著者
坂本 千城 渡辺 武夫 坂本 洋子 宮本 治子 山岡 寿美子 三浦 治子 松村 一主功 松井 利充 中尾 実信 藤田 拓男
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.20, no.6, pp.485-490, 1983-11-30 (Released:2009-11-24)
参考文献数
11

閉経期後又は老年性骨粗鬆症の原因は複雑であり, 現代までに, 内分泌的, 栄養的, 物理的, 遺伝的等の諸因子が考えられたが, 免疫学的因子は未だ検討されていない. しかしながら, 骨粗鬆症が, 多くの膠原病や自己免疫疾患と同様に, 女性に多いこと, 又免疫異常の起り易い老年に多いこと, 自己免疫疾患として有名な慢性関節リウマチで, 関節周囲に骨粗鬆症様の変化が見られること, 更に骨粗鬆症では, 骨の吸収と形成してアンバランスが見られるが, 骨の吸収の主体である破骨細胞は, マクロファージ起源であるともいわれ, リンフォカインの一種であるOAFによって, その活性が刺激される等の現象は, 骨粗鬆症の原因の一つに, 免疫異常があることを, 疑わせるのに充分である.加齢とともに細胞免疫の一つの指標であるツベルクリン反応は陰性のものが多くなり, ことに骨粗鬆症を示すものでは, 示さないものよりも同年齢でも陰性者の率が高く, 又ツベルクリン陰性者は陽性者に比べて, 橈骨の鉱質合量が低下している. 末梢総リンパ球数及びTリンパ球数には, 骨粗鬆症患者と骨粗鬆症を有しないものの間に差はないが, OKT4/OKT8 (ヘルパー/サプレッサー) 比は, 骨粗鬆症患者では骨粗鬆症を有しないものに比べて, 高値を示す. 0.5μg/日の1α(OH)ビタミンD3を投与すると, 骨粗鬆症患者におけるツベルクリン反応は陽転するものが多く, 又, OKT4/OKT8比は低下する. これらの所見から, 骨粗鬆症にはある種の免疫異常, ことに細胞性免疫の低下が存在すると思われるが, その病態生理学的意義は, 今後の検討を要する.
著者
松井 圭介
出版者
筑波大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究では,茨城県大洗町を事例にコンテンツ・ツーリズムの影響に注目し,ツーリズム形態の転換に伴う観光空間への影響,及びその変容の解明を試みた。大洗町は観光施設を数多く有する県内でも有数の海浜観光地であり,2012年以降はアニメ「ガールズ&パンツァー」の舞台として新たな観光現象が生じている。大洗町においては,当初は店舗・組織におけるアニメファンへの対応は個別的であったが,来訪者が増加するに連れて,商工会の主導により積極的にコンテンツを地域の資源として取り入れ,多くのアニメファンを取り込み,聖地が共創されていったことが明らかにされた。
著者
西岡 和久 松井 康人 木村 寛之 佐治 英郎 米田 稔
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.I_67-I_72, 2013 (Released:2014-01-21)
参考文献数
9

本研究では,肺胞上皮に沈着したナノ粒子がどれだけ上皮内に取り込まれるのかについて,ヒトII型肺胞上皮細胞(A549)と修飾基の異なる3種類(カルボキシ修飾,アミノ修飾,修飾基なし)の蛍光ナノ粒子を用いて,「表面修飾」,及び「表面電位」に着目し,共焦点レーザー走査型顕微鏡によるイメージング,およびフローサイトメーターによる粒子を取り込んだ細胞数の定量を行った.その結果,表面電位と細胞への取り込み量の依存性に関しては明らかにできなかったものの,曝露時間が長い程取り込み量は増加し,特にカルボキシ修飾粒子で顕著であった.
著者
片野 静次 沖 智之 松尾 由佳 義平 邦利 奈良 安雄 三木 知博 松井 利郎 松本 清
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.69, no.6, pp.975-980, 2003-11-15 (Released:2008-02-01)
参考文献数
21
被引用文献数
11 26

アコヤガイ貝肉タンパク質をアルカリプロテアーゼ分解し,その分解放による血圧降下作用を高血圧自然発症ラット(SHR/Izm)を用いて,投与後6時間の収縮期血圧により調べた。分解放の低分子溶出画分側からACE阻害活性の高い画分を得たので,これを逆相クロマトグラフィーに供し,ACE阻害活性の高い生理活性ペプチドを,ACE阻害ペプチド(Ala-Trp)を含めて4種類分離・同定した。さらにこれらのペプチドのACE阻害への寄与率は4.5%であった。アコヤガイ貝肉の機能性食素材としての可能性を検討したので報告をする。
著者
田畑 麻里子 福田 祥子 大杉 匡弘 佐藤 美次 山川 友宏 波多野 健二 野池 利彰 松井 徳光
出版者
日本きのこ学会
雑誌
日本きのこ学会誌 : mushroom science and biotechnology (ISSN:13487388)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.159-163, 2008-12-31
被引用文献数
1

担子菌で豆乳を発酵させることによって,うまみ成分に富み,高い生理活性を示す新規な機能性発酵豆乳の開発を試みた.担子菌はスエヒロタケ(Schizophyllum commune)を用いた.豆乳タンパク質の分解についてSDS-PAGEで観察したところ,培養1週間目には豆乳のタンパク質バンドは消失し,新たなバンドが現れた.遊離アミノ酸濃度を測定したところ,最も高いアミノ酸濃度を示したのは培養3週間目であったが,全遊離アミノ酸に対するうまみ系アミノ酸の割合が最も高いのは培養4週間目であった.シュウ酸,リンゴ酸,コハク酸,ピログルタミン酸などの有機酸の濃度は低く,発酵中に変化し,一定ではなかった.抗酸化活性,抗トロンビン活性はスエヒロタケで発酵させることで増加し,また発酵時間の経過とともに強くなった.
著者
大澤 克己 松井 淳一 丸田 正治 森田 祐子 斉藤 信博
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.62, no.12, pp.585-590, 2015-12-15 (Released:2016-01-28)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

長野県木曽地域の伝統食品である無塩乳酸発酵漬物すんきから植物由来乳酸菌を分離し,ヨーグルト製造に適した乳酸菌を選抜を行い,その乳酸菌を用いたヨーグルトが開発できた.初発菌数1.0×108cfu/ml,発酵時間24時間以内で良好なカードが形成でき,牛乳以外に他の乳酸菌増殖用添加物を使用しないで商業ベースでヨーグルトを製造することを可能にした.

1 0 0 0 OA 東洋史精粋

著者
松井等 著
出版者
日本図書
巻号頁・発行日
1946
著者
松井 嘉徳
出版者
東洋史研究会
雑誌
東洋史研究 (ISSN:03869059)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.457-489, 2005-12
著者
松井 理恵
出版者
The Kantoh Sociological Society
雑誌
年報社会学論集 (ISSN:09194363)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.21, pp.119-130, 2008
被引用文献数
1

The purpose of this paper is to clarify the logic behind the historic preservation movements in Daegu, Korea. There are many Japanese houses in Daegu that were built in the era of Japanese occupation. This paper describes the logic behind a NGO in Daegu, Korea (CSES: Citizen's Solidarity for Ecological Street) that seeks to preserve these houses. The CSES has organized citizen's fieldwork to uncover "lived urban histories" in Daegu. They have found many Japanese houses. CSES has placed them in context not as part of the Colonial legacy but as part of historic resources. This study takes the historic preservation movement in the context of community formation. The finding is as follows. CSES contextualizes "histories" of the community into life experiences of local residents for community formation.
著者
長岡 芳 鍵小野 美和 藤田 紀乃 和田 昭彦 松井 寛 大橋 儒郁 飯田 忠行
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
人間ドック (Ningen Dock) (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.486-493, 2010 (Released:2013-07-31)
参考文献数
24
被引用文献数
1

目的:腹部CT法による皮下脂肪・内臓脂肪肥満とBMIから日本のメタボリックシンドローム診断基準との関連を調べ,肝機能との関連も検討した.対象と方法:男性174名,女性63名を対象とし,平均年齢は,男性46.6±11.3歳,女性49.2±12.4歳であった.内臓脂肪面積とBMIにより,正常群:内臓脂肪面積100cm2未満・BMI25未満,皮下脂肪型肥満群:内臓脂肪面積100cm2未満・BMI25以上,内臓脂肪蓄積型肥満群:内臓脂肪面積100cm2以上・BMI25未満,内臓脂肪型肥満群:内臓脂肪面積100cm2以上・BMI25以上に分けた.4群間について年齢,最高・最低血圧,HDL・LDLコレステロール,中性脂肪,血糖,HbA1c,AST,ALT,γ-GTPを比較した.結果:内臓脂肪の増加は,男性で血圧と肝機能異常に関与した.皮下脂肪の増加は,男女ともにHDLコレステロールの低下と,女性のALTの増加に関与した.内臓・皮下の両脂肪の増加があると,HDLコレステロールの低下,HbA1c,γ-GTPの上昇に関与した.結論:メタボリックシンドロームの疑いに関しては,内臓脂肪面積と皮下脂肪面積を測定し,性別による分析を加味し,予防対策に活かす必要性が示唆された.
著者
富松 利明 松井 又夫 宇治 昭 加納 蓉子
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.82, no.11, pp.1560-1563, 1962-11-25 (Released:2010-02-19)
参考文献数
5
被引用文献数
6

Experimental evidences suggest that the bases contained in Thalictrum thunbergii DC. (Japanese name “Akikaramatsu”) differs slightly by its habitat. In order to elucidate this point, the root of this plant collected in Nagano Prefecture was processed and a comparatively large amount of magnoflorine (I) was obtained, while its leaves and stems yielded takatonine (II). The leaves and stems of the same plant collected in Kochi Prefecture yielded magnoflorine (I) and berberine (III). These results are summarized in Table I.
著者
松井 愛子
出版者
千葉大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2011

テロメア短縮によって誘導される細胞老化時にはオートファジーを始め、細胞体積変化などの様々な形質変化が誘導されることがこれまでの研究結果から明らかとなった。しかしそれらの分子機構はまだわかっていないものも多い。そこで、細胞老化時に起こるオートファジーを始めとした形質変化の分子機構を明らかとし、その生理的意義を解明することを目的とした。昨年度の研究から、細胞老化時にはオートファジーが誘導されることでTORC1活性が低下することを明らかにした。そこで、本年度ではいくつかのオートファジー変異細胞を用いて細胞老化時のTORC1活性を解析したところ、その中にはTORC1活性を低下させる変異細胞はなかった。次に、細胞老化時オートファジーの誘導原因を解明するために、テロメアタンパク質であるRap1との関連性を解析した。その結果、テロメア短縮時にRap1の発現量は低下するが、Rap1の発現量が低下してもTORC1活性の低下は見られなかったことから、Rap1発現量の変化とオートファジー誘導とに因果関係がないと考えられる。一方老化細胞で見られる形質変化の一つである、液胞体積増大の原因を解析するために、高浸透圧ストレス応答反応を調べた。すると、老化した細胞では高浸透圧ストレス応答機能が低下していることがわかった。そこで、高浸透圧ストレス応答異常とRap1発現量変化との関連性を解析したところ、Rap1発現量の低下に伴い、液胞体積の増大と高浸透圧ストレス応答異常が引き起こされることがわかった。つまり、老化した細胞では、Rap1の発現量が低下することで高浸透圧応答異常を引き起こし、液胞体積が増大することが示唆された。今回の結果から、細胞老化時に見られる形質変化の分子機構の一端が解明され、今後の老化研究の進展に貢献することが期待される。
著者
三浦 菊佳 山田 一郎 小早川 健 松井 淳 後藤 淳 住吉 英樹 柴田 正啓
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.408, pp.53-58, 2009-01-19

大量に蓄積されている放送番組から目的の映像を検索する際、細かいシーン単位で取り出せればより有効に映像を二次活用することができる。本稿では、レギュラー番組におけるクローズドキャプションから、あるコーナーを特徴づけたり、場面転換を表したりする繰り返し出現する表現(反復句)を教師なしで自動獲得することで、番組を分割する手がかり語を捉える。生物の進化をモデルに、番組中に毎回偏って繰り返し出現する語に着目し、Fisherの正確確率検定を利用したセグメントアラインメント、スクリーニングを行い反復句を抽出する手法を提案する。情報番組を対象とした実験を行った結果を評価し、提案手法の有効性を確認した。
著者
松井 義弘 綾野 秀樹 中野 和司
出版者
自動制御連合講演会
雑誌
自動制御連合講演会講演論文集 第57回自動制御連合講演会
巻号頁・発行日
pp.1783-1784, 2014 (Released:2016-03-02)

DCモータの速度制御系をアナログ回路で構成した実験装置を用い,そのステップ目標応答データからDCモータの伝達関数を推定する方法を示した.なお,閉ループデータは,ディジタルオシロスコープで取得した制御器出力,モータ電機子電流およびモータ速度である.実験装置のモータ速度は,制御対象であるDCモータと同じものを速度発電機として使用したため,取得されたデータは,ブラシ・整流子によるノイズが比較的大きいものであったにもかかわらず,提案法で良好な推定結果が得られた.