著者
早川 泰弘 古庄 浩明 青木 繁夫 オタベック アリプトジャノフ
雑誌
保存科学 = Science for conservation
巻号頁・発行日
no.52, pp.59-70, 2013-03-26

Republic of Uzbekistan is located approximately in the center of Central Asia and has many cultural heritage sites along the ancient Silk Road. The largest museum in Tashkent, the capital of Uzbekistan, is The State Museum of History of Uzbekistan. The Museum, belonging to the Academy of Science of Uzbekistan, and the Japan Foundation have been promoting projects on the protection of cultural heritage and development of human resources in Uzbekistan since 2008. As part of these projects, the National Research Institute for Cultural Properties,Tokyo conducted lectures and practical investigation on the research of cultural property using a hand-held X-ray fluorescence spectrometer in The State Museum of History of Uzbekistan in September 2012. Material analysis was conducted of several statue objects excavated from Fayaztepa ruins (southern Uzbekistan,1th-4th century),fragments of wall paintings from Afrasiab ruins (Samarkand, 7th-8th century) and Varahsha ruins (Bukhara, 6th-7th century) that are on display in the Museum. Gypsum was primarily used in most of the objects for coloring white. However, lead white was found for coloring bright white in the fragments of wall paintings excavated from Afrasiab and Varahsha ruins. Red materials including four types were identified: iron oxide red, minium, cinnabar, and a combination of cinnabar and minium. It was found that yellow material was only yellow ochre. There were objects from which trace amount of arsenic was detected. These might be derived from realgar with orange color or orpiment with yellow color. Only lapis lazuli is found as blue coloring material. Black material was considered to be carbon black. Furthermore, it was found that high purity gold leaf was used for decorating the surface of statue objects. Green coloring material was not found among the objects investigated. The present investigation was performed on only a few objects collected in The State Museum of History of Uzbekistan. However, it is certain that useful information about coloring materials was obtained from the investigation using only X-ray fluorescence analysis. It is hoped that preservation of cultural heritage and development of human resources of Uzbekistan will progress well in the future. Furthermore, it is expected that scientific research for understanding materials and production techniques of objects will be carried out systematically, and data obtained accumulated steadily.
著者
片山 直美 足土 由里佳 一野 晃代 長坂 恵樹子 加藤 江理 伊藤 えり 太田 陽子 梶川 典子 蟹谷 未香 下林 真知子 恒川 小百合 早川 ちひろ 楪葉 真由 藤本 保志
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.56, no.Suppl.2, pp.S125-S132, 2010 (Released:2011-12-01)
参考文献数
6

日本人の食の満足に及ぼす影響が大きい主食である「飯」に注目し、おいしく簡単に炊き上げるための工夫として、一般家庭で用いる炊飯器によって炊飯した飯の 3 種類の水(純水、ミネラル水、水道水)による違いを検討した。さらに選択した水を用いて、嚥下食・介護食に用いることが可能な離水しにくい粥を作製するために 5 種類の増粘剤(トロミパーフェクト、ソフティア、つるりんこ、とろみ名人、スルーキング)を用いて違いを検討した。方法として被験者である健康成人女性 92 名により各飯の「味」、「香り」、「見た目」、「総合」における官能試験を 5 点満点で評価し、物性を硬さ・粘り計(サタケ製)にて「弾力性」、「硬さ」、「粘り」、「バランス」について評価した。結果、無洗米の炊飯の際に用いる水は純水が最も高い評価であり、熱湯で炊飯することで、加水する時間なしで十分に評価の高い飯が炊き上がることが分かった。また離水しにくい粥も同様に熱湯を用いて加水する時間なしで炊き上げ可能であった。増粘剤を用いることで時間が経っても離水せず、軟らかい粥ができるため、嚥下食・介護食に適していることが分かった。
著者
早川 文代 風見 由香利 阪下 利久 上平 安紘 池羽田 晶文
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.69, 2017

【目的】モモの品質には果肉部の軟らかさや特有の風味が重要である。しかし、部位差、剥皮時の果肉損傷および剥皮後の褐変が著しいため、官能評価が難しく、その報告例は少ない。本研究では、モモの分析型官能評価法を設計し、品種および追熟条件の異なる種々の試料の官能特性の数値化を試みた。<br>【方法】官能評価設計には、2014年、2015年産のモモ9品種(日川白鳳、浅間白桃、一宮白桃、川中島白桃、なつっこ、さくら、幸茜、甲斐黄桃、黄金桃)を用い、官能評価パネルの討議および篤農家への面接調査を行った。本評価では、2016年産の6品種について、出荷翌日の果実を、追熟なし、5℃あるいは20℃で4日間追熟させ、その後24時間20℃に置いて試料とした。パネルは選抜、訓練された9人とし、赤色照明下のブースで評価を実施した。各パネリストに試料1果を提示し、においかぎによる香りの評価後、自身で試料片を調製させ、風味およびテクスチャーを評価させた。あわせて、硬度および可溶性固形分を測定した。<br>【結果】「花様の香り」「ココナッツの香り」等、18特性について、各試料の官能評価データを得た。追熟によって、テクスチャーの軟化と香りの増加がみられ、その変化は20℃で顕著であった。においかぎによる香りの評価は、試料片の口中香の評価よりも、品種間差および追熟条件間差の検出力が高く、皮の香気の影響および味やテクスチャーとの相互作用の影響が推察された。
著者
早川 享志
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.108, no.7, pp.483-493, 2013 (Released:2018-01-15)
参考文献数
42

消化管内で消化・吸収されにくく,消化管を介して健康の維持に役立つ生理作用を発現する食物成分をルミナコイドという。ルミナコイドのうちの食物繊維の整腸作用についてはよく知られているが,本報ではルミナコイドの1つであるレジスタントスターチについて解説していただいた。筆者の早川先生は平成23年度日本食物繊維学会学会賞を受賞されており,ルミナコイド研究の第一人者である。ご一読いただき,健康な食生活に生かしていただきたい。
著者
岡村 茂樹 藤田 聡 荒水 照夫 池永 雅良 早川 邦夫 舟木 秀尊
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.68, no.675, pp.3137-3142, 2002-11-25 (Released:2008-02-26)
参考文献数
2

Most of non-rubber type isolation systems apply frictional force. One of the famous non-rubber type isolation systems is Friction Pendulum Bearing (: FPB) system. When using friction pendulum system in the open air circumstances, some have pointed out that long term durability of the systems must have been taken into account and it might have been very difficult to maintain the coefficient of friction. In this study, dynamic motion of the isolated structure model with 4 of FPB systems are investigated, especially in in-plane mode, considering a variance of friction coefficient of one system, a distribution of the mass of superstructures. The result and the analysis of the shake table test using 3-storey steal-frame model is presented in this report.
著者
早川 由真
出版者
日本映像学会
雑誌
映像学 (ISSN:02860279)
巻号頁・発行日
vol.99, pp.5-24, 2018

<p>【要旨】</p><p>映画において画面上に映しだされる身体とは、どのような存在なのか。この問題を考えるにあたり、本論文はリチャード・フライシャー監督『絞殺魔』(1968)を取り上げる。トニー・カーティス演じるアルバート・デサルヴォという存在には、これまでの研究では指摘されてこなかった、画面上の身体としての在り方の特異性が表れているのだ。精神病的な観点からこの作品を論じた先行研究は、デサルヴォが〈第2 の人格が真犯人である分裂した存在〉であることを前提にしているが、本論文はそれを前提にしない。本論文の目的は、スティーヴン・ヒースが分類した物語映画における「人々の存在」の各項目を仮設的枠組みとして用いつつ、テクスト内外の諸要素を多角的な観点から分析し、それぞれの項目にはうまく収まらないデサルヴォの在り方の特異性を明らかにすることである。まず第1 節では、カーティスのスター・イメージ、およびメディア言説におけるデサルヴォ像を検証する。第2 節では、デサルヴォを真犯人に見せるプロセスを指摘し、不可視性や声を手掛かりにそのプロセスにおける綻びを見出す。第3 節では、デサルヴォを主体化しようとする可視化の暴力のメカニズムを示し、終盤の尋問の場面における身振りを論じる。最終的に、不可視の体制、可視化の暴力、別の不可視の領域、この3 つの段階をたどった後に〈白の存在〉へと至るその在り方が明らかになる。</p>
著者
早川雪男 著
出版者
國民書院
巻号頁・発行日
1900
著者
中村 美詠子 近藤 今子 久保田 晃生 古川 五百子 鈴木 輝康 中村 晴信 早川 徳香 尾島 俊之 青木 伸雄
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.57, no.10, pp.881-890, 2010 (Released:2014-06-12)
参考文献数
17
被引用文献数
4

目的 本研究は,児童生徒における「学校に行きたくないとしばしば感じる気持ち」(以下,不登校傾向)の保有状況と自覚症状,生活習慣関連要因との関連を横断的に明らかにすることを目的とする。方法 平成15年11月に小学校 2・4・6 年生,中学校 1 年生,高等学校 1 年生の5,448人と小学生の保護者1,051人を対象として実施された静岡県「子どもの生活実態調査」のデータを用いた。自記式の調査票により,児童,生徒の不登校傾向,自覚症状,生活習慣,および小学生の保護者の生活習慣を把握した。結果 有効な回答が得られた小学生2,675人,中学生940人,高校生1,377人,小学生の保護者659人について分析を行った。不登校傾向は,男子小学生の11.4%,男子中学生の12.1%,男子高校生の25.3%,女子小学生の9.8%,女子中学生の19.6%,女子高校生の35.9%にみられた。不登校傾向を目的変数,自覚症状,生活習慣関連要因をそれぞれ説明変数として,性別,小学(学年を調整)・中学・高校別に,不登校傾向と各要因との関連を多重ロジスティック回帰分析により検討した。男女ともに,小学・中学・高校の全てでオッズ比(OR)が統計学的に有意に高かったのは,活力低下(OR: 3.68~8.22),イライラ感(OR: 3.00~6.30),疲労倦怠感(OR: 3.63~5.10),朝眠くてなかなか起きられない(OR: 1.98~2.69)であり,また強いやせ希望あり(OR: 1.83~2.97)のオッズ比は中学男子(OR: 2.09, 95%信頼区間:0.95–4.60)以外で有意に高かった。一方,小学生において保護者(女性)の生活習慣関連要因と不登校傾向との間に有意な関連はみられなかった。結論 不登校傾向の保有状況は小学生では男女差は明らかではないものの,中高生では女子は男子より高かった。また,不登校傾向は,不登校者においてしばしば観察されるような様々な自覚症状と関連していた。
著者
早川 康夫
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.177-182, 2003-06-15
被引用文献数
1

"日高地方の沢"では我が国軽種馬の3/4を産しその飼育法は一応この国の規範になっているが、この度競走馬輸入自由化対策として暫く本格検討の機械が与えられた。幸い海成段丘上の北海道大学付属牧場サラブレッド放牧地は、沢の沖積土放牧地に比べ低地力で海霧の襲来が少なく、欧米馬産地なみに不食過繁地の発生が軽微であることから、とりあえずここを欧州馬産放牧地に準ずると見做し、何故乳用牛なみの草丈(30cm前後)の多収放牧草を忌避するのかを調査した。
著者
西園 昌久 高橋 流里子 対馬 節子 松永 智子 福屋 靖子 土屋 滋 大貫 稔 高橋 美智 浅野 ふみぢ 小松崎 房枝 鈴木 小津江 平山 清武 中田 福市 鈴木 信 壁島 あや子 名嘉 幸一 鵜飼 照喜 福永 康継 浪川 昭子 高田 みつ子 岩渕 勉 森脇 浩一 加藤 謙二 早川 邦弘 森岡 信行 津田 司 平野 寛 渡辺 洋一郎 伴 信太郎 木戸 友幸 木下 清二 山田 寛保 福原 俊一 北井 暁子 小泉 俊三 今中 孝信 柏原 貞夫 渡辺 晃 俣野 一郎 村上 穆 柴崎 信吾 加畑 治 西崎 統 大宮 彬男 岩崎 徹也 奥宮 暁子 鈴木 妙 貝森 則子 大橋 ミツ 川井 浩 石川 友衛 加世田 正和 宮澤 多恵子 古賀 知行 西川 眞八 桜井 勇 三宅 史郎 北野 周作 竹洞 勝 北郷 朝衛 橋本 信也 斉藤 宣彦 石田 清 畑尾 正彦 平川 顕名 山本 浩司 庄村 東洋 島田 恒治 前川 喜平 久保 浩一 鈴木 勝 今中 雄一 木内 貴弘 朝倉 由加利 荻原 典和 若松 弘之 石崎 達郎 後藤 敏 田中 智之 小林 泰一郎 宮下 政子 飯田 年保 奥山 尚 中川 米造 永田 勝太郎 池見 酉次郎 村山 良介 河野 友信 Wagner G. S. 伊藤 幸郎 中村 多恵子 内田 玲子 永留 てる子 石原 敏子 河原 照子 石原 満子 平山 正実 中野 康平 鴨下 重彦 大道 久 中村 晃 倉光 秀麿 織畑 秀夫 鈴木 忠 馬渕 原吾 木村 恒人 大地 哲郎 宮崎 保 松嶋 喬 桜田 恵右 西尾 利一 森 忠三 宮森 正 奥野 正孝 江尻 崇 前沢 政次 大川 藤夫 関口 忠司 吉新 通康 岡田 正資 池田 博 釜野 安昭 高畠 由隆 高山 千史 吉村 望 小田 利通 川崎 孝一 堀 原一 山根 至二 小森 亮 小林 建一 田中 直樹 国府田 守雄 高橋 宣胖 島田 甚五郎 丸地 信弘 松田 正己 永井 友二郎 向平 淳 中嶌 義麿 鎮西 忠信 岡田 究 赤澤 淳平 大西 勝也 後藤 淳郎 下浦 範輔 上田 武 川西 正広 山室 隆夫 岡部 保 鳥居 有人 日向野 晃一 田宮 幸一 菅野 二郎 黒川 一郎 恩村 雄太 青木 高志 宮田 亮 高野 純一 藤井 正三 武内 恵輔 南須原 浩一 佐々木 亨 浜向 賢司 本田 麺康 中川 昌一 小松 作蔵 東 匡伸 小野寺 壮吉 土谷 茂樹 岡 国臣 那須 郁夫 有田 清三郎 斎藤 泰一 清水 強 真島 英信 村岡 亮 梅田 典嗣 下条 ゑみ 松枝 啓 林 茂樹 森 一博 星野 恵津夫 正田 良介 黒沢 進 大和 滋 丸山 稔之 織田 敏次 千先 康二 田中 勧 瓜生田 曜造 尾形 利郎 細田 四郎 上田 智 尾島 昭次 大鐘 稔彦 小倉 脩 林 博史 島 澄夫 小池 晃 笹岡 俊邦 磯村 孝二 岩崎 栄 鈴木 荘一 吉崎 正義 平田 耕造
出版者
Japan Society for Medical Education
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.145-173, 1984
著者
鳥羽 陽 本間 千春 宇於崎 和香 Thanyarat CHUESAARD 唐 寧 早川 和一
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.23-29, 2014-01-05 (Released:2014-01-31)
参考文献数
24
被引用文献数
2

A high-performance liquid chromatographic (HPLC) method with fluorescence detection was developed for the quantification of polycyclic aromatic hydrocarbons (PAHs) in cigarette mainstream and sidestream smoke particulates. Fifteen kinds of PAHs classified as priority pollutants by the US EPA were quantified with six perdeuterated PAHs as internal standards. The smoke filter samples obtained from 3 brands of cigarettes using standardized smoking conditions were extracted with dichloromethane, and then treated with tandem solid phase extraction cartridges (Silica and Neutral Alumina). The limits of detection ranged from 0.24 to 2.2 pg, and were more sensitive than those by GC-MS. The analytes were quantified by using the internal standards, and the developed method achieved sufficient reproducibility and accuracy. The PAH levels in mainstream and sidestream smoke from 3 cigarette brands were in the range of 0.2 – 305 ng cigarette−1 and 26.4 – 6160 ng cigarette−1, respectively. The total PAH content in sidestream smoke was more than 10 times higher compared with that of mainstream smoke. This method should be useful as an optional analytical method to quantify PAHs in cigarette smoke particulates.

1 0 0 0 OA 性感染症

著者
早川 智
出版者
日本大学医学会
雑誌
日大医学雑誌 (ISSN:00290424)
巻号頁・発行日
vol.77, no.3, pp.141-143, 2018-06-01 (Released:2018-07-23)
参考文献数
18