著者
村田 晃 平田 祥子 松岡 昌義 日比 善朗 柏原 俊夫 北森 信之 玉井 浩 美濃 真
出版者
公益社団法人 日本ビタミン学会
雑誌
ビタミン (ISSN:0006386X)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5-6, pp.285-294, 1990-06-25 (Released:2018-03-17)

Two multipore-type sustained-release preparations (VC-SR-A and VC-SR-B) containing 500 mg of vitamin C were prepared, which were coated with mixtures of water-soluble polyethylene glycol and insoluble ethylcellulose. The preparations differed in the dissolution profile of vitamin C; the in vitro release rates being 7.3 %/h for VC-SR-A and 14.2 %/h for VC-SR-B. The bioavailability of vitamin C after the administration of a single dose was examined in six subjests (25-32 years) who had been saturated with vitamin C, and compared with an osmorelease-type sustained-release preparation (AcuSystem C) and a conventional immediate-release preparation (VC-IR) in a crossover trial. The mean T_<max> was 3 h for VC-IR, 6 h for VC-SR-B, 7 h for VC-SR-A and 8.5 h for AcuSystem C. Mean C_<max> (mg/100ml) were 0.28 for VC-SR-A, 0.40 for AcuSystem C, 0.48 for VC-SR-B and 0.74 for VC-IR. The mean AUC (mg.h/100 ml, 0-24 h) was 3.43 for VC-SR-A, 5.73 for AcuSystem C, 6.68 for VC-SR-B and 6.80 for VC-IR. The mean percentages of the dose excreted in the 24-h urine were 7.7 for VC-SR-A, 17.6 for AcuSystem, 23.4 for VC-SR-B and 39.1 for VC-IR. The results indicate that for VC-SR-B the rate of bioavailability is slower but prolonged and thus the extent of bioavailability is almost equal to that of VC-IR. Also, concerning retention of vitamin C in the body, VC-SR-B seems to be preferable to VC-IR.
著者
平田 輝満 永沼 宏太 渡邊 大樹
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.22-00062, 2023 (Released:2023-01-23)
参考文献数
7

2019年の台風19号は首都圏においても過去最大級の強風が予報されていたことから,羽田空港や成田空港から全国の空港へ大規模な避難が実施され,その避難場所確保のための調整に一部困難が生じた.保有航空機材の増加と自然災害の激甚化・頻発化を想定すると,従来の航空機避難スキームでは適時の対応が困難で,新たな事前の避難調整スキーム検討と訓練の必要性が高まっていると考えられる.本研究では,2019年の台風19号の際の実際の航空機避難の状況について,ウェブ公開データおよび航空局等へのヒアリング調査から実態の分析を行い,航空機避難や臨時駐機に関わる制約や課題について明らかにした.それらを踏まえ,空港の臨時駐機方法を危機管理レベル別に検討し,複数の自然災害シナリオを対象に避難航空機需要と受け入れ容量についてシミュレーション分析を行い,我が国における大規模自然災害時の航空機避難の実行可能性と課題について考察を行った.
著者
平田 康 木野 孔司 長岡 俊哉 宮本 亮三 吉増 秀實 天笠 光雄
出版者
口腔病学会
雑誌
口腔病学会雑誌 (ISSN:03009149)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.249-253, 2001-09-30 (Released:2010-10-08)
参考文献数
10
被引用文献数
19 20

Oro-maxillary sinus perforation occurs occasionally at the extraction of a maxillary tooth, and it may be a cause of maxillary sinusitis or antro-oral fistula. Our purpose was to investigate the most frequent site of perforation, and to understand the clinical course of patients after perforation.We examined 2, 038 maxillary teeth extracted from 1, 337 patients (473 males and 864 females) at the First Department of Oral and Maxillofacial Surgery, Tokyo Medical and Dental University, from January 1991 to December 1993.Perforation occurred in 77 of all 2, 038 teeth (3.8%) . Of these, 38 teeth were from males (38/733 ; 5.2%), and 39 were from females (39/1, 305 ; 3.0%) . The perforation rate was significantly higher in males.Perforation occurred most often with extraction of an upper first molar, and in the third decade of life. The perforation rate gradually decreased with higher age.We classified 38 cases into 3 categories according to panorama X-P : 1) The tip of the root crossed over the bottom line of the maxillary sinus (29 cases), 2) Not crossed over distinctly (4 cases), 3) Just lie on, or whether the tip of the root crossed over the bottom line of the maxillary sinus was not distinct (5 cases) .As to treatment, 30 perforations (39.0%) closed spontaneously in the course of observation, irrigation with physiological saline was used in 43 cases (55.8%), radical sinusotomy accompanied by closure of the perforation was performed in 4 cases, and only flap closure was used in 7 cases. There were no cases of relapse.
著者
平田 裕
出版者
関西外国語大学留学生別科
雑誌
関西外国語大学留学生別科日本語教育論集 = Papers in Teaching Japanese as a Foreign Language (ISSN:24324574)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.1-28, 2007

本年夏期に関西外国語大学の中級レベル4(で使用している教科書の改訂作業を行った。これを機に、教科書作成の様々なプロセスについて考察を試みた。トピックは、ノウハウの蓄積について、役割分担とプロジェクト管理、学習プロセスにおける教科書の役割、音声教材、中級学習者の課題、教科書のまとめ方について、などである。実際に教科書を作成する機会は多くないかもしれないが、作成ノウハウを考えていくことは、様々な教科書を評価する際に有用な視点になったり、自分のクラス運営をどうするか考える際に役立つこともあるのではないだろうか。
著者
相原 隆貴 小林 慧人 髙野(竹中) 宏平 平田 晶子 尾関 雅章 松井 哲哉
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.104, no.5, pp.286-294, 2022-10-01 (Released:2022-11-29)
参考文献数
85

近年,周辺の土地への竹林の拡大が日本各地で問題となっている。竹林の適切な管理計画立案のためには,その成立を規定する地形条件の解明が必要である。先行研究において,比較的限定された地域における地形条件の解明がなされてきた一方で,広域で竹林の成立可能な気候条件(潜在生育域)下を対象とし,地形条件を解明した事例はない。本研究は長野県を対象とし,竹林の位置情報を航空写真および現地踏査によって把握し,潜在生育域と竹林の成立する土地の地形条件を県全域で比較した。その結果,竹林の潜在生育域は斜面傾斜度0°付近と30°付近に二つのピークを持ち,全方位に一様に分布するのに対し,竹林(10,523カ所,総面積1,449.0 ha)は斜面傾斜度5~20°の緩傾斜地に55.7%が,南東,南,南西向き斜面に53.5%が成立していた。この竹林の地形条件の傾向は,県内5地域(北信地域,中信地域,東信地域,南信地域,木曽地域)いずれにおいても共通であった。これらの結果から長野県内の竹林は,南向きの緩斜面の条件に多く生育しているという傾向が明らかとなり,土地利用や竹林経営の観点から現在の地形条件に植栽され残存してきたと推察された。
著者
中川 昌一 ブコバック M. J. 平田 尚美 黒岡 浩
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.9-19, 1968 (Released:2007-07-05)
参考文献数
16
被引用文献数
8 11

1. リンゴ Wealthy および日本ナシ新世紀の有種子果, ならびにGA7およびGA4処理による単為結実果について, その形態学的差異を調査した。ジベレリン処理果は有種子果にくらべて縦径は大きくなるが, 横径は変わりがないかあるいは小さかつた。有種子果における皮層組織の厚さは, 果実の基部が頂部および中央部より大きかつたが, ジベレリンによる単為結実果では逆に頂部が中央部および基部より大であつた。有種子果の基部における皮層の増加は, その組織の細胞数と関係があつた。リンゴの単為結実果の頂部組織には, 中央部および基部組織より細胞数が多く, また, 細胞も大きかつたが, 日本ナシの単為結実果では頂部組織により大きな細胞がみられた。有種子果とジベレリン処理による単為結実果の皮層組織における細胞分裂は, リンゴ果実では開花後3週から4週の間に, 日本ナシ果実では開花後4週から5週の間に停止した。2. リンゴと日本ナシの有種子果および単為結実果へ開花後2週間めに果実の側面にジベレリンを処理すると変形果を生じた。このリンゴおよび日本ナシの変形果では, ジベレリンを処理しない側の組織にくらべて処理した側の組織で細胞数は増加し, 細胞も大であつた。この傾向は, 有種子果より単為結実果において顕著であつた。日本ナシにおいては, 開花後4, 6および8週間めにGA7を処理したが, いずれの場合も処理しない側にくらべて細胞数も細胞の大きさも増加し, その結果, 皮層組織の厚さは著しく増大した。日本ナシにGA3を処理した場合は, 処理時期のいかんにかかわらず変形果を誘起することはできなかつた。
著者
平田 伊吹 樋口 三郎
雑誌
研究報告教育学習支援情報システム(CLE) (ISSN:21888620)
巻号頁・発行日
vol.2022-CLE-38, no.13, pp.1-5, 2022-10-28

大規模な対面授業や,オンライン授業で,参加者のペアを作成してペアワークを行うには,それを支援するシステムが必要である.学習者共通の基盤システムがない場合を想定し,一般に普及率の高い SNS である LINE を基盤としてペアワークを運営するチャットボットシステムを開発した.学習者・教授者は LINE アプリと自身の個人用 LINE アカウントのみを使用する.チャットボットは LINE Messaging API と専用 LINE 公式アカウントを介して学習者・教授者と対話し,ペアワークの問の設定,事前回答,ペアの作成,ペアの会話,ペアの回答の全体での共有という一連の運営を行う.
著者
李 秀澈 何 彦旻 昔 宣希 諸富 徹 平田 仁子 Unnada Chewpreecha
出版者
環境経済・政策学会
雑誌
環境経済・政策研究 (ISSN:18823742)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.1-12, 2021-09-26 (Released:2021-11-02)
参考文献数
22

本稿では,「発電部門の石炭火力・原発の早期フェーズアウトは,日本経済と電源構成,そして二酸化炭素排出にどのような影響を与えるのか」という「問い」に対して,E3MEモデルを用いて定量的な回答を求めた.フェーズアウトシナリオとして,原発の場合,稼働年数40年に到達した古い原発からフェーズアウトし,石炭火力は発電効率の低い順から2030年または2040年までにフェーズアウトする2つのシナリオを設定した.そしてこのフェーズアウトシナリオが実現されたときに,2050年までの日本経済(GDP,雇用など),電源構成,発電部門二酸化炭素排出に与える影響について,E3MEモデルを用いて推定を行った.分析の結果,いずれのシナリオでも経済と雇用に悪い影響は殆ど与えないことが確認された.その要因として,再生可能エネルギー発電のコストが持続的に下落し,それが既存の石炭火力と原発を代替しても,経済への負担にはならないという事情が挙げられる.ただし,原発と石炭火力の代替電源としてLNG発電の割合が再生可能エネルギー発電の割合を大きく上回ることになり,発電部門における2050年の二酸化炭素排出量は,50%ほどの削減(2017年対比)に留まることも明らかになった.そこで本稿では,発電部門の脱炭素化のためには,規制的手法だけでなく,カーボンプライシングなど経済的措置の導入も必要であることが示唆された.
著者
深海 雄介 木村 純一 入澤 啓太 横山 哲也 平田 岳史
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2010年度日本地球化学会第57回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.272, 2010 (Released:2010-08-30)

IIIAB鉄隕石と石鉄隕石のパラサイトメイングループ(PMG)は化学組成や酸素同位体組成により、その起源について強く関連があると考えられている。本研究ではこれら隕石の金属部分のタングステン安定同位体組成をレニウム添加による外部補正法を用いて多重検出器型誘導結合プラズマ質量分析計により測定した。また、W濃度の測定を同位体希釈法により行った。IIIAB鉄隕石のW安定同位体比には質量に依存する同位体分別による変動幅が存在し、また、W安定同位体比とW濃度の間には強い相関が見られた。これらは母天体上での金属核固化過程に伴う同位体分別である可能性が示された。PMGの金属相のW安定同位体組成からはPMGの起源がIIIAB鉄隕石の母天体と関連があることが示唆される。
著者
湯浅 麻美 西尾 進 平田 有紀奈 大櫛 祐一郎 荒瀬 美晴 楠瀬 賢也 山田 博胤 佐田 政隆
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.71, no.3, pp.404-411, 2022-07-25 (Released:2022-07-25)
参考文献数
17

目的:潰瘍形成を伴うプラークは,要注意プラークとして脳梗塞発症のリスクを有するとされている。また,頸動脈エコー検査時に偶然発見される無症候性の潰瘍形成を伴うプラークは少なくない。本研究の目的は,頸動脈エコー検査において無症候で発見された潰瘍形成を伴うプラークが,同様のリスクを有する潰瘍形成のないプラークと比べ,経過観察中に脳梗塞を疑うような神経学的症状(以下,神経学的症状)出現が多いか否かを検討することである。方法:2014年1月から2018年12月までの間に,初回超音波検査で潰瘍形成を認めた87例を潰瘍形成群,初回検査で潰瘍形成を伴うプラークを指摘されなかった1,526例から,propensity scoreを用いてリスクファクターをマッチさせた87例を抽出し非潰瘍形成群とした。両群の神経学的症状出現の有無について後ろ向きに調査し,比較検討した。成績:検査後の経過観察中に神経学的症状の出現を認めたのは,潰瘍形成群87例中2例(ともに一過性脳虚血発作)であり,非潰瘍形成群では神経学的症状の出現を認めなかった。2群間の神経学的症状出現の有無について統計学的有意差を認めなかった。結論:無症候で発見された潰瘍形成を伴うプラークは,経過観察中の神経学的症状出現と有意な関連を認めなかった。