著者
服部 力 本郷 次雄
出版者
国立科学博物館
雑誌
国立科学博物館専報 (ISSN:00824755)
巻号頁・発行日
no.23, pp.p63-67, 1990-12
被引用文献数
2

Wood-decaying Hymenomycetes were collected in Amami-oshima Isl. (Kagoshima Pref.) mainly in 1989. Some tropical species were found for the first time from the Island. The distribution patterns of the species found from the Island are as follows. Species widely distributed in Japan : Bjerkandera adusta, Daedaleopsis confragosa, Coltricia montagnei, Hymenochaete mougeotii, Ganoderma lipsiense. Species distributed from the tropical region to the warmer region along the Pacific Ocean : Dictyopanus gloeocystidiatus, Corticium argenteum, Microporus flabelliformis, Nigroporus vinosus, Cyclomyces tabacinus, Phellinus umbrinellus, Polystictus substygius. Species distributed from the tropical region to the southern part of Kyushu (and/or occasionally to Honshu, Shikoku) : Cymatoderma lamellatum, Lenzites platyphylla, Loweporus fusco-purpureus, Tinctoporellus epimiltinus, Trametes rhodophaea, Phellinus mcgregorii. Species distributed from the tropical region to the southern part of the Cape Sada-misaki, Ohsumi Pen., Kagoshima Pref. : Panus fulvus, Erythromyces crocicreas. Species distributed from the tropical region to Amami-oshima Isl. or to Tane-ga-shima Isl. : Oudemansiella canarii, Daedalea aurora, Nigrofomes melanoporus, Trametes retropicta. Daedalea aurora and Nigrofomes melanoporus have been recorded only from Iriomote Isl. in Japan. Most species collected from the Island were warm temperate, subtropical or tropical species.
著者
寺田雅之 竹内大二朗 齊藤克哉 本郷節之
雑誌
マルチメディア、分散協調とモバイルシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.224-233, 2014-07-02

集計データのプライバシーを差分プライバシー基準に基づいて保護する上で,データの統計的正確性と計算効率に着目した手法を提案する.差分プライバシー基準は,安全性に対する数学的な裏付けが保障されているものの,(1)非負データが負の値となってしまう場合が生ずる,(2)広範囲のデータの集計値において真値からの偏差が大きくなる,(3)疎なデータ分布を密なデータ分布へと変化させることにより計算量の著しい増大を招く,などの実用上の課題を持つ.本報告では,これら三点の課題を解決する手段として、Wavelet 変換とTop-down 精緻化処理と呼ぶ方法を組み合わせた,差分プライバシー基準を満たす新たなプライバシー保護方式を提案し,国勢調査データを用いた提案手法の評価結果を示す.
著者
島田 洋一 本郷 道生 畠山 和利 渡邉 基起
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.53, no.12, pp.914-921, 2016-12-18 (Released:2017-02-14)
参考文献数
34

ロコモティブシンドローム(以下,ロコモ)は,骨粗鬆症,加齢に伴う筋力低下や,変形性脊椎症,そして変形性膝関節症などが原因で生じるが,これらの疾患の多くが腰椎疾患と密接に関連する.腰椎疾患ではさまざまな運動療法が提唱されている.腰部脊柱管狭窄症では,動作に伴う症状の増悪に注意しながらのストレッチングや全身の調整運動を行う.慢性腰痛症に対する筋力増強やストレッチングなどの運動療法は有効な保存療法として推奨されている.骨粗鬆症を伴う脊柱後弯患者では,背筋力増強および脊柱可動性を改善する運動が有効である.運動療法には自宅での運動と,施設で実施する運動とでは内容が異なるが,ロコモを伴う高齢者に対しては,安全で継続性があり,かつ効果のある運動療法を考慮して処方する必要がある.
著者
本郷 祥子 野本 剛史 川上 正能 花井 一也 稲土 博右 寺地 敏郎
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.107-110, 2010-02

A 39-year-old man visited our clinic with gross hematuria. Cystoscopy revealed a papillary tumor at the urinarybladder dome. Abdominal magnetic resonance imaging (MRI) and computed tomography(CT) demonstrated a tumor extending from the umbilicus to the bladder dome. Transurethral resection of bladder tumor (TUR-Bt) was performed and histopathological findings revealed adenocarcinoma. Chest CT and examination of the upper gastrointestinal did not reveal anyabnormal findings. The tumor was diagnosed as stage IIIA urachal carcinoma, and en bloc segmental resection was performed. About 10 months later, chest CT demonstrated multiple lung metastases. After two courses of combination chemotherapywith methotrexate (MTX), 5-fluorouracil (5-FU), epirubicin (epiADM), and cisplatin (CDDP), the multiple lung metastases completelydisappeared. The patient has survived 23 months to date with no evidence of disease and is receiving adjuvant chemotherapywith tegafur uracil.
著者
本郷 祥子 野本 剛史 川上 正能 花井 一也 稲土 博右 寺地 敏郎
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.107-110, 2010-02

A 39-year-old man visited our clinic with gross hematuria. Cystoscopy revealed a papillary tumor at the urinarybladder dome. Abdominal magnetic resonance imaging (MRI) and computed tomography(CT) demonstrated a tumor extending from the umbilicus to the bladder dome. Transurethral resection of bladder tumor (TUR-Bt) was performed and histopathological findings revealed adenocarcinoma. Chest CT and examination of the upper gastrointestinal did not reveal anyabnormal findings. The tumor was diagnosed as stage IIIA urachal carcinoma, and en bloc segmental resection was performed. About 10 months later, chest CT demonstrated multiple lung metastases. After two courses of combination chemotherapywith methotrexate (MTX), 5-fluorouracil (5-FU), epirubicin (epiADM), and cisplatin (CDDP), the multiple lung metastases completelydisappeared. The patient has survived 23 months to date with no evidence of disease and is receiving adjuvant chemotherapywith tegafur uracil.
著者
角田 浩 内海 厚 本郷 道夫
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.325-329, 2007-05-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
11
被引用文献数
2

Purpose : Evidences show that strong association between mood disorder such as depression and CAD prognosis. Also, physical exercise is known to improve the hostility in patients with coronary artery disease (CAD). However, little is known on the effects of physical exercise on the mood change in healthy adults with reference to gender difference. The purpose of our study is to examine how aerobic exercise affects mood states in normal subjects. Method : 62 healthy subjects (16 males, 46 females, the mean age + / -SD was 52+ / -14 with ages ranging from 20-72) were recruited by a local public relations magazine. The subjects participated in an aerobic exercise program twice a week for three months. We assessed the pre-and post-program mood with the Profile of Mood States (POMS) and classified the subjects into two groups by T-scores (the "relatively bad mood" group was defined by T score≦50 for "Vigor" and T score≧50 for other subscales). Results : The mood states seemed to improve after the aerobic program only in those with low T-score for Vigor and high T-score for other subscales of POMS. Decrease in T-score was observed in Depression-Dejection, Tension-Anxiety, Confusion and Fatigues, and Increase in T-score in Vigor were observed in female subjects. Changes in these parameters in male were also observed in a limited umber of subjects, which may not be enough to draw conclusive comments on the effect of the aerobic program for mood status in male subjects. Conclusion : Our three month-long aerobic exercise program improved the bad moods in healthy subjects. This effect might be useful for prevention against CAD.
著者
本郷 一博 柿澤 幸成 後藤 哲哉 酒井 圭一
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.122-128, 2008-02-20 (Released:2017-06-02)
参考文献数
18
被引用文献数
2 1

脳幹部病変のうち,海綿状血管腫,比較的限局した神経膠腫などは摘出術の適応となる場合がある.摘出術に際しては,術前の神経症状の改善を目指すのはもちろんであるが,新たな神経症状を生じさせない手術が必要である.そのためのキーポイントは,脳幹部の神経解剖を熟知し,脳幹病変に対してどこから進入し摘出を行うのが最適か,またその際に起こりうる神経症状がどのようなものであるかを十分に把握することである.そして,神経症状が最小限となる摘出ルートを選択することが重要である.さらに,術中の脳幹モニタリングあるいはマッピングにより,可能なかぎり機能温存を図ることも重要である.本稿では,海綿状血管腫の自験例を提示しつつ,機能温存の点から脳幹内の種々の病変部に対する最適な手術アプローチの選択について考察する.
著者
本郷 信郎
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 = Journal of the Brewing Society of Japan (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.90, no.6, pp.402-409, 1995-06-15
参考文献数
2
被引用文献数
1

フレッシュで明るい, 近代的なイメージを特徴とする生酒が需要を伸ばしている一方で, 伝統的, 落ち着いた, 重厚といった対極的イメージを特徴とする長期熟成清酒に対する需要も少しずつではあるが増えてきている。<BR>長期熟成酒研究会を主催されている筆者に, その現状と今後の展望等について解説していただいた。
著者
石黒 直隆 岩佐 光啓 佐々木 基樹 本郷 一美 遠藤 秀紀 茂原 信生
出版者
岐阜大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本海外学術調査は、ベトナムの野生イノシシと家畜ブタに関して形態的計測と遺伝学的解析により、東アジアに広く分布する野生イノシシや東アジアの家畜ブタの遺伝的な源流はベトナムにあることを検証することを目的として行った。平成14年〜16年の3年間にわたり、ベトナムの北部、北西部、中部の山岳地帯に生息する野生イノシシとベトナムの山岳少数民族にて長年飼育されているベトナム在来ブタについて調査を行った。形態的計測は、主に各部落の農家に保管されている骨や博物館等に保管されている骨について行い、遺伝学的解析は、骨から採取した骨粉のほかに、現生動物に関しては、毛根や肉片などからDNAを分離してミトコンドリアDNA(mtDNA)の多型解析により系統解析を行った。3年間でベトナム各地にて調査収集したサンプルは248検体であり、それを遺伝的に解析し以下の成果を得た。1)本海外学術調査のきっかけとなったリュウキュウイノシシの起源がベトナムであると言う仮説は、本調査により現在もベトナムにはリュウキュウイノシシと遺伝的に近い野生イノシシが生息していることが証明されたことから、上記仮説を遺伝的に検証した。2)ベトナムに生息する野生イノシシとベトナム各地で飼育されている在来ブタは遺伝的に極めて多型に富んでおり、東アジアの家畜ブタの基層を形成する遺伝子集団であることが証明された。3)ベトナムには粗食に耐えうる在来ブタから形態的に小さいミニブタまで広く飼育されていることから、東アジアのイノシシ属の起源にふさわしい遺伝子資源をベトナムの在来ブタは有していることが証明された。上記成果の一部は英文誌にすでに公表されており、平成15〜16年度に得られた成果については現在投稿準備中である。
著者
本郷 峻
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement 第27回日本霊長類学会大会
巻号頁・発行日
pp.6, 2011 (Released:2011-10-08)

アフリカ大陸中部の熱帯雨林林床に生息するマンドリルMandrillus sphinxは、最大800個体を超える群れが報告され、100 km2以上に及ぶ広大な遊動域を持つことで知られる。系統的には、one-male unitを単位とする重層社会を持つマントヒヒやゲラダヒヒを含む、ヒヒ亜族(Papionina)に分類される。これまでいくつかの野生群を対象とする報告がなされているものの、観察の困難さ・広い遊動域などの理由により研究は極めて遅れており、社会構造に関する統一された見解は得られていない。本発表では、野生マンドリルの集団個体数の変化や群れの社会構造に関する予備的な結果を報告し、彼らの食性の季節的変化との関連から考察する。 調査はガボン共和国・ムカラバ‐ドゥドゥ国立公園において、2009年8-11月と2010年1-6月の間、合計約7ヶ月間にわたり実施された。約30 km2の調査域において発見されたマンドリル集団の個体数を目視によりカウントするとともに、集団が調査路や川など開けたところを横切る際にビデオカメラで撮影し、群れの性・年齢構成と移動時の個体順序を分析した。また、通跡上の糞を採集して分析し、果実・葉・葉以外の繊維質・アリなど節足動物などの食物カテゴリー体積比から食性を推定した。 調査の結果、集中分布する果実を多く食べる時期の方が、繊維質や地表のアリ類といった高密度一様分布する食物を多く食べる時期に比べて、集団内でカウントされた個体数が有意に少ないことがわかった。また、しばしば集団が複数の小集団へ分派し、再び合流することも観察された。これらの結果は、マンドリルが各時期の主要食物の分布様式に対応して、分派と合流によって群れのまとまりの程度を変化させている可能性があることを示す。 さらに、集団に占めるオトナオス・ワカモノオス(推定6歳以上)の割合は、最大でも7.2%にしか及ばず、移動時の個体順序もone-male unitとして想定されるものとは異なり、オトナオス・ワカモノオスは集団内に均等に配置されていなかった。この結果は、マンドリルが極端に社会性比に偏りのある群れ構成を示し、マントヒヒやゲラダヒヒで見られるような重層社会とは異なる社会構造を持つことを示唆する。
著者
山本 利一 本郷 健 本村 猛能 永井 克昇
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.3-12, 2016

本研究は,プログラミング教育に関する教育的意義やその効果を先行研究から整理し,今後それらを推進するための基本的な知見を得ることを目的とする.そのために,初等中等教育におけるプログラミング教育の位置づけを学習指導要領で確認した後,先行研究を整理した.その結果,プログラミング教育の教育的意義や学習効果は,①新たなものを生み出したり,難しいものに挑戦しようとする探究力,②アルゴリズム的思考,論理的思考力,③物事や自己の知識に関する理解力,④自分の考えや感情が発信できる表現力や説得力,⑤知恵を共有したり他者の理解や協力して物事を進めたりする力,⑥プログラミングを通して情報的なものの見方や考え方を身に付けることができる,ことであることが示された.
著者
和泉 賢一 藤瀬 剛弘 井上 佳奈子 森 仁恵 山崎 孝太 本郷 優衣 高木 聡子 山内 寛子 蘆田 健二 安西 慶三
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.542-545, 2013 (Released:2013-09-19)
参考文献数
16
被引用文献数
3 6

症例は73歳男性.主訴は貧血.家族歴,生活歴ともに特記事項なし.既往歴に2型糖尿病,橋本病を認めた.血液検査所見にてMCV高値の大球性貧血を認めた(赤血球数279万/μL,ヘモグロビン12.2 g/dL,MCV 121.9 fL).葉酸は基準値内であったが,ビタミンB12を測定したところ,57 pg/mL(基準値:180~914)と低値を認めた.消化管内視鏡であきらかな貧血の原因と思われる所見を認めず,また,抗内因子抗体は陽性であった.治療について,本人と相談したところ,注射は絶対に拒否するとのことであった.同時期に糖尿病の神経障害の治療のため,メコバラミンを内服処方したところ,著明にHb,MCVに改善を認めた.経口によるビタミンB12投与により,悪性貧血が改善したと考えた. 高齢者に貧血は多く,その中でも,悪性貧血は高齢になるにつれ頻度の高くなる疾患であり,注意が必要である.悪性貧血は,ビタミンB12製剤の注射治療が主に行われており,内服治療は一般的ではない.しかし,最近,ビタミンB12大量内服で効果を認めた症例が報告されるようになった.本症例も,ビタミンB12経口内服後に貧血の改善を認めており,効果があると考えられた.身体機能が低下する傾向にある高齢者にとって,安全・安価に加え,侵襲度の低い治療選択肢が増えることは望ましい事と思われる.内服投与も,今後の高齢者悪性貧血の治療の選択肢として考慮して良いのではないかと考え,本症例を報告する.
著者
本郷 隆治 小倉 明夫 井上 博志 林 浩二 石黒 秋弘
出版者
公益社団法人 日本放射線技術学会
雑誌
日本放射線技術学会雑誌 (ISSN:03694305)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.573-580, 2001-05-20 (Released:2017-06-30)
参考文献数
8

In recent years, as gradient magnetic resonance imaging (MRI)systems have become larger and faster, the influence of low-frequency alternating magnetic fields on the human body during rapid scanning have become significant in terms of patient health. It has become more important to monitor time-variant magnetic fields (dB/dt). From this point of view, we measured the maximum dB/dt for clinical scanning using a self-made search coil and storage oscilloscope that conformed to international standard IEC 60601-2-33(1995). The results were almost the same as the calculated values. In this brief report, we introduce to clinical operators the method of measuring maximum dB/dt.
著者
本郷 次雄
出版者
日本菌学会
雑誌
日本菌学会会報 (ISSN:00290289)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.p319-323, 1978-10
被引用文献数
1