著者
張 世良 川口 光 久保木 孝 赤坂 勇 寺下 雄三 秋山 雅義 梶川 翔平
出版者
一般社団法人 日本塑性加工学会
雑誌
塑性と加工 (ISSN:00381586)
巻号頁・発行日
vol.63, no.743, pp.174-179, 2022 (Released:2022-12-25)
参考文献数
9
被引用文献数
2

In the present paper, we describe a tube drawing method with diameter expansion for the effectively formation of thin-walled tubes. The proposed method makes the tube thickness easier to reduce than the conventional method, because the tube wall stretches biaxially in the axial and hoop directions. The effects of the plug half-angle on the forming limit, drawing load, thickness reduction, the precision of the inner diameter, and the strength of the formed tube were investigated by a series of experiments and finite element method (FEM) analysis. As a result, the forming limit was the highest at a plug half-angle α of 36˚, and then the maximum thickness reduction ratio γ max of 32 % was obtained by increasing the expansion ratio. In addition, the thickness reduction ratio increased with the plug half-angle owing to the increase in drawing load. On the other hand, the dimensional precision of the tube inner diameter deteriorated with the increase in plug half-angle because of an overshoot of the tube wall, indicating a gap between the tube wall and the plug. The effect of the plug half-angle on the strength was small, while elongation changed with the plug half-angle. The above results suggest that the plug half-angle should be selected appropriately to obtain the target dimension and mechanical properties.
著者
ヤェム ヴィボル 岡崎 龍太 梶本 裕之
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.555-564, 2016 (Released:2017-02-01)
参考文献数
21
被引用文献数
1

Several kinds of vibration actuators were developed and widely used for haptic feedback and for simulating tactile experience. However, these actuators have certain design challenges, such as resonance via the spring attached to the vibration mass, and limited acceleration amplitude at low frequency because of the limited travel distance of the mass. In our study, we propose a new vibrotactile presentation method using the rotational motor's counterforce that occurs during acceleration or deceleration. This paper describes the effectiveness of a DC motor for high fidelity vibration and pseudo force presentation, and our design concept of a vibration actuator using a DC motor.
著者
梶並 知記 小田 凌平
雑誌
情報処理学会論文誌デジタルコンテンツ(DCON) (ISSN:21878897)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.1-15, 2022-02-28

本稿では,対戦型格闘ゲームを対象とし,プレイヤの視線情報を用いた試合の振り返りを支援するインタフェースを提案する.対戦型格闘ゲームは,2名のプレイヤがそれぞれ格闘家を模したキャラクタを操作し,相手と闘うゲームである.対戦型格闘ゲームの典型的なゲーム画面のレイアウトは,リングを横から見たカメラ視点であり,キャラクタ2体が同一軸上に左右に並んで向かい合う形となる.2名のプレイヤは,同一内容のゲーム画面を見てプレイする.プレイヤは,自分達が行った試合の動画を見直して,戦略/戦術について議論する振り返りをする場合がある.しかしながら,プレイ中のプレイヤの視線情報を用いた,試合の振り返り支援はあまり行われていない.本稿では,2名のプレイヤの視線情報を用いて,ゲーム画面上のプレイヤの着目箇所や視線の移動軌跡の類似性/差異性を強調して可視化する4つの機能を備えた,試合の振り返り支援インタフェースを提案する.対戦型格闘ゲームの経験者を被験者とした評価実験を行った結果,提案インタフェースが振り返りの際の議論のきっかけを与え有効であることと,提案機能ごとに有効性が異なることを示す.
著者
松本 光太郎 菊池 健太郎 守時 由起 茂木 千代子 山田 はな恵 綱島 弘道 小澤 範高 馬淵 正敏 梶山 祐介 土井 晋平 宮川 浩 安田 一朗
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.179-185, 2015-05-20 (Released:2015-05-29)
参考文献数
13
被引用文献数
2 2

当院における敗血症性肝障害の臨床的特徴をretrospectiveに調査し,発症早期に予後予測に役立つ因子を検討した.過去1年間の敗血症116例中,敗血症性肝障害を61例(52.6%)に認めた.敗血症性肝障害を合併した例は非合併例に比べて死亡率が有意に高かった.敗血症性肝障害合併例は非合併例と比較してDICの併発例が多く,DIC非併発例でも血清FDP, D-dimer値が高値であることから,敗血症性肝障害の発生にDICが関与していると考えられた.またDICを併発した敗血症性肝障害における死亡例と生存例の比較では死亡例で血清ALPが有意に高値であり,γ-GTPも死亡率に影響を与える可能性があった.敗血症性肝障害例において総ビリルビン値の推移を生存例と死亡例で比較したところ,死亡例で有意に総ビリルビン値の上昇を認め,経過中に黄疸を呈し死亡した例は10例であった.また死亡した10例中,3例からMRSAが検出されており,菌種別の死亡率ではMRSAが最も高かった.予後予測因子について多変量解析(ロジスティック回帰分析)で検討した結果,敗血症性肝障害発生時においてはALP高値が唯一の予後予測因子であった.以上から敗血症性肝障害の発症時に血清ALP, γ-GTPが高値であること,またMRSAが検出されることは,早期の予後予測マーカーになる可能性があると考えられた.
著者
工藤 真也 長岡 鼓太朗 梶並 知記
雑誌
研究報告デジタルコンテンツクリエーション(DCC) (ISSN:21888868)
巻号頁・発行日
vol.2020-DCC-24, no.10, pp.1-4, 2020-01-16

本稿では,サバイバルゲームにおける少人数でのフラッグ戦を対象とした,試合後の振り返り支援を行う可視化インタフェースを試作する.サバイバルゲームは,エアソフトガンを用いて行う,実際の銃撃戦を模したゲームで,実世界のフィールド上で試合する.試合後,口頭またはメモ用紙などを用いて振り返りを行う場合がある.本稿では,振り返りの際の議論活性化のために,プレイヤーのフィールド上の移動軌跡や警戒,射撃状態を可視化するインタフェースを構築する.
著者
市村 真優 梶原 篤
出版者
奈良教育大学次世代教員養成センター
雑誌
次世代教員養成センター研究紀要 = Bulletin of Teacher Education Center for the Future Generation (ISSN:21893039)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.161-165, 2022-03-31

奈良市教育センターで小学生とその保護者を対象とした「理科教室」を開催している。奈良教育大学で長年実施してきたフレンドシップ事業「夢化学」の後継事業としての位置づけで、2011年度の6月に第1回を実施し、その後毎年複数回にわたって実施してきた。奈良教育大学の学生の教員になるための訓練の一環になればと考えて行っており、令和3年度は計2回実施した。内容は、第1回が「花火のひみつ炎色反応」第2回が「結晶の不思議ホワイトクリスマス」である。今回の内容は奈良市教育センターからの要望に基づいて決め、奈良市教育センターの方々の協力を得て実施した。実施内容を記録するとともに教員になるための準備としての理科教室のあり方や、今後の課題について述べる。
著者
梶並 知記 長谷川 和也
雑誌
情報処理学会論文誌デジタルコンテンツ(DCON) (ISSN:21878897)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.17-27, 2018-02-28

本稿では,対戦型格闘ゲームの初心者観戦者を対象とした,試合の観戦支援システムを提案する.対戦型格闘ゲームは,プレイヤが格闘家を模したキャラクタを操作し,対戦相手のプレイヤが操作するキャラクタと闘うゲームであり,近年国際的な競技会も開催されているデジタルゲーム競技(e-Sports)のジャンルの一種である.従来研究で,キャラクタの相対位置や,ゲームフィールド上の絶対位置がプレイヤの意思決定に及ぼす影響について考察されている.本稿ではゲームキャラクタの相対位置や絶対位置に基づき,対戦型格闘ゲームのプレイ中に現れる典型的な3つの状況である,近距離状況,遠距離状況,画面端状況を定義し,状況に応じた文字アノテーションと図形アノテーションを提示する観戦支援システムを構築する.文字アノテーションは,プレイヤにとっての各状況の意味を端的に観戦者に示しつつ,攻防が行われそうなタイミングを観戦者に伝達する.図形アノテーションは,矩形や矢印といった基本図形で,攻防が行われそうな場所を観戦者に伝達する.対戦型格闘ゲームにあまり詳しくない初心者観戦者を被験者とした評価実験を行い,提案システムの有効性を検証する.実験の結果,提案システムを用いた被験者が,試合中の攻防が行われるタイミングや場所をより容易に理解・予測できるようになることを示す.
著者
大久保 暢子 亀井 智子 梶井 文子 堀内 成子 菱沼 典子 豊増 佳子 中山 和弘 柳井 晴夫
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.31-38, 2005-03-20 (Released:2012-10-29)
参考文献数
11
被引用文献数
3 1

看護大学における高等教育・継続教育としての e-learning (以下 EL と称す) は, 時間的・物理的制約を解消する有用な手段である. 今回, 国内の保健医療福祉機関に勤務する看護職計1,270名 (有効回答率36.6%) を分析対象として EL に関するニーズ調査を行った. その結果の一部を参考に仮説を立て, 因果モデルを想定し, 因子分析・共分散構造分析を用いて説明を試みた.結果: (1)「直接交流がないことへの不安」,「ELの内容や費用への不安」,「1人で学習することによる不安」といったEL受講への不安がなければ「ELの受講希望」は高くなり, 中でも「直接交流がないことへの不安」が「EL受講希望」に最も強く影響していた. さらに, (2) 大学の単位や認定看護師の教育単位といった「単位取得が可能」であれば「EL受講希望」は高くなることも明らかとなった. 以上のことから, 看護高等教育・卒後教育におけるEL導入は, スクーリングや対面式講義など直接交流の機会がもてること, 大学や認定看護師の講義単位が取得できることが重要であることが示唆された.
著者
早坂 信哉 中村 好一 梶井 英治
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.49, no.10, pp.1070-1075, 2002 (Released:2015-12-07)
参考文献数
31
被引用文献数
2

目的 市区町村社会福祉協議会が提供する高齢者入浴サービスである訪問入浴,施設内入浴について関連する事故の発生頻度をそれぞれ明らかにする。方法 対象:高齢者入浴サービスを実施している全国の市区町村社会福祉協議会(以下社協)444か所が対象であり,そのうち入浴に関連する事故の経験がある社協102か所を調査した。 調査,解析方法:2001年10月に郵送自記式調査を実施した。訪問入浴サービス,施設内入浴サービスの各々について,入浴サービス開始年月,2000年度の入浴延べ件数,および過去 5 年間のうちの入浴サービス実施期間の入浴に関連する事故件数を調査した。これらの項目につき過去 5 年間の入浴延べ件数を推定し,事故経験のある社協における入浴 1 万件あたりの事故件数を計算した。加えて入浴サービスを実施している社協全体における入浴 1 万件あたりの事故件数を計算し,日本全体における年間事故件数を推定した。結果 調査票の回収率は93%(回答数95)だった。5 年間の 1 社協あたりの延べ入浴件数(平均±標準偏差)は訪問入浴が4,245.0±4,637.7件,施設内入浴が22,235.3±37,259.4件で施設内入浴が多かった。事故経験のある社協における 5 年間の事故件数は訪問入浴が0.57±2.95件,施設内入浴が0.63±1.73件でほぼ同じだった。しかし入浴 1 万件あたりの事故件数は,訪問入浴が1.33件,施設内入浴が0.28件で訪問入浴が多かった。入浴サービスを実施している社協全体における入浴 1 万件あたりの事故件数は,訪問入浴が0.204件,施設内入浴が0.067件で訪問入浴が多かった。日本全体における年間事故件数を推定すると訪問入浴が63.1件,施設内入浴が149.1件であった。結論 入浴 1 万件あたりの事故発生率は,訪問入浴が施設内入浴より高く,福祉担当者や家族は注意を喚起する必要がある。
著者
宮野 道雄 生田 英輔 長嶋 文雄 田中 裕 梶原 浩一 奥野 倫子
出版者
一般社団法人 地域安全学会
雑誌
地域安全学会論文集 (ISSN:13452088)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.49-54, 2008-11-14 (Released:2019-04-18)
参考文献数
18

The immediate victims of the 1995 Hyogo-ken Nanbu Earthquake included 5,502 dead and 41,527 wounded. The death rate among victims in collapsed buildings was purported to be as high as 90%. However, we have no way to examine how the victim got dead or wounded, except for autopsy and interview with the bereaved. We need knowledge in detail about what part of building or furniture caused casualty and how it was occurred. Therfore, we aimed to make a dummy to measure human body damage due to collapsed buildings or toppled furniture. This dummy will be used in large-scale fracture tests of buildings to evaluate human body damage due to earthquakes.
著者
若林 佑介 棟近 雅彦 梶原 千里 高橋 良輔
出版者
一般社団法人 地域安全学会
雑誌
地域安全学会論文集 (ISSN:13452088)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.229-239, 2017-11-10 (Released:2018-05-26)
参考文献数
29

Hospitals need to introduce and promote Business Continuity Management (BCM) to continue providing medical care during a disaster. Methods of introducing and promoting BCM have been presented in various documents including published international standards. However, they are abstract and definitive procedures have not been specified. In this study, we actually introduced BCM into Hospital X and extracted the problems in introducing BCM. We then investigated methods to solve the identified problems and propose introduction method of BCM. By using the proposed method, we can introduce BCM more effectively than possible previously and gradually build BCM.
著者
梶原 康宏 梶原 正宏
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.37-48, 2019-02-15 (Released:2019-02-15)
参考文献数
18

安定同位体を利用した研究報告は数多くあり,今後,益々発展していくと思われる。今回,その安定同位体の分離・濃縮技術,1970年代から現在までの研究事例として13C-標識化合物を用いたビタミンB12の生合成研究,既に医療の現場で広く普及しているHelicobacter pylori感染診断のための13C-尿素呼気試法の概要について紹介し,医学・薬学における安定同位体の利用についてまとめた。
著者
渡辺 努 青木 浩介 梶井 厚志 宇井 貴志 上田 晃三 水野 貴之
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2018-04-01

家計の物価予想の形成メカニズムに関する研究の一環として約8000の家計を対象にアンケート調査を2018年5月に実施し、家計が将来の物価や景気についてどのように情報を取得しているのか、家計は中央銀行の存在をどの程度認識しているか、中央銀行の政策にどの程度の関心をもっているか、中央銀行からのメッセージはどのような経路で家計に伝わっているかを調べた。また、中央銀行コミュニケーションに関する理論と実証の最近の研究動向を調べるために、渡辺努がジュネーブの国連統計局主催の会議に2018年5月に出席し最近の研究成果(Storable Goods, Chain Drifts, and the Cost of Living Index)を報告したほか、渡辺努と西村はSEM(Society for Economic Measurement)主催の会議に出席し論文報告を行った(渡辺の報告論文"Product Turnover and the Cost of Living Index: Quality vs. Fashion Effects"、西村の報告論文"Incorporating Market Sentiment in Term Structure Model")。また梶井は、市場と予測に関する理論研究に関して欧州で情報収集と討論を行った。ヨーク大学ではゲーム理論の観点からの討論を行い、その後初期の研究成果をセミナー報告したほか、ウォーリック大学、ベニス大学でも研究報告と意見交換を行った。本科研の研究費は上記の研究活動に加えて、データ収集・加工のための作業謝金、英文校閲謝金等に使用した。なお、本研究課題は基盤研究(S)として採択されたため、基盤研究(A)の研究成果を基盤研究(S)に引き継ぐこととした。
著者
梶田 真
出版者
一般社団法人 人文地理学会
雑誌
人文地理 (ISSN:00187216)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.60-77, 2011 (Released:2018-01-23)
参考文献数
57
被引用文献数
2 1

Under the New Industrial Areas Act of 1962, which aimed to develop heavy materials processing industrial plants in non-metropolitan areas, housing complexes for invited plant employees were constructed in areas that were situated away from existing urban districts. These complexes were geographically and socially segregated from the existing local societies. This paper analyzes the dynamics of these segregated districts, focusing on the changing conditions in the heavy processing industry and the relations between the inhabitants of these complexes and existing local societies. A case study was conducted in the Akeno district of the Oita New Industrial Area.Most of Akeno’s inhabitants were Nippon Steel (NS) Oita Steelworks employees and their families, many of whom were transferees from other NS steelworks plants such as Muroran (Hokkaido) and Hirohata (Hyogo). In addition to facing geographical isolation, they had rather different customs, cultures, and lifestyles compared to the existing Oita locals. These inhabitants of Akeno are viewed as a heterogeneous society and are simply referred to as ‘Akeno’s’ (Akeno zoku).Until the 1980s, when the numbers of NS Oita steelworkers were maintained at about 3,700, Akeno had been a town that was populated exclusively by NS workers. Nevertheless, in the 1990s, due to the rationalization of Oita Steelworks and the collapse of land prices, redevelopment projects began in Akeno. These redevelopments weakened Akeno’s segregation and many in-migrants began to settle in the town. The main characteristic of the redevelopment projects was the aim to create a high-quality residential district. This reflects the ambitions of land owners and developers, who sought to raise the value of this district, and those of the existing inhabitants, with the hope of balancing the age structure of the population and improveing its living convenience.In spite of the poor access it offers to central Oita, many affluent non-Akeno’s, in their thirties and forties, rate Akeno highly and chose to migrate to Akeno. These responses suggest that they may feel a “longing” for its social and cultural environments, especially its emphasis on education.
著者
梶川 貴子 Takako Kajikawa
出版者
創価大学
巻号頁・発行日
2016-03-18