著者
中田 貴大 牧野 英記 加藤 高英 仙波 真由子 河野 幹寛 梶原 浩太郎 伊藤 謙作 濱口 直彦 兼松 貴則 横山 秀樹
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.104, no.10, pp.2206-2211, 2015-10-10 (Released:2016-10-10)
参考文献数
7

陰圧性肺水腫(negative pressure pulmonary edema:NPPE)は,上気道閉塞に伴う胸腔内圧の急激な低下により発症する非心原性肺水腫である.診断や治療の遅れは致命的になる可能性があるが,速やかな診断と治療を行えば,短時間で大きな合併症もなく回復することができる.日常診療において内科医が本疾患に遭遇する機会はあり,忘れてはならない疾患の1つである.痙攣発作後に持続する低酸素血症の際には,NPPEを鑑別の1つとして挙げるべきである.
著者
高砂 浩史 梶 友紘 松森 隆史 小野 元 後藤 哲哉 田中 雄一郎
出版者
一般社団法人 日本小児神経外科学会
雑誌
小児の脳神経 (ISSN:03878023)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.1-6, 2022 (Released:2022-03-15)
参考文献数
11

最近10年間に経験した虐待が疑われる小児頭部外傷18例を検討し当院での取り組みを報告する.被虐待児の年齢や外傷種別などの臨床像は過去の報告と同様であった.一方当院での虐待防止委員会の取り組みとして,病院職員全体への啓蒙活動を充実させ報告の敷居を下げることで取り扱い件数が増え,児童相談所通告には至らずも育児支援を要するネグレクト事案などがあぶり出されることが増えた.小児専門以外の脳神経外科医も虐待を念頭に置いた診療と虐待に伴う社会対応を熟知する必要がある.
著者
久代 登志男 梶原 長雄 上松瀬 勝男
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.84, no.1, pp.65-69, 1995-01-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
5

非薬物療法は降圧効果が明らかな減量,節酒,減塩,運動療法と,降圧効果はないが危険因子の改善となう禁酒,糖/脂質代謝異常の改善などがある.いずれも高血圧治療の目的達成の上で重要であるが,多くは生活習慣の変容が必要なため長期維持が困難な点が限界となる.非薬物療法と薬物療法は相補的なものであり,優劣を論じるのではなく個々の患者の病態と生活習慣に応じて最も実施可能な治療を選択し併用することが必要である.
著者
梶浦 雅己
出版者
愛知学院大学産業研究所
雑誌
地域分析 : 愛知学院大学産業研究所所報 : the journal of the Research Institute of Business (ISSN:02859084)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.25-85, 2008-09

本稿では,AIDCのパイオニアともいえる1次元バーコード(1次元シンボル)の開発から普及の経緯を辿ることにより,AIDC普及のイノベーションを解明する。1次元バーコード普及と発展は,2次元バーコード,RFIDの開発と普及に繋がる重要な位置付けにあり,AIDCを代表する意義を持つものである。また多くのAIDC関連企業は1次元と2次元バーコード,RFID,バイオメトリクスを複合的に組み合わせたビジネスを展開している。そのような背景を踏まえて,1次元バーコードの発明国であり,先進的に普及した米国とそれに追従したわが国の歴史的経緯をみる。バーコードの普及について,それを推進したコンソーシアムであるUPCの活動経緯を中心にその動態を検証して行く。なお本文中の表記「バーコード」とは,特に断りがない限り「1次元バーコード」を意味する。
著者
梶原 拓史 白石 和博 市坪 信一
出版者
電気・情報関係学会九州支部連合大会委員会
雑誌
電気関係学会九州支部連合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.412, 2011

本研究室では無線通信の研究を行っている。実験は主に屋外で行われているが、研究に使用する機材の一つである標準信号発生器(SG)は大きくて重いため、持ち運びが不便である。そこで、研究室が電波免許を収得している902.85MHzの電波を出力する、小型軽量の発振器を製作する。高周波の発振器は主にPLL周波数シンセサイザが使われている。実験で使用するために、出力パワー10dBm、出力周波数902.85MHz、周波数安定度1ppmのPLL周波数シンセサイザを設計した。
著者
西田 晶子 竹下 誠 原田 敏直 藤崎 静男 梶返 昭二
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1990, no.9, pp.945-948, 1990-09-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
10

9-(2-メチルフェニル)-9-フルオレノール1を出発原料として,数段階を経て9-(2-ジメチルアミノメチルフェニル)フルオレン4および9-(2一ジメチルアミノメチルフェニル)-9一フルオレノール5を合成した。これらは室温においてSP体が優勢配座であるごとが判明した,つぎに4のCDC13溶液にトリフルナロ酢酸を少量ずつ添加したところ4の塩が生成し,優勢配座がSPからapへと変化した。生成した4-ap塩はN-H… π 相互作用により安定化しているものと推定した。4のこの相互作用が9-(2一ジメチルアミノフェニル)フルオレン6のそれとくらべて強いことを,4のジメチルアミノメチル基の塩基性が6のジメチルアミノ基の塩基性より強いことから説明した。また酸としてトリフルオロ酢酸のほか酢酸を用いて,4塩の配座平衡におよぼす酸の強さの影響を調べたところ,弱酸の酢酸ではその平衡も ap/sp=7/3を限度とすることが判明した。
著者
梶 克彦 長尾 確
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.258-273, 2007-01-15
参考文献数
35
被引用文献数
8

一般にテキスト,ビデオ,音楽などのコンテンツには複数の解釈が存在し,それらのコンテンツを対象とする場合,複数の解釈の中から適切なものを扱う必要がある.そこで我々は任意のコンテンツに対する複数の解釈を扱うためのプラットフォームとしてAnnphony を構築した.Annphony では,一般的なアノテーション記述形式であるRDF を拡張し,すべてのアノテーションに識別子を付与することでそれぞれの解釈を区別して扱うことができる.解釈が多様になりやすいコンテンツの典型例として音楽があげられる.一般に音楽は必ずしも解釈を一意に決定できず,その楽曲をとらえる人によって異なる解釈を見い出すことがしばしばみられる.そこで我々はAnnphony を基盤とし,楽曲に対する多様な解釈をWeb 上のユーザから取得する音楽アノテーションシステムを構築した.本システムは1. 書誌情報などの楽曲自体に対するアノテーション,2. 連続メディアに対するアノテーション,3. 楽譜に対するアノテーションの3 種類のエディタを備える.また実際に本システムによりアノテーションを収集し,楽曲に対する多様な解釈を扱う例として,楽曲検索システムとプレイリスト作成支援システムを構築した.Generally, there are multiple interpretations of single content such as a text, a video clip, a song, and so on. Therefore we have developed an annotation platform called "Annphony" to deal with such multiple interpretations. By extending RDF, a common annotation framework, each annotation has its own identifier that enables distinction of each interpretation. Music is one typical example that apt to cause multiple interpretations. Listeners do not necessarily make the same interpretation about the tune. Therefore, to deal with various musical interpretations we have developed a musical annotation system that consists of the following annotation editors ― 1: basic information of the tunes, 2: continuous media, and 3: musical scores. We have also developed two applications based on annotations about multiple interpretations collected by the annotation system. One is a music retrieval system based on music's inner structure. The other is a playlist recommendation system that semiautomatically generates playlists that reflect listener preferences and situations.