著者
松井 三郎 松田 知成 中山 亜紀
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

ダイオキシン受容体(AhR)は、様々な化学物質を認識することが知られている。外因性のリガンドとしてはダイオキシン、PCB、多環芳香族類などが知られている。また、内因性のリガンドとしては研究代表者の研究で明らかになったインディルビンをはじめ、ICZ、FICZ、DIMなどのインドール化合物が知られている。HPLCとバイオアッセイを組み合わせることにより、環境中には、多種類の外因性リガンドが存在することを明らかにした。染色工場の排水や、下水処理水中はAhRリガンド活性を示した。水環境中のAhRリガンドの単離精製をすすめたところ、いくつかの染料を同定した。この中には、赤ボールペンに使われるローダミンB、黄色染料のHydroxybenzo[b]quinophtaloneなどがあった。また、様々な染料の標準品のAhR活性を調べたところ、アントラキノン系の染料にリガンド活性があることを見出した。さらに、様々な食品中のAhRリガンド活性を調査したところ、コーヒー中に数種類のAhRリガンドがあることをつきとめた。内因性または食品由来のインドール系リガンド、インディルビン、ICZ、FICZ、DIMのAhRリガンド活性を比較した結果、インディルビン、ICZ、FICZのいずれにも極めて強い活性が観察された。また、これらのリガンドは自らが誘導するCYP1A1やCYP1A2によって極めて容易に分解されてしまうことも明らかにした。これらの強いAhRリガンドと、ダイオキシンの毒性の違いは、この代謝のされやすさにあると考えられる。さらに、AhRがリガンド依存的にp21の発現を誘導し、細胞周期に影響を与えるメカニズムの一端を明らかにした。
著者
松井 忠三
出版者
日経BP社 ; 1992-
雑誌
日経情報ストラテジー (ISSN:09175342)
巻号頁・発行日
vol.23, no.7, pp.8-12, 2014-08

これには無印良品ブランドの「浸透度」が影響していました。私たちはライフスタイルを提案する企業です。茶道をベースに簡素を旨とする商品を開発し、全ての商品と店舗で統合した世界観を形成しています。
著者
小林 恒平 淺野 玄 羽田 真吾 松井 基純
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement 第29回日本霊長類学会・日本哺乳類学会2013年度合同大会
巻号頁・発行日
pp.235, 2013 (Released:2014-02-14)

近年,野生動物の個体数管理の手法として,繁殖の成功に不可欠な物質を標的とした抗体を産生し,繁殖を抑制する避妊ワクチンが注目されている.避妊ワクチンの野外適用には,効率的に多数の個体に投与できること,種特異性が高く他種動物に影響がないことが求められる.我々はこれまで,卵子の周囲に存在し精子の結合部位となる透明帯について,ブタのアミノ酸配列に基づく合成ペプチドをニホンジカに投与し,ブタ透明帯に特異的な抗体を産生されることを示した.本研究では我々が同定したニホンジカ透明帯のアミノ酸配列に基づいて透明体を模した合成ペプチドによる抗体産生を試みた. エゾシカ透明帯のアミノ酸配列の中で,種特異性が期待され,精子との結合に関与すると考えられるエピトープを基に,18アミノ酸残基からなる合成ペプチドを設計した.設計した合成ペプチドにキャリア蛋白(KLH)を結合したものをウサギに免疫し,抗体を作成した.免疫は 2週間間隔で4回行い,1回につき合成ペプチド 100 μ gとアジュバンド(TiterMax) 100 μ lを投与し抗血清を得た.合成ペプチドに対する抗体の透明帯への結合能およびその特異性を検証するために,合成ペプチド投与によるウサギへの免疫によって得られた抗血清を一次抗体として用い,ニホンジカ,ウシおよびブタの卵巣の凍結切片を用いた免疫染色を行った. 産生された抗体は,ニホンジカの透明帯を認識し結合する事が明らかになった.一方,ウシおよびブタの透明帯に対する結合は認められず,種特異性が示された. 本研究で用いたニホンジカ透明帯の一部の配列に基づく合成ペプチドは,ニホンジカの透明帯に特異的に結合する抗体の産生を誘導することがわかった.また,ウサギへの投与で透明帯に結合する抗体が得られたことから,ウサギを用いた抗体作成と免疫染色による機能検査が,避妊ワクチンの候補抗原の選択に有用であることがわかった.
著者
松井 淳 加藤 直人 小林 彰夫 今井 亨 田中 英輝 安藤 彰男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.108, pp.211-216, 1999-12-20
参考文献数
7

ニュースのリアルタイム字幕作成を目的とした音声認識には一般のタスクと違う特徴がある.すなわち発声される可能性のあるテキスト,あるいはそれに類似したテキストを放送の前に入手できる特徴である.著者らはこの点に着目して認識性能を向上させる手法をいくつか研究してきた.これらは計算処理量の比較的重いものと軽いものがあり,軽い処理ほど放送直近の原稿を利用できる.本稿では,比較的処理の重い「言語モデルの適応化手法」,処理の軽い「放送直前の原稿を利用したn-gram確率の動的計算法」,および「未知語自動登録法」を使った実験を報告し,これらを組み合わせて利用することで単語正解精度が89.92%から92.36%に改善されたことを示す.Although it is almost impossible to guess what will be uttered beforehand in general speech recognition task, we can do this with high possibility in news dictation task thanks to the manuscripts that well hold the words to be uttered by announcers. In this paper, we describe three ways of utilizing such news manuscripts and will show empirically that they greatly helped improving the news recognition rate.
著者
島 裕也 中村 龍哉 松井 裕樹 山田 義博 宮内 啓成 橋本 聡司 阿部 一雄
出版者
Japan Society of Powder and Powder Metallurgy
雑誌
粉体および粉末冶金 (ISSN:05328799)
巻号頁・発行日
vol.57, no.11, pp.729-733, 2010-11-15
参考文献数
13
被引用文献数
1

LiFePO<SUB>4</SUB>/C composite particles were prepared by gas-solid phase reaction. The reaction temperature had a detrimental effect on the purity of the composite particles. The suitable temperature was around 650°C, above and below which ferromagnetic impurities were found. The retention time influenced only the carbon deposition amount, but the excess amount of carbon caused the degradation of the electrochemical performance. The specimen prepared at the optimum conditions exhibited superior performances in both rate capability and cycle stability as well as less impedance growth during the cycling.
著者
吉田 英生 石部 英臣 吉冨 聡 齋藤 元浩 松井 裕樹 江川 猛 岩井 裕 坪田 宏之 桑原 健雄 金丸 一宏
出版者
The Japan Society of Mechanical Engineers
雑誌
日本機械学会論文集 B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.72, no.722, pp.2562-2569, 2006

A hybrid bearing effectively stabilized by water evaporation from ultra-fine porous medium is proposed and its basic characteristics are clarified by numerical simulation and experiment. The proposed bearing aims to be applied to MGT (Micro Gas Turbine) and has mainly three advantages suitable for application to MGT. The first is the stability improved by water evaporation from ultra-fine porous medium. The second is the effective lubrication by liquid water at the start and stop of the journal rotation. The third is the cooling effect on the high-temperature journal due to water evaporation. A fundamental experiment from water lubrication to vapor lubrication via transition state has been carried out. The experiment indicated the potential of vapor lubrication and confirmed the stable start-up at water lubrication.
著者
松井 博 橋詰 源蔵 足立 吟也 塩川 二朗
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌 (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1988, no.6, pp.959-963, 1988-06-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
13

CaS:Ce 蛍光体に水蒸気を作用させたときの CaS:Ce の加水分解過程を調べた。CaS:Ce を 25℃, 40% RH の雰囲気中に置くと, CaS 結晶の表面は初期の段階ですでに SO4と SO3 が生成している。そこへ, まず水蒸気が CaS の構造中に OH の形で取り込まれ, つぎに分子状の水として入ってゆく。さらに CaS と水蒸気と接触しつづけると, あらたに Ca(OH)2 が生成し, これが空気中の二酸化炭素と反応して CaCO3 が生成する。加水分解の初期から CaS:Ce の表面にはすでに CaSO4, CaSO3 の存在が認められ, また試料に水が吸着しやすく その結果 Ca(OH)2 が生成した。生成した Ca(OH)2 は炭酸化が徐々に進行し CaCO3 も一部生成した。さらに, 25℃ の飽和水蒸気雰囲気にしたデシケーター中に放置すると, 一部, II・CaSO4 が生成するものの最終的には CaSO3・1/2H2O に変化した。これは試料を飽和水蒸気雰囲気にデシケーター中に放置した結果, 酸素が不足したため II・CaSO4 が生成しにくくなったものと思われる。
著者
松井 謙二 本城 勇介
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学研究発表会 発表講演集
巻号頁・発行日
vol.39, pp.31-32, 2004

ISSMGE/TC23国内委員会(委員長:本城勇介・岐阜大教授)では,H15年度より「Eurocode 7評価」に関するWG活動を行ってきた.これはEN1997-1(Eurocode 7:地盤設計の一般ルール)ドラフトがほぼ完成しCENメンバー国の公式投票にかけられる段階に至り,地盤コード21を作成中のわが国としても,Eurocode 7に対する評価を統一しておく必要があることによる.ここでは,Eurocode 7が世界標準となった場合を想定して,わが国としてこれを導入した場合の問題点を,適宜地盤コード21と対比しながら指摘する.
著者
荒井 清司 松井 智 松根 健介 呂 朋君 曹 宏 西村 眞 辻本 恭久 松島 潔 前田 隆秀
出版者
一般財団法人 日本小児歯科学会
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.481-486, 2007-09-25 (Released:2013-01-18)
参考文献数
20

著者らは,ラットの露髄面に新規ハイドロキシアパタイトに炭酸カルシウムもしくはβ-TCPを含有させ,覆髄材としての有効性を報告した.そこで,本研究では,ヒト歯髄培養細胞における炭酸カルシウムの硬組織形成能を解明する一助として,細胞増殖試験ならびに硬組織形成の分化マーカーであるアルカリフォスファターゼ(ALP)を指標とし,検討を行った。炭酸カルシウムは,1mM,100μM,10μM,1μMの濃度を含有させた培地に最大12日間作用させた。培養24時間後の細胞毒性試験において,各濃度の炭酸カルシウム作用群において著しい細胞毒性は認められなかった。また,細胞増殖試験において,10μM炭酸カルシウム作用群をピークとして,細胞数の増加が認められた。培養3日後の細胞にアゾ染色を行い,10μM炭酸カルシウム作用群において,ALPの濃染が認められた。また,培養12日目のALP活性においても10μM炭酸カルシウム作用群をピークとし,無添加のコントロール群と比較し,有意な差が認められた。以上のことから10μMの炭酸カルシウムをヒト歯髄培養細胞に作用させることで,硬組織形成能を促進させる可能性が示唆された。
著者
宮田 留美 中川 圭子 大浦 暢子 柴野 泰子 小倉 悠里子 竹澤 みどり 立浪 勝 中村 滝雄 松井 祥子
出版者
富山大学保健管理センター
雑誌
学園の臨床研究 (ISSN:13464213)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.5-8, 2017-03 (Released:2017-03-30)

高照度光療法は、1980年代にスウェーデンの医師が世界で初めて有効性を報告した治療法である。目の網膜から一定量の強い光を取り込み、脳の中枢部にある睡眠ホルモンのメラトニンを抑制することによって生体リズムを整える治療法で、概日リズム睡眠障害やうつ病に効果があるとされている。今回、気分の落ち込み、睡眠や生活リズムの乱れが原因で就学への支障を自覚した学生に対し、高照度光療法を行い著効したと考えられる2事例について報告する。