著者
実森 正子
出版者
日本動物心理学会
雑誌
動物心理学研究 (ISSN:09168419)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.7-18, 2013 (Released:2013-07-31)
参考文献数
46

The field of animal learning and behavior has a long history and continues to contribute in important ways to the understanding of cognitive processes in different animal species as compared to human beings. Animals have considerable flexibility to optimize their behaviors in solving particular problems as well as coping with ever-changing circumstances. Research on learning mechanisms from a comparative perspective may deepen our understanding of functional significance of cognitive behaviors of both human and nonhuman species. Examples are taken from studies of list memory, categorization, formation and expansion of equivalence relations among physically different stimuli, and visual search for category.
著者
小森 正博
出版者
日本耳科学会
雑誌
Otology Japan (ISSN:09172025)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.219-222, 2012 (Released:2013-07-12)
参考文献数
19

一側性難聴をもつ私の体験を述べ、本邦では検討が少ない日常生活や学業上の不自由さ、心理的問題などについて考察する。患耳側からの聞き取りの困難さにより、私は学会発表時に時にマイクの音が聞き取れないことや、患耳側の方と話すときに不便さを感じ座る席に気を遣うこと、話が聞き取れずに時に会話に入るのを諦めることがある。これらは社会人には支障となるもので、心理的負担となり、何らかの支援を必要としている例があるかもしれない。両親からの支援や学校の配慮により私は特に問題がなく幼少期や小学期を過ごせたが、大学卒業時に手術を受けることは両親に反対された。家族から患者へ正しい情報が伝わるとは限らず、また、先天的な疾患をもつ患者は治療によって何が改善するのか十分認識できていない可能性もあるので、しかるべき時期に正しい情報を提供してあげる必要があると思われた。
著者
森 正人
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.254, 2009

本発表は、中世の武士である楠木正成が1930年代の日本においてどのように意味づけられ、彼に関する催事や事物が形作られていったのか、またそうした出来事をとおしてどのように人びとのアイデンティティが刺激されたのかを論じる。よく知られるように、楠木正成と息子正季は後醍醐天皇に対する忠誠を、命を賭して体現した人物として『太平記』に描かれているが、南北朝時代の南朝に与したため江戸時代にいたるまで朝敵と見なされていた。楠木正成の名誉回復がなされ、江戸時代末期に尊皇攘夷運動が高まると、「忠君」楠木正成は顕彰の対象となる。各地で執り行われた鎮魂祭は招魂社の設立運動にいたり、後に靖国神社と名を変える招魂社にまつられる英霊から区別された楠木正成はただ一人、湊川神社に祀られることになった。 国家を代表する偉人としてがぜん注目されるようになった楠木正成は、宮城前への銅像設置や、南北朝のどちらが正統であるかをめぐってなされた南北朝正閏論争をとおして完全なるナショナル・ヒーローの座へ登りつめていった(森2007)。したがって、楠木正成の近代に注目することで、日本のナショナリズムや国家的アイデンティティの問題の一端が明らかになると思われるのだが、この楠木正成が見せた国家的偉人への軌跡を正面からあつかった研究は実はそれほど多くない。 近代日本のナショナリズム研究は、1990年代に大きな興隆をみた。ベネディクト・アンダーソン(1997)の想像の共同体の議論を受けながら、近代史や法制史を中心に国家的諸制度の整備が確認された。地理学においては近代における均質的な国家空間創出のためのさまざまな物質的基盤が解明された。それらの研究が一段落した後に残されたのは、国家的な諸制度や観念の形成に貢献したローカルなるものの役割の検討であった。すなわち、アイデンティティであれ諸制度であれ、それらは決して国家によってのみ作動されたのではなく、地域や郷土などといったローカルな地理的範域での実践もまた国家的なものを下支えしていたことが確認されたのである(「郷土」研究会2003)。 ただし、国家的スケールに対して地域的スケールでの実践の重要性を強調するだけでは、国家と地域を二項の固定的なものと前提してしまう。国家も地域も、首尾一貫性を持つ地理的スケールではない。それらは、相互の関係性のなかで認識されるべき地理的スケールであるだけでもない。むしろ国家的スケールも地域的スケールも、後にそれと確認されるスケールでの諸実践をとおして認識される。したがって、一貫した地域も国家もなく、事後的に確認される地域的なるものと国家的なるものととらえ、地域と国家というスケールの二分法の不可能性と、それが生成されるプロセスに取り組むことが重要となろう。こうした空間への視座は、近年の英語圏人文地理学における空間の存在論の高まりと共鳴している(Massey 2003, 2005; アミン2008)。 国家/地域的なるものを、出来事をとおしてその都度に構成し直される関係的なものとすれば、国家や地域へのアイデンティティもまた、自律的な人間主体の内側からの発露とすることも、あるいは人間主体の外側に措定される権力主体からのイデオロギー的呼びかけととらえることも困難になる。すなわち、とある地理的範域に対するアイデンティティは、前提される地理的スケールの外部、人間主体の外部にある事物や自然や機械などの客体との折り重なりの中でつねに刺激され、形作られ続けているのである。アイデンティティを含む人間の感情や倫理は、つねに資本によっても多方向へ屈曲されている(スリフト2007)。 本発表はとくに1930年代に照準する。この時期、楠木正成は国家的偉人であると同時に、彼を輩出したり彼が最期を遂げたりした場では地元の英雄として取り上げられた。それは楠木正成の死後600年を祝う1935年に一つのピークを魅せた。楠木に関わるイベントは郷土を確認させる出来事であり、そのイベントは行政だけでなく新聞社やレコード会社やラジオ局などの資本によっても開催されたのである。
著者
西 智弘 小杉 和博 柴田 泰洋 有馬 聖永 佐藤 恭子 宮森 正
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.901-905, 2017 (Released:2017-01-19)
参考文献数
8

2015年8月から,他院で化学療法中の患者を緩和ケアとして併診する目的で,早期からの緩和ケア外来(EPC外来)を開設.2015年8月~2016年1月に,EPC外来を受診した患者について,初診診察時間,診察の内容,入院・死亡までの期間などについて,診療録から後ろ向きに調査を行い,同時期に腫瘍内科を受診した患者と比較検討した.結果,EPC外来群19名,腫瘍内科外来群11名が,それぞれ延べ80回および117回外来受診.初診外来での診察時間中央値は各45分(10〜106),38分(23〜60)であった(p=0.17).診察の内容は,症状緩和,コーピングなどについてはEPC外来群が有意に多かった.EPC外来群では初診から60日以内死亡が5名(26%)であった.EPC外来で初診に要する時間は腫瘍内科外来と同程度であった.紹介されてくる時期が遅い患者も多く,今後の啓発と継続した実践が重要である.
著者
末田 聖倫 池永 雅一 安井 昌義 宮崎 道彦 西塔 拓郎 三嶋 秀行 平尾 素宏 藤谷 和正 中森 正二 辻仲 利政
出版者
日本外科系連合学会
雑誌
日本外科系連合学会誌 (ISSN:03857883)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.205-209, 2010 (Released:2011-04-25)
参考文献数
7
被引用文献数
2 1

当院はHIV/AIDS先端医療開発センターであり,HIV感染者を手術する機会も多い.症例1は54歳,男性.スプレー缶を自ら肛門内に挿入し,抜去不能となり当院を受診した.用手的排出は不可能であり,緊急手術を行った.全身麻酔下,砕石位でE式開肛器とL字鉤を用いてボトルの蓋を確認し,ミュゾー鉗子で蓋を把持し,異物を摘出した.異物は直径5cm,長さ15cmのスプレー缶であった.術後4日目に退院した.症例2は49歳,男性.夜間に肛門から上肢を挿入後,下腹部痛が出現し,症状増悪したため当院を受診した.腹膜刺激症状があり,腹部X線検査でfree airを認め,消化管穿孔に伴う急性汎発性腹膜炎と診断し,緊急手術を行った.腹膜翻転部より口側5cmの直腸前面に裂創を伴う穿孔部位を認め,ハルトマン手術を施行した.術後14日目に退院した.自慰行為による直腸異物は時にみられ,穿孔所見があれば緊急開腹術も必要になる.直腸異物の2例を経験したので報告する.
著者
西 智弘 武見 綾子 吉川 幸子 荒木 亜紀子 宮森 正
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.341-345, 2013 (Released:2013-07-17)
参考文献数
10

【背景】がんサロン(以下, サロン)の開催の多くは日中に限られており, 夜に開催しているサロンと比較検討を行った報告はない. 【目的】昼と夜のサロン開催時間での参加人数, 参加理由の差などを比較検討し, 昼のサロンの問題点を探索的に検討する. 【方法】2012年7月~12月にサロンを, 一方は14時, 一方は18時から各2時間開催し, 参加者へのアンケートをもとに検討を行った. 【結果】延べ69名が参加し, 昼は22名(32%), 夜は47名(68%)であった(p=0.004). アンケートは55名から回収し, 回収率は80%. 60歳未満は昼8名(40%)であったのに対して, 夜は21名(60%)と多い傾向にあった. 参加時間の選択理由について昼は「特になし(55%)」が, 夜は「仕事の都合(34%)」が最多であった. 【考察】日中のサロン開催は若い働く世代が参加しにくい傾向があり, 夜のサロン開催は有用である可能性がある.
著者
内山 裕美子 築舘 香澄 加藤 みゆき 山口 優一 陳 栄剛 大森 正司
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.320-325, 2014 (Released:2015-01-09)
参考文献数
13
被引用文献数
2

緑茶を浸出する際の水の種類を変えることにより,緑茶浸出液の呈味の比較を行った。その結果,一般に硬水は緑茶の浸出には不適切であるとされていたが,硬度の高いevian水を用いて緑茶を浸出したところ,味覚センサーによるうま味強度が最も強いことが示された。evian水で浸出した緑茶と,次位のクリスタルガイザー水で浸出した緑茶について,三点比較法で官能評価を行ったところ,evian水で浸出した緑茶が有意に好まれる,との評価であった。また,CaCl2を用いて硬度を調節した場合には,うま味強度に対する正の効果は認められなかったが,CaCO3と組み合わせて用いることにより,CaCO3の濃度依存的にうま味強度が強まった。人工硬水を用いて緑茶を浸出し,味覚センサーと官能評価において測定したところ,evian水と同程度のうま味強度を持つ緑茶を浸出することが可能であった。
著者
田中 洋 安藤 元博 髙宮 治 江森 正文 石田 実 三浦 ふみ
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.24-42, 2019-06-28 (Released:2019-06-28)
参考文献数
42

本論文はCMO(チーフマーケティングオフィサー)が日本企業において企業業績にどのような貢献をしているかを実証的に分析するとともに,CMOの地位が現在どのように変化しているかを文献調査で明らかにすることを目的としている。CMOが企業業績に正の影響を与えていることが近年米国で報告されているが,日本ではまだ研究がほとんどなされていない。実証分析の結果,日本企業において,CMOを設置している企業の割合は約8–11%であり,設置率は業種によってばらつきがあった。またCMO設置企業と非設置企業とでは,前者がより規模において大きいことがわかった。また,CMO設置あり・なしは,企業の2年間売上伸張率に正の影響があり,CMO設置は4.7%の売上増収効果をもっていた。また,企業規模が小さな企業ほど,CMO設置あり条件が売上変化率により大きな影響を与えている。文献調査では米国消費財企業においてCMOに代わりCGO(チーフグロースオフィサー)が設置される傾向が2010年代に目立つようになった。CMOへの詳細インタビューを通じて,これらの結果を仮説モデルとしてまとめ,CMO/CGOの設置がどのように企業業績に影響を与えるかを考察した。
著者
小森 正樹 中村 嘉利 内田 賢吾 泉 善博
出版者
Japan Society for Environmental Chemistry
雑誌
環境化学 (ISSN:09172408)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.809-815, 2002-12-20 (Released:2010-05-31)
参考文献数
12

20年間にわたる石川県における松葉中の放射性核種濃度の時間変化を示しながら, その時々に存在した量の由来について検討し, 10年ごとの変化から放射性核種の移行過程と外因的要因との関係を検討した。その結果, 松葉における天然核種の40Kの濃縮係数は土壌濃度と反比例の関係を示し, 137Csも同様な傾向を示した。この関係から137Cs全量のうち経根吸収分を除いた分を大気からの沈着分として, また7Beは短半減期のため検出されるほとんどが大気からの沈着分と考え, それぞれの移行速度を推定して沈着速度と比較した。その結果, 一般に認められた降水に対する粉塵の沈着速度よりはやや小さいもののオーダー的に同程度の値を示した。従来, 測定や観測が不可能に近い137Csの松葉の吸収が時間の大幅な経過やそれに伴う環境状況の変化から観測可能になり, 137Csに関する移行係数や移行速度や7Beの移行速度が推定可能となった。
著者
内山 裕美子 築舘 香澄 加藤 みゆき 山口 優一 陳 栄剛 大森 正司
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.281-286, 2013 (Released:2013-10-18)
参考文献数
23
被引用文献数
1

茶の淹れ方による味の変化については,今までにも多数報告されている。今回は,味覚センサーを用いて茶の味を測定し,淹れ方の違いによる茶の味の評価を行った。 茶の淹れ方において煎じ回数,浸出時間,茶葉量の違いにおいては,それらの変動とともにアミノ酸,カテキン含量も変化し,また,味覚センサーによる測定値である味強度も同様に変化した。 浸出温度の違いによるうま味強度と渋味強度の変化については,渋味強度は同じ茶葉を5°C,40°C,100°Cと順次温度を変えて反復浸出しても,また,5°C,40°C,100°Cで浸出する際に新しい茶葉を用いて浸出しても,温度とともに増加傾向として示された。しかしながらうま味強度においては,同一茶葉を用いて反復浸出した場合には,5°Cで浸出した場合に比べ,40°Cで浸出した場合には減少し,以後,熱湯で浸出しても,うま味強度に変動は認められなかった。
著者
福田 雅子 中森 正博 今村 栄次 小川 加菜美 西野 真佐美 平田 明子 若林 伸一
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.527-533, 2020-10-25 (Released:2020-10-29)
参考文献数
19

認知症診療において臨床検査技師も積極的に神経心理学的検査を行うようになっている。その中に,軽度認知障害(mild cognitive impairment; MCI)の評価スケールとして開発された日本語版Montoreal Cognitive Assessment(MoCA-J)がある。今回,MoCA-Jの特性を検証するため,当院外来でMoCA-Jを施行した患者75名を対象とし,リスク因子との関連を頭部MRI所見を含めて後方視的に解析した。また認知症疾患ごとにMoCA-Jサブスコアでの検討を行った。平均年齢74.6 ± 9.1歳,MoCA-J中央値21(最小値8,最大値30)であった。認知機能正常者においてMoCA-Jと関連する因子の多変量解析を行ったところ,脳室周囲高信号域(periventricular hyperintensity; PVH)は有意に独立した相関因子であった。疾患毎のMoCA-Jサブスコアの比較を行ったところ,血管性認知症では注意・遂行において正答率の低値が認められた。また,記憶の正答率は認知機能正常者も含めてすべての群で低かったが,認知機能正常者,MCI,認知症の順で 顕著に低下していた。MoCA-Jは特に前頭葉機能を反映する注意・遂行の配点が高いことが特徴である。その点を踏まえて脳画像所見との比較や認知機能低下の鑑別に活用する意義は大きいと考えられた。
著者
勝村 誠 重森 臣広 田林 葉 森 隆知 森 正美
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

本プロジェクト研究は京都府総務部地方課、京都府企画環境部企画参事、京都府農業会議、府内各基礎自治体と連携しながら進められた。研究の目的は、地方政府の各セクションが中央政府の国土政策・地域政策とのかかわりで、それぞれどのように地域振興政策を展開しつつあるのかを具体的に検証していくことにあった。本プロジェクト研究の過程においては、京都府総務部地方課の協力を得て、歴代の「地域づくり施策」担当者にインタビュー調査を行うとともに、業務を通じて収集された資料のうち公表可能なものを提供していただいた。都道府県の「地域づくり」施策については全国に設置された協議会を府県で運営しているケースが大半であるが、全国的なルール作りや財源保障がないために都道府県政のなかにこの施策がどう位置付くかによって、各府県の実情はさまざまである。また、ソフト事業であり、予算の有無にかかわらずできることはあるため、担当者がこの施策に可能性を見いだすか、否かによって、事業の進展が左右されることも明らかになった。また、本研究プロジェクトがきっかけとなり、京都府地域づくり交流ネットワーク推進協議会と「地・生きネット京都」のメンバーで、実施に地域づくりかかわっているリーダの人々と交流を深め、リーダはどのようにして生まれるのかを、ライフヒストリー調査によって明らかにしてきた。報告書にはライフヒストリー調査の成果を掲載することができなかったが、調査によって得られた知見は報告書の随所に反映されている。地域づくりは自主的に進められなければならないが、その担い手にはある種の使命感が欠かせない。また、地域においてそのリーダを支える基盤も重要である。このたびの調査対象者を見る限りでは、地域づくりリーダの資質として、当該地域とそこに暮らす人びとへの愛着・愛情、まわりからの信頼が必要条件であるという結論が得られた。最後に、プロジェクトの活動を通じて京都府職員の方の共同研究への参加を得て、研究成果も執筆していただけたことも大きな意義があると思う。
著者
築舘 香澄 青江 誠一郎 明渡 陽子 大森 正司
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.293-299, 2012-06-15 (Released:2013-10-10)
参考文献数
27

Gamma-aminobutyric acid (GABA) is an inhibitory neurotransmission compound found in the vertebrate brain. GABA has recently been attracting attention as a functional food with its anti-stress effect. However, the bioactive mechanisms of dietary GABA have not been fully clarified. We investigated in this study the biosynthesis and catabolism of GABA in the liver and brain of rats under repeated stress and GABA administration. After repeated restraint stress (16 hours a day for 7 days a week), a decrease in the liver weight and food intake were apparent. In addition, the glutamate decarboxylase (GAD) 65 gene expression was significantly increased in the liver, and the GABA concentrations in the liver and plasma were also significantly increased. In contrast, when GABA (100mg/100g of body weight) was orally administered to the rats, while the concentrations of GABA in the liver and plasma were significantly increased, the mRNA expression of GAD and GABA transaminase (GABA-T) remained unchanged.These results show that, under repetitive stress for 7 days, GABA biosynthesis in the liver was enhanced, and then the GABA concentrations in the liver and plasma increased. While dietary GABA resulted in an increase in GABA concentrations in the liver and plasma, it did not affect the gene expression of the enzymes responsible for GABA biosynthesis and catabolism. The GABA concentration in the brain was unaffected by GABA administration and stress application, and remained constant.