著者
平野 亮太 田中 譲
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.1684-1693, 2001-06-15

部品の再利用と,組立て方式によるアプリケーション開発では,アプリケーションの仕様をいくつかの部分的な仕様に分解し,個々の部分的仕様を満たす部品を合成部品に組み立てることで,目的のアプリケーションを構築することができる.こうしたアプリケーション開発を支援するには,分解,再合成可能なアプリケーションの仕様記述法が必要である.また,大量のソフトウェア部品を管理し,仕様の類似性に基づく部品検索を実現する必要がある.本論では,著者らが提案した部品の抽象的な仕様記述を,部品の型記述として利用した類似部品検索の実現方式について述べる.部品の管理手法は,部品の型記述における半順序関係の定義を行い,その関係を表す一般化階層構造(束)を利用するものを提案する.また,ハッシュ法を用いることで,部品検索の高速化を図る.In our previous research, we introduced a component--pattern description method, based on IntelligentPad architecture, to describe the interface and the abstract behavior of each component. In this paper, we apply component--pattern descriptions to the search for desired components within a component library. The characteristics of component--pattern description method are the establishment of methods for composition and decomposition of patterns, and the use of the same form both for individual components and composites. Consequently, we can decompose a pattern into subpatterns, and later assemble the components that match those subpatterns to form composite results. For managing patterns, we propose a lattice structure representing the partial order over the patterns. We also introduce a coding method for pattern descriptions, and a hashing method for improving the efficiency of pattern search.
著者
平野 勝義 稲垣 直樹 藤井 勝之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.183, pp.115-120, 2009-08-27
被引用文献数
1

近年,携帯情報端末機器を持ち運び,いつでもどこでも情報のやりとりが行われるユビキタス社会が進捗している.将来電子機器は小型化,軽量化されていき,小型のコンピュータを身につけられると予想される.その一例として,On-body channel伝送があり,電極のついたウェアラブルデバイスの研究が盛んに行われている.しかし,人体通信の伝送メカニズムにはまだ不明な点が多く,人体の電気的特性を考慮した最適なデバイス設計はされていない.本稿では,On-Body Channel伝送に特化したデバイス設計の指針を示す.電極の入力インピーダンスは人体を抵抗体とみなした時の電極接地抵抗により説明できることがわかった.
著者
石原 和幸 上田 真由美 平野 靖 梶田 将司 間瀬 健二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.454, pp.51-56, 2008-01-17
被引用文献数
4

献立を考えることは,料理をする人の約半数が面倒だと感じている.料理レシピを提供するWebサイトなどが多数存在するが,その多くでは利用者個人の嗜好を反映した献立決定の支援は行われていない.そこで,TF-IDF(Term Frequency-Inverted Document Frequency)における単語の特徴を尺度化する考えを食材の特徴の尺度化に用い,食材利用頻度と食材の特異度から各個人における食材の特徴を尺度化するFF-IRF(Foodstuff Frequency-Inverted Recipe Frequency)を提案する.これにより,食材に対する個人の嗜好を反映することを可能にする.提案手法の有効性を検証するため,評価実験用システムを実装し,個人の調理履歴と料理レシピ提供サイトのクックパッドのデータを用い評価実験を行った.実験結果より本手法の有効性について述べる.
著者
長野 真弓 白山 正人 平野 裕一 宮下 充正
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.436-446, 1992-08-01
被引用文献数
3

トレーニングを行っていない健康な成人男性9名を被検者として, 運動処方の有効な指標となっている換気性閾値(ventilatory threshold : VT)強度の運動がその後の過剰酸素消費量(excess postexercise O_2 consumption : EPOC)に及ぼす影響を調べた. 被検者は, 早朝空腹時に快適なソファーで30分間座位安静を保った後, VT強度で自転車エルゴメーター駆動を1時間行った. 運動終了後はソファーで12時間座位安静を保ち続けた. また, 運動終了後24時間目にも前日と同じ要領で座位安静をとった. その間, 採気・心拍数の測定を行い、運動が終了して2, 7, 12時間後には高糖食を摂取させた. この測定の他に, コントロールとして, 運動を行う代わりにソファーで1時間座位安静を保ち, その後も12時間にわたって座位安静を保つ非運動実験を行った. 運動(座位安静)前の安静値と運動(座位安静)後の値を比較したところ, EPOCは食事あるいは運動の影響を受けて, 有意に変動することがわかった. また, VT強度の運動を1時間行うと, EPOCは少なくとも12時間にわたって運動を行わない場合より増加し, 脂質代謝も少なくとも24時間にわたって高まることが示唆された. さらに, 運動後12時間で, 運動中の消費エネルギー(約550kcal)の22%(約120kcal)のエネルギーが過剰に消費されることがわかった. 以上のことから, この結果は運動に対する動機づけやウエイトコントロールなど, 運動処方の場で有効に活用できると考えられた.
著者
平野 基孝 首藤 一幸 田中 良夫 佐藤三久
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.79, pp.17-24, 2005-08-03
被引用文献数
2

我々は数千ノードからなるP2P、グリッド等の大規模並列分散コンピューティング用の安全な通信基盤の形成を目的として、匿名相互証明書とP2P通信を用いる認証方式AUBReX(Authentication method Using Buddy-buddy relationship Represented by Cross centificate)を提案する。AUBReXでは、2ユーザ間(友人)の信頼関係を、そのユーザ間以外では個人情報の特定が出来ないように生成されたエンドエンティティ名(SubjectDN内のCommonName)を持つX.509デジタル証明書を相互に発行しあうことで表現する。これを匿名相互証明書と呼び、匿名相互証明書からなる証明書チェインをP2P通信により生成、検査することで、直後の信頼関係を結んでいないユーザ間での、匿名性を確保した上でのユーザ認証機構を提供する。AUBReXを用いることで、中央集権的CAを必要とせず、かつ不特定多数のユーザ間でのPKIベースの相互認証が可能になり、P2P環境でのピア間相互認証に有効である。We propose an authentication method called AUBReX(Authentication method Using Buddy-buddy relationship Represented by Cross certificate),which enables a secure communication infrastructure of a thousand of nodes for P2P and Grid distributed parallel computing using anonymous cross certificates and P2P communication. In the AUBReX,a trusted relationship (fellowship,or buddy-buddy relationship) between two users is represented by issueing X.509 cross certificate each other. The cross certificate has a secure-hashed CommonName as an end entity,that can only be revealed between the users. By collecting such anonymous cross certificates via P2P connection and generating a certificate chain and verifying it, the AUBReX provides an authentication mechanism between users who don`t have direct turusted relationship. By using AUBReX,it enables that PKI based mutual authentication between any users without a centralized CA,in which is suitable for P2P environment.
著者
坪井 知則 平野 義男 木下 一次 大島 光子 本水 昌二
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.309-314, 2004 (Released:2004-09-13)
参考文献数
14
被引用文献数
7 9

化学的酸素要求量(COD)の迅速定量についてフローインジェクション/吸光光度定量の検討を行った.過マンガン酸カリウムを酸化剤として用い,この酸化反応の反応時間を促進させ,短縮するため触媒を用いる方法について検討した.その結果,白金チューブを反応コイルとして用いることにより,酸化反応が促進され測定時間を大幅に短縮できることが分かった.白金チューブ反応コイルのフローインジェクション分析(FIA)法への適用について詳細な検討を行った結果,D-グルコースを標準物質としたとき,検量線は0~100 ppmの範囲で良好な直線性を示した.S/N=3に相当する検出限界は0.01 ppmであり,5,10,20,50,100 ppmのD-グルコースに対する相対標準偏差は,それぞれ0.9,0.8,0.8,0.5,1.4% であった.本FIA法は,排水のCOD迅速定量に適用可能であり,またCODモニターとして利用できる.
著者
平野 智 早原 悦朗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.78, no.5, pp.562-572, 1995-05-25
被引用文献数
1

演算増幅器1個とLCR素子を組み合わせた単一演算増幅器形回路の構成法について検討した.提案したLCR素子を用いた単一演算増幅器形回路は,定抵抗入力インピーダンス,零出力インピーダンス回路であり,すべての安定な伝達関数が実現可能な回路構成法である.本論文では特に全域通過特性の実現方法に注目してその設計法を示し,実際に5次の全域通過特性を実現する回路について計算機シミュレーションおよび個別部品を用いた試作回路によって実験を行い,Deliyannis形回路の縦続構成による回路と比較を行った.LCR素子に対する素子感度特性および演算増幅器の周波数特性,インダクタLのQに対する感度特性を求め,提案した全域通過回路は低素子感度であり,しかも必要なリアクタンス素子は伝達関数の次数と同じ数でよいという利点があることを示した.
著者
西園 昌久 高橋 流里子 対馬 節子 松永 智子 福屋 靖子 土屋 滋 大貫 稔 高橋 美智 浅野 ふみぢ 小松崎 房枝 鈴木 小津江 平山 清武 中田 福市 鈴木 信 壁島 あや子 名嘉 幸一 鵜飼 照喜 福永 康継 浪川 昭子 高田 みつ子 岩渕 勉 森脇 浩一 加藤 謙二 早川 邦弘 森岡 信行 津田 司 平野 寛 渡辺 洋一郎 伴 信太郎 木戸 友幸 木下 清二 山田 寛保 福原 俊一 北井 暁子 小泉 俊三 今中 孝信 柏原 貞夫 渡辺 晃 俣野 一郎 村上 穆 柴崎 信吾 加畑 治 西崎 統 大宮 彬男 岩崎 徹也 奥宮 暁子 鈴木 妙 貝森 則子 大橋 ミツ 川井 浩 石川 友衛 加世田 正和 宮澤 多恵子 古賀 知行 西川 眞八 桜井 勇 三宅 史郎 北野 周作 竹洞 勝 北郷 朝衛 橋本 信也 斉藤 宣彦 石田 清 畑尾 正彦 平川 顕名 山本 浩司 庄村 東洋 島田 恒治 前川 喜平 久保 浩一 鈴木 勝 今中 雄一 木内 貴弘 朝倉 由加利 荻原 典和 若松 弘之 石崎 達郎 後藤 敏 田中 智之 小林 泰一郎 宮下 政子 飯田 年保 奥山 尚 中川 米造 永田 勝太郎 池見 酉次郎 村山 良介 河野 友信 G. S. Wagner 伊藤 幸郎 中村 多恵子 内田 玲子 永留 てる子 石原 敏子 河原 照子 石原 満子 平山 正実 中野 康平 鴨下 重彦 大道 久 中村 晃 倉光 秀麿 織畑 秀夫 鈴木 忠 馬渕 原吾 木村 恒人 大地 哲郎 宮崎 保 松嶋 喬 桜田 恵右 西尾 利一 森 忠三 宮森 正 奥野 正孝 江尻 崇 前沢 政次 大川 藤夫 関口 忠司 吉新 通康 岡田 正資 池田 博 釜野 安昭 高畠 由隆 高山 千史 吉村 望 小田 利通 川崎 孝一 堀 原一 山根 至二 小森 亮 小林 建一 田中 直樹 国府田 守雄 高橋 宣胖 島田 甚五郎 丸地 信弘 松田 正己 永井 友二郎 向平 淳 中嶌 義麿 鎮西 忠信 岡田 究 赤澤 淳平 大西 勝也 後藤 淳郎 下浦 範輔 上田 武 川西 正広 山室 隆夫 岡部 保 鳥居 有人 日向野 晃一 田宮 幸一 菅野 二郎 黒川 一郎 恩村 雄太 青木 高志 宮田 亮 高野 純一 藤井 正三 武内 恵輔 南須原 浩一 佐々木 亨 浜向 賢司 本田 麺康 中川 昌一 小松 作蔵 東 匡伸 小野寺 壮吉 土谷 茂樹 岡 国臣 那須 郁夫 有田 清三郎 斎藤 泰一 清水 強 真島 英信 村岡 亮 梅田 典嗣 下条 ゑみ 松枝 啓 林 茂樹 森 一博 星野 恵津夫 正田 良介 黒沢 進 大和 滋 丸山 稔之 織田 敏次 千先 康二 田中 勧 瓜生田 曜造 尾形 利郎 細田 四郎 上田 智 尾島 昭次 大鐘 稔彦 小倉 脩 林 博史 島 澄夫 小池 晃 笹岡 俊邦 磯村 孝二 岩崎 栄 鈴木 荘一 吉崎 正義 平田 耕造
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.145-173, 1984-06-25 (Released:2011-08-11)
著者
佐藤 公則 柏木 彰一 平野 実
出版者
Japanese Society of Otorhinolaryngology-Head and neck surgery
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.100, no.5, pp.479-483, 1997-05-20 (Released:2010-10-22)
参考文献数
11
被引用文献数
8 8

新生児の声帯膜様部を透過型電顕で観察した. 1) 声帯の粘膜上皮は薄いが, 細胞間隙は非常に狭く, 細胞どうしが密に接し, desmosomeが比較的多く認められた. 粘膜上皮の細胞どうしがより強く接着していると考えられた. 2) 声帯粘膜上皮の基底膜および基底部の接着装置はほぼ完成していた. 声帯粘膜上皮と粘膜固有層の支持的機能がすでに十分に備わっていると考えられた. 3) 粘膜固有層は基質が豊富で線維成分の発達は乏しかった. 膠原線維は成熟した構造であったが, 弾性線維は未熟な構造であった. 新生児の声帯は振動体として必要な粘膜の粘弾性が乏しく, 振動に適した構造ではないことが示唆された.
著者
伊藤 茂 平野 徹 岩崎 勝郎 上谷 雅孝 楢林 好隆
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.1423-1425, 1994-09-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
8

We studied the MRI finding of pigmented villonodular synovitis (PVS) in the knee joints of two patients. Diffuse nodular lesions of PVS were typically shown as a low intensity area, on both T1 and T2 weingted MRI. High intensity areas on T2 were intermingled within the lesions.MRI revealed not only the lesions in the joint space but also osseous lesions in the medial, lateral and posterior condyles of the femur and the intercondylar tubercle of the tibia. These results suggest that PVS invades bones from the capsular or ligamentous attachments.
著者
松本 雄一 内田 将太 福本 有香 金屋 紗弥 平野 彩夏 渡邉 啓一
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.233-239, 2021 (Released:2021-06-30)
参考文献数
25

キクイモ栽培における重要課題である白絹病の抑制技術について検討を行った.培地での白絹病菌叢の伸展程度および培土でのキクイモ発病度は,いずれもpH 8以上の条件で抑制効果が見られた.一方,「野菜類」作物群に登録のある殺菌剤を添加した培地では,水和硫黄剤の2剤で菌叢の伸展が抑制された.土壌混和が可能な資材のうち水和硫黄剤の主成分である硫黄を含む肥料においても培地での菌叢伸展の抑制および培土でのキクイモ発病度の抑制効果が見られた.この硫黄資材を汚染圃場に施用したキクイモ栽培においても生育中の白絹病による枯死株率は低下した.さらに,系統間での耐病性の比較においては,三瀬在来系統よりもサンフラワーポテト系統の方が枯死株率は低く,耐病性を有していると考えられた.これらの結果から,キクイモ栽培において硫黄資材の施用と耐用性系統を併用することで,キクイモ白絹病に対する抑制効果を高められる可能性が考えられた.
著者
平野 哲史 池中 良徳 星 信彦 田渕 圭章
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会 第49回日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.P-4E, 2022 (Released:2022-08-25)

【背景・目的】化学物質のリスク評価における課題の一つとして、個々の化学物質を対象とする従来の毒性評価システムによっては複数の化学物質による複合影響のリスクを評価できない点が挙げられる。近年提唱されたAdverse Outcome Pathway(AOP)の概念に基づくと、複合影響に対する効率的な毒性評価を行うためには毒性発現における共通のKey Eventを活用することが重要となる。我々は前回大会にて、ピレスロイド系農薬デルタメトリン曝露時において、マイトファジーの活性化およびプロテアソーム活性低下を介したタンパク質分解系の不均衡状態が関与する新たな神経毒性メカニズムを報告した。そこで本研究では、これらのエンドポイントを神経毒性のKey Eventとすることで農薬類の複合影響評価への応用を検証することを目的とした。【方法】マウス神経芽細胞腫Neuro-2a細胞に農薬類10種を曝露し、ミトコンドリア膜電位やオートファジーおよびプロテアソーム活性を指標としてミトコンドリアやタンパク質分解系への機能的影響を評価した。またWST-8アッセイにより細胞生存性を評価し、CompuSynソフトウェアにより複合影響の用量反応性を解析した。【結果・考察】ピレスロイド系農薬ペルメトリンおよびデルタメトリンとフェニルピラゾール系農薬フィプロニルの曝露により、ミトコンドリアの機能低下、オートファジーの分解基質マーカーであるp62の蓄積等の共通したKey Eventの変動がみられた。さらにこれらの複合曝露により、単独曝露時と比べてより低濃度で細胞生存性が低下し、Combination Index < 1を示す相乗効果が認められた。本研究により、神経毒性に関するAOPの共通Key Eventを指標とすることで異種の農薬類の複合曝露が引き起こす相乗的な神経毒性を検出できることが初めて示された。
著者
矢崎 弘志 平野 浩 富田 薫 舟越 功 古山 準一 岡澤 林太郎 水尾 仁志
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.95, no.11, pp.2295-2297, 2006-11-10 (Released:2009-03-27)
参考文献数
9
被引用文献数
2 2

E型肝炎は, 本邦に於いて看過できない頻度で発生しており, 特に北海道では患者数も多く, 豚の内臓肉摂取によるfood-borne transmissionの可能性が強く示唆されている. 北見市にある我々の施設において, 2003年9月から2005年3月までの1年半の間に5例のE型肝炎症例を経験した. 全例発症の2~7週前に豚レバーないし豚ホルモンを摂取していた. 感染予防のために, 十分な加熱調理と調理器具や手指などの消毒・洗浄が重要である.