索シテ次ノ成績ヲ得タリ.剔出前ニりんげる氏液ヲ以テ肝臟内血液ヲ洗ヒ出シタル家兎肝臟ノ門脈ヨリりんげる氏液ニテ3倍ニ希釋シタル血液ヲ以テ38℃ニ保温ノモトニ灌流スルニ灌流液中ノ糖量ハ灌流開始後30分ニ於テ著明ナル増加ヲ見其後灌流開始ヨリ1時間半ニ至ル迄ハ猶幾分ノ變動ヲ來ス,更ニ進ミテ其ノ後1時間半乃至3時間半灌流ヲ繼續スルニ多クハ僅カノ變動ヲ伴ナイツ丶徐々ニ尚幾分糖量ノ増加ヲ來セルガ少數ノ例ニ於テハ之ニ反シテ減量セリ.りんげる氏液ニテ2倍ニ希釋シ或ハ少シモ希釋セザル脱纎維血液ヲ以テ肝臟ヲ灌流スルモ其ノ結果ハリんげる氏液ニテ3倍ニ希釋シタル血液ヲ以テセル場合ト變リナシ.門脈ニひるぢんヲ注射シタル後りんげる氏液ヲ以テ血液ヲ洗ヒ出ス事無クシテ剔出シタル家兎肝臟ヲ灌流スルニ灌流液中ニ於ケル最初ノ糖増加ハ前記ノモノト異ナラザレ共其ノ後次第ニ糖濃度ハ低下ス.高壓ノモ下ニ肝動脈ヨリ家兎肝臟ヲ灌流スルニ1分間ノ流出量ハ非常ニ少量ナレドモ灌流ノ繼續ニヨリ次第ニ其ノ量ハ増加ス,而シテ此イ際灌流液中ノ糖量ハ1分間流出量ト並行シテ増加シ灌流開始後凡ソ2時間ニ至リテ最高量ニ達シ其ノ後ハ只僅小ノ變動ヲ見ルノミ.家兎肝臟ノ灌流ニ際シテ灌流液及臟器ノ温度ヲ38℃ヨリ19-20℃ニ降下セシムルモ肝臟ノ糖造成ニ對シテ認ム可キ影響現レズ.灌流液ヘノ酸素供給ヲ絶チ甦生肝臟ヲ酸素缺乏ノ状態トナセバ灌流液ノ糖量ハ唯僅カニ且徐々ニ増加ス.灌流液ヘ青酸加里ヲ(2m)/(500)ノ濃度ニ加フレバ灌流液ノ糖含有量ハ可成リ高度ニ増加ス.
著者
副田 義也 藤村 正之 畠中 宗一 横山 和彦 本間 真宏 岩瀬 庸理 樽川 典子 岡本 多喜子
出版者
筑波大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1991

戦後日本における社会保障制度の研究を、毎月二つずつ主題をさだめ、研究代表者の統括のもとで、研究分担者二人がそれぞれの研究をおこない、代表者、分担者全員参加の研究会でこれを発表し、討論をしてもらい、まとめてきた。今年度の毎月の主題はつぎのとおりであった。4月、近代国家の形成と内務省の行政/『厚生省50年史』の作成について。5月、内務省の衛生行政/『厚生省50年史』の作成について(2)。6月、内務省の社会行政、労働行政、社会保険行政/社会保障研究の諸論点。7月、厚生省の創設と厚生行政/戦時体制下の厚生行政。9月、戦時下の衛生行政と社会行政/施設内文化の研究。10月、戦時下の労働行政と社会保険行政/『厚生省50年史』の編集について。11月、戦後復興期の厚生行政/『厚生省50年史』の編集について(2)。12月、戦後復興期の衛生行政/占領政策と福祉政策。1月、戦後復興期の社会福祉行政/社会福祉史の研究方法について。2月、戦後復興期の社会保険行政/老人ホーム像の多様性と統一性。3月、高度成長期の厚生行政(予定)。以上をつうじて、総力戦体制がわが国の福祉国家体制の厚型をつくったこと、明治以後の内務行政と敗戦以後の厚生行政に一部共通する型が認められること、衛生、労働、社会保険、社会福祉の四分野の進展に顕著なタイム・ラグがあることなどがあきらかになり、それぞれの検討が進みつつある。
著者
金井 裕一 岩瀬 将美 畠山 省四朗
出版者
自動制御連合講演会
雑誌
自動制御連合講演会講演論文集 第48回自動制御連合講演会
巻号頁・発行日
pp.64, 2005 (Released:2006-01-01)

本研究は,人間が一輪車に乗ることを補助する制御系の実現を目標として,その第一段階として一輪車の姿勢安定化を図る。本稿では,一輪車系のモデリング,とControlled Lagrangianを用いた制御系設計に焦点を当てる。シミュレーションによりその有効性を検証する。
著者
南 友紀子 岩瀬 梓 宮田 洋輔 石田 栄美 上田 修一 倉田 敬子
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.163-180, 2016

<p>本研究では,van Deursen らの「デジタルスキル」を基礎に,従来の情報検索の専門的なスキルを組み込んだウェブ環境における情報検索スキルの現状を明らかにすることを目的とする質問紙調査を行った。2014 年8 月にオンライン調査を実施し,1,551 名から回答を得た。その結果,ウェブ環境で検索を行う人々は,(1)ブール演算子などの高度な情報検索技法は用いない,(2)ウェブ上の情報の形式は理解している,(3)検索語の選定に対する意識は高い,(4)一定の評価方針のもとに複数の検索結果を閲覧する,(5)インターネットから恩恵を受けていると感じている,ことが明らかになった。階層的クラスタリングにより回答者を8 クラスタに分割し,高い情報検索スキルを持つクラスタを特定した。この高能力者群は,比較的若く,男性が多く,学歴が高く,批判的思考能力と自己認識が高かった。高能力者群は全てのスキルの平均得点が最も高いが,検索技法に関するスキルのみ得点は大幅に低かった。</p>
著者
谷亀 高広 大和 政秀 鈴木 彰 岩瀬 剛二
出版者
日本菌学会
雑誌
日本菌学会大会講演要旨集 日本菌学会50周年記念大会
巻号頁・発行日
pp.175, 2006 (Released:2007-06-05)

ヒメノヤガラ (Chamaegastrodia sikokiana)は本州、四国、九州のモミ林や、カシ林に自生する無葉緑ラン科植物の1種である。本研究では、ヒメノヤガラの生活様式の解明と増殖・保全を目的とし、菌根菌の種同定とその性質について研究を行った。供試植物は千葉県天津小湊町清澄山(優占樹種 モミ)産の3株と、高知県越智町横倉山(優占樹種 アカガシ、スギ)産の1株とした。菌根菌の分離培養では、一般にラン型菌根菌の分離に使用されるCzapek・Dox+酵母エキス寒天培地ではコイル状菌糸からの菌糸の伸長が見られなかったことから、外生菌根菌培養用の培地として知られるMMN培地を用いた。その結果、計17系統の菌根菌が分離された。これらの培養菌株からCTAB法によりDNAを抽出し、rDNAのITS領域をPCRにより増幅し、得られた塩基配列をもとに相同性検索を行い、系統解析を行なった。その結果、分離菌株は担子菌類のCeratobasidiaceae、いわゆるRhizoctoniaと相同性があることが確認された。また、自生地の状況や分離菌株がMMN培地で生育したことから、これらの菌根菌が樹木に外生菌根を形成するのではないかと考えられた。そこで、得られた菌株の内、清澄山産の供試植物より分離された2系統について、同自生地における優占種のモミに対し、接種試験を行った。分離菌株を液体MMN培地で培養し、滅菌土壌で生育させたモミ苗の根元に埋設させたところ、1ヶ月後に外生菌根が形成された。さらに、形成された外生菌根から得られたDNAを解析したところ、接種した菌株であることが確認された。このことから、ヒメノヤガラは、樹木に外生菌根を形成するRhizoctonia属菌を菌根菌として生育することが明らかとなった。外生菌根を形成するRhizoctonia属菌と無葉緑ラン科植物との共生関係については、海外では数例が報告されているが、日本国内では初めての報告である。
著者
伊勢 孝之 高木 恵理 岩瀬 俊 楠瀬 賢也 山口 浩司 八木 秀介 山田 博胤 添木 武 若槻 哲三 佐田 政隆
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.104, no.6, pp.1175-1179, 2015-06-10 (Released:2016-06-10)
参考文献数
8
被引用文献数
1

心臓サルコイドーシスの標準的治療はステロイドであるが,ステロイドを投与中であっても再燃を認めることも多く,またステロイドの多岐にわたる副作用も問題となることが多い.症例は70歳代,女性.心臓サルコイドーシスの診断でプレドニンを維持量5 mg/日で加療されていた.定期検査で施行した心電図で陰性T波,前壁心尖部に新規の左室壁運動異常を認めた.FDG-PET,Gaシンチグラフィーで壁運動異常部位に一致して集積を認め,心臓サルコイドーシスの再燃と判断した.本症例では,ステロイドの副作用として糖尿病,肥満,白内障などを認めており,ステロイド増量が躊躇され,メトトレキサートの併用を開始した.メトトレキサート開始後,特に副作用を認めず,心電図ならびに左室壁運動異常の改善が認められた.ステロイド投与で再燃を認める心臓サルコイドーシス症例にはメトトレキサート併用も考慮すべきであると考えられた.
著者
折原 貴道 池田 枝穂 大和 政秀 保坂 健太郎 前川 二太郎 岩瀬 剛二
出版者
日本菌学会
雑誌
日本菌学会大会講演要旨集 日本菌学会第53回大会
巻号頁・発行日
pp.45, 2009 (Released:2009-10-30)

きのこを形成する菌類の中でも, 被実性の子実体を形成し, 胞子の射出機構を欠失している点が特徴であるシクエストレート菌 (sequestrate fungi) の分類学的および系統学的研究は日本国内において特に遅れており, 今後の研究により多くの新分類群や未知の系統が明らかになることが期待される. 国内のシイ・カシ類樹下に発生するシクエストレート担子菌コイシタケはHydnangium carneum の学名が与えられているが, オーストラリアに分布しユーカリと特異的に菌根を形成するH. carneum とは, 形態的・生態的特徴のいずれも大きく異なる. 演者らは, コイシタケおよびブナ・ミズナラ樹下に発生し, 形態的に本種と酷似する未報告種(仮称:ミヤマコイシタケ)の形態学的評価および核リボソームDNAのITS領域を用いた系統解析を行った. 分子系統解析の結果, コイシタケはH. carneum とは遠縁である, ベニタケ属の系統内で分化したシクエストレート菌であることが示され, 形態的にも子実層部のシスチジアなど, ベニタケ属菌に特徴的な構造が確認された. ベニタケ属の系統内では複数のシクエストレート菌の系統が分化していることが知られているが, コイシタケおよびミヤマコイシタケはそれらの既知系統のいずれにも属さなかった. また, コイシタケはミヤマコイシタケと種レベルで異なることが分子系統解析結果からも支持された. 両種は肉眼的には酷似しているが, 担子胞子や担子器の形態など複数の顕微鏡的特徴に差異があることも明らかになった. ミヤマコイシタケの担子胞子はベニタケ属菌に特徴的なアミロイド反応を呈する一方, コイシタケの担子胞子は非アミロイドであることから, 両種を含む系統ではシクエストレート菌への系統進化が起こった後に担子胞子のアミロイド反応が消失したと考えられる. また, 両種の分布状況に基づく生物地理学的考察も行う.
著者
中村 友道 廣田 和生 友松 健一 高井 睦夫 岩瀬 敏彦 宇和川 誠一 班目 春樹 岩壺 卓三 齋藤 孝基
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.68, no.668, pp.1064-1072, 2002-04-25 (Released:2008-02-26)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

A partial but full-size mock-up test of practical steam-generator U-bend tubes in nuclear power plants has been carried out, where the test model has been set in a HFCF-123 fluid two-phase flow loop. U-bend tubes are supported with so-called "Anti-vibration Bars (AVB) ", which have two types of AVBs in Japan, 7-span type and 5-span one. Both types of AVBs have been examined and it is found that tubes with AVB supports shows no large amplitude vibration up to 150% flow rate to the practical condition. Basic data for the fluidelastic instability are obtained when some tubes have been set to be flexible at some contact points with AVBs.
著者
柴田 公博 岩瀬 孝邦 坂元 宏規 瀬渡 直樹 松縄 朗 Hobenard Hohenberger Mueller Matthias Dausinger Friedrich
出版者
社団法人溶接学会
雑誌
溶接学会論文集 : quarterly journal of the Japan Welding Society (ISSN:02884771)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.204-212, 2003-05-05
被引用文献数
4

Welding of Al-Mg and Al-Mg-Si alloys was performed using twin spot beams formed with two Nd: YAG lasers for the purpose of reducing porosities and humping caused due to unstable phenomena of weld bead during welding of aluminum alloys. The relationship between the configuration of the twin spot beam and the quality of the weld beads was investigated using X-ray and high-speed camera observations of the keyhole shapes and weld beads. X-ray observation of the weld beads showed that beam distance had a strong influence on the amount of porosities. At a shorter beam distance, porosities were apt to occurred in the weld. The amount of porosities decreased with an increase of beam distance. Beam distance affects keyhole shapes. The amount of porosities was clearly related to the ratio of keyhole depth to keyhole opening. Larger keyhole opening and/or shallower keyhole depth, smaller amount of porosities caused by instability of the weld pool.
著者
池田 浩人 森脇 英恵 松原 友規 湯川 美穂 岩瀬 由紀子 湯川 栄二 安藝 初美
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.132, no.1, pp.145-153, 2012-01-01 (Released:2012-01-01)
参考文献数
8
被引用文献数
4 4

The influence of the presence of a galloyl group in catechin on complexation with risperidone (RISP) was examined using (−)-epigallocatechin gallate (EGCg) and (−)-epigallocatechin (EGC), which are present in green tea as tea catechins. By quantitative analysis using HPLC, it was found that EGCg formed an insoluble complex with RISP for concentration dependence, whereas EGC did not. The large contribution of the galloyl group of catechin to form an insoluble complex with RISP was recognized in this study. In a molecular modeling study, it was found that the EGCg-R complex (EGCg with RISP) formed three hydrogen bonds between the hydroxyl groups of EGCg and the two N atoms and an O atom of RISP. The hydrogen bond between the hydroxyl group of the galloyl ring in EGCg and the N atom of the piperidine ring in RISP stabilized EGCg-R more energetically. The EGC-R complex (EGC with RISP) also formed three hydrogen bonds, but the N atom of the piperidine ring in RISP did not participate in hydrogen bond formation. According to the calculation using the COSMO-RS method, the water solubility of the EGCg-R complex was 1/26 that of the EGC-R complex. Therefore, the EGCg-R complex was difficult to dissolve in water. In the 1H-NMR spectra of RISP in DMSO-d6, although chemical shifts of protons near the N atom on the piperidine ring moved downfield on the addition of EGCg, no change in chemical shifts of these protons was observed on the addition of EGC. Therefore, based on these results, the galloyl group of EGCg contributes to the formation of an insoluble complex between tea catechin and RISP, and this insoluble complex is stabilized by the hydrogen bond between the hydroxyl group of the galloyl ring in EGCg and the N atom of the piperidine ring in RISP.