著者
石田 敦也 神谷 直希 村上 和人
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 メディア工学 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.33-36, 2016 (Released:2019-08-15)
参考文献数
6

脈拍や血圧などの日々の健康状態の計測は,人に意識させない非接触かつ非侵襲であることが好ましい.非接触かつ非侵襲な脈拍の計測手法の一つとして,サーモビジョンカメラを用いた脈拍計測手法が期待されている.本稿では,脈拍計測の自動化を目的とし,脈拍計測に用いられる橈骨動脈の位置を,前腕表面の温度分布特徴を用いて自動検出する手法を提案する.触知により求めた橈骨動脈の位置を正解として評価した結果,14人中9人の橈骨動脈の位置の自動検出に成功した.
著者
村上 昭彦 高橋 恒雄 荒井 博 吉沢 正一
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.2, no.5, pp.433-438, 1976

Extraction of an organic acid in an organic solvent by the aqueous solution of caustic soda through the plane interface has been studied. MIBK and isobutanol were used as the organic solvents. The extraction rate, <I>N<SUB>A</SUB></I>, increased with the initial alkali concentration, <I>C<SUB>B0</SUB></I>, up to maximum <I>N<SUB>A</SUB></I>, where <I>C<SUB>B0</SUB></I> became nearly equal to the initial concentration of the acid, <I>G<SUB>A0</SUB></I>. Then <I>N<SUB>A</SUB></I> decreased with <I>C<SUB>B0</SUB></I> and became constant when <I>C<SUB>B0</SUB></I> was more than twice <I>G<SUB>A0</SUB></I>.<BR>These results may be explained as follows. The extraction rate is enhanced by the effect of the reaction in the range of <I>C<SUB>B0</SUB></I> below <I>C<SUB>A0</SUB></I>. When <I>C<SUB>B0</SUB></I> is higher than <I>C<SUB>B0</SUB></I> the reducing effect by the depression of the interfacial turbulence on the extraction rate overcomes the enhancement effect of the reaction. Then the reaction takes place at the interface and the extraction rate becomes constant.<BR>A simple diffusion-mixing zone model was proposed. The effect of interfacial turbulence on the extraction rate was discussed on the basis of the model. As a result, <I>N<SUB>A</SUB></I> calculated from the model was in good agreement with the experimental one.
著者
村上 健
出版者
日本小児耳鼻咽喉科学会
雑誌
小児耳鼻咽喉科 (ISSN:09195858)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.4-8, 2020 (Released:2020-11-13)
参考文献数
5

難聴児の中には発達障害を伴う児童が増えている。このような児童には多職種が連携し個別に対応をする必要がある。言語聴覚士の役割としては聴覚管理だけでなく,全体発達および言語発達,コミュニケーションの評価を実施し,医療/療育/教育機関で連携をとりながら難聴児の発達段階に応じたコミュニケーション方法を習得させることが必要である。また評価結果に基づき,児童のもっている能力を最大限に引き出すことが求められる。言語聴覚士の立場から,様々な特性を持つ難聴児一人一人に対する療育・教育における医療/療育/教育機関の連携の重要性と,多職種連携の在り方を述べる。
著者
村上 茂
出版者
国際タウリン研究会
雑誌
タウリンリサーチ (ISSN:21896232)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.7-8, 2015 (Released:2019-09-20)

本項では、19 世紀に発見されたタウリンの生理・薬理作用がどのように解明されてきたか、またタウリンの持つ薬理作用を利用し、医薬品などへの産業利用がどのように進められてきたかについて、歴史を振り返る。また、タウリン研究の今後の課題についても述べる。
著者
村上 東俊
出版者
日本印度学仏教学会
雑誌
印度學佛教學研究 (ISSN:00194344)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.288-283, 2016-12-20 (Released:2017-10-17)
参考文献数
14

The UNESCO/JFIT project, “Strengthening the Conservation and Management of Lumbini, the Birthplace of the Lord Buddha, Phase 2,” focused on investigation of Tilaurakot, has been ongoing since 2014. An International excavation team of experts is co-directed by Professor Robin Coningham of Durham University and Former Director General Kosh Prasad Acharya of the Department of Archaeology, and the project is comprised of members from Durham University, the Lumbini Development Trust, the Department of Archaeology, the National Geographic, and others. The project is focusing on the morphological and chronological definition of Tilaurakot.The purpose of this paper is to report the archaeological results form Lumbini (2010–2013) and describe in outline the current archaeological survey of Tilaurakot (2014–2017).
著者
村上 卓也
出版者
水利科学研究所
雑誌
水利科学 (ISSN:00394858)
巻号頁・発行日
no.353, pp.105-125, 2017-02

平成23(2011)年3月11日,午後2時46分頃,三陸沖を震源とする我が国災害史上最大級Mw(モーメントマグニチュード)9.0の巨大地震が発生した。余震を含め震源域は,三陸沖から茨城沖にかけて全長約450km,幅約150kmの範囲に集中し,この地震で発生した断層面のすべり量は最大20m以上と,かつて経験したことのない大規模な地殻変動を伴うものであった。この地震に伴い,大規模な津波が発生し,震源に近い東北地方太平洋沿岸部では巨大津波が甚大な被害をもたらした。仙台湾沿岸では,集落を中心に仙台塩竃港・仙台空港・仙台東部道路及び県・市道,工業地帯,農地等が壊滅的な被害を受けたほか,海岸保全区域の防潮堤はほぼ全壊・消失,海岸防災林もその多くが消失するなどの甚大な被害を受けた。海岸防災林は,潮害の防備,飛砂・風害の防備等の災害防止機能を有している。また,農地や集落を守るなど生活環境の保全に重要な役割を果たしており,津波に対しては,津波エネルギーの減衰効果,漂流物の捕捉効果及び内陸部への津波到達時間の遅延効果を有し,その早期復旧が求められている。仙台湾地区の海岸防災林の復旧については,国直轄事業による民有保安林の復旧要望を宮城県知事から受け,民有林直轄治山事業により林野庁が国有林と一体的に直接,その復旧を進めており,他所管事業と施工時期等について調整を図りながら,林帯地盤の復旧が完了した箇所から順次,植栽を実施し,平成23(2011)年から概ね10ヶ年での完了を目指しているところである。
著者
白波瀬 佐和子 盛山 和夫 ホリオカ チャールズ・ユウジ 杉野 勇 上野 千鶴子 武川 正吾 赤川 学 中田 知生 村上 あかね
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2008

本研究の目的は、日本の急激な人口高齢化が社会の階層構造に及ぼす影響を、社会調査データによって実証的に明らかにすることにあった。そこで本研究では、2010年に50~84歳を対象にした「中高年者の生活実態に関する全国調査」(有効サンプル6,442ケース)を実施し、2年後にはその3,193ケースについて追跡調査を行った。高齢期の階層は、所得や仕事内容、資産といった経済的要因のみならず、だれと暮らすか(世帯構造)と密接に関連していた。
著者
岡崎 裕之 紫村 彰吾 宮本 樹 渡邊 樹 布田 裕一 村上 恭通
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.1_99-1_113, 2020-01-24 (Released:2020-02-22)

暗号技術は情報セキュリティを実現するための基盤要素である.暗号を専門とする研究者や技術者のみならずネットワークエンジニアや運用者等にとっても暗号技術に関する知識の習得は必須である.実際のシステムは,公開鍵暗号や電子署名等の複数の要素技術を組み合わせて構築する必要があるため,様々な攻撃について必要な対策を施しつつ安全性要件を満たすように実現しなければならない.しかしながら,システム構築を座学だけでは初学者に学ばせることは困難である.この課題を克服するために,報告者等は計算機援用による形式的暗号プロトコル安全性検証ツールを利用した暗号技術の基礎知識と利用方法を学習する教材を作成し,演習形式による授業を実践した.形式的暗号プロトコル安全性検証ツールの利用により,既存の教材では学習困難な実際の暗号技術の動作や攻撃を,学習者が設定した暗号システム上でシミュレーションしてインタラクティブに学ぶことが可能となった.本論文では,まず,実践した教育内容の概要とその成果を報告し,更に,現在進めている本教材を元とする CAI 教材開発方針の紹介と,その課題について報告する.
著者
渡辺 滋 村上 淳 山田 信一
出版者
一般社団法人 日本時計学会
雑誌
マイクロメカトロニクス (ISSN:13438565)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.25-31, 2000-03-10 (Released:2017-11-09)
被引用文献数
1

New type of self-generation watch(Eco-Drive Thermo)has been developed. Micro-thermoelectric generator set in this watch converts body heat to electric energy and drive this watch. Generator is consisted of 2,268 pairs of BiTe thermocouples in a square cm and has very high output-voltage of 0.8V/℃. From wearing experiments of this watch, average generation energy of 12μ W was estimated.
著者
吉井 豊藤丸 村上 義一
出版者
公益社団法人 日本セラミックス協会
雑誌
窯業協會誌 (ISSN:00090255)
巻号頁・発行日
vol.65, no.737, pp.123-129, 1957-05-01 (Released:2010-04-30)
参考文献数
14

本報告で, ポルトランドセメントの偽凝結の一原因をセメント中の半水石膏硬化力によるとする観察からその機構を解明してみた. 半水石膏硬化力のみでは偽凝結を完全に解明することは出来なかったけれども, セメント中の半水石膏の硬化時刻を考えに入れること -セメントの偽凝結はある量以上の半水石膏を含み, しかもこの半水石膏がある時間の範囲 (フェデラル規格試験法では混練後1-5分) に硬化する場合にのみ偽凝結としてあらわれる-によって, 今まで説明出来なかった諸現象の一部を解明することが出来た. 結論を以下箇条書に述べると,1) 珪砂に少量の半水石膏を添加し粉砕した粉末試料は, その含有量がSO3として0.5%で偽凝結を起し, 1.2%以上では始発も急結を示した. この試料において混練時間を長くするか, 半水石膏の硬化時間を早める二水石膏を添加するか, または湿度の高い状態で風化させ半水石膏の一部を二水物に変えることによりペーストの硬化を進め, 混練により練殺すことにより, この偽凝結を消すことが出来る. 一方これと反対に, 混練時間を短縮するか, 炭酸アルカリのように半水石膏の硬化時間を遅らすものを添加することにより偽凝結性を強くしうる.2) セメントの場合は珪砂, 半水石膏混合粉末ほど単純ではないが, 同様な傾向が認められる. セメント中の半水石膏の硬化時間は半水石膏自身の硬化時間および二水石膏, カルシウムサルホアルミネート, アルカリ塩, 石灰化合物その他により複雑な影響を受けると考えられる.セメント中の半水石膏の硬化時間を実測することは困難である故, その尺度を知るために, 半水石膏とセメントを半々に混合した試料を石膏試験法により, その始発時間を測定することにより目安とすることが出来る.3) 仕上ミルから出たばかりの新鮮セメントの半水石膏硬化時間は非常に早いものが多く (特にオープンサーキュット式のようにミル内に水蒸気が多い場合), ほとんど混練時間中に練殺されるため偽凝結とはならない. したがって, セメント中の石膏含有量と偽凝結の強さは, 新鮮時でぽ直接関係がない. セメントが風化すると, セメント中の石膏硬化時間が遅れてくるため, 練殺されない結果, 偽凝結を起し, 石膏量の多いセメントほど偽凝結が強くなる. フェデラル規格の場合, 混練終了後1-5分間に硬化する石膏量と偽凝結とは密接な関係が認められる.4) 偽凝結セメントに二水石膏を添加した場合, または湿度の高い状態で風化した場合偽凝結が消える理由は, セメント中の半水石膏の硬化時間が早くなるためである. 後者の場合は, 高湿度下の風化のためセメント中の半水石膏が二水物, サルホアルミネート等に変化し, 半水石膏の量が減少すると共に, 生成物が半水右膏の硬化時間を早めるためである.5) セメントを湿度の低い状態で風化させた場合永らく偽凝結状態を保つが, これはこの状態ではセメント中の半水石膏が安定して存在するためであろう.6) クリンカー粉末を湿度の高い状態で風化し, これに半水石膏を加えたセメントは強い偽凝結を示す. またクリンカー粉末を湿度の低い状態で長期間風化したものは半水物, 二水物のいずれを添加しても偽凝結を起す.これらの場合, 偽凝結と半水石膏硬化時間との間には関係が認められない. これらの現象は上述のものとは異なった理由によるものと考えられ, この別種の偽凝結はセメント中の半水石膏の硬化力に起因せず, クリンカー自身の硬化力によるもので, 試験温度が低い場合にはあらわれず, 混練後静止されると直ちに硬化し, 石膏によって, その硬化を防ぐことが出来ない特徴を持っている. これに関しては後日報告する予定である.7) セメント中の半水石膏に起因する偽凝結を防止する方法としては, 防湿袋を使用することにより風化を防ぐこと, 現場コンクリートミキサーで少量の二水石膏粉末を添加混練し, 混練を出来るだけ長くすること, また実際に行うことはなかなか困難であるが, 仕上ミルの温度を下げてセメント中の石膏の一部を二水物として残しておくか, またはセメントを冷却した後二水石膏の粉末をセメント粉砕後添加混合することが考えられる.
著者
豊田 順子 村上 明子 Junko Toyoda Akiko Murakami
出版者
関西外国語大学・関西外国語大学短期大学部
雑誌
関西外国語大学研究論集 (ISSN:03881067)
巻号頁・発行日
no.107, pp.95-104, 2018-03

本研究では、大学生を調査対象とし、「日本学」の授業において、オンラインデジタル予習教材を基に ICT(Information and Communication Technology) 型反転授業を行い、学習効果(知識習熟度)を検証した。結果から、3種の授業形態:ICT 活用型反転授業、認知プロセスタスクを取り入れた ICT 活用型反転授業、教員主体の通常講義授業のうち、通常講義授業より反転授業の方が、学習効果が有意に高いことが明らかとなった。
著者
村上 千鶴子 ムラカミ チズコ Chizuko Murakami
雑誌
総合福祉
巻号頁・発行日
no.3, pp.117-126, 2006-03

松尾芭蕉(1644-1694)と木喰明満(1718-1810)とは、各々江戸時代中期・後期に活躍し、共に貴重な文化遺産を創造した。俳句と木彫という異なる分野ではあるが、共に希有の芸術家として知られている。また、両者には類似点が多く、共に放浪の旅人として旅に生き、また妻帯することなく、人並み外れた超俗の人生を送った。しかしその現世への関わりには対照的ともいえる部分が存在する。つまり芭蕉は最初の紀行文「野ざらし紀行」において、「猿を聞人捨子に秋の風いかに」という句を読み、現実と理想の相克のうちに捨て子を置き去りにした。一方木喰明満は旅の先々で布教を第一義としながらも、医療・奉仕活動に精進し、その傍ら寝る間を惜しんで彫像を彫り続けた。それを、芸術家と宗教家の違いと片づける立場もあるが、むしろ彼らをしてその各々に分かったものについて、彼らの経歴を振り返りながら、また彼らの悟道の程度、芸術の相異に着目しながら種々の観点から考察を加えた。
著者
村上 仁 神田 未和 中島 玖 澤柳 孝浩 曽我 建太 濱田 憲和 池上 清子
出版者
日本国際保健医療学会
雑誌
国際保健医療 (ISSN:09176543)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.49-64, 2020

<p><b>目的</b></p><p>  本研究の目的は、日本でSDGsの保健目標(目標3)とジェンダー目標(目標5)を相乗的に達成していくために日本が取るべき具体的方策を、ジェンダー分析に基づいた日本とイギリスの比較から明確化することである。</p><p><b>方法</b></p><p>  日本では、ジェンダー平等を目指して活動する機関のジェンダー専門家8名と産婦人科医2名に、イギリスでは、保健とジェンダーの分野に深く関わりのある政府組織、市民社会、アカデミアから9名に、性と生殖に関わる健康・権利ならびにジェンダーに基づく暴力対策の現状につき、詳細面談および文献調査を実施した。テープ起こしをした原稿につき、質的内容分析を実施した。</p><p><b>結果</b></p><p>  「避妊・人工妊娠中絶」、「性感染症対策」、「性教育」、「婦人科系がん対策」、「ジェンダーに基づく暴力対策」の各項目につき、ジェンダー視点からみた日英の現状を明らかにした。比較の結果、特に「避妊・人工妊娠中絶」、「性教育」、「ジェンダーに基づく暴力対策」につき、両国の取り組みに差が見られた。イギリスではジェンダー・トランスフォーマティブ(女性の状況の改善だけでなく女性の社会的地位を改善し、彼女たちが権利を十分に行使できることを目指す)な取り組みが行われている一方、日本ではそのような取り組みに未だ踏み出していない施策として、1)避妊法の選択肢の確保と費用の低減化(緊急避妊薬へのアクセス改善を含む)、2)人工妊娠中絶を女性の意志のみで実施できるようにすること、3)人間関係を含めた包括的な性教育の体系的な実施、4)ジェンダーに基づく暴力に対応する戦略策定の4点が明らかとなった。</p><p><b>結論</b></p><p>  結果から導かれた4点を進めることで、日本においてSDGsの目標3と目標5を相乗的に達成していけると思われる。そのためには、政策決定への市民社会の参画の拡大と、女性議員比率の向上が助けになると考えられる。</p>
著者
村上悠紀雄〔ほか〕共著
出版者
三共出版
巻号頁・発行日
1987
著者
海野 光信 村上 忠洋 畑迫 茂樹 佐々木 友也 千邑 彰人
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.449-452, 2015 (Released:2015-07-07)
参考文献数
17

〔目的〕脳卒中片麻痺患者における体幹側屈筋力の左右差に股関節周囲筋の麻痺が影響するか否かを明らかにする.〔対象と方法〕初発脳卒中片麻痺患者9名を対象に,端座位で麻痺側と非麻痺側方向への等尺性体幹側屈筋力を「骨盤固定なし」と「骨盤固定あり」で測定し,麻痺側と非麻痺側で比較した.〔結果〕「骨盤固定なし」では麻痺側筋力が非麻痺側筋力に比べ有意に低下し,股関節周囲筋の麻痺が重度な者ほどその傾向が強かった.「骨盤固定あり」では左右差はみられなかった.〔結語〕脳卒中片麻痺患者における体幹筋力の左右差は骨盤の固定に働く股関節周囲筋の麻痺の影響により出現し,骨盤を他動的に固定しこの影響を小さくすることで左右差がなくなると考える.