著者
後藤 真孝 吉井 和佳 中野 倫靖 緒方 淳
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.27, 2013

本招待講演ではメディア処理におけるクラウドソーシング利用の先駆事例として、音楽理解技術によって音楽の聴き方を豊かにする能動的音楽鑑賞サービスSongleと、音声認識技術によって動画中の音声を書き起こせる音声情報検索サービスPodCastleを紹介する。いずれも自動理解誤りの訂正インタフェースをWeb上で提供し、不特定多数による自発的な訂正がユーザ体験の改善に結びつくことでさらなる利用を促していく。
著者
花房 規男 阿部 雅紀 常喜 信彦 星野 純一 和田 篤志 菊地 勘 後藤 俊介 小川 哲也 神田 英一郎 谷口 正智 中井 滋 長沼 俊秀 長谷川 毅 三浦 健一郎 武本 佳昭
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.55, no.12, pp.665-723, 2022 (Released:2022-12-27)
参考文献数
22
被引用文献数
10

日本透析医学会統計調査(JSDT Renal Data Registry:JRDR)の2021年末時点における年次調査は,4,508施設を対象に実施され,施設調査票に関しては4,454施設(98.8%),患者調査票に関しては4,251施設(94.3%)のほぼ例年通りの回答を得た.わが国の透析患者数は年々増加し,2021年末の施設調査結果による透析患者数は349,700人に達し,人口百万人あたりの患者数は2,786人であった.患者調査結果による平均年齢は69.67歳で,最も多い原疾患は糖尿病性腎症(39.6%),次いで慢性糸球体腎炎(24.6%),第3位は腎硬化症であった(12.8%). 2021年の施設調査結果による透析導入患者数は40,511人であり,2020年から233人減少した.患者調査結果による透析導入患者の平均年齢は71.09歳であり,原疾患では糖尿病性腎症が最も多く40.2%で,昨年より0.5ポイント少なかった.第2位は腎硬化症(18.2%)で,昨年同様慢性糸球体腎炎(14.2%)を上回った.2021年の施設調査結果による年間死亡患者数は36,156人であり,年間粗死亡率は10.4%であった.主要死因は心不全(22.4%),感染症(22.0%),悪性腫瘍(8.4%)の順で,昨年とほぼ同じ比率であった.2012年以降,血液透析濾過(HDF)患者数は急増しており2021年末の施設調査票による患者数は176,601人で,維持透析患者全体の50.5%を占めた.腹膜透析(PD)患者数は10,501人であり2017年から増加傾向にある.腹膜透析患者のうち20.3%は血液透析(HD)やHDF との併用療法であり,この比率はほぼ一定していた.2021年末の在宅HD患者数は748人であり,2020年末から3人減少した.2021年は,施設調査として災害対策調査,また本年も引き続き,新型コロナウイルス感染症,悪性腫瘍,生体腎移植による腎提供の既往が調査された.これらのデータはそれぞれの疾患・患者に関する基礎資料となり,その結果から,より治療効果の高い日常臨床パターンの提案が期待される.
著者
後藤 貞人
出版者
日本刑法学会
雑誌
刑法雑誌 (ISSN:00220191)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.55-61, 2013-03-10 (Released:2020-11-05)
著者
和田 一範 有田 茂 後藤 知子
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究論文集 (ISSN:13495712)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.151-160, 2005-05-15 (Released:2010-06-04)
参考文献数
10

It is said that the Fuji River is the origin of Seigyu (crib spur) which is known as one of the typical traditional river works in Japan. This paper is to investigate the origin of Seigyu in this country by pursuing the kind of historical documents which include the description about the origin of Seigyu. Under the historical document “Jikatahanreiroku” published in 1794, there was a description about Seigyu as “Seigyu is a river method which originate from the period of Shingen, it was used as a measure of large rivers in Kosyu region”. This description is the origin and the tradition of “Seigyu originated at 'the large rivers in Kosyu' which is Fuji River” started to be known.Also, inclusive of the investigation about the origin of Seigyu, the regional differences of river works which could be read from the historical documents was observed.
著者
酒井 隆全 和田 侑輝人 古閑 晃 田辺 公一 後藤 伸之 大津 史子
出版者
一般社団法人 日本医薬品情報学会
雑誌
医薬品情報学 (ISSN:13451464)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.7-16, 2020-05-29 (Released:2020-06-13)
参考文献数
16
被引用文献数
1

Objective: The purpose of this study was to create a checklist that summarizes checkpoints that should be noted when using the Japanese Adverse Drug Event Report database (JADER). After we created the checklist, we then used it to survey published academic papers that used JADER.Method: First, we created a draft checklist for research that uses JADER by citing the report of CIOMS working group VIII “Practical Aspects of Signal Detection in Pharmacovigilance”. Then, we conducted a pilot test and revised the draft checklist. Finally, the checklist was completed after the review by a pharmacoepidemiology expert. The checklist was applied to published academic papers that used JADER, and the fulfill rate of each checkpoints was calculated.Results: A “checklist of important points to be noted during research that uses the data mining method in JADER (mainly signal detection by disproportionality analysis)” was created. We also revealed problems with published academic papers that used JADER. For example, some researchers were thought to be inappropriately using JADER as a source of their research while others used an inappropriate version of MedDRA.Conclusion: The checklist created in this study summarizes key points that could be noted in research that uses JADER and is thought to contribute to an improvement in quality of research that uses JADER. Additionally, in our investigation of published academic papers that used JADER, we found the possibility that both the role of signal detection and the impact on analysis of JADER using the updated MedDRA version are not well understood.

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著者
後藤 真彦
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.261-266, 2005-03-30 (Released:2011-01-31)
参考文献数
15
著者
後藤 佐多良
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.155-158, 2008 (Released:2008-04-25)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

老化防止を期待して抗酸化ビタミンその他の抗酸化物質を摂取する人が増えている.しかし,その効果が科学的に証明されたものは少ない.一方,最近の研究によりカロリー制限や定期的運動にはタンパク質やDNAの酸化傷害を軽減する効果があることが分かってきた.運動は酸素消費を高め活性酸素の産生を促進して有害であるという考えとは相容れない.運動の有益作用は,ヒトの60歳,70歳に相当する老齢ラットを使った実験でも証明されている.カロリー制限はエネルギー代謝を低下させ酸素消費,ひいては活性酸素を減少させるのが抗老化作用メカニズムだと考えられてきたが,活性酸素あるいは酸化傷害分子の除去あるいは修復酵素系活性化の寄与が大きい.アンチエイジングのためにはカロリー制限や運動,その他の環境要因によって"抗老化"酵素等のタンパク質遺伝子の発現を高め潜在能力を引き出すことが重要である.抗酸化物質の必要以上の摂取は抗酸化系の一部を高めることはあっても全体的には無益であるだけでなくバランスを損なって有害になる恐れがある.それに対して適度なカロリー制限や運動は,バランスよく抗酸化その他の防御能力を高めている可能性がある.
著者
徳田 温子 児玉 由紀 菅野 知佳 後藤 智子 山田 直史 山下 理絵 土井 宏太郎 金子 政時 鮫島 浩
出版者
一般社団法人 日本周産期・新生児医学会
雑誌
日本周産期・新生児医学会雑誌 (ISSN:1348964X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.538-543, 2020 (Released:2020-12-10)
参考文献数
9

梅毒は未だに最もよくみられる先天感染であり,未治療母体では胎児感染が懸念される.近年米国だけでなく,本邦でも梅毒患者数が増加し,先天梅毒の報告数が増えている.先天梅毒は適切な治療により予防可能であることから,妊娠中の梅毒の早期発見と早期治療が重要である.今回,先天梅毒を合併し異なる経過をとった極低出生体重児2症例を報告する.いずれも妊娠20週以降で判明した母体梅毒であったが,抗菌薬治療10日間後に出生した1例は軽快退院した.抗菌薬1回治療後に,胎児機能不全のため出生し,新生児死亡した症例の胎盤と全身臓器には多数のTreponema pallidumが認められ,抗菌薬治療の限界と考えられた.
著者
加藤 淳 後藤 真孝
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2023-MUS-138, no.7, pp.1-21, 2023-08-20

音楽に合わせてタイミングよく歌詞が動くリリックビデオは楽曲のプロモーション手段として一般化したが,いつ再生されても同じ内容を提示するため,視聴者は受動的に楽しむしかない.そこで我々は,ユーザとのインタラクションにより歌詞のテキストを再生のたびに異なる方法で提示でき,静的メディアの制約を取り払える歌詞駆動型のインタラクティブな視覚表現を「リリックアプリ」と定義する.そして,この表現形式をプログラマやミュージシャンに開放するため,リリックアプリを開発・配信できる Web ベースのフレームワーク「Lyric App Framework」を提案する.当該フレームワークは,我々が研究・開発・運営してきたリリックビデオ制作支援サービス「TextAlive」の Web インタフェースと,歌詞駆動の表現を開発できる機能をプログラマ向けに開放する「TextAlive App API」で構成される.当 API は,既存の,プログラマが使い慣れたクリエイティブコーディングのためのライブラリと相補的な役割を果たし,インタラクティブなリリックアプリをすぐに開発可能である.我々は,2020 年に当 API を一般公開し,新たな表現形式の可能性を探ってきた.とくに,創作文化に関するイベント「マジカルミライ」ではプログラミング・コンテストが毎年開催され,最初の 2 回で 52 作品が集まった.これらの作品を分析して得られたリリックアプリのカテゴリ 8 種類と,音楽とプログラミングの未来に関する示唆を報告する.
著者
加藤淳 中野倫靖 後藤真孝
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2014-MUS-104, no.15, pp.1-7, 2014-08-18

本稿では、歌詞を歌声と同期してアニメーションさせる Kinetic Typography と呼ばれる動画表現の制作環境 TextAlive を提案する。既存の制作ツールでは、歌詞と歌声の同期を手作業で取り、文字や単語、複数単語から成るフレーズに対して個別に望みの動きを設計する必要があった。その際は、動きを規定するアルゴリズムのパラメタを、スライダーなどの汎用 GUI で調整して試行錯誤を重ねていた。一方、本制作環境では、歌詞と音楽の時間的対応付けを自動で推定し、動きのアルゴリズムに対する初期パラメタを自動生成する。さらに、動きのアルゴリズムを編集できるコードエディタを備え、プログラマがパラメタ調整に適した専用 GUI を容易に提供できるフレームワークを提供する。これにより、TextAlive のユーザは Kinetic Typography を一から作る必要がなくなり、初めに時間合わせなどを行う手間をかけずに済む。また、歌詞の動きをインタラクティブかつグラフィカルに設計できるようになる。
著者
北條 芳隆 後藤 明 関口 和寛 細井 浩志 瀬川 拓郎 吉田 二美 辻田 淳一郎 高田 裕行 石村 智 田中 禎昭
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2019-04-01

考古学に天文学的手法を導入する研究領域を考古天文考と呼ぶが、この手法を日本列島の考古資料・文献史料の分析と解釈に適用すれば、従来の認知論的考察や景観史的把握には飛躍的な進展が期待される。この目的を達成するために、本研究では考古学・文献史学・天文学の各専門分野を横断させた研究体制を構築する。その上で天体現象と関わる歴史的諸事象に対する統合的分析法の構築を目指す。琉球列島を含む日本列島各地に遺された遺跡や各地の民俗例、海洋航海民の天体運行利用法の実態を解明する。こうした検討作業を基礎に、本研究は天体運行や天文現象に対する人類の認知特性とその日本列島的な特性を追求するものである。
著者
髙田 咲季 後藤 崇志
出版者
人間環境学研究会
雑誌
人間環境学研究 (ISSN:13485253)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.43-48, 2022 (Released:2022-06-21)

We examined the stereotypical images of those who do not have a romantic partner with considering their desire for a romantic relationship. We revealed that those who had neither a romantic partner nor a desire for a romantic relationship were evaluated the most negatively in the sociality dimension. We also revealed that they were evaluated negatively in the positive trait dimension, while those who do not have a romantic partner but have a desire for were not. Furthermore, we showed that they were evaluated negatively in the negative trait dimension by those who had less egalitarian sex role attitudes. We discussed the possibility that stereotypes about those who do not have a romantic partner were involved with the internalization of a “normative” life course.
著者
坂本 亘 五十川 直樹 後藤 昌司
出版者
日本行動計量学会
雑誌
行動計量学 (ISSN:03855481)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.177-192, 2008 (Released:2009-04-07)
参考文献数
20
被引用文献数
5 1 2

The article by The Examination Committee of Criteria for ‘Obesity Disease’ in Japan and Japan Society for the Study of Obesity (2002) established cut-off points of waist circumference at 85 cm for males and 90 cm for females as criteria of obesity disease. Their article has also become a basis for criteria of metabolic syndrome in Japan; however, their article has various problems on statistical aspects. How the criteria on waist circumference should vary was investigated through reexamination based on descriptions in their article. First, their article obtained criteria on visceral fat area (VFA) from data in which males and females were pooled, while our reexamination suggested that we should use separate criteria on VFA between males and females. Second, their article inappropriately used regression lines to estimate waist circumference corresponding to VFA cut-off points. Our reexamination with errors-in-variables models suggested alternative cut-off points of waist circumference at 87 cm for males and 85 cm for females. Our simulation confirmed that the criteria by their article might lead to inappropriate diagnosis which is strict for males and easy for females.
著者
金子 真司 後藤 義明 田淵 隆一 赤間 亮夫 池田 重人 篠宮 佳樹 今村 直広
出版者
国立研究開発法人森林研究・整備機構 森林総合研究所
雑誌
森林総合研究所研究報告 (ISSN:09164405)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.259-264, 2018 (Released:2018-11-15)
参考文献数
18

福島県十万山(浪江町・双葉町)の森林火災(2017年4月29日~ 5月10日)の延焼地において、火災直後に山頂部のアカマツ林と谷部のスギ林で樹木と土壌の試料を採取して放射性セシウム(RCs: 134Cs+137Cs)濃度を測定して火災の影響を調べた。樹木については、同一木の幹の燃焼側と非燃焼側から樹皮を採取した。土壌は燃焼地と隣接する非燃焼地から堆積有機物層と表層土壌を採取した。アカマツでは燃焼樹皮が非燃焼樹皮に比べて現存量とRCs 濃度とRCs 蓄積量が小さかった個体が存在した。また、アカマツ林、スギ林で調査したすべての堆積有機物層のRCs 濃度が燃焼箇所に比べて非燃焼箇所で高かった。
著者
後藤 典子
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.161, pp.42-49, 2015 (Released:2017-08-26)
参考文献数
10

本稿は,地方の医療・介護現場で患者や介護施設利用者が使用する方言発話を聞いて,外国人がどう理解するかを調査し,理解の特徴を明らかにしようとするものである。山形の方言発話で,方言が使用されやすく緊急度の高い「痛み」や「排泄」に関わるものを取り上げた。結果,外国人と日本人の方言理解には大きな差が見られた。外国人は大まかな意味のみを理解し,不理解となる特徴は,共通語が予想されにくい形,オノマトペ,日常生活であまり使用されない語彙,方言の語彙や表現だった。日本人には理解されていた身体部位や排泄に関わる語彙に不理解が多く注意を要することなどがわかった。
著者
津倉 真優子 後藤 春彦 佐藤 宏亮
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.44.3, pp.559-564, 2009-10-25 (Released:2017-01-01)
参考文献数
8

平成の大合併を経て、行政区域が広がりつつあるなか、地域住民が地域の課題解決のために自律的に集まり、行動していくような住民自治の在り方が模索されている。そして、このような住民の自治的な行動を考える上では、地域共有の場となり得る空間は重要な意味を持つ。本稿では、村櫛酒販売所を対象として、コミュニティ財の運用と情報交流の仕組みに着目し、地域共有の場としての酒場の機能を明らかにする。そのうえで、住民自ら地域共有の場を経営していく知見を得ることを目的とし、コミュニティ財の運用の蓄積によって「酒場」が地域住民に浸透してきたこと、および「酒場」における情報交流の仕組みを明らかにした。そのうえで、住民自ら地域共有の場を経営していく可能性を考察する。