著者
宮本 昭正 滝島 任 佐竹 辰夫 可部 順三郎 馬場 実 三河 春樹 寺道 由晃 飯倉 洋治
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.250-261, 1986
被引用文献数
1

新しいテオフィリン徐放製剤E-0686の投与量指針を設定する目的で, 乳幼児から成人まで685例の気管支喘息患者を対象とし, 患者各々のE-0686の至適投与量を求め, 併せて血中テオフィリン濃度を測定した.投与量指針の設定にあたっては, 最終投与量(D), およびその時の血中テオフィリン濃度(C)との比であるC/D比の両方を考察した.初期投与量において, 副作用上問題がなく効果不十分な場合は平均的投与量まで増量することとし, 血中濃度を測定しない場合の上限投与量として, C/D比より80%の患者の血中濃度が20μg/mlを越えない投与量を参考にして設定した.体重20kg以下の乳幼児又は小児, 21-40kgの小児, 41kg以上の小児および成人に分類し, 各々15→18→21mg/kg/day, 12→15→18mg/kg/day, 400→600→700mg/dayとした.本指針の導入により, 安全性を確保しながら, 顕著な有効率の上昇が期待できる.
著者
山本 昭弘
出版者
東京法令出版
雑誌
捜査研究 (ISSN:02868490)
巻号頁・発行日
vol.66, no.11, pp.36-45, 2017-11
著者
セレスタ ギャヌ ラジャ 松本 昭英 樽谷 勝仁
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.50, no.10, pp.647-652, 2017 (Released:2017-10-28)
参考文献数
27
被引用文献数
1

症例は80歳の男性, 糖尿病性腎症により, 2014年5月に血液透析導入された. 糖尿病に対して2014年11月よりビルダグリプチン (VDG) 100mg/日を投与された. 2015年6月に右上腕シャント部と左上肢前腕部に掻痒を伴う浮腫性紅斑, 水疱とびらんの皮膚症状を認めた. ステロイド軟膏による治療で経過観察するも緊満性水疱が現れ, びらんがさらに広がり, 皮膚症状が増悪した. 皮膚科を受診, 生検の所見ならびに抗BP180抗体が高値であったことにより水疱性類天疱瘡 (BP) と診断, 塩酸ミノサイクリン (MINO) 100mg/日とプレドニゾロン (PSL) 20mg/日の治療開始となった. 2か月後に皮膚症状が治癒傾向にあり, MINOを中止, PSLの投与量を漸減後中止した. しかし6か月後に右上腕シャント部に強い掻痒, 水疱とびらんの皮膚症状の再燃を認めた. MINOとPSLによる治療を再開した. この頃にVDGの薬物有害反応 (ADR) による国内でのBPを発症した症例の報告がありVDGを中止した. 皮膚症状の改善によりMINOを中止, PSLも漸減し, 中止した. 8か月経過したが皮膚症状の再燃はなかった. VDGの副作用による維持血液透析治療中に発症したBPの1症例を経験したので報告する.
著者
五味 二郎 光井 庄太郎 工藤 康之 赤坂 喜三郎 小野 康夫 木村 武 川上 保雄 野口 英世 宮本 昭正 牧野 荘平 可部 順三郎 石崎 達 中島 重徳 熊谷 朗 野崎 忠信 富岡 玖夫 伊藤 和彦 斧田 太公望
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.22, no.9, pp.599-612,614-61, 1973

気管支拡張剤ST1512(S群)の成人気管支喘息に対する薬効につき, metaproterenol(A群)およびinactive placebo(P群)を対照として, 頓用, 連用効果につき, 9施設による2重盲検試験を行った.open trialの結果から, Fisherの直接確率計算法により, 1群につき36例となり, 並列3群にあてはめれば3倍の108例前後の症例数でよいと考えられたため, 105例に達した時点で中間点検を行った.全例104例であり, S群34例, A群36例, P群34例で, 3群間にはback groundにおいて有意差はなかった.試験方法は, S群1錠(1mg), A群1錠(10mg), placebo1錠を投与し, 前および1時間後の自他覚症状, 肺機能を検した.医師の総合判定につき, H-test, U-testを行い, S群とP群間に危険率0.5%以下の高度の薬物差を認めたが, 危険率5%でS群とA群とP群間には有意差は検出されなかった.ついで薬効差につき, 詳細な3群判別分析を行い検討も行った.
著者
倉本 昭
出版者
梅光学院大学
雑誌
日本文学研究 (ISSN:02862948)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.38-49, 2004-01-30
著者
柿本 昭人
出版者
同志社大学
雑誌
同志社政策科学研究 (ISSN:18808336)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.1-12, 2014-09

論説(Article)「安全神話」という成句は、奇妙な成句である。安全と神話という相容れない基盤に立つ用語が、同じ土俵で渾然一体となった有様なのである。しかも安全神話は、巨大システムにおけるトラブルのたびに否定されると同時に、その安全神話の再構築や継続を誓う際に用いられ続けている。原発が潰えた安全神話の代表であるなら、新幹線はいまだ命脈を保ったままの安全神話の代表である。しかし新幹線システムの開発・運営の歴史そのものは、事象の発生確率の大小と無関係に安全バリアの機能が無条件に喪失するという極端な想定に立ち、危険の顕在化プロセスを防止するために、発生防止の層だけでなく、それに続く拡大抑制、影響緩和という三層に及ぶバリアを設定する「深層防護」と呼ばれる考え方に立ってきた。この新幹線システムの開発・運営の歴史そのものと新幹線を取り巻く安全神話との同居が、科学理論の裏づけに基づく個別の具体的な技術的前進ゆえに被害を最小限に抑えるのに成功した時でさえ、それを我々に失敗と把握させ、「安全神話が揺らいだ」と言いつのらせ、経営トップに「安全神話を守り抜く」と決意表明をさせる。安全神話とは、安全運行に関する経験や勘に基づく人間の判断の排除によって達成された安全の実績を熟考することなく、安全への人間の意志と注意力こそが安全を実現するとする、安全についての反射的思考の絶対化である。

1 0 0 0 OA お別れの言葉

著者
月本 昭男
出版者
東京大学文学部宗教学研究室
雑誌
東京大学宗教学年報.別冊
巻号頁・発行日
vol.27, pp.1-2, 2010-03-31

追悼文

1 0 0 0 OA 気管支喘息 II

著者
松林 公蔵 木村 茂昭 岩崎 智子 濱田 富男 奥宮 清人 藤沢 道子 竹内 克介 河本 昭子 小澤 利男
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.29, no.11, pp.811-816, 1992-11-25 (Released:2009-11-24)
参考文献数
10
被引用文献数
12 14

老年者の quality of life (QOL) の一端を, 客観的に評価する目的で, Visual Analogue Scale による (「主観的幸福度スケール」) Visual Analogue Scale of Happiness (“VAS-H”) を考案し, 地域在住の後期老年者を対象に, すでに確立されているうつ評価法との関係を検討した.“VAS-H”は, 同時に施行した標準的 Geriatric Depression Scale ならびに, 同じ被験者に一年前に行った Zung の自己評価抑うつ尺度 (SDS) とも有意の相関を示した. 以上より, 老年者の日常の主観的幸福観を評価する本法は, 情緒やうつ状態を一定程度反映していると考えられた. 本法はQOLの一端を評価するための簡便な方法と考えられる.
著者
宮尾 誠 山本 昭
出版者
新潟県内水面水産試験場
巻号頁・発行日
no.11, pp.55-61, 1984 (Released:2013-10-08)

スジエビ養殖において、放養密度がスジエビの成長等にどのような影響を与えるかを調査するために、面積5m2の試験池3面に1区1,200尾、2区600尾、3区300の稚エビを放養し、成長等の比較試験を実施した。1. 夏期の高水温期に1区の給餌率が、2区および3区よりも約1.5%低くかった。2. 歩留率は、夏期の高水温期に大量斃死がみられた。1区を除いて、90%以上の高率であった。3. 平均体重および平均総体長は、放養密度の高い試験区ほど小さかった。4. 平均体重と平均総体長の関係は、3試験区とも同じであった。5. 増重倍率は、放養密度の高い試験区ほど小さかった。6. 餌料効率は、3試験区とも50%以上の高率であった。7. 1m2当りの生産量は、放養密度の高い試験区ほど大きかった。
著者
宮本 昭彦 渡辺 重行
出版者
NIHON UNIVERSITY MEDICAL ASSOCIATION
雑誌
日大醫學雜誌 (ISSN:00290424)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.11-18, 2013-02-01
被引用文献数
6

2007 年に,宮本は,咽頭後壁を丹念に視診する事により,インフルエンザ濾胞を発見し,インフルエンザを早期に診断する事が可能である事を示した<sup>19)</sup>.2009-2010 年の A/H<sub>1</sub>N<sub>1</sub> 2009 死亡者は,米国で約12,500 人に対して,日本では 198 例のみで (死亡率:約1/25),世界各国の中でも,日本での死亡率が非常に低かった.本邦の例では,発症後 12 時間以内に 3 割,24時間以内に 7 割,48 時間以内に 9 割がノイラミニダーゼ阻害薬を開始していたが,他国では 48 時間以内の同薬剤投与は 1 割である.早期診断と適切な治療の開始が生死を分けていると言える.Miyamoto らは,2009 年 8-10月の A/H<sub>1</sub>N<sub>1</sub> 2009 の 23 例について,観察者間のデータ信頼性 (κ) を示し,「インフルエンザ濾胞」 が従来の迅速検査に比べ感度・特異性も高い事を示した (第一期) <sup>4)</sup>.本稿では 2009 年 11 月から 2010 年 1 月 (第二期) のインフルエンザ患者 87 例について (第一期と第二期を合わせ110 例) 検討した.2 歳~82 歳 (17.7 ± 13.1 歳,中央値 14 歳) の患者が (発熱から受診までの時間が 1~48 時間,11.8 ± 8.4,中央値 12 時間),超急性期の 3 時間以内が16 例含まれる中で,インフルエンザの診断が可能であった.87 例中,初診日迅速検査陰性が 10 例,この内 8 例は初診から 2 日目に迅速検査が陽性となり,2 例は 3 日目に陽性となった.87 例中,初診日にインフルエンザ濾胞を認めない患者が 1 例あった.第二期の症例の中で,発熱から 3 時間以内という超早期の患者を診察するようになった結果,従来の Definitive influenza follicles よりも更に小さい微小な濾胞が観察された.インフルエンザ濾胞は,迅速検査が陰性の超急性期であってもインフルエンザの診断が可能であった. 理学的所見は,臨床検査・機器の進歩の中においても不変的に重要である.
著者
山本 昭子 西山 直宏 吉田 浩介 山根 雅之 石川 百合子 三浦 千明
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.1-10, 2010 (Released:2010-01-10)
参考文献数
58
被引用文献数
3 12

Linear alkylbenzene sulfonate (LAS) is an anionic surfactant widely used in laundry detergents. The environmental safety of LAS has been extensively reviewed in various chemical safety assessment programs worldwide. In this paper, we report an LAS aquatic environmental risk assessment of Japanese rivers using a high-tier assessment approach. For the exposure assessment, river water monitoring data of more than 400 samples were used to determine predicted environmental concentrations (PECs) which were then verified with the AIST-SHANEL exposure model. For the effect assessment, a statistical extrapolation approach using chronic ecotoxicity data was used. Toxicity data were normalized to the average alkyl chains found in the environment (C11.3) and to that of commercial LAS average alkyl chains in Japan (C11.8). Mesocosm data were also normalized to determine the predicted no-effect concentration (PNEC) in the environment. The 95th percentile PECs for detected concentrations in Japanese rivers were 32 to 45 μg/L, and the PNECs were 270 (C12) to 530 (C11.3) μg/L based on mesocosm data with an assessment factor of 1 and supported by data from the statistical extrapolation approach. The PEC was about 10 times lower than the PNEC. From the result of the risk characterization, it was concluded that the aquatic environmental risk posed by LAS in Japan is low.

1 0 0 0 OA 高速増殖炉

著者
野本 昭二 富岡 偉郎 中村 知夫
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 (ISSN:00047120)
巻号頁・発行日
vol.2, no.10, pp.622-637, 1960-10-30 (Released:2009-02-12)
参考文献数
68
被引用文献数
1

This report intended to review the physical characteristics and present status on the fast breeder reactor. In the first section, the neutron energy distribution, neutron spatial distribution, power distribution and some consideration of the design of the fast reactor are described in order to evaluate the breeding potentiality. In the next section, the kinetics and control characteristics of the fast reactor, such as the prompt neutron life time, effective delayed neutron fraction, reactivity change due to temperature change and power instability atc. are discussed. The last section summarizes the experimental results with critical assemblies in the world.