著者
山本 晃輔 曽我 千亜紀 Julien Menant
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.187-190, 2021-02-15 (Released:2021-02-15)
参考文献数
9
被引用文献数
1

We developed the Japanese version of the Game Engagement Questionnaire (GEQ). In the survey, 600 participants completed the GEQ, the Buzz-perry Aggression Questionnaire (BAQ) and the Dissociative Experience Scale-II (DES-II). Factor analysis verified the four-factor structure (absorption, immersion, flow, and presence) and demonstrated it to be an acceptable reliability (Cronbach’s α=.74–.86). The validity of the questionnaire was also confirmed by significant correlations of the total score between each subscale of the GEQ and the BAQ, or each subscale of the GEQ and the DES-II. The results indicated the acceptable validity and reliability of the questionnaire.
著者
保髙 隆之 阿曽田 悦子
出版者
NHK放送文化研究所
雑誌
放送研究と調査 (ISSN:02880008)
巻号頁・発行日
vol.71, no.10, pp.2-33, 2021 (Released:2021-11-20)

新型コロナウイルス感染症の拡大が、生活者のテレビとインターネット動画の視聴にどのような影響を与えたか、背景にある意識とともに探る。NHK放送文化研究所が2020年11月に実施した世論調査「コロナ時代のテレビの価値」の結果では、若年層だけでなく40代でも、コロナ禍で動画利用時間が増加した人(以下、動画増加者)が、テレビの視聴時間が増加した人(以下、テレビ増加者)を上回った。テレビ増加者と動画増加者の意識を比較すると、テレビ増加者では感染に不安を抱く人やテレビに親近感を感じている人が多かった。一方の動画増加者では、番組を毎回決まった時間に見るのは面倒だと感じる人や、メディア報道に懐疑的な人が多かった。 また、動画利用者のメディア利用について、コンテンツのジャンルと生活場面別に詳しくみると、ジャンルでは「趣味・実用」を「動画のみ」で視聴する人の割合が高く、関連で実施したウェブ調査の参考データでは、地上波では見られない多様な内容を視聴していた。生活場面では、テレビが食事どきに視聴を増やすのに対し、動画は夜間のプライベートな時間に視聴が集中した。ウェブ調査の結果からは、夕食中にテレビ画面で動画を家族視聴する人がいるなど、今後、伝統的なテレビと動画の視聴スタイルが変わっていく可能性もうかがえる。
著者
安倍 幸次 小澤 賢司 鈴木 陽一 曽根 敏夫
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.56, no.12, pp.793-804, 2000-12-01 (Released:2017-06-02)
被引用文献数
1

視覚情報が環境音知覚に及ぼす影響について調べることを目的とし, 刺激音を指示する際に, 対応する映像も同時に指示して評価実験を行った。その結果から各刺激の因子得点を求め, 以前に行った音のみを指示した実験から得た因子得点と比較することにより, 視覚情報が環境音の評価に及ぼす影響を検討した。その結果, 音の明るさ因子を除く各因子について, 映像の付加による影響が見られた。各因子ごとにその影響について検討したところ, 映像を手掛かりとして音場・音源を認識することにより, その音に対して元々抱いていたイメージが与られることが, 実際に提示された刺激音の評価に影響を及ぼしていることが明らかとなった。また, 映像と音情報との整合性や映像の動きが聴覚的な評価に影響を及ぼすことが示された。
著者
加藤 慎 曽根 卓朗 塚田 学 江崎 浩
雑誌
マルチメディア,分散協調とモバイルシンポジウム2215論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.1373-1380, 2020-06-17

著者らが所属する SDM (Software Defined Media) コンソーシアムでは,2016 年より三次元映像音声メディアを管理するためのプラットフォームとして SDM Ontology の提案を進めてきた.SDM Ontology は,メディアデータとともに様々な種類・粒度,かつ,膨大な量のメタデータを階層構造に整理して管理可能とする.従来の提案は,収録段階についての記述に焦点を当てた設計となっており,収録されたメディアデータの編集段階まで考慮していなかったため,編集作業に用いられるソフトウェアやミキサーなどのメディアプロセッサの情報を記述するための構造がなかった.また,メディア収録の情報は静的である一方で,メディアの編集作業は収録されたデータや編集されたデータをもとに繰り返しおこなわれることも多く,一般に動的といえるため従来設計では対応しきれない.このような問題を踏まえ,本稿では SDM Ontology の構造について整理し直し,修正を加えるとともに,動的構造を表現するために再帰的記述を導入し,メディアの収録・編集について記述可能な SDM Ontology Version 2.0 を提案する.
著者
菅原 知宏 山本 周平 曽我部 敦
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.20, no.5, pp.195-202, 2020 (Released:2020-05-09)
参考文献数
16
被引用文献数
1

酵母Pseudozyma tsukubaensisが生産するマンノシルエリスリトールリピッド-B(MEL-B)は,糖脂質型バイオサーファクタントとして研究が進められてきた。一方,優れたラメラ形成能と皮膚保湿作用といった機能性に加え,特徴的な使用感を付与する点が高く評価され,化粧品への採用が広がってきている。それに伴って,製剤化に関する研究も進展しており,MEL-Bの特性を活かした処方例の報告が増えてきている。本稿では,MEL-Bの皮膚に対する効果とメカニズムに関する基礎研究から,化粧品処方や使用感評価といった応用研究まで,化粧品用途を目指した研究事例を紹介する。
著者
河上 淳一 田原 敬士 宮崎 優 光野 武志 尾池 拓也 曽川 紗帆 宮薗 彩香 桑園 博明 嶋田 早希子 中村 雅隆
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.C4P2183, 2010

【目的】我々は第6回肩の運動機能研究会で、投球動作でのボール把持違いによる上肢帯の可動域変化を報告した。結果としては、ボール把持時の母指と示指の位置違いは上肢帯可動域に影響を及ぼさず、ボールと母指の接触面の違いは、3rdTRの可動域に影響していた。しかし、肩関節可動域の変化と投球障害発生は直結するものではない。そこで、今回は投球障害歴の有無に対し、身体的特徴とボール把持項目が投球障害発生にどのような順列で関わるかを検討した。<BR>【方法】対象は、中学生の軟式野球部で、野球歴が一年以上ある65名(年齢13.1±0.8/身長158.88cm±20.42/体重50.39kg±9.75)とした。対象者を、投球障害歴あり群19名(以下:あり群)(肩障害2名/肘障害13名/肩肘障害4名)と、投球障害歴なし群46名(以下:なし群)に分けた。群分けの方法は、過去に病院を受診し、肩または肘に対し投球障害の診断名が下ったものをあり群とし、野球経験の中で肩または肘に疼痛がなかったものや病院を受診しなかったものをなし群と決めた。障害歴に関与する因子、A.個人因子4項目(年齢/身長/体重/野球経験)、B.身体チェック36項目(両側SLR/HBD/HER/HIR/DF/HFT/CAT/2ndER/2nd I R/2nd TR/3rd ER/3rdIR/3rdTR/Elbow-Flex/Elbow-Extension/Supination/Pronation、一側FFD/Latissimus Dorsi)、C.ボール把持8項目(示指と母指の位置関係/母指とボールの接触部位/投球側握力/非投球側握力/母指示指長/母指中指長/示指中指長/ボールと皮膚の距離)、D.ボールの握りに対するアンケート12項目(a.握りを意識するかb.ポジションで握りは変化するかc.ポジションによって握りを気をつけるかd.キャッチボールと守備練習中では握りが違うと感じるかe.指にかかる事を意識しているかf.キャッチボールで縫い目を気にするかg.守備練習中で縫い目を気にするかh.理想の握りがあるか i.ボールを強く投げる時強く握るかj.ボールを強くに投げる時軽く握るかk.握りを習ったことがあるかl.ストレートを習ったことがあるか)を調査した。以上60項目に対し平均値の差の検定はT検定、独立性の検定にはχ二乗検定を行い、群間の有意差を確認した。そこで有意差が認められたものを説明変数とし、障害歴の有無を目的変数に設定した。その変数に対し、多重ロジスティック回帰分析を用いて、どのような順列で判別されるかを確認した。<BR>【説明と同意】本研究はヘルシンキ条約に基づき実施し、同意を得た。<BR>【結果】群間の結果は、A.個人因子では年齢(P=0.0002)、野球歴(P=0.0006)、身長(P=0.014)の3項目で有意差が認められた。B.身体チェックでは有意差を認めなかった。C.ボール把持項目では母指と示指の位置関係(P=0.0008)、母指示指長(P=0.0160)、母指中指長(P=0.0161)、ボールと皮膚の距離(P=0.0249)、投球側握力(P=0.0022)、非投球側握力(P=0.0091)の6項目で有意差が認められた。D.アンケートではa.(P=0.0000)、b.(P=0.0354)の2項目に有意差が認められ、これら計11項目を説明変数に採用した。ロジスティック回帰分析では、変数減少ステップ法を用いP値が0.2000以下になるまで説明変数を減少させた。結果として有意な変数が4項目選択され、P値が低値なものから順に年齢(P=0.0348)、母指と示指の位置関係(P=0.0407)、野球歴(P=0.0502)、アンケートb(P=0.0533)であった。<BR>【考察】一般的に投球障害は、フォームの乱れを持ち合わせたまま、投球を長期継続した結果起こるオーバーワークだと考えられている。本研究においても、オーバーワークの要素となりえる年齢と野球歴の説明変数に高い判別値を認めた。同様の結果が先行研究にあるため、今回の研究の妥当性がうかがえる。ボール把持に関しても、アンケートbと母指と示指の位置関係の説明変数に高い判別値を認めた。そのため、ボール把持は投球障害に強く関与していると考えられる。当院の先行研究をふまえて結果を考察すると、ボールと母指の接触面は上肢帯の可動域に影響を認め、投球障害に影響を認めない。一方で、母指と示指の位置関係は上肢帯の可動域には影響を認めず、投球障害に影響を認める。今回の結果だけではフォームへの影響などは検討できない。そのため、今後は症例数を増やし障害部位別で検討を実施し、ボール把持と身体的特徴との関連性を検討したい。<BR>【理学療法学研究としての意義】本研究は、理学療法場面での遠位運動連鎖を検討する重要性を示唆している。<BR>
著者
柴田 愛子 森 徹 曽山 典子 岡村 誠
出版者
公共選択学会
雑誌
公共選択の研究 (ISSN:02869624)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.34, pp.43-59, 2000-06-25 (Released:2010-10-14)
参考文献数
18

Bullying in school is a serious problem in Japan as well as in most other countries. Bystanders rarely report instances of bullying to teachers, parents and other authorities. In this paper, we model bystander behavior by utilizing the theory of non-cooperative games, which assumes that bullying acts are stopped by a classroom teacher only when more than a certain number of students report the instances. Every bystander stands to gain from the resolution of bullying activity. But when a bystander reports this activity, she will have to deal with psychological and/or physical costs if the total number of reports falls below the required minimum. Under this structure of payoffs in our “bullying game” it can be shown that if all bystanders maximize their expected payoffs, there are two stable symmetric Nash equilibria. At one equilibrium, all bystanders report the instances of bullying to their teacher, and at the other equilibrium, no one reports. We conducted a series of experiments in which subjects played our “bullying game” under various values of parameters. The results of our experiments support the expected payoff-maximizing behavior of bystanders. Based on this verification of expected-payoff maximizing behavior through experiments, we develop guidelines for policies which could serve to increase reporting activity of bystanders and dissolve bullying activity. These include reducing the threshold number for reporting from students, increasing the disutility of students' observing bullying behavior, mitigating the psychological and/or physical costs for the reporting of bullying, and scale down of class size. The effectiveness of each policy is then analyzed theoretically and compared with the other alternatives.
著者
木田 尚子 曽我部 隆彰 加塩 麻紀子 須賀 康 金丸 晶子 大場 愛 富永 真琴
出版者
日本化粧品技術者会
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.108-118, 2013-06-20 (Released:2015-08-25)
参考文献数
32

われわれヒトの皮膚温度は気温や体温によって大きく変動する。しかし,温度が皮膚機能に与える影響やその詳細なメカニズムは不明である。本研究では,生理的皮膚温度付近 (>30°C) の熱刺激や化学的刺激によって活性化する温度感受性イオンチャネルTRPV4に着目し,皮膚機能におけるその役割を検証した。その結果,TRPV4はヒト表皮ケラチノサイトにおいて細胞間接着構造adherens-junction (AJ) を構成するタンパク質βカテニン,Eカドヘリンと複合体を形成し,TRPV4を活性化する熱刺激や化学的刺激を加えることで①細胞内カルシウムイオン (Ca2+) 濃度の上昇,②低分子GTP結合タンパク質Rhoの活性促進,③細胞間接着構造AJおよびtight-junction (TJ) の形成・成熟促進とそれらを介した表皮細胞間バリア機能の亢進に関わることが示唆された。さらに,TRPV4を活性化する素材の開発はバリア機能の維持・改善に有用であると考え,天然由来物からTRPV4活性化成分を探索したところ,バナバ葉から単離されたエラグ酸誘導体に高いTRPV4活性化作用および表皮細胞間バリア機能向上作用が確認された。
著者
曽我 とも子
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.100028, 2011

厳島神社は広島県廿日市市宮島町の海上に造営された珍しい神社である。厳島神社には、厳島の中心となる神の山と崇められてきた弥山を源流とする御手洗川と白糸川の両河川が流れ込んでいる。厳島神社本殿の裏の森である後苑は、祭神が紅葉谷(御手洗川)を通路とし、弥山から本殿へ出現するという信仰に裏付けられ、神聖な場所として人の出入りを禁じ、不明門は神の通る門であって絶対に開いてはならないとされている。<br> 厳島神社において、最も盛大な祭りのひとつが、旧暦6月17日の夕刻から深夜にかけて船上にて管絃を奏する管絃祭である。この日の日没後、北斗七星は厳島神社本殿の前方(西北)に、南斗六星は社殿後方(南東)にくる。西北は八卦の乾(☰)にあたり乾は陽の気の集まった最も純粋な「陽」である。ゆえに西北は万物を生み出す光の元でもある<b>天</b>を象徴する方角とされる。さらに旧暦6月は、北斗七星の柄(剣先)は十二支の未を指している。未とは万物が実り豊かに滋味をもたらすさまをいい、易(後天八卦)では坤(☷)であり、坤は純陰で<b>地</b>を表す。この日、弥山の祖神は紅葉谷を通り不明門から厳島神社本殿へと入る。では、その時に管絃を伴うのはなぜか。<br> 厳島の管絃は、雅楽と呼ばれる伝統的な古典音楽で、舞を伴わない合奏である。『史記』「楽書」には、楽の和は天地間の和の気を受けたものであり、和を合する作用があるため万物が生まれ、節序があるため四季における陰陽の気が1年12ヶ月の順序を決める。楽は天の道理によって作られ、陰と陽の和合は、五行を順当におこない季節をなめらかにすることで五穀豊穣となすとしている。<br> 管絃祭のすべての神事の終る23時頃には、社殿背後(南東)から十七夜月が顔を見せる。満月に合わせた管絃祭が十五夜(15日)でなく十七夜(17日)としたのは、北斗七星にちなんだものと思われる。北斗七星は、農耕の基準である季節を指し示し、海上生活の方角見にとっても重要視されていた。<br> 旧暦6月17日の夜は、山の神(陽)と水の神(陰)が出合い、天(陽)と地(陰)が楽(管絃)によって和合する日であり、厳島管絃祭は、五穀豊穣と航海安全を願う祭りと考える。
著者
西脇 英樹 浅井 毅 曽和 融生 梅山 馨
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.984-989, 1989

レーザー組織血流計を用いた胃粘膜血流量測定について検討した.肝硬変症例13例を対照として,レーザー組織血流計ALF2100(Advance社,東京)を用いて内視鏡下に胃体部,前庭部粘膜血流量,血液量を測定する一方,同症例に水素ガスクリアランス法電解式で測定し両者の比較を行った.胃前庭部,体部各7カ所で測定した血流量では変動係数CV0.03±0.01,0.16±0.04を示し,ほぼ再現性のある測定値が得られた.また,平均血流量は前庭部18±6ml/min/100g,胃体部23±8ml/min/100gと前庭部に比し体部で高値の傾向が認められた.一方,血液量の攀動係数では前庭部0.09±0.05,胃体部0.08±0.05とともに再現性のある値が示された.レーザー組織血流計と電解式組織血流計の測定値の検討では,電解式に比ベレーザー組織血流計では明らかに低値を示したが,両者に有意の相関は認められず,共にml/min/100g単位の測定値であるが測定原理の違いや穿刺法と接触法による差も考えられた. 以上,レーザー組織血流計は瞬時に連続測定が可能であり,胃粘膜血流量測定に有用な点も認められるが,他の方法で得られた粘膜血流量との比較検討など今後さらに,検討すべき点も考慮された.
著者
小木曽 早苗
出版者
日本福祉大学社会福祉学部
雑誌
日本福祉大学社会福祉論集 = Journal social Welfare, Nihon Fukushi University (ISSN:1345174X)
巻号頁・発行日
no.140, pp.89-110, 2019-03-31

全国的に人口減少や高齢化が進行し地域移行支援対象が拡大するなかで,権利擁護支援ニーズは高まりを見せているが,地方の小規模自治体では人員・人材不足や財政面の負担も大きく,継続的に対応する上での困難さが生じている状況がある. 本稿では,小規模自治体の権利擁護支援の形成プロセスにはどのような条件整備が必要であるか,筆者ら大学研究チーム1が関わる高知県中山間地域の小規模自治体と実施主体である社会福祉協議会(以下,社協)の共同作業を例に,3 つの展開プロセスを通じて考察した. 結果,①先駆的な自治体調査のプロセスを経た小規模自治体型の検討,②継続的なスーパービジョンによる関係者の連携強化と支援力の向上,③各種調査研究等による根拠あるミッションの共有,④地域福祉を基盤とした権利擁護支援の方向性,が条件として確認された.また,⑤安定的な財源確保の必要性,⑥外部からの長期的な支援の重要性,も見えている. 中土佐町では,第2 期地域福祉計画の柱立てとしても権利擁護支援の充実を置く判断をし,より目指す方向性が明確になった.権利擁護支援を重要軸とした体制構築は,支え合いに留まらない地域共生社会の実現においても大きな役割を担おうとしている.
著者
篠原 信之 田中 博 斉藤 健 出口 順子 近藤 玲子 曽田 研二 鈴木 賢
出版者
National Institute of Infectious Diseases, Japanese Journal of Infectious Diseases Editorial Committee
雑誌
Japanese Journal of Medical Science and Biology (ISSN:00215112)
巻号頁・発行日
vol.34, no.6, pp.385-392, 1981 (Released:2010-03-19)
参考文献数
9
被引用文献数
4 5

Since periodical survey of the sewage entering the sewage-farm in Matsuyama City revealed a high incidence of Salmonella typhi of different phage types, attempts were made to trace the upstream reservoir. It was found that S. typhi was drained into a particular manhole at a distance of about 5 km from the sewage-farm. Two members of two families were found to be carriers. Further investigation detected other 25 carriers. The 27 carriers were all pupils of the same primary school. Ten of them showed mild symptoms such as fever, abdominal pain and diarrhea; the remaining 17 were asymptomatic. The phage type of 24 isolates was of Vi degraded approaching phage type A [degraded Vi (A) ] and that of the other three was of type 53. The results coincided with those of the isolates from sewage.
著者
曽我部 真裕
出版者
公明党機関紙委員会
雑誌
月刊公明
巻号頁・発行日
no.177, pp.48-53, 2020-09
著者
屋敷(土肥) 圭子 木曽 昭典 周 艶陽 岩崎 大剛 神原 敏光 水谷 健二
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.274-280, 2009
被引用文献数
1

皮膚組織における皮下脂肪の増加は,リンパ管や血管を圧迫し皮膚のたるみやむくみなどのトラブルを引き起こすだけではなく,ボディラインを崩すセルライトなどを形成する。われわれは,植物抽出物のさらなる応用を化粧品に広げるために,皮下由来の脂肪細胞に対する分化誘導抑制作用および脂肪分解促進作用について検討した。本研究では,ヒト皮下由来の前駆脂肪細胞を用いて,分化誘導抑制作用について数種類の植物抽出物をスクリーニングした結果,オウレン抽出物とその主成分であるベルベリンに作用があることを見出した。さらに,前駆脂肪細胞から成熟脂肪細胞へ分化するさいに関与する遺伝子発現を解析した結果,オウレン抽出物およびベルベリンにこれらの遺伝子を抑制する作用が認められた。また,オウレン抽出物およびベルベリンには,成熟脂肪細胞に対して脂肪分解作用および熱産生関連遺伝子の発現促進作用を有することが明らかになった。本研究においてわれわれが検討したオウレン抽出物およびその主成分ベルベリンは,中性脂肪を増やさず,すでに蓄積した脂肪を分解することが期待され,ボディケア製品やスリミング化粧品などへの応用が示唆された。