著者
平田 裕
出版者
関西外国語大学留学生別科
雑誌
関西外国語大学留学生別科日本語教育論集 = Papers in Teaching Japanese as a Foreign Language (ISSN:24324574)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.47-66, 2008

昨年(2007)夏期に関西外国語大学の中級レベル4で使用している教科書の改訂作業を行い、2007年秋学期と2008年春学期の二学期間使用した。本学の日本語プログラムで行われている正規の授業評価にも教材についての質問はあるのだが、さらに詳しく見るために任意のアンケート調査を行い、改訂版の教科書評価の一つとした。このアンケートの結果を見ると、改訂後の教科書はいい評価を得ていると言える。学生からのコメントと実際に使用した教員からのコメントも合わせて、今後の課題を考えてみる。
著者
野村 竜也 古川 浩二郎 福田 倫史 平田 雄一郎 恩塚 龍士 田山 栄基 森田 茂樹
出版者
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
雑誌
日本心臓血管外科学会雑誌 (ISSN:02851474)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.35-38, 2022

<p>急性大動脈解離に対するオープンステントグラフト(以下OSG)を併用した全弓部置換術後の脊髄障害は重篤な術後合併症の1つであり,わが国の多施設研究でその発生率は3.5%と報告されている.脊髄障害の原因には多くの要因があると考えられるが,その1つとして肋間動脈閉塞の関与が考えられる.症例は71歳女性.Stanford A型急性大動脈解離に対し弓部大動脈置換+OSG挿入術を施行した.術後より対麻痺を認め,脳脊髄液ドレナージ等を行ったが,改善を認めなかった.術前の造影CTで確認できた肋間動脈10対のうち7対が偽腔起始であり,術後に6対の肋間動脈が閉塞した.術前の造影CTで肋間動脈の多くが偽腔起始であり,かつリエントリー所見に乏しい症例においてOSGを使用した場合,術後偽腔閉塞に伴い肋間動脈が閉塞し,脊髄虚血のリスクが増大し得ると考えられる.</p>
著者
平田 昌弘
出版者
食品資材研究会
雑誌
New Food Industry (ISSN:05470277)
巻号頁・発行日
vol.53, no.9, pp.71-82, 2011

本稿では,北アジアの乳加工技術と乳製品を,モンゴル遊牧民の事例で紹介してみたい。著者は1999年からモンゴル国を毎年訪れ,モンゴル遊牧民と生活を共に楽しみ,そして,乳加工体系について調査してきた(写真1)。モンゴルは,モンゴルを後にする時,遊牧民の温かさ,笑顔,人情とが心に込み上げ,またモンゴルを訪ねたいときっと思わされる国だ。 モンゴル遊牧民は器具をほとんど使わずに,草原の中で家畜から乳を搾り取る。また,乳加工は,日常の調理用器具を転用しておこなっている。このような搾乳・乳加工に特化した器具をほとんど持たないモンゴル遊牧民は,草原の中でいったいどのように搾乳し,どのような乳加工技術を利用しているのであろうか。興味がわくところである。モンゴル遊牧民の乳加工の特徴は,アジア大陸北方域の人びとに広く採用されている技術を用いている。つまり,クリームをせっせと取り集め,チーズをつくるための凝固剤として酸乳そのものを用い,馬の乳で酒をつくっていることにある(平田,2008;2010)。モンゴルの乳加工体系が地域毎に多様に発達しているのは,これらの諸技術を自由に取捨選択して組み合わせているためで,実はその基本的な乳加工技術は多くの地域で共通している。本稿では,以下にモンゴル国中央部の事例をもとに,モンゴル式の搾乳の技法を先ず紹介してから,乳加工技術と乳製品とを紹介していきたい。
著者
平田 重和
出版者
関西大学
雑誌
關西大學文學論集 (ISSN:04214706)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.1-25, 2007-10
著者
平田 重和
出版者
關西大學文學會
雑誌
關西大學文學論集 (ISSN:04214706)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.1-25, 2007-10-20
著者
平田 昌弘
出版者
食品資材研究会
雑誌
New Food Industry (ISSN:05470277)
巻号頁・発行日
vol.53, no.6, pp.73-81, 2011

インドには,ユーラシア大陸においてインドのみにしか観られない乳加工技術がある。ライム汁(植物有機酸)を凝固剤にしてチーズを加工したり,加熱濃縮系列群の乳加工を採用したりと,大変珍しい技術が存在している。また,乳製品の菓子である乳菓にも種類が多い。鴇田の報告(1992)からも分かるように,類似した乳加工技術や乳製品がインドでは多種多様に発達している(図1)。新しい乳菓を開発しようとしている菓子職人,和食と乳製品との融合を図ろうとしている開発者には,ぜひインドを訪問されてみられるとよい。斬新なアイデアが得られることであろう。 本稿と次号Vol.53 No.7ではインドの都市と農村での事例を中心にして,乳製品の種類とその加工法,そして,利用のされ方について紹介する。インド乳製品の多様性の整理を試みるために,本稿では類型分類法として,乳のみを素材とした乳製品と添加物を付加した菓子的な乳製品とを区別するために,乳のみを原材料として加工した乳製品を「乳のみの乳製品」,乳を主な材料にし,砂糖やナッツ類などを添加して加工した菓子様乳製品を「乳菓」として区別する。「乳のみの乳製品」には,酸乳,バター,チーズ,バターオイル,バターミルク,クリームなどを含み,その製造工程は乳のみを原料とした加工技術により構成される。一方,「乳菓」を加工する工程は,「乳のみの乳製品」に添加物を付加し,乳製品を様々な菓子に加工する乳加工技術となる。本稿では,インドの複雑な乳製品の土台となる「乳のみの乳製品」について先ずは報告する。
著者
平田 文雄
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.178-185, 1983-02-01 (Released:2009-11-13)
参考文献数
18

The current status of prostaglandin research is reviewed mainly on the primary prostaglandins, widely distributed in the living body, and on prostaglandin analogues having more stable structure and higher selective biological activities, which were developed by reference to the structures and activities of the primary PGs. Especially, recent aspect on their clinical application and development is explained. Moreover, the new field is viewed mainly on the future commercialization of PGI2 and TXA2 synthesis inhibitor, which will be applied mainly on circulatory system, from Yin-Yang theory. Further, recent rapid progress in leukotriene research on lipoxygenase system in arachidonic acid cascade will also been mentioned.
著者
平田 博紀
出版者
日本ベンチャー学会
雑誌
日本ベンチャー学会誌 (ISSN:18834949)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.45-58, 2020-09-15 (Released:2022-01-12)

スタートアップのエクイティファイナンスにおける起業家と投資家の最大の関心事は、資金調達(出資)後の株式持分にある。それぞれの株式持分は、起業家と投資家間の交渉により決定するPre-Money Valuationに影響を受ける。本稿では、多くの国内の起業家にとって大きなハードルとなっている最初のエクイティファイナンスを舞台に、どのような起業家、投資家がPre-Money Valuationの決定において交渉力を有するのかを検証している。分析の結果、投資家に対して強い交渉力を有する起業家には斯業経験があることが明らかとなった。また、起業家に対して交渉力を有する投資家として、国内の民間の独立系VCや事業会社、エンジェル投資家といった存在が確認された。
著者
福留 千弥 竹内 大樹 青山 倫久 太田 夏未 中村 崇 平田 正純 綿貫 誠
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2015, 2016

【はじめに,目的】近年,超音波画像診断装置(以下,US)を用いた研究報告が盛んに行われている。理学療法の実施場面でもUSによる動態評価が用いられてきている。USによる動態評価は徒手評価では得られない体内の深層筋の動態評価も可能である。特に,体幹筋の筋機能は針筋電図よりも低侵襲で簡易的に評価の実施が可能であり,USによる臨床研究が進んでいる。しかし,USによる体幹筋の動態評価を行い,検者間信頼性を検討した研究報告は少ない。そこで,本研究はUSを用いて異なる運動課題を行い,内腹斜筋(以下,IO)と外腹斜筋(以下,EO)の動態評価における検者間信頼性を検討することを目的とした。【方法】健常成人男性4名(平均年齢:25.0歳 身長:171.5cm体重:60.5kg)を対象とした。運動課題は自動下肢伸展挙上(以下,Active SLR)と片脚ブリッジを行い,左右のIOとEOの最大筋厚を測定した。また,安静時も同様に最大筋厚の測定を行った。安静時の測定は呼吸による影響を除くため呼期終末時に測定した。最大筋厚の測定はUS(HITACHI社製 Noblus)を用い,プローブは7.5MHzのリニアプローブを使用した。測定モードはBモードとし,撮像位置は被験者の臍高位で,腹直筋鞘,IOおよびEOが描出できる位置とした。プローブは体幹に対して短軸像となるように検者が手で把持して固定した。超音波画像の撮像は3名(理学療法士2名,日体協公認アスレチックトレーナー1名)が行い,最大筋厚の計測はそのうち1名が行った。統計解析にはSPSS Ver.20を使用し,検者間信頼性には級内相関係数:ICC(2.1)を用いた。【結果】ICCは安静時においては0.44~0.73であり,中程度~良好な信頼性を得た。Active SLRにおけるICCは0.45~0.70であり,中程度~良好な信頼性を得た。片脚ブリッジのICCは0.41~0.62であり,中程度の信頼性を得た。【結論】検者間信頼性は安静時およびActive SLRは良好な信頼性を示した。一方,片脚ブリッジにおいては安静時およびActive SLRと比較し,信頼性が劣る結果となった。Active SLRよりも片脚ブリッジはIOまたはEOがより大きな筋収縮を必要とするため,測定誤差が大きくなり,信頼性に影響を与えたと考える。先行研究において,検者間信頼性が良好とする報告はプローブを固定する専用器具を製作し,プローブが一定の位置に保たれるように配慮している。しかし,臨床場面においてUSを用いて動態評価を行う際は今回の研究と同様に手で把持して固定することが多い。そのため,筋収縮の大きい運動課題の動態を臨床場面でUSを用いて異なる検者が動態評価をする際は,プローブを固定する必要があると考える。さらに,検者の撮像技術の習熟度に差があった可能性も考えられるため,検者の撮像技術についても検討が必要である。しかし,Active SLRのような筋活動の少ない運動課題では良好な信頼性を得たため,今後臨床場面で体幹筋の動態評価を行う際にUSを十分活用することが出来ると考える。
著者
藤原 寛 栗原 直嗣 太田 勝康 平田 一人 松下 晴彦 金澤 博 武田 忠直
出版者
社団法人 日本呼吸器学会
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.469-475, 1994

症例は48歳女性で福岡出身. 咳嗽および微熱を主訴として当科に来院し, 胸部レントゲンにて多発性の辺縁不明瞭な結節影が認められ, 血液検査では成人T細胞白血病ウイルス関連抗体が×1,024と高値を示した. 気管支鏡検査にて確定診断がつかず, 開胸肺生検が行われた. 組織は異型性のないリンパ球, 形質細胞, 組織球を中心としたリンパ系細胞が浸潤した肉芽組織で, 壊死を伴わず, 結節病変の内部および周辺の血管はこれらの細胞が浸潤している所見が認められた. 以上の所見より Jaffe の提唱する angiocentric immunoproliferative lesions (grade I) と診断し, プレドニゾロン, サイクロフォスファミドの併用療法を行い寛解が得られた. 本疾患はリンパ腫様肉芽腫症を悪性度により3つに分類したもので, 近年, EBウイルスとの関係が注目されている. 本例ではATLウイルスが発症に関係した可能性があると考えられた.
著者
平田 英夫
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.61, no.7, pp.11-21, 2012

<p>勅撰和歌集の「序文」は「和歌」をどのように記述したのであろか。本論では、序にて示される和歌にまつわる情報のなかでも、その始まりや起源をどのように記述しているのかについて注目し、検討していく。特に古今集仮名序における「この歌、天地の開けはじまりける時よりいできにけり」という天地開闢時に和歌が出現したとする啓示のような文言に、中世勅撰集の序文がどのように向き合っていくのかについて考察した。</p>
著者
佐藤 雅幸 平田 大輔 野呂 進 鈴木 啓三
出版者
専修大学社会体育研究所
雑誌
専修大学社会体育研究所報 (ISSN:02884135)
巻号頁・発行日
no.55, pp.29-36, 2007

The purpose of the present study was to investigate the effects of athletic experience on concentration. The Test of Attentional and Interpersonal style (TAIS) was administered to twenty female university students without daily athletic experience and forty female university athletes involved in interpersonal ball sport such as tennis. Results indicated that university athletes scored significantly higher on BET and BIT in attentional-style subscale, INFP in control subscale, and CON, SES, P/O, EXE, PAE in interpersonal subscale, in comparison to university students. It was, thus, concluded that university athletes seemed to have haigher ability to accurately select and process many external stimuli than university students. In addition, it was also revealed that university athletes tended to be more extroverted and have higher self values in the interpersonal relationship compared to university students.
著者
清藤 麻子 菅原 浩二 青柳 圭祐 大北 大 大林 雄次 神成 まき 平田 祐介 安田 浩哉
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.46, pp.9-10, 1993-03-01

rj4O6は32ビットのload/storeアーキテクチャのRISCであり、5ステージのパイプラインにより基本的に1命令1サイクルの処理速度を実現することが可能である。[table]算術論理演算命令は加・減演算、論理演算及び算術・論理シフト演算がレジスタ間と16ビットイミディェイト値で実行できる。オーバーフローのチェックは行っていない。乗・除演算、浮動小数点演算は演算実行に複数サイクルを必要とするため外部コプロセッサで処理を行わせることにし、内部では処理を行わない。そのためにコプロセッサに対する命令が用意されている。ロード・ストア命令はデータサイズとしてワード(32ビット)とバイト(8ビット)の2種がある。ロード・ストア命令はバスを占有するため後の命令のフェッチが行えない。このため最低1クロックのストールをする。また、ロード命令はデイレイドロード(delayed load)であり直後の1命令はこのロード命令で読み出された値を使用することが出来ない。ブランチ命令とジャンプ命令は遅延方式(delayed branch)であり直後の1命令は分岐するしないに関わらず実行される。遅延方式にすることで1命令1サイクル実行が可能となるがこのためにPCブロックの回路が複雑になっている。ブランチ命令はレジスタの内容の零非零.正負の条件判定を行う。rj4O6ではLHI(load high immediate)命令とオーバーフロー検出をする演出命令は実装されていない。
著者
山下 直美 葛岡 英明 平田 圭二 工藤 喬
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.7, pp.1706-1715, 2014-07-15

本論文の目的はうつ病患者の家族看護者が直面する困難を明らかにし,家族看護者が生活の質を維持するために必要なICT支援について提案を行うことである.そのため我々は,家族のうつ病患者を看護した経験がある成人15名に対面インタビューを行い,分析を行った.その結果,家族看護者が抱える矛盾や葛藤,家族看護者が自身のストレス軽減のために取っている方策,そして情報技術が彼らの日常生活に果たしている機能が明らかになった.この調査結果に基づき,うつ病患者の家族看護者に対するICT支援方法を検討した.
著者
平田 オリザ
出版者
岩波書店
雑誌
世界 (ISSN:05824532)
巻号頁・発行日
no.940, pp.103-105, 2021-01
著者
田中 莉沙子 重國 聖羅 松田 清香 小林 千尋 森 晃 平田 孝道
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.380, 2017

<p>近年注目を集めているプラズマ医療は、多くがメカニズム不明のまま臨床応用されているのが現状である。そこで、本研究ではプラズマの創傷治癒促進作用に着目し、プラズマ照射による火傷部位の治癒メカニズム解明を目指す。先行研究では、大気圧プラズマは活性酸素種(ROS)を生成することや、軽度の酸化ストレスは細胞の増殖を促進することが報告されており、プラズマ照射が火傷の治癒を促すメカニズムには、酸化ストレスが大きく関与している可能性が示唆される。これらのことを踏まえ、本研究ではまず、ラットの背面に人為的に作製した火傷部位において、酸化ストレスマーカーであるスーパーオキシドディスムターゼ(SOD)活性を測定した。これにより、化学的に不安定で反応性が高いため生体内での測定が極めて困難であるROSを、半定量的に測定することが出来る。今回は、プラズマ照射時と未照射時それぞれについてSOD活性の違いを比較、検討した結果を中心に報告する。</p>