著者
平野 智紀 原田 悠輔 加藤 紗夕理 畑中 一良
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.Suppl., pp.113-116, 2018-03-01 (Released:2018-03-01)
参考文献数
9

本研究では,全国学力・学習状況調査の結果を各学校が自校の教育指導・学習状況改善に活用することを促すワークショップを開発した.ジグソー法により自校の調査分析を分担して受け持つことで,自校の課題に焦点化された議論を可能にしたほか,反転学習により分析作業の一部を外に出し,多忙な学校現場においても実施可能なプログラムとした.ワークシートからは,自校の教育指導・学習状況改善のための現状認識を教員間で共有する効果があること,アンケートからは,反応レベル・学習レベル・行動変容レベルにおける一定の成果が示された.
著者
湯淺 朋久 阿部 豊 平野 覚
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.856, pp.17-00309-17-00309, 2017 (Released:2017-12-25)
参考文献数
17
被引用文献数
2

Toward the improvement of performance of the electric vehicle (EV), the design of the motor shape appropriate to heat removal is important. A typical EV motor is composed of a pair of coaxial cylinders with a fixed outer cylinder (stator) and a rotating inner cylinder (rotor). Some EV motors have axial slits on the stator wall. The present study numerically clarifies the physical mechanism of difference of Nusselt number between the case with slit and without slit. The heat transfer of the gap between the rotor and stator was obtained by the numerical calculation. A vortex structure observed by flow visualization experiment was reproduced in the numerical simulation, and velocity profiles showed good agreement with experimental data. The heat transfer rate for the case with slit in the high rotational speed was increased compared with that for the case without slit. Nusselt number was decomposed into the three terms which were the advection, turbulent transport and diffusion terms; the advection term of heat flux for the case with slit was increased compared with that for the case without slit because of the vortex structure. The Nusselt number on the slit surface was increased compared with that on the gap surface for the case with slit. It was implied that the difference of Nusselt number between the case with slit and without slit was caused by the presence of the vortex structure in the slit and the increase of heat flux for the case with slit.
著者
池田 大助 福田 護 高島 博 布施 春樹 平野 章治 増田 信二
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.94, no.1, pp.29-32, 2003-01-20
被引用文献数
1

病理組織所見が腎結核に極めて似ているが,実際は結核感染症ではない「偽結核性腎盂腎炎」症例を報告する.症例は56歳女性で,主訴は左側腹部痛であった.左さんご状結石に腎膿瘍が形成され,それが後腹膜腔に進展したものと診断された.術前の尿培養では,抗酸菌を含むいかなる細菌も検出されなかった.左腎摘除術が施行された.摘出腎には,乾酪性壊死や類上皮細胞からなる結核結節が認められ,腎結核を示唆する所見であったが,腎病巣および術野で得られた膿を検体とした諸検査では,抗酸菌の存在を証明できなかった.以上の所見より,本症例は偽結核性腎盂腎炎に腎膿瘍が合併したものと診断された.近年本疾患についての報告が散見されるが,十分に認知されているとは言い難い.不必要な抗結核療法を回避するためにも,本疾患についての十分な認識が必要である.
著者
佐々木 葉 羽藤 英二 岡田 智秀 佐々木 邦明 平野 勝也 山田 圭二郎 星野 裕司 山口 敬太 出村 嘉史
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究では 景観計画およびまちづくりの理念を構築するための理論的研究として、①固定的視点からの景観把握モデルに代わる広域を捉える地域景観把握モデルの可能性を示し、②欧州風景条約から本研究の理念の位置づけを確認した。理念を実現する方法論として、③シーン景観、④移動景観、⑤生活景それぞれの視点で地域景観を記述する手法を考究した。理念実現化の運用方策として、⑥地域景観の保全から捉えた地域ガバナンス、⑦地域景観を活用した地域連携方策、⑧地域景観の価値の継承方策を調査した。以上を含めた本研究の成果は2014年1月23日に土木学会ワンデイセミナー「地域景観まちづくりの理論と実践を探る」において公表された。
著者
島田 英昭 平野 友朗
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.40, no.Suppl., pp.5-8, 2017-01-15 (Released:2017-03-06)
参考文献数
4

メールを効果的に書くことは,学業やビジネスの効率化に役立つ.メールでは主にテキスト形式が用いられるため,レイアウトの操作に限界がある.本研究は,テキストメールの中で操作可能な行間と箇条書きに着目し,行間と箇条書きがメールの読解プロセスに与える影響を視線計測により心理実験的に調べた.大学生を対象に,案内,依頼,報告,催促に関するメールを読解することを求め,読解中の視線を計測した.その結果,行間と箇条書きが序盤の読解の安定と,終盤の見直しの促進に寄与していることが示唆された.
著者
藤本 哲也 井上 博 平野 俊一朗 内橋 賢二 西川 泰央
出版者
大阪歯科学会
雑誌
歯科医学 (ISSN:00306150)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.62-69, 2016

<p>ビスフェノールA(Bisphenol A;以後,BPA と略す.)は,歯科材料をはじめポリカーボネイトの原料として広く用いられている.BPA は環境ホルモンの1 つであり,エストロゲン様作用および抗アンドロゲン様作用を有する.前回我々はBPA の周産期曝露による性的二型行動への影響を報告したが,今回はBPA の情動行動への影響に着目した. 極微量BPA を妊娠期の母ラットに経口投与し,生まれた仔ラットの成長後に,うつ情動の評価法である強制水泳試験を実施,さらに環境ストレスに対する脆弱性を調べる目的で独自の評価法を考案し,捕食者であるキツネのニオイに対する回避行動を調べた. 強制水泳試験において,BPA 曝露によりimmobility 時間が有意に延長し,swimming 時間は減少した.また回避行動では,BPA 曝露群のみがキツネのニオイに対して有意に回避した.BPA 曝露ラットのうつ様行動亢進は,その背景としてキツネのニオイのような環境ストレスに高感受性状態に起因することが示唆された.</p>
著者
中川 優樹 石田 貴正 平野 晃昭 中村 納
出版者
工学院大学
雑誌
工学院大学研究報告 (ISSN:03685098)
巻号頁・発行日
no.111, pp.85-90, 2011-10

This paper considers a highly accurate extracting method for facial area and facial parts from a natural background based on moving and color information. To obtain facial parts, Q-element in the YIQ color model and Quesi-chrome (Qc) in the modefied HSV color model are mainly used. In our previous method, more than 90% of extracting accracy of facial areas was obtained. However, there still remain problems to be solved such as extraction accuracy and the evaluation of the facial area extracted. In this system a robust extraction system is proposed. From the computer simulation using 14,179 images, 97.10% for facial area and using 3,562 images, 92.70% for the mouth and 89.80% for the eyes are correctly extracted, respectively.
著者
平野 光俊
出版者
神戸大学
雑誌
國民經濟雜誌 (ISSN:03873129)
巻号頁・発行日
vol.208, no.1, pp.21-36, 2013-07
著者
枝広 あや子 渡邊 裕 平野 浩彦 古屋 純一 中島 純子 田村 文誉 北川 昇 堀 一浩 原 哲也 吉川 峰加 西 恭宏 永尾 寛 服部 佳功 市川 哲雄 櫻井 薫
出版者
一般社団法人 日本老年歯科医学会
雑誌
老年歯科医学 (ISSN:09143866)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.3-11, 2015-07-10 (Released:2016-12-02)
参考文献数
33

本文は,増加する認知症患者の背景と現状を鑑み,認知症患者に対する歯科口腔保健・歯科医療のあり方に関して整理を行い,現時点での日本老年歯科医学会の立場を表すものである。 日本老年歯科医学会は,高齢化が進むわが国で,高齢者歯科医療のあり方について積極的に取り組んできた。しかし,認知症患者に対する歯科口腔保健・歯科医療に対する取り組みは十分とはいえない。 近年,地域包括ケアがわが国の施策の中で重要なミッションの一つになっており,その中で“QOLの維持・向上”に対して歯科が大きな役割を果たす必要がある。そのためには,原因疾患や神経心理学的症状を理解し,病態の進行を的確に予測した継続的な支援計画と歯科治療計画を検討し,柔軟な対応を行うことが必要である。 本文で指摘した認知症発症と口腔との関係,認知症初期段階での早期発見への関わりの整備,歯科医療の意思決定プロセスの整備,歯科治療・口腔機能の管理などの指針の作成を科学的根拠のもとに進め,他の医療,介護・福祉関係者だけでなく,国民に十分な理解を得て,認知症患者の歯科的対応と歯科治療を充実させ,認知症患者のQOLの維持と尊厳保持を進めていくことが日本老年歯科医学会の使命と考える。そのために,日本老年歯科医学会は,日本老年学会,歯科関連学会と協働し,学際的および多職種と連携して認知症の諸問題の解決に取り組み,正しく必要な情報を社会に発信していく決意をここに示す。
著者
平野 敏明
出版者
Japan Bird Research Association
雑誌
Bird Research (ISSN:18801587)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.A1-A11, 2013

ヒバリ <i>Alauda arvensis</i> の個体数におよぼすヨシ焼きの影響を明らかにするために,栃木県南部の渡良瀬遊水地で繁殖期にヒバリの個体数調査を行なった.渡良瀬遊水地は,面積3,300 haの大部分がヨシを主とする高茎植物で覆われている.ここでは,毎年3月中旬に全域でヨシ焼きが実施されているが,2011年にはヨシ焼が行なわれなかった.そこで,ヨシ焼き前後およびヨシ焼きのあった2004, 2005年となかった2011年との比較を行なうことで,ヒバリの個体数におよぼすヨシ焼きの影響を検討した.2004年4月中旬から7月下旬にかけて1週間ごとにヒバリの個体数と草丈を記録したところ,ヨシやオギの高茎植物はヨシ焼き後に徐々に成長し,ヨシ焼き後100日あたりでは草丈が約2.1mに達した.一方,ヒバリの個体数は,草丈が約60cmに成長するヨシ焼き後40日でピークとなり,その後急速に減少し,ヒバリの個体数と高茎植物の草丈とのあいだには,有意な負の相関が得られた.また,草丈の高い2か所の調査地では,ヒバリの個体数はヨシ焼きを実施した年のほうがヨシ焼きを中止した年より有意に多かった.さらに,ヨシ焼きを実施した年におけるヨシ焼き前後の調査では,草丈の低い調査地ではヒバリの個体数に差がなかったが,草丈の高い調査地2か所のうち1か所ではヨシ焼き後のほうが有意に多かった.これらのことから,渡良瀬遊水地では,ヒバリはヨシ焼きによって古いヨシやオギが焼失することで広大な繁殖環境を得ていることが示唆された.もし,2011年の繁殖期のようにヨシ焼きが中止されると,ヒバリは道脇や堤防,ヨシ刈り地など極めて限られた場所で繁殖しなければならなくなると考えられた.
著者
岩田 尊夫 平井 明夫 稲場 土誌典 平野 真史
出版者
The Japanese Association for Petroleum Technology
雑誌
石油技術協会誌 (ISSN:03709868)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.62-71, 2002-01
参考文献数
26
被引用文献数
8 22

The Offshore Joban Basin, which constitutes the southern-most part of the forearc basins located along the Pacific coast of the northeast Japan, extends about 170 km in NNE-SSW direction with 50 km width. The Upper Cretaceous and younger sediments distribute widely with maximum thickness of more than 5,000 meters. The Iwaki-oki gas field located in the Offshore Joban Basin, which is the only commercial offshore gas field in the Pacific Ocean off northeast Japan, has been producing gas since 1984. The Paleogene and Maastrichtian coals and coaly mudstones, deposited in a confined basin along continental margin, are the most likely source rocks of the gas. The basin modeling simulation in the basin depo-center west of the gas field estimates present vitrinite reflectance (Ro) values at the source rock horizon to be in the range from 1.0 to 1.3%. The simulation also indicates that maturation of the source rocks were accelerated by rapid subsidence since Miocene, and that peak gas generation and expulsion occurred during middle Pliocene. Therefore, the basin depo-center is considered as the kitchen area. Main reservoirs are the shallow marine sandstones intercalated in the Lower Miocene and the basal part of the Oligocene. The former is the producing reservoir of the Iwaki-oki gas field. Both sandstones are sealed by the extensive and thick mudstones. Primary hydrocarbon traps are NNE-SSW trending anticlines, which were formed before Middle Miocene. These anticlines are cut by NNE-SSW trending faults at their flanks. As the reservoir sandstones are about 2,000 meters vertically apart from the source rocks in the kitchen area, it is considered that expelled hydrocarbon migrated vertically through faults. Although forearc basins are not generally considered to be prospective for hydrocarbon exploration, there could be relatively good hydrocarbon system existing as shown above in the Offshore Joban Basin.

2 0 0 0 OA 若き日

著者
平野万里 著
出版者
左久良書房
巻号頁・発行日
1907
著者
榊 純一 坂本 静生 矢野 博司 神田 宰 塩原 守人 助川 寛 磯部 義明 春山 智 村田 伸一 吉澤 正浩 平野 誠治 室田 秀樹 瀬戸 哲司 松中 耕二 山越 学 西尾 太 林 義昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.374, pp.51-56, 2005-10-20
被引用文献数
2

まもなく旅券(パスポート)にコンタクトレスICが搭載されようとしている.またこのICチップ上には, 本人認証を行うためのバイオメトリクスデータ, 顔画像が記録されることとなっている.本稿では, このIC旅券導入にあたっての経緯について簡単に照会すると共に, 日本において発給を開始するにあたって, IC旅券調査委員会が実施した調査検討の中から, 特に, (1)顔認証技術適用を前提とした旅券写真に関する技術的妥当性評価と, (2)IC旅券有効期間中の加齢に伴う顔認証精度評価の二点について述べる.
著者
伊勢 雄也 萩原 研 齋藤 節生 本城 和義 宋 静香 加藤 あゆみ 片山 志郎 西澤 健司 平野 公晟 吉行 俊郎 木山 輝郎 三橋 恭子 亀井 美和子 白神 誠
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.124, no.11, pp.815-824, 2004-11-01
被引用文献数
1 1

米国では1983年よりMedicareの入院医療費の支払い方法として,医療費の診断群別定額支払い制度(Diagnosis Related Group/Prospective Payment System;DRG/PPS)が導入されているが,わが国でも平成15年4月より診断群分類(Diagnosis Procedure Combination;DPC)に基づく包括支払い制度が大学病院,国立がんセンター,国立循環器病センターなどの特定機能病院計82施設での入院医療において開始された.その結果,入院患者の在院期間の短縮と入院費用の削減並びに患者満足度の向上などを目的として,クリニカルパス(Clinical Pathway;CP)が日本の医療においてさらに注目されるようになった.日本医科大学付属病院(以下「当院」という)では1998年に「CP研究会」が設立され,患者ケアを医療スタッフがチームとなって行うシステムの構築を検討してきた.1)薬剤部では,その中でも胃癌の切除術患者CPに積極的に携わり,同CPに薬剤管理指導業務を導入することによる有用性並びにその費用対効果についての検討を行い,数多くの知見を得ている.