著者
大野 栄治 森杉 壽芳 高木 真志 鈴木 慎治
出版者
社団法人 環境科学会
雑誌
環境科学会誌 (ISSN:09150048)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.29-37, 1997

わが国では,ほとんどの大気汚染物質は度重なる規則によって減少しているが,NOxについては増加傾向にある。このNOx問題の主な原因はディーゼル車の増加にあるといわれているが,ディーゼル車は経済優先政策により税制面(特に自動車用燃料に関わる税)においてガソリン車よりも優遇されている。したがって,汚染者負担原則に従うならば,NOx問題を解決するためには軽油税を引き上げるなどしてディーゼル車を減らすべきであると考えられる。そこで本研究では,軽油税の引き上げやディーゼル車の車齢制限策などのディーゼル車抑制策によるディーゼル車台数および大気汚染物質(窒素酸化物NOx,一酸化炭素CO,炭化水素HC,浮遊粒子状物質SPM)の排出動向を分析するためにコーホート型ディーゼル車普及率予測モデルを構築し,種々のディーゼル車抑制策の効果を検討した。分析の結果,NOxのみならず他の大気汚染物質(CO,HC,SPM)の削減効果もあり,また比較的人々の合意が得られ易いという観点から,軽油税(軽油価格)の引き上げが最も適当であるとした。
著者
原田 泰 岡崎 章 服部 淳子 森 園子 西原 みゆき 山口 桂子
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究作品集 (ISSN:13418475)
巻号頁・発行日
vol.17, no.17, pp.76-79, 2012-03-30

本作品は、「しかけ絵本」と名付けた、A6サイズのミニ絵本のシリーズである。「転落」「転倒」「点滴抜去」をテーマに、病院内で起りやすい事故の例示とその予防、対処について、4コマ漫画とインフォグラフィックスを用いて解説している。表現コンセプトとしては、色鉛筆による手描きのイラストを用いることで未完成感を持たせ、描き足しや着彩など、利用者の表現への参加を促すとともに、自分の表現物として繰り返し眺めることによって内容の理解を深めることを狙いとした。親子で制作可能な簡単な構造を模索した結果、シート状態で配布され、利用者が切り込みを入れて折り畳むことでA6サイズの絵本として完成する。塗り絵バージョンと、フルカラーバージョンを用意し、病院ごとのカスタマイズや利用方法の多様化に対応した。デジタルデータとしてダウンロード版も用意しているので、手元のパソコンを使っての加工も可能となっている。

1 0 0 0 鳥類

著者
樋口広芳 森岡弘之 山岸哲編集
出版者
平凡社
巻号頁・発行日
1996

1 0 0 0 IR 勝軍地蔵考

著者
森末 義彰
雑誌
美術研究 = The bijutsu kenkyu : the journal of art studies
巻号頁・発行日
no.91, pp.1-16, 1939-07-25
著者
大森 毅 組橋 充 遠堂 郁 中澤 寛子 竹川 健一 内川 貴志 瀬戸 康雄
出版者
日本法科学技術学会
雑誌
日本法科学技術学会誌 (ISSN:18801323)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.91-101, 2018
被引用文献数
1

&emsp;We performed comparative investigation in visible-spectrophotometric methods for determining carboxyhemoglobin (CO-Hb) in blood samples. About 58% carboxyhemoglobin-saturation (%CO-Hb) of blood samples (sample H) was prepared from control blood by carbon monoxide bubbling and this sample was diluted to be 4/11 and 3/25 with control human blood to prepare moderate and weak CO-Hb saturated samples (sample M and L, respectively). We measured %CO-Hb of four samples, samples H, M, L and control human blood (relative %CO-Hb were 1.00, 0.36, 0.12 and 0, respectively), by four different methods in five different forensic science laboratories. By summing up the measurement results, the method (1), which is described in &ldquo;Standard method of chemical analysis in poisoning (edited by the Pharmaceutical Society of Japan)&rdquo;, gave %CO-Hb values that reflected the relative %CO-Hb of the four samples. The method (2), which is an isosbestic point method (developed by Department of Forensic Medicine, Kagawa University) gave higher values compared to the expected ones. The method (3), which is performed with a strong alkaline condition, gave higher values for low %CO-Hb samples by Katsumata's formula (method (3)-1). But the values calculated using the formula improved by Forensic Science Laboratory, Hokkaido Prefectural Police H.Q. (method (3)-2), gave the values reflecting the relative %CO-Hb. The method (4), which is also performed with a strong alkaline method, gave values which reflected the relative %CO-Hb when the Fukui's formula was used for calculation. But the formula modified by Aoki (method (4)-2) gave higher values for the blood samples of low %CO-Hb. In comparison of the three methods that gave the values reflecting the relative %CO-Hb, the method (1) and (3)-2 gave similar values but the measured values obtained by method (4)-1 was lower than the values obtained by method (1) and (3)-2. On the other hand, the method (3)-2 and method (1) showed the large dispersion in the measured values among the laboratories, but the dispersion by the method (4)-1 was small.<br>
著者
福元 伸也 Rehman Anis Ur 森東 淳 大塚 作一 三部 靖夫 田中 宏征 武田 光平 野村 雄司
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.842-850, 2011-09-25
参考文献数
18

広告の意匠性と2次元デジタルコード(以下,コードと略す)を用いた情報伝達の容易性とを両立させることを目的として,コード撮影のために行う利用者の接近行動を距離センサにより検出することにより,コードを適応的に拡大表示する手法を提案する.まず,基礎実験として,実験1では,コードの拡大率とズーム時間の変化に対する利用者の印象変化を調査した.その結果,利用者が移動中の状態から一辺20cm程度の取得容易なコードサイズにズームアップした状態で停止する場合を想定すると,ズーム時間を1秒前後に設定すればよいことが明らかとなった.次に,実験2では,距離センサによるフィードバックを行ったプロトタイプを使用し,QRコード利用の未経験者4名を含む被験者14名による評価実験を行った.従来手法と提案手法との比較を行った結果,(1) 提案手法では平均情報取得時間が約1.8秒短縮される,(2) 提案手法では約1.5倍遠い位置での取得が可能となる,(3) 全被験者の86%(QRコード利用の経験者では100%)が提案手法を好む,という結果が得られ,本手法の有効性が確認された.
著者
大澤 克己 松井 淳一 丸田 正治 森田 祐子 斉藤 信博
出版者
日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.62, no.12, pp.585-590, 2015
被引用文献数
1

長野県木曽地域の伝統食品である無塩乳酸発酵漬物すんきから植物由来乳酸菌を分離し,ヨーグルト製造に適した乳酸菌を選抜を行い,その乳酸菌を用いたヨーグルトが開発できた.初発菌数1.0×10<sup>8</sup>cfu/ml,発酵時間24時間以内で良好なカードが形成でき,牛乳以外に他の乳酸菌増殖用添加物を使用しないで商業ベースでヨーグルトを製造することを可能にした.
著者
下田 武良 川﨑 東太 鈴木 あかり 森田 正治 永井 良治 岡 真一郎 中原 雅美 池田 拓郎 髙野 吉朗 金子 秀雄 江口 雅彦 柗田 憲亮
出版者
九州理学療法士・作業療法士合同学会
雑誌
九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 (ISSN:09152032)
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.132, 2016

<p>【目的】</p><p>本学では2010年より、クリニカル・クラークシップ(以下CCS)での臨床実習を関連施設で開始した。CCSとは従来の「患者担当型・レポート重視型」の指導形態から「見学・模倣・実施」の段階を経て、診療を経験する「診療参加型」の臨床実習である。実地の経験を積むことが臨床実習の役割であり、チェックリストを用いたCCSは経験値向上に有利であるとされている。そこで今回、CCSと従来型臨床実習の各検査測定項目における経験の有無について調査したので報告する。</p><p>【方法】</p><p>対象は、CCS方式である関連施設(急性期2施設、回復期1施設)で臨床実習を終了した37名、従来型方式である外部施設で臨床実習を終了した44名の学生とした。なお、各施設における学生間の学業成績に差はなかった。外部施設の選定基準は、主な対象疾患が中枢神経領域および運動器領域であり、施設区分が急性期もしくは回復期の病院とした。調査期間は2013年10月から2014年8月とし、各期8週間の臨床実習終了後にアンケート方式で調査した。アンケート内容は、臨床実習で検査・測定を行った疾患領域別の人数、および本学が使用しているCCSチェックリストの検査測定技術項目(40項目)の経験の有無とした。アンケート集計結果よりCCS群、従来型臨床実習群の一人当たりの疾患領域別経験人数、各検査測定項目の経験率を比較した。</p><p>【結果】</p><p>一人当たりの疾患領域別の経験人数では、CCS群が中枢神経領域6.5±5.2人、運動器領域7.2±5.4人、呼吸・循環器領域2.0±4.2人、その他0.7±1.6人、合計16.4±12.1人であった。従来型臨床実習群が中枢神経領域2.4±2.5人、運動器領域3.9±6.7人、呼吸・循環器領域1.7±4.6人、その他0.2±0.8人、合計8.2±11.5人であった。各検査測定項目の経験率では、CCS群が平均92.7±10.9%で、上腕周径、MMT(肩甲帯・手関節)を除く全ての項目が80%以上であった。従来型臨床実習群が平均81.6±17.4%で、上肢全般、頸部・体幹のMMT、ROM-t項目ならびに片麻痺機能検査において経験率が80%以下の結果となった。</p><p>【考察】</p><p>今回の調査では、中枢神経領域、運動器領域の検査測定を実施した経験人数に、大きな差がみられた。患者担当型である従来型臨床実習群に対し、診療参加型であるCCS群では、多くの疾患に対し検査測定の実施が可能となる。これらの結果から、各検査測定項目の経験率においても、上肢全般、頸部・体幹のMMT、ROM-t項目や片麻痺機能検査に差がみられたと考えられる。また、チェックリストを用いることで、指導者や学生に経験することの意識が働き、広い範囲で検査測定項目の実施に反映されたと考えられる。</p><p>【まとめ】</p><p>CCSは同じ測定項目であっても複数の患者に対して繰り返し経験でき、技術項目修得の向上が期待される。経験豊富なセラピストが理学療法をスムーズに進められるのも経験値の高さによるものであり、学生も経験を積み重ねることで臨床的感性の向上を期待したい。</p><p>【倫理的配慮,説明と同意】</p><p>本研究はヘルシンキ宣言に基づき、対象者には事前に紙面および口頭にて研究内容を説明し、同意を得たうえで実施した。</p>
著者
杉浦 利江 高橋 由佳 坂本 忍 稲森 美穂 山田 浩昭 米積 信宏 森下 博子 前田 美都里 川合 智之
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, 2018

安城更生病院(以下当院と略す)は,病院のスタッフ全員が,将来ビジョンを見据えた地域の病院となるためのプロジェクトに取り組んでいる。医事課を担当する病院職員は,「地域住民の健康と幸福」というスローガンの下,このプロジェクトに関わっている。達成に向けて3つの目標,すなわち1.未収金管理における回収の改善,2.委託金削減,3.委託取引件数の減少,を設定した。具体的な内容は,1.コンビニ決済の利用による未収金の回収,2.限度額適用認定証の周知および国民健康保険対象者の高額療養費貸付制度の推進による高額療養費の回収,3.無戸籍者への戸籍取得支援並びに健康保険の給付支援である。コンビニ決済の利用による未収金の回収額は約9万円/月であり,無戸籍者への戸籍取得支援並びに健康保険の給付支援により約8万円の回収が可能であった。さらに,限度額適用認定証利用の周知および高額療養費貸付制度の利用の推進は,年間約1,700万円の回収額を生みだした。今回の取り組みにより2016年の4月から8月の委託金の平均月額は890,188円で,委託件数は12件,2017年にはそれぞれ305,615円,10件へと削減することができた。本プロジェクトは,患者の自主的な医療費の支払いを促し,回収額の増加並びに委託金や委託取引件数の削減をもたらした。
著者
長屋 好昭 村上 瑞文 垂井 清治 高橋 周太郎 八木 里子 森田 直 高橋 智香子
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.32-35, 2003-01-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
9

顔面腫脹を主訴とした4カ月齢, 雌ウェルシュ・コーギーが各種検査およびX線CT検査により, 頭蓋下顎骨症と診断された. ステロイド療法により臨床症状の改善がみられた. 本症は, ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアを含むテリア種に多いと言われているが, コーギー種における発症はきわめてまれであると思われた.
著者
亀原 めぐみ 森田 みゆき
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.56, 2013

〈目的〉 本研究は、2009年発表の「高等学校家庭科における洗浄力試験教材の開発」、2011年発表の「高等学校家庭科における洗浄力試験教材の実践」を基に、その実践結果について報告するものである。2009年の研究では大学生を対象に実践を行い、その結果、この実験を用いて授業を行う有効性を得られた1)。2011年の研究では、高等学校家庭科授業時に高校生を対象に実践を行い、この実験によりどのような効果が得られるのか、また改善すべき点は何かを明確にし、教材としての有用性を高めることができた2)。そして今回の研究では、「家庭総合」被服分野の授業の教材として授業に組み込み、実践を行ったものである。実験から得られる効果は何か、より精査な教材にするに改善すべき点は何か、明確にすることを目的とする。〈方法〉 汚染布は(財)洗濯科学協会の湿式人工汚染布を用いた。汚染布を一枚ずつ渡し、各家庭で洗濯を行ってもらった。調査項目は、洗濯衣類、洗剤、洗濯物の詰め込み具合、使用した水の種類である。洗浄後の汚染布を持ち寄り、全員で見た目での比較の順位付けを行った。その結果と調査項目を一覧表にし、それを資料に衣生活管理の授業を行った。さらに全員にアンケートを実施した。実践1:高等学校家庭科「家庭総合」1年生19名。2012/2/1実施。実践2:高等学校家庭科「家庭総合」1年生20名。2012/2/5実施。実践3:高等学校家庭科「家庭総合」1年生20名。2012/2/5実施。実践4:高等学校家庭科「家庭総合」1年生16名。2012/2/5実施。実践5:高等学校家庭科「家庭総合」1年生19名。2012/2/7実施。実践6:高等学校家庭科「家庭総合」1年生19名。2012/2/7実施。〈結果〉 前回からの改良点 1)汚染布を他の洗濯物に安全ピンで留め付けることで、途中で失くす生徒はいなかった。2)教師側が用意した多様なサンプルも含めて洗浄効果の順位付けをしたことは、多くの例を示す上でもよかった。3)実験時の調査項目を4項目に絞ることで、項目が多いと取り組む意欲を削ぐといった点を、改善することができた。意識の変化 洗濯への関わりは、実践前後で次のように変化した。「ぜんぜんしない」54%→42%(減少)、「いつもする」5%→10%)、「よくする」5%→10%「時々する」12%→16%「自分のものは自分でする」10%→14%(増加)。このことから、実験を通して洗濯への興味関心が高まった事がわかる。実験時の感想から 実験の効果として次の6つが挙げられる。1)「洗濯、というものがわかった。」「汚れたものを洗うということをやって、気持ち良かった。」洗濯への興味関心を持たせられる。2)「洗濯中、時々止まることがあるのを知った。」初めて洗濯機を使い、洗浄の仕組みについて関心を持つ子もいた。3)「自分の布はあまりきれいになっていなかったのに、クラスの人のはとてもきれいになっていて驚きました。」「クラスの人が洗ってきている布を見て、洗濯はそこまで落ちるわけではないのを知った。」友達と比較することで高い興味関心を引き出せる。4)「小さくなった。布の周りの糸がほつれた。」洗浄効果以外の、洗濯による布の傷みにも気付くことができる。5)「普段から部活のユニフォームを親に洗濯してもらっているが、とても大変なことだと改めて思いました。感謝の気持ちを忘れないようにしたいです。」「家の人から、これからもやってくれるとうれしいんだけど…と言われた。」家族とのつながり・会話の一助になる。6)「『家庭科でやった』と言ったら、『じゃあ、自分のものは自分でね。』と言われ、自分の洗濯物は自分で干すところまでやるようになった。家庭科の授業を通して、家事に少し興味を持ったよ!」「洗剤のCMを気にするようになった。」興味関心の広がりが見られる。今後多くの生徒が日々の実践へとつなげていくためにはどうしたらよいか、その点を見据えた授業展開が、検討課題と言える。1) 高等学校家庭科における洗浄力試験教材の開発、亀原、森崎、森田、日本家庭科教育学会第52回大会要旨集、132-133頁(2009)2) 高等学校家庭科における洗浄力試験教材の実践、亀原、森田、日本家庭科教育学会第54回大会要旨集、176-177頁(2011)