著者
三村 雄一 柴田 誠司 久田 茂 児玉 晃孝 吉田 正尚 増山 剛 成田 隆博 立花 滋博 古谷 真美 桑形 麻樹子 早川 和宏 青木 豊彦 細川 暁 牧 栄二
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
vol.39, pp.P-44, 2012

Wistar HannoverラットはSDラットに比して小型であり、生存率が高く、自然発生腫瘍が比較的少ないことから、安全性試験への利用が注目されている。今回、IGSラット研究会の活動として、4施設参画によるCrl:WI(Han)ラットの一般毒性試験に関する背景データの収集を実施した。下記の共通プロトコールを基に、各施設で試験条件を設定し、Crl:CD(SD)ラットの背景データとの比較を行った。共通プロトコール: • 観察・投与期間 : 4週、13週または26週 • 動物数 : 雌雄 n=10/ 性 (無処置または溶媒投与) • 飼育条件 : 任意 (実施施設で決定,飼料等の条件設定はしない) • 検査項目 : GLP 適用試験で実施する検査項目結果及びまとめ:Crl:WI(Han)ラットは、Crl:CD(SD)ラットと比較して、以下の特徴が認められた。なお、主要な所見について、施設間に相違は認められなかった。 • 体重及び摂餌量:低値 • 眼科学的検査:角膜混濁 頻度増加 • 血液学的検査:WBC、Platelet低値 • 血液生化学的検査:脂質系、AST及びALT低値 • 器官重量(相対):胸腺高値 • 眼の病理組織学的検査:角膜鉱質沈着 増加
著者
鈴木 真歩 早川 静 関村 啓太 薬袋 奈美子
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集・実践研究報告集 (ISSN:2433801X)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.25-36, 2021

本研究は,日本女子大学に現存する戦前の鉄筋コンクリート造の学生寮「明桂寮」(東京都豊島区,佐藤功一設計,清水組施工,1927 年)の保存に向けた研究である。まず文献調査により平面計画と意匠の由来を明らかにし,独自性と重要性を示す。また文献にてらしながら構造形式の特徴を明らかにし,加えて建物の目視観察やコンクリートコアの採取によって施工の実態を推定する。さらにその含水状態と鉄筋の腐食の関係を分析し,コンクリートの経年劣化の研究にも資することを目指す。耐震診断も行い,建物の価値をふまえつつ今後の利活用策についても提示していくものである。
著者
前田 裕二 村上 恵理子 秋山 一男 長谷川 眞紀 早川 哲夫 金子 富志人 宮本 昭正
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.43, no.10, pp.1248-1255, 1994

ネコに感作されている40例の成人喘息患者を対象としてネコの喘息における臨床的な意義を検討するために吸入誘発試験を行った. 即時型 (IAR) および遅発型 (LAR) いずれかの反応は40例中29例にみられた. IARのみがみられた例は12例 (30%), LARのみは7例 (17.5%), ニ相性反応 (DAR)は 10例 (25%), 反応がみられなかった例は11例 (27.5%)であった. 各反応群における年齢, 吸入前 FEV_<1.0>%,%MMF, ネコ上皮へのRASTスコアおよびアセチルコリンによる気道過敏性の閾値の常用対数値はいずれの2群間においても統計学的には有意差はみられなかった. ネコとの接触歴がLAR群ではl4%と他の2群 (DARでは78%, 無反応群では70%)よりも有意に低い率であった. ラストスコアが高くかつ気道過敏性が亢進している例は他の二群よりもDAR群に多くみられた. 喘息反応はネコとの接触歴がある患者では15/22 (68.2%)に, 接触歴のない例では10/16 (62.5%)にみられ出現率は同じであった. 以上の成績から小児のみではなく成人においてもネコアレルゲンは重要であると考えた.
著者
早川 達
出版者
日経BP社
雑誌
日経ドラッグインフォメーションpremium
巻号頁・発行日
no.149, pp.PE16-23, 2010-03

今回はアイン薬局鶴見店に来局している8カ月の女の子、橋本さやかちゃん(仮名)の薬歴を基に、薬歴添削と症例検討会(オーディット)をしました。患児はてんかんのため、デパケン(一般名:バルプロ酸ナトリウム)を服用中です。また、皮膚炎や咳などの症状もあり、頻繁に処方内容が変わっています。それに対して患児の母親は、薬に関するさまざまな質問を薬剤師に投げ掛けています。
著者
日比 喜子 安達 町子 前田 昭子 早川 史子
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.183-192, 1999-02-15
被引用文献数
3

The difference in preference for tea, especially for black tea, in the four areas of Shiga Prefecture Keihin region, Hanshin region, and Nagasaki Prefecture was surveyed by questionnaire. The questionnaire was distributed to young female students who had lived in the respective areas for a period of 18-22 years. The respondents in the Keihin and Hanshin regions preferred black tea to green tea. Most of the respondents in each area referred to the taste as the reason for their tea preference, while aroma was more referred to by the respondents who preferred black tea than those who preferred green tea. A general low frequency of drinking black tea was seen in the four areas. Those who preferred black tea tended to drink more of it than those who preferred green tea. The serving methods were different in the two areas where the respondents preferred black tea. In the Hanshin region, the preference was for black tea brewed by pouring boiling water on to the tea leaves, and served with sugar and lemon or with sugar and milk. In the Keihin region, on the other hand, the preference was for canned black tea served with sugar and lemon or with sugar and milk.
著者
近藤 久禎 島田 二郎 森野 一真 田勢 長一郎 富永 隆子 立崎 英夫 明石 真言 谷川 攻一 岩崎 泰昌 市原 正行 小早川 義貴 小井土 雄一
出版者
国立保健医療科学院
雑誌
保健医療科学 (ISSN:13476459)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.502-509, 2011-12
被引用文献数
1

背景:2011年3月11日に発生した東日本大震災による地震と津波は東京電力福島第一原子力発電所を襲い,甚大な被害を引き起こし,多量の放射性物質を環境中に放出した.この事故対応において,多くのDMAT隊員が派遣された.今回,その活動について意義を検証し,今後のDMAT活動,緊急被ばく医療における課題を提示することを目的とした.方法:高線量被ばく・汚染(緊急作業従事者)への緊急被ばく医療対応,住民対応,入院患者の移送対応などDMAT活動実績をまとめ,課題を抽出した.結果:DMATの入院患者移送対応は,福島第一原子力発電所から20〜30km圏内の病院を対象に3月18日〜22日に行われた.入院患者454名を搬送したが,搬送中の死亡は防げた.DMATは緊急被ばく医療体制でも重要な役割を果たした.DMATは原子力発電所からJビレッジを経由し二次被ばく医療機関,三次被ばく医療機関に分散搬送する流れをサポートする体制を確立した.その為の,研修会の実施といわき市内へのDMATの待機のための派遣を行った.いわき市内へのDMAT派遣は,いわき市立総合磐城共立病院を拠点として,4月22日から9月7日まで22次隊,のべ127名が派遣された.DMATによる住民一時立入り対応においては,中継基地における医療対応を行った.具体的には,会場のコーディネーション,Hotエリアの医療対応を行うとともに,救護班としても活動した.活動期日は5月3日から9月2日のうち60日に及び,スクリーニング・健康管理の対象者は14700人以上で,さらに傷病者131名に対応した.これらの活動を通じて,重篤な傷病の発生,スクリーニングレベルを上回る汚染は,DMATが活動したところにおいては,ともになかった.考察:本邦の緊急被ばく医療体制は,原子力施設立地道府県の地方自治体毎に構築されており,いくつかの問題が指摘されていた.問題の一つは放射線緊急事態への対応の教育,研修はこれらの地域のみで行われていたことである.さらに,他の災害との連携,整合性に問題があることはたびたび指摘されていた.DMATが医療搬送を行うことにより,454名の患者を安全に搬送したことと,住民一時立入りでのDMATの活動の意義は深かった.今回の事故対応の経験から,被ばく医療も災害医療の一つであり,災害医療体制との整合性は必須であることが示唆された.今後は,やはり災害医療体制の中で,緊急被ばく医療もしっかりと位置付けられることが必要である.そのような観点からの緊急被ばく医療体制のあり方について研究していくことが今後は必要である.
著者
早川 達
出版者
日経BP社
雑誌
日経ドラッグインフォメーションpremium
巻号頁・発行日
no.163, pp.PE16-23, 2011-05

今回は仙台調剤台原店に来局する36歳の男性、野田光さん(仮名)の薬歴を基に症例検討会(オーディット)をしました。野田さんは乾癬と診断され、外用剤による治療が始まった方です。一般的に、外用剤しか処方されていない患者に対しては、薬の飲み合わせや重篤な副作用のチェックが必要でないことが多く、当たり障りのない対応で済ませてしまいがちです。
著者
早川 由紀夫 萩原 佐知子 野村 正弘 小山 真人
出版者
日本地図学会
雑誌
地図 (ISSN:00094897)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.57-65, 2015

<p>We have intended to popularize geological maps, which are restricted professional uses presently. Two geologists, a map designer, and a print coordinator worked together to publish two maps at Asama Volcano and five maps in Izu Peninsula. They are easy to read for everyone because topographic relief is used as a base map. Every map was finished beautiful enough you want to exhibit it on the walls. We sell those maps not only at local shops but through the Internet for 500 yen, a surprisingly lower price than existing geological maps.</p>
著者
早川 由紀夫
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
1985

博士論文
著者
早川 由紀夫 中村 賢太郎 藤根 久 中村 賢太郎 ナカムラ ケンタロウ Nakamura Kentaro 藤根 久 フジネ ヒサシ Fujine Hisashi 伊藤 茂 イトウ シゲル Ito Shigeru 廣田 正史 ヒロタ マサシ Hirota Masashi 小林 紘一 コバヤシ コウイチ Kobayashi Koichi
出版者
群馬大学教育学部
雑誌
群馬大学教育学部紀要. 自然科学編 = Science reports of the Faculty of Education, Gunma University (ISSN:00175668)
巻号頁・発行日
vol.63, pp.35-39, 2015

Radiocarbon wiggle matching method was applied for precise dating of a tephra which was designated asone of the important key beds for archaeology. The FA tephra is a pyroclastic deposit from the Shibukawaeruption of Haruna Volcano during the Kofun period of Japan. The age of FA has been investigated usingarchaeological remains and also historical records of Japan and China. It has been estimated roughly as early6th century. Three tumbled logs were found being buried in the tephra whose thickness was about 4 m. Thelogs were cut in many groups with five tree rings and every two groups were sampled for C measurement. Asthese trees were thought to have the same age from the occurrence,all data were used for wiggle matchinganalysis. The age of the outermost tree ring group is determined as AD 491-500(AD 497/+3/-6).
著者
早川 由紀夫 ハヤカワ ユキオ Hayakawa Yukio
出版者
群馬大学教育学部
雑誌
群馬大学教育学部紀要. 自然科学編 = Science reports of the Faculty of Education, Gunma University (ISSN:00175668)
巻号頁・発行日
vol.62, pp.35-50, 2014

2011年3月11日に起こった大きな地震と津波のあとしばらくして、大量の放射性物質が福島第一原発から大気中に出た。私はその汚染分布を迅速に把握して地図に表現し、インターネットで即座に公表した。放射性物質は原発から連続的定常的に放出されたのではなかった。3月12日、3月15日、それから3月20-21日に大きな放出イベントがあった。原子炉格納容器の圧力が低下あるいは上昇したときに対応する。順に1号機、2号機、3号機からの放出だった。大気中に出たセシウムは1京1000兆ベクレル(11PBq)。1986年のチェルノブイリ原発事故で出たセシウムの1/12である。しかし人口密度を考慮すると、被害は両者ほぼ同じかフクシマが3倍深刻である。芝生や森の林床だけでなく、アスファルトの上でも2011年3月に降り積もったセシウムはほとんど移動していない。そういった場所の放射線量率の自然減衰はセシウム134と137の半減期でよく説明できる。この事故で放出されたセシウムに起因するがん死の増加は5300人と見積もられる。今後50年間の福島中通りにおける放射能リスクは交通事故リスクの1/2である。
著者
早川 達 C A
出版者
日経BP社
雑誌
日経ドラッグインフォメーションpremium
巻号頁・発行日
no.174, pp.PE17-24, 2012-04

北海道薬科大学薬物治療学分野教授。POS(Problem Oriented System)に基づく薬歴管理の第一人者。著書に『POS薬歴がすぐ書ける「薬歴スキルアップ」虎の巻』基本疾患篇、慢性疾患篇、専門疾患篇など。 今回は、みやこ薬局山科店に来局した69歳女性、石井千鶴さん(仮名)の薬歴をオーディットしました。
著者
戸塚 唯氏 早川 昌範 深田 博己
出版者
The Japanese Group Dynamics Association
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.26-36, 2001-12-25 (Released:2010-06-04)
参考文献数
16

防護動機理論 (protection motivation theory: PMT) とはRogers (1983) によって提唱された脅威アピールの説得効果を説明するための理論である。本研究の目的はPMTに基づいて, 環境ホルモン (擬似エストロゲン物質) の対処行動意図を促進, あるいは抑制する要因を検討することであった。独立変数は, 脅威 (高・低), 反応効果性 (高・低), 反応コスト (高・低), 性 (男性・女性) であり, 400人の被験者 (男性200人, 女性200人) を16条件のうちの1つに割り当てた。その後被験者に説得メッセージを呈示し, さらに質問紙に回答させた。分散分析の結果, 脅威と効果性, 性の主効果が見いだされ, 脅威や効果性が大きいほど, また男性よりも女性の方が, 環境ホルモン対処行動意図が大きいことが明らかとなった。次に実験的検討を補うために, PMT認知要因 (深刻さ, 生起確率, 効果性, コスト, 自己効力, 内的報酬), 性, 恐怖感情を順に説明変数に投入する階層的重回帰分析を行った。その結果, コストを除いたPMT要因と性, および恐怖感情が環境ホルモン対処行動意図に影響を与えていることが明らかとなった。