著者
小田 伸午 森谷 敏夫 田口 貞善 松本 珠希 見正 冨美子
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.255-262, 1991-12-01 (Released:2017-09-27)
被引用文献数
5 2

The purpose of this study was to investigate tee-batting skills in relation to ground reaction forces. Eithteen batters tried seven swings on the force platform recording three-dimensional kinetic data. A video camera (60 fps) was used to measure ball velocity and swing velocity. The following results were obtnined. 1) A statistically significant correlation was observed between the swing velocity and the swing time. 2 Statistically significant correlations were observed between the swing velocity and the anteroposterior forces during backward swing phase, the mean power calculated from the anteroposterior force during forward swing phase. 3) Statistically significant correlations were obtained betwben the swing velocity, the ball velocity and the mediolateral distance of the CG of the body from the starting position during backward swing phase. 4) The swing velocity and the ball velocity significantly correlated with the mediolateral distance of the CG of the body between the starting phase and the impact phase. 5) Coefficient of variations (cv) of the vertical forces during backward swing phase and the mean power calculated from the vertical force significantly correlated with cv of the swing velocity. CV of the vertical power of the CG of the body significantly correlated with cv of the ball velocity. These findings suggest that the batter should move the body toward the opposite side of the ball and the anterior direction just before the starting phase of the forward swing to obtain the high swing velocity. The result also suggests that the batter should control the vertical movement during backward and forward swing to obtain the high reproducibility of batting.
著者
深見 友紀子 佐藤 和紀 森谷 直美 中平 勝子 堀田 龍也
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.89-96, 2017-05-20 (Released:2017-05-26)
参考文献数
14
被引用文献数
4

小学校第5学年児童がタブレット端末を家庭に持ち帰り,約3週間にわたってリコーダー演奏に関するビデオを視聴し,卒業式での演奏に向けた練習に取り組んだ.その期間中,児童にはビデオ視聴回数の記録,3回の演奏録画が課された.実践終了後,録画された映像に対して音楽の専門家3名が総合評価(10点満点)と項目別評価(5点満点)を行った結果,児童の集団としての演奏技能が伸び,特に,実践開始時点において中位だった児童(中位群)にすべての項目で進歩が見られた.下位群には3回目に総合点で平均を上回った児童も存在したが,わずかしか伸びない児童もいた.上位群も全般的に伸びが小さかった.技能が伸びにくい児童に対する個別指導の必要性,ビデオ教材の改良等の課題が残ったものの,一般の音楽レッスンの形態を適用した一人1台端末を活用した家庭学習は,音楽科にとっては,授業時数不足という現状を打開する一方法であることが示された.
著者
森谷 裕美子
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国文学研究資料館紀要. 文学研究篇 = The bulletin of the National Institute of Japanese Literature. 人間文化研究機構国文学研究資料館 編 (ISSN:18802230)
巻号頁・発行日
no.45, pp.183-200, 2019-03

狐は歌舞伎と浄瑠璃によく登場する動物である。近世演劇において、狐はどのように登場し、どのような役割を果たしているのであろうか。拙稿では元禄期(宝永期を含む)を中心として、狐の関わる作品を概観しその特徴を考察する。狐の登場する作品は、元禄期を通じて頻繁に舞台にかけられている。作品を概観すると狂言の「釣狐」系統の作品が多いことに気づく。「釣狐」は、観客にとっても馴染み深く、話の筋にもあまり影響をもたらさずに一場面に取り入れることができ、利用しやすかったのではないか。役者評判記の評文を見ると、狐は滑稽な場面によく登場している。所作、軽業で演じられることも特徴の一つである。そして、日本古来の狐ではない「殺生石」以外においては、悪い狐は少ない。歌舞伎役者、大和屋甚兵衛は、狐の演者として評価が高く、甚兵衛により、狐の演技の基盤が作られたと言えるかもしれない。一方、浄瑠璃作品においては、善狐が多いものの、滑稽な場面が少ない。「丹州千年狐」、「天鼓」においては、狐の親子の情愛が描かれ、それは人間の感情とは変わることがない。神の使いでもあり動物でもある狐は、聖俗の両面があり、観客はいろいろな狐の姿を楽しんだ。The Fox is an animal that often appears in Kabuki and Jōruri plays. How fox appears in the early modern theater and what kind of roles did he played?In this article, we stepped back and looked at the big picture of works performed in the Genroku period (including the Hōei period) in which fox appeared. The works in which fox appeared were frequently performed during the Genroku period. We noted that Tsuri-gitsune (one of the works of Kyōgen) have been adopted in many works. Tsuri-Gitsune would had been easy to use perhaps because the work could be incorporated into a scene without affecting the story and since the audiences back then were familiar with the work. According to a review in the Yakusha-hyoban-ki (Reputation notes of Kabuki actors), foxes are commonly appearing in ridiculous scenes. They are also characterized by poses and movements almost danced as well as acrobatics. The bad foxes are few, except Sessho-seki which is not an ancient Japanese fox. A kabuki actor, Yamatoya Jinbee had a high reputation as actor playing a fox. Jinbee might had laid the groundwork of the fox's acting.On the other hand, in Jōruri works, there are many good foxes, but there are less ridiculous scenes. In Tanshu-sennen-gitsune and Tenko, the affections of the fox parent and child are depicted which no difference from human sentiments.Since fox had double sides as a secular animal and as a holy creature, the audiences must had enjoyed the various appearances of the fox in those days.
著者
小田 伸午 森谷 敏夫
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

日本人と留学生の周辺視野反応時間と中心視野反応時間の平均値はほぼ同一の値を示し、グループ間には差が認められず、人種に応じた周辺視野反応時間に差がないことが明らかとなった。大学サッカー選手は一般大学生と比較して周辺視野および中心視野での反応時間に優れていることが明らかとなり、サッカー選手は、日々のトレーニングによりその能力を向上させたことを示唆している。そこで、周辺視野と周辺視野での反応時間をトレーニングする2群を設けてトレーニング実験を実施し、二つのトレーニング効果の交互作用について検討した。周辺視野反応時間をトレーニングした群では、トレーニングをした周辺視野だけでなく中心視野でも反応時間の短縮がみられた。中心視野反応時間をトレーニングした群でも中心視野だけでなく周辺視野でも反応時間の短縮がみられた。これらの結果は、いずれの視野におけるトレーニングも、キー押し運動に関連する中枢処理時間が短縮したことを意味しており、キー押しという単純反応時間であれば、中心あるいは周辺いずれかの視野においてトレーニングをすれば、効果が転移することが明らかとなった。さらに、広範囲にわたる視野の中からランダムに視覚刺激を呈示する条件下において、ヒトは注意を等しく配分するか、あるいは何らかの戦略をとるかについて検討し、被験者は広い視野の中間の位置に対して能動的に注意を向けることを明らかにした。最終年度では、周辺視野反応時間は、低強度および中強度の運動中は変化せず、VT(換気性作業閾値)を超える高強度の運動負荷時に増大することを明らかにした。これらの研究成果は、日本体力医学会など数回の国内学会で発表し、別紙に掲げた学術雑誌に公表した。
著者
森谷 公俊 鈴木 革
出版者
帝京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

紀元前329年から326年までのアレクサンドロス大王遠征路の実地調査を行った。ウズベキスタン(古代ソグディアナ)では、アムダリヤ川の渡河点および正妃ロクサネの故郷とされるクズルテパ遺跡を調査した。最大の課題は地元住民が立てこもった3つの岩砦の特定であったが、現地の状況により登山は不可能で、完全な実証には至らなかった。パキスタン(古代インド)では北西辺境州において、スワート地方の住民が立てこもったピールサル(古代アオルノス)へ2度の日帰り登山を行い、現場を精査して戦闘状況を復元できた。またインダス川下りの行程を可能な限りたどった。大王の遠征地域がいかに豊かな多様性を持っていたかが認識できた。
著者
永井 成美 脇坂 しおり 高木 絢加 山口 光枝 森谷 敏夫
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.17-27, 2012 (Released:2012-02-27)
参考文献数
35
被引用文献数
5 1

【目的】我々はこれまでに,腹壁電極から胃の活動電位(胃電図)を導出・解析する方法により胃運動を測定し,飲水(冷水・温水)が胃運動を一過性に増大させることや,胃運動の強さと食欲には関連がみられたことを報告している。本研究では,刺激味を有する液体が胃運動や食欲感覚へ及ぼす影響を検討することを目的として,香辛料(カレーパウダーとコンソメ)を含むスープ(Spice)と等エネルギー・等Na量で風味がないプラセボスープ(Control)を用いて比較試験を行った。【方法】若年女性12名に異なる2日間の朝9時に,SpiceまたはControlをランダムな順序で負荷した。ベッド上で胃電図,鼓膜温,心拍数をスープ負荷20分前から負荷40分後まで測定し,食欲感覚(空腹感,満腹感,予想食事量,満足感)は,負荷20分前,負荷直後,40分後の3回測定した。胃運動の強さは,胃電図から徐波,正常波,速波の各パワー値を計算し負荷前を基準としたパワー比を評価に用いた。【結果】Spice負荷後の胃運動は,徐波,正常波,速波パワー比ともにControlと比較して高い傾向が示された。Spice負荷後の食欲感覚は,満腹感と満足感でControlと比較して有意に高値を示した。鼓膜温,心拍数は両スープとも負荷後に上昇したが,鼓膜温(増加量)はSpiceでControlよりも有意に高値を示した。【結論】香辛料を含むスープ摂取後には,胃運動が増大する傾向があること,満腹感と満足感が高まること,負荷直後の体温が上昇することが等エネルギー・等ナトリウムのプラセボスープとの比較により示唆された。
著者
侘美 靖 森谷 きよし
出版者
日本生気象学会
雑誌
日本生気象学会雑誌 (ISSN:03891313)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.117-129, 2006 (Released:2007-03-13)
参考文献数
33
被引用文献数
1

本研究は,北海道の YOSAKOI ソーラン祭り参加者を対象に,練習及び祭りへの参加による感情及びメンタルヘルスの向上について調査することを目的とした.POMS テストの結果,約 4ヶ月の練習期間中にオーバートレーニングの様子は認められなかった.踊り練習前後の感情変化を Mood Check List-Short Form 1 により測定した結果,5, 15, 25回目練習日のいずれの時期においても快感情得点は練習後に有意に向上した.練習前に比べ練習後にリラックス感得点が有意に向上したのは15回目練習日以降であったが,対照群より低いレベルの変化であった.不安感得点に有意な変化は認められなかった.精神的健康パターン診断検査の結果,練習開始期に比べ,祭り後の心理的・社会的ストレス度は改善していた.YOSAKOI ソーラン祭りと練習への参加は,北国住民の感情及びメンタルヘルス改善に対する効果が期待される.
著者
大島 秀武 志賀 利一 森谷 敏夫 桝田 出 林 達也 中尾 一和
出版者
The Japanese Society of Physical Fitness and Sports Medicine
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.295-303, 2003-06-01 (Released:2010-09-30)
参考文献数
34
被引用文献数
1 2

The purpose of the present study was to develop a new method that enables individualized determination of the optimal exercise intensity for health promotion. Our study was based on the following observations : (1) physical activity at ventilatory threshold (VT) has been useful for enhancing physical fitness and even improving medical conditions such as heart failure, hypertension and diabetes, (2) exercise intensity at VT is characterized by suppressed vagal activity, and (3) vagal activity can be evaluated by analyzing heart rate variability (HRV) . In the first study we defined a criteria for determining the exercise intensity corresponding to VT using HRV analysis (heart rate variability threshold, THRV) . In 16 normal subjects, a time series of ECG RR interval were recorded and the means of the sum of the squared differences in successive RR intervals (MSSDs) were calcu-lated during a ramp exercise test with a cycle ergometer. Based on the values of MSSD and the dif-ferences in successive MSSDs (ΔMSSD) at the intensity of VT, we defined the criteria of THRV as follows : MSSD<25 msec2and ΔMSSD<6 msec2. Another exercise test with a cycle ergo-meter was performed to evaluate the relationship between THRV and VT in 63 normal subjects. Heart rate (HR) and oxygen uptake (VO2/wt) at THRV were 111.8±13.2 beats/min and 15.2±4.4 ml/kg/min, and HR and VO2/wt at VT were 116.2±11.6beats/min and 16.5±3.7ml/kg/min, respectively. There was a significant correlation between THRV and VT (HR : r=0.82, p<0.001, VO2/wt : r=0.88, p< 0.001) . Thus, THRV and VT provided almost identical exercise intensities. As a result, we propose that, similar to VT, THRV can be used as an indicator of the optimal exercise intensity suitable for health promotion in normal subjects.
著者
角田 (矢野) 悦子 森谷 絜
出版者
北海道大学大学院教育学研究科
雑誌
北海道大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13457543)
巻号頁・発行日
vol.97, pp.95-103, 2005-12-20

植物カモミール(Matricaria chamomilla)は,ヨーロッパを中心に古くから鎮静効果をもつ植物として利用されてきた。カモミールの摂食によるリラックス効果及び睡眠影響について報告された論文を総説としてまとめた。カモミール茶の摂食が末梢皮膚温を上昇させる,心拍数を低下させる,自律神経系を副交感神経優位にするという報告,感情測定尺度(MCL-S.1)によってリラックス感得点の上昇を認めたことが報告されている。また,カモミールエキスを添加したゼリーを温めた状態で摂食した場合には末梢皮膚温の上昇や心拍数の低下が起こり,副交感神経優位の傾向が示されたが,低温で摂食した場合 にはその効果が認められなかったと報告されている。OSA 睡眠調査票を用いた睡眠実験から,カモミールエキス添加ゼリー摂食日の夜間睡眠では,ねむ気の因子,寝つきの因子などが無添加ゼリーを摂食した日に比べて改善したことが報告されている。
著者
森谷 峰雄 森谷 美麗
出版者
佛教大学
雑誌
文学部論集 (ISSN:09189416)
巻号頁・発行日
vol.87, pp.103-116, 2003-03-01

ミルトンの「パラダイス・ロスト』を元に、音楽作品を創作した有名な作曲家としては、Haydn,Franz Joseph (1732 -1809)とPenderecki,Krzysztof (1933年,11月23日ポーランド生まれ)の2人が知られている。前者は、3人の独奏者、合唱、管弦楽のための壮大なオラトリオ『天地創造』 (Die Schopfung) を創作し、後者はオペラParadiseLost (1978)を創作した。ペンデレツキのオペラは、登場人物がミルトン、アダム、イプ、サタン、パールゼブプ、モレク、ベリアル、マモン、神の声、死、罪、イスエル、ラファエル、ゼフォン、ガプリエル、メシア、ミカエルの17名である。内容は、アダムとイプ及び神との聞の平和・和解を中心に原作ミルトンの『パラダイス・ロスト』の主要な内容の全篇にわたっている。他方、ハイドンの方は、ミルトンの『パラダイス・ロスト』の中の一部(PL,Book,VIIの天地創造とBook Vのアダムとイブの朝の祈りの部分)から抜粋されている。もっとも、ハイドン自身がミルトンのParadise Lost全篇を読んで知っていたかどうかは不明である-ドイツ語訳の『パラダイス・ロスト』が完成されるのは、19世紀中葉になってからである。両者を聴いて比較すると、ハイドンの持つ宗教的深み、神への荘厳な感謝の念はペンデレツキにはない。もちろん、ハイドンにはペンデレツキの持つポリリズム(多線リズム polyrhythm) はない。この問題はここでは触れない。さて、本研究はミルトンの『パラダイス・ロスト』全篇12巻を音楽化する意思がある。ここでいう「音楽化」とは、言語芸術(詩)である『パラダイス・ロスト』に流れている創造精神を作曲者の思いのままに自由に形式にこだわりなく、音響乃至音楽-最終的には交響曲-に変換することであって、詩に節をつけることではない。ここで言う「音楽化」とは、原作の創造精神の自由な音楽的再創造のことである。すなわち、言語芸術の音響的芸術変換を言う。筆者らはすでに、ミルトンの詩をそのままコンピューターミュージック化した『音響失楽園』を有している。この音楽を作曲者がその自らの創造力でピアノ音楽へと再創造する。それは、おそらく、カトリック的な雰囲気をもつグレゴリウス聖歌的な曲になるだろう。現在、しかし、論文の原稿の量の制限からも、その他の理由から現在はできない。そこで、本稿は、ハイドンにならい、ミルトンの『パラダイス・ロスト』の一部を抜粋してピアノ作品に表現したい。テーマは、ペンデレツキの趣旨に似通う、アダムとイプそして、人類と神との平和である。『広島の犠牲者のための哀歌』 (Threnody for the Victims of Hiroshima,1961)を作曲したペンデレツキが戦争のむごたらしさ、残酷さを知り、平和を欣求する精神に溢れているように、ミルトンの中にも平和を求める気持ちは人一倍であった。ここで、平和というのは、事実としての戦争がない状態をいうのではなく、神・創造主とのつながりを得ている状態を言うのである。本稿は、ペンデレツキも着目した平和、人間と神との平和-これをへプライ語ではヒトラツァ(hitratstsa)という-の精神を与えられたアダムとイプが、心に真の平和を得て、楽園を去っていくまでを音楽化したものである。このピアノ作品は、Paradise Lost,Book IX,1134からBook XII,649までを音楽化したものである。イスラエルは、ミルトンの精神の中心思想を生んだ故郷である。しかるに、イスラエルは今日では世界で最も悲惨な国となった。この国においてほど、このヒトラツァが今や必要とされるところはない、と思われる。この曲はこの意味で、この国に捧げられてもよいのである。かつて、へブライ大学のトルーマン平和推進研究所(The Harry S. Truman Research Institute for the Advancement of Peace) の研究員(senior fellow) であった筆者には特別の思いが、この言葉ヒトラツァ(hitratstsa)にはある。なお、個人的なことで恐縮であるが、この言葉を教示してくださり、この曲についてもご配慮していただいたモーシェ・マオズ(Dr. Moshe Ma'oz)前研究所所長の思い出と共に、この曲を発表することができて嬉しい。本文の解説は森谷峰雄、作曲は森谷美麗が担当した。なお、この解説文をご高閲の上、筆者のあらぬ間違いをご指摘して下さった京都芸術大学教授龍村あや子氏に筆者は感謝の涙をした。
著者
高木 絢加 谷口 彩子 駒居 南保 村 絵美 永井 元 森谷 敏夫 永井 成美
出版者
日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.19-25, 2014
被引用文献数
1

炭酸水の口腔内刺激 (清涼感) に着目し, 炭酸水の飲水が実体温をどの程度変化させるのか, その反応は炭酸の口腔内刺激のみでも起こるのかどうかを明らかにするために, 等温・等量の炭酸水と水を用いた飲用試験と偽飲 (Sham-feeding;SF) による口腔内刺激のみの試験を行った。炭酸水の飲水 (炭酸水) , 水の飲水 (水) , 炭酸水の偽飲 (炭酸水SF) , 水の偽飲 (水SF) の4試行をrandomized crossover designで実施した。前夜10時より絶食した若年女性13名に, 室温を26℃に保持した実験室で異なる日の朝9時にサンプル (15℃, 250 mL) を負荷した。心電図 (心拍数, 心拍変動) をサンプル負荷前20分間および負荷後40分間測定し, 深部体温 (鼓膜温) , 末梢体温 (足先温) を高感度サーモセンサーで連続測定した。鼓膜温は水・炭酸水ともにSFでは変化せず, 飲水で一過性に低下した。足先温は, 飲水 (水, 炭酸水) で約2.5-3℃低下し, 水SFでは約1℃の低下であったのに対し炭酸水SFでは約2.5℃の低下を認めた。心拍数は, 炭酸水, 炭酸水SFで負荷直後に一過性に上昇した。結果より, 炭酸水の口腔内刺激 (味, 炭酸刺激) のみでも足先温や心拍数を変化させることが示された。
著者
橋本 好弘 森谷 きよし 大塚 吉則
出版者
日本生気象学会
雑誌
日本生気象学会雑誌
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.109-119, 2008

消防活動は重装備の激しい活動であり,過労・ストレスによる隊員の死傷者が多い.本研究では,寒冷環境下における消防活動が隊員に及ぼす身体負担を経時的に分析し,休憩の必要性を検討した.北海道 S 市の消防隊員 71 名に対して 24 時間の拘束勤務中にホルター心電計を装着させ,消防活動中の心拍数変化を測定し,Wu <i>et al.</i>(2001)の maximum acceptable work duration(MAWD)でその負担を評価した.出動途上の平均最高心拍数は 145.5 拍/分であり,急激に心拍数が上昇していた.現場活動中の最大心拍数と活動時間には正の有意な(P<0.01)相関が認められた.小規模火災 2 件で MAWD を大きく超え,活動開始 5 分間の負担は平均で 92.6 並びに 93.6% heart rate reserve (HRR),活動全体の平均でも 72.3 と 70.2% HRR であった.災害現場での消防隊員の死傷事故減少には,寒冷環境下の小規模火災でも,火勢制圧後,隊員に休憩・交替を与え,過労・ストレスを軽減させる必要がある.<br>