著者
梅崎 健夫 河村 隆 西田 健吾 早川 典 石井 大悟 志賀 信彦
出版者
国際ジオシンセティックス学会 日本支部
雑誌
ジオシンセティックス論文集 (ISSN:13446193)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.167-174, 2013 (Released:2014-11-06)
参考文献数
16
被引用文献数
4 3

水中の陽イオンおよび陰イオンを吸着除去する天然ゼオライトおよび多孔質ケイ酸カルシウムをパルプにす き込んだゼオライト機能紙およびケイ酸カルシウム機能紙を開発した.湖沼や河川などの富栄養化の要因であ る窒素およびリンに対するこれら上記2種類の多孔質担持機能紙の有効性を検証するため端緒として,アンモ ニア態窒素(NH4-N)およびリン酸態リン(PO4-P)を含む水溶液に対する吸着試験を実施した.試験結果に基 づいて,機能紙の吸着特性について検討した.主な結論として,ゼオライト機能紙へのNH4-Nおよびケイ酸カ ルシウム機能紙へのPO4-Pの吸着はそれぞれ短時間で生じること,水溶液中にNH4-NおよびPO4-Pの両者が混在 する場合においても互いの吸着を妨げないこと,一旦吸着すると容易に剥離しないこと,を明らかにした.
著者
山本 晴彦 早川 誠而 鈴木 義則
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.65, no.9, pp.943-948,a2, 1997-09-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
11

神戸市長田区と須磨区に立地する小規模な7つの都市公園を対象に, 阪神大震災による公園内に植栽された樹木の被災状況と延焼防止機能を調査した。菅原通公園, 御蔵通公園, 大国公園の植栽の被災率は, 38%, 10%, 58%であった。これらの公園における周辺の焼失地域は1~2方位で, 公園の周縁部に植栽されたクスノキなどの常緑性高木樹が火炎を遮断することで公園内部に植栽された樹木の被災率が低くなった。さらに, 公園内に設けられたオープンスペースの存在が相乗効果となり, 後背部への延焼防止「焼け止り」の現象が発揮されたと考えられた。植栽の被災率が比較的低かった公園では, 被害樹の樹勢が徐々に回復していることがわかった。
著者
早川 和重 三橋 紀夫 岡崎 篤 中野 隆史 玉木 義雄 山川 通隆 伊藤 潤 平岡 成恭 原 富夫 新部 英男
出版者
The Kitakanto Medical Society
雑誌
北関東医学 (ISSN:00231908)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.17-24, 1984-02-20 (Released:2009-11-11)
参考文献数
21

From January 1970 to June 1982, among 4, 294 patients with malignant neoplasms, herpes zoster (HZ) occurred in 87 (2.0%) after irradiation. The incidence of HZ infection was rather high in patients with malignant lymphoma (8.3%), epipharyngeal cancer (8.2%), ovarial tumor (4.8%) and testicular tumor (4.2%). Most of these patients received extensive radiation therapy along the spinal cord and/or nerve root.The location of HZ infection was devided as follows : HZ infectious lesion located in the area of (I-A) innervated segment of the irradiated nerve root (74%), (I-B) irradiated dermatome (3%) and (II) not associated with radiation field (23%).In 55 (86%) of 64 patients of I-A, HZ infection occurred within one year, particularly in six months (41 cases (64%)) after the complesion of radiation therapy. This incubation period between completing irradiation and the manifestation of HZ infection was likely to be compatible with the period between radiation therapy and earlier radiation injury. Among 20 patients in Group II, 12 patients (60%) developed HZ infection over a year after irradiation.The cumulative 5-year survival of these patients except for the patients with malignant lymphoma was 42% and HZ infection was considered to have no prognostic significance.In 19 cases treated with 3-Germylopropionic acid sesquioxide (Biositon-8), all were free of severe neuralgia and 11 patients were cured within 2 weeks. Ongoing clinical trial investigating the use of Biositon-8 appears promising against HZ infection.
著者
早川 洋一 瀧田 真平 菊池 一也 吉田 彩夏 小林 牧人
出版者
一般社団法人 日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.111-124, 2012-11-05 (Released:2014-12-02)
参考文献数
39
被引用文献数
2

The importance of olfaction in spawning of medaka Oryzias latipes was established for the first time by observation of spawning behavior by fish subjected to an olfactory blockage. Experimental fish were prepared by (1) covering the nostrils on both sides (bilateral treatment), thereby excluding all olfactory stimuli, and (2) covering nostrils on one side only (unilateral treatment), thereby giving partial exclusion. A control group comprised untreated (intact). Experiments conducted for both males (bilateral male-intact female, unilateral male-intact female and intact male-intact female) and females (bilateral female-intact male, unilateral female-intact male and intact female-intact male) resulted in no spawning by intact females paired with bilateral males, whereas spawning occurred in intact females paired with both unilateral and intact males. Spawning also occurred when intact males were paired with intact, unilateral or bilateral females, indicating that olfactory stimuli were necessary for males to complete spawning, but not so for females. Spawning acts exhibited from pairing started by bilateral males-intact female pairs included “following” (initial act of following female), “positioning” (lateral courtship display), and “quick circle” (turning in front of female), but they did not include “contact” (bodies in contact posteriorly prior to gamete release), “wrapping” (male embracing female using their dorsal and anal fins during gamete release). On the other hand, intact and unilateral males participated in all of the above spawning acts, indicating that olfactory stimuli are indispensable for behavior concerning emitting semen.
著者
皿井 舞 塚本 麿充 神居 文彰 早川 泰弘 城野 誠冶
出版者
独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

2019年度は、鳳凰堂内の修理事業の計画のうち天井の建造材の剥落止め作業が行われたことから、鳳凰堂母屋正面(東面)の天井、東面の4本の柱絵、及び、それまで足場の長さが足りず十分に届かなかった南面の柱等の調査を行う予定であった。6月11日に、事前調査として、足場最上層にのぼり格子天井や大虹梁ほかの彩色の状態を確認した。8月3日~4日、鳳凰堂内の目視調査を実施、従来、確認できていなかった柱絵の図容を調査した。また阿弥陀如来像が堂内で安置場所から移動するのにともない、10月14日~15日、像、光背などの撮影、調査をおこなった。その後、年度末に来迎柱の絵様帯に描かれた各モチーフの彩色材料につき科学調査を実施する予定であったが、新型コロナウィルス感染症による緊急事態宣言発出のため、実施ができなかった。この点については、鳳凰堂の空間彩色の問題を解決する糸口となる重要な調査であるため早期の実施をはかりたい。
著者
須田 和義 菊田 信一 早川 一博
出版者
The Japan Society of Coloproctology
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.359-363, 1999 (Released:2009-10-16)
参考文献数
15

目的 : 腰椎麻酔は肛門部手術においても有用な麻酔法であるが麻酔後の頭痛は大きな難点である.27, 29Gの脊麻針はこの頭痛の発生をかなり減少させるといわれ, 著者らは27Gのウイッタカー針を主として使用し他細径脊麻針25, 27, 29G針と頭痛頻度を比較した.対象と方法 : 対象はsaddle block麻酔で内痔核根治手術を施行した2,024症例で, 25, 27, 29Gのクインキー針, 27Gのウイッタカー針を使用し, 術後の入院期間中に頭痛の有無を調べた.結果 : 27Gウイッタカー針で頭痛の発生頻度は0.7%, 29G, 27G, 25Gクインキー針ではそれぞれ, 2.0, 3.7, 10%であった。27, 29Gの脊麻針では皮膚穿刺のintroducerを使用する煩雑さがある.29Gでは穿刺強度不足も経験された.結論 : 27Gウイッタカー針は頭痛の発生頻度において最も細径の29G針に劣らず, 強度もほぼ不足はなく, 腰麻後の頭痛を効果的に減少させ, きわめて有用な脊麻針と考えられた.
著者
都筑 学 宮崎 伸一 村井 剛 早川 みどり 飯村 周平
出版者
中央大学保健体育研究所紀要編集委員会
雑誌
中央大学保健体育研究所紀要 (ISSN:09104046)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.7-33, 2019-06-25

This study aimed to examine how university students use SNS (Social Networking System) and which psychological factors effect on their SNS utilization . The participants were 720 undergraduate students in Chuo university. They were asked to complete web questionnaire which consisted of the following questions; (a) possession of account of LINE, Twitter, Instagram and Facebook, (b) utilization time per day for LINE, Twitter, Instagram and Facebook, (c) utilization frequency per week for LINE, Twitter, Instagram and Facebook, (d) the degree of importance for using LINE, Twitter, Instagram and Facebook, (e) Smartphone dependency scale for use with Japanese university students (Matsushima, etc., 2017), (f) Praise seeking and rejection avoidance need scales (Kojima, Ota & Sugawara, 2003), (g) Critical thinking disposition scale (Hirayama & Kusumi, 2004) and (h) Attitude for SNS contribution. The obtained findings showed that all of students used LINE and nearly 80 percent of students simultaneously used LINE, Twitter and Instagram. Utilization frequency and time of four SNS were tended to have positive correlation with each other. SNS utilization frequency and time were positively related with Smartphohe dependency and praise seeking, but negatively related with critical thinking disposition. Three cluster of SNS utilization were extracted by laten profile analysis. Finally, psychological function of using SNS and implication of the obtained results was discussed.
著者
藤井 陽生 播广谷 勝三 小早川 和 松本 嘉寛 川口 謙一 林田 光正 岩本 幸英
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.58-61, 2017-03-25 (Released:2017-05-01)
参考文献数
10

思春期特発性側弯症患者の発見理由を調査した.【対象と方法】2008年から2015年に当院を受診した259例(女性236例,男性23例,平均13.7歳)の発見理由,主カーブCobb角,初期治療を調査した.【結果】発見理由は学校検診(S群)115例(44.4%),家族・本人(F群)79例(30.5%),病院・医院(H群)65例(25.1%)であった.発見時年齢は各々平均12.9歳,13.1歳,13.7歳であり,S群は,H群よりも年齢が低かった.3群間の性差に有意差はなかった.主カーブは各々平均36.8°,40.4°,36.0°で,有意差はなかったが,40°以上の患者の割合はF群に比べてS群,H群で低い傾向にあった.3群間で初期治療に相関はなかったが,S群およびH群は,F群よりも手術率が低い傾向にあった.【考察】学校検診のあり方や早期発見方法について検討の余地があると考えられた.
著者
尾崎 まみこ 針山 孝彦 永田 仁史 綾部 早穂 金山 尚裕 小早川 達 大坪 庸介
出版者
奈良女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2018-07-18

「赤ちゃんの匂いはいい匂い」とは、経験的によくいわれてきたが、これまで科学的に証明されたことはなかった。私たちは生後、数時間から数日の20名の新生児の頭部からストレスフリーで非侵襲な方法で採集し、そのうち19名の匂いを個別に分析した。19名のうち16名の匂いは相互によく似た成分構成を示し、残りの4名の匂いは、1,2の成分の含有量が他と異なっていた。この結果から、新生児の頭部の匂いには、“標準的な”化学成分構成が存在することが示唆された。化学分析結果をもとに、含有量の上位を占める20成分を使って19名の匂いを再現する調香品をそれぞれ作成した。それらの調香品の匂いについて、20名の学生(男女10名ずつ)から、匂いに関連する50のタームへの当てはまり度を回答する心理学的感覚評価の結果を得た。この回答のスコアに対する因子分析を行うため、スクリープロットから妥当と考えられる3因子解を求めた。得られた第1、第2、第3因子は、それぞれ、「快い情動を引き起こす匂い」に関与する因子、「快い質の匂い」に関与する因子、「不快な情動を引き起こす匂い」に関与する因子であり、寄与率は順に0.32、0.13、0.11であった。ちなみに「不快な質の匂い」に関係の深い13タームはいずれも極めて低いスコアしか獲得していなかったので、あらかじめ因子分析の対象から除外した。このように、本研究から、化学―心理学的な根拠を示すことにより、「赤ちゃんの匂いは快い情動を引き起こす匂いである」ことを、世界で初めて証明することができた。最後に、学生による調香品の匂いの評価と父母などによる本物の赤ちゃんの匂いの評価を同じ感覚評価テストで比較したところ、およそ矛盾の無い結果が得られた。
著者
早川 達
出版者
日経BP社
雑誌
日経ドラッグインフォメーションpremium
巻号頁・発行日
no.144, pp.PE16-23, 2009-10

今回はマルイチ薬局徳倉店に来局している57歳の女性、平田康子さん(仮名)の薬歴を基に、薬歴添削と症例検討会(オーディット)をしました。平田さんは20年前に糖尿病を指摘された経験がありますが、カロリー制限によって血糖値が下降したため、糖尿病は食事制限で治ると思い込んでいます。
著者
早川 与志子
出版者
明治大学大学院教養デザイン研究科
雑誌
いすみあ
巻号頁・発行日
vol.2, pp.60-64, 2010-03

古希を過ぎてなお、テレビの第一線で、しかも第一級の番組を作り続けているディレクターはそうはいない。石橋冠さんは、テレビが新しい娯楽として定着した六〇年代後半に民放のテレビ局に入社し、半世紀以上制作現場に関わってきた。テレビの最盛期を体験し、現在も現役で活躍するドラマの演出家は、彼が最後ではないかとも言われている。 作品を見ながら、テレビの変遷と時代について語っていただいた。僕の敬愛しているビートたけしさんが明治大学出身なので、今日はちょっとドキドキしてやってきました。僕らの学生時代とはうって変わって、設備の良い、整った校舎なので、眼を丸くした次第です。「振り向くな、振り向くな、後ろには夢がない」と寺山修司が言っていますけど、今日は学生時代のことをふんだんに思い出しています。
著者
早川 和一 鈴木 信雄 細井 信造
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

水試料中のPAH,NPAH類を対象にHPLC/蛍光検出法,HPLC/化学発光検出法を用いた超高感度分析法を開発し,前者を用いて日本海及び周辺海域のPAH汚染の現状を明らかにした。また,PAH水酸化体とPAHキノン体の酵母two-hybrid法を用いた内分泌かく乱作用とキンギョ鱗培養システムに及ぼす影響に関連があり,作用を示す化合物との間に構造活性相関があることを明らかにした。
著者
早川 和一 鈴木 信雄 大嶋 雄治
出版者
金沢大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

重油汚染による魚の奇形発生の機構を調べるために、様々なバイオアッセイ系を用いて解析した。その結果、毒物の本体は、水酸化した多環芳香族炭化水素類であり、メダカの胚発生において致死作用があり、ウロコの骨芽細胞及び破骨細胞の活性に影響を与えた。さらに解毒タンパク質の候補になり得る物質を見出すことができた。
著者
酒井 俊太 星野 公彦 多田 祐美子 井野 威 関山 達也 宗像 一雄 早川 弘一
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.187-191, 1993-02-15 (Released:2013-05-24)
参考文献数
11

症例は44歳の男性,主訴は動悸.18歳より歩行困難,20歳より上腕,大腿筋の萎縮と筋力低下,某病院にて肢帯型筋ジストロフィー症と診断.30歳時霧視,一過性視力低下出現し,近医にてベーチェット病と診断.1989年5月,胃潰瘍にて某病院入院.入院中心室頻拍を認め,精査のため当科入院.諸心機能検査にて著明な心機能障害,心筋生検にて心筋の萎縮・変性を認めた.肢帯型筋ジストロフィー症ではDuchenne型に比し心病変は軽度なことが多く,重篤な心筋障害を認めた報告は少ない.また,筋ジストロフィー症とベーチェット病との合併例は我々が調べ得た範囲ではいまだ報告なく極めて稀な症例と考え報告する.
著者
鈴木 颯渡 早川 智一
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.233-234, 2019-02-28

本論文では,コーディング過程を共有するWebアプリケーション用フレームワークの改良法を提案する.我々は,他者のコーディング過程の追体験が初学者のプログラミング学習に役立つと考え,同過程の共有(記録と再生)を行うWebアプリケーション用フレームワークを提案してきた.しかし,このフレームワークには,記録対象のソースコード容量の増大に伴ってデータ転送量が指数的に増大する設計上の課題があった.我々は,この課題を解決するためにWebSocketを用いた改良を試み,ソースコードの容量が大きい場合にデータ転送量の減少が特に顕著になるという成果を得た.
著者
早川 達 A B
出版者
日経BP社
雑誌
日経ドラッグインフォメーションpremium
巻号頁・発行日
no.179, pp.PE17-24, 2012-09

北海道薬科大学薬物治療学分野教授。POS(Problem Oriented System)に基づく薬歴管理の第一人者。著書に『POS薬歴がすぐ書ける「薬歴スキルアップ」虎の巻』基本疾患篇、慢性疾患篇、専門疾患篇など。 今回は、ホクト薬局に来局した61歳の女性、神田江里子さん(仮名)の薬歴をオーディットしました。神田さんは透析を受けており、バセドウ病など複数の病気を抱えています。