著者
坂本 一郎 依田 哲也 塚原 宏泰 森田 伸 小幡 宏一 榎本 昭二
出版者
社団法人 日本口腔外科学会
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.224-232, 1995-03-20
参考文献数
21
被引用文献数
2

The efficacy of combined treatment with amfenac sodium (150 mg/day for 14 days) and ethyl loflazepate (2 mg/day for 14 days) was clinically evaluated in 44 patients with temporomandibular disorders in comparison with 77 patients with temporomandibular disorders who were given amfenac sodium (150 mg/day for 14 days) alone.<BR>The 121 temporomandibular disorder patients were classified into four types (I-IV) according to the criteria proposed by the Japanese Society for the Temporomandibular Joint.<BR>The usefulness of combined treatment with amfenac sodium and ethyl loflazepate was excellent in 14 cases (31.8%), good in 14 cases (31.8%), and fair in 12 cases (27.3%).<BR>The usefulness of amfenac sodium alone was excellent in 6 cases (7.8%), good in 34 cases (44.1%), and fair in 31 cases (40.3%).
著者
山下 大輔 和田 恭一 吉牟田 剛 森 英人 中蔵 伊知郎 堀部 明美 岡田 博 佐田 誠 岡島 年也 塘 義明 野々木 宏 小原 延章
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.36, no.5, pp.323-327, 2010 (Released:2012-03-09)
参考文献数
13
被引用文献数
1

The purposes of this study were to demonstrate how the interaction between rifampicin and voriconazole can be managed clinically and to characterize the changes in voriconazole concentration levels after discontinuation of rifampicin.The concomitant administration of voriconazole and rifampicin is contraindicated because the interaction between these drugs results in a subtherapeutic concentration of voriconazole.In this regard,voriconazole is known to be metabolized by CYP2C19,2C9,3A4,and rifampicin is a potent inducer of CYP3A4.The interaction between rifampicin and voriconazole was investigated in a 70 year old male patient with severe infection in a prosthetic graft,necessitating simultaneous treatment with vancomycin and rifampicin.Rifampicin therapy was discontinued to start antifungal treatment with voriconazole.Interaction between the 2 drugs was evaluated by measuring voriconazole trough levels 4,7,11,18,and 29 days after starting therapy with it,performing the assays by high-performance liquid chromatography.Four days after starting voriconazole,we observed a significant decrease in its serum concentration,to 0.24μg/mL.After 7 days,it had increased to 0.84μg/mL and to 1.24μg/mL after 11 days,and thereafter,continued to gradually increase.Thus,after discontinuing rifampicin,CYP induction continued to be strong for the first 11 days and then became more moderate over the course of a month.In conclusion,it is essential that patients being treated with both rifampicin and voriconazole have their voriconazole concentrations monitored when rifampicin therapy is discontinued.
著者
森 靖夫 Yasuo Mori
出版者
同志社法學會
雑誌
同志社法学 = The Doshisha law review (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.69, no.7, pp.2621-2647, 2018-02

本稿は、イギリスが日本の産業動員準備をどのように見ていたかをイギリス公文書館の文書を用いて明らかにした。イギリスは世界各国が総力戦に向けた産業動員のための組織づくりを始めていることに着目した。なかでも日本は世界の中でも先んじた国として認識していた。とりわけ1927年に成立した資源局を日本のCIDと評価するなど、日本の国家総動員準備を軍国主義の萌芽と見るどころか、本国との類似点に着目していた。もっとも、日本の準備はイギリスの脅威とはならないと判断していたし、それをもって日本が戦争を企図しているとは少なくとも1937年までは考えていなかった。This paper examines British intelligence and perception of Japan's industrial mobilization from 1918 to 1937 mainly analysing the reports from British military attaché. It shows that British military perceives Japan as an advanced country in industrial mobilization. In other words, it means that they didn't regard Japan's preparation for 'Kokka Sodoin (general mobilization)' as the signs of militarism. Moreover, they saw Shigenkyoku (Resources Bureau) established in 1927 as 'Japan's C.I.D' and thought Japan's plans for industrial mobilization didn't threat to British interests in East Asia until 1937.瀬川晃教授古稀記念論集第一部(I)
著者
森 大之 藤本 康之 貴船 博巳 竹中 寿康 大岩 修 稲田 治
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.78-82, 1994

Our Cycle Hit System of Iwakuni Mill started up from Febrary 1993 and Coated paper product waste liquor (Color waste liquor) has been treated succesfully with it.<BR>In this system, primary plus secondary sludges are directed to a slugde conditioning tank, where it is dosed with an inorganic coagulant and mixed to neutralize the surface charge of the sludge particles.<BR>This conditioned sludge is then sent to a pelletizing/thickening tank, where an anionic and an amphoteric polymers are added to pelletize the sludge. Using the same tank, water can be removed with a special built-in device, resuluting in a sludge with an increased concentration of solids.<BR>This report described the summary of operation.
著者
布施 淳一 金森 久幸 坂本 征則 矢原 正治
出版者
日本生薬学会
雑誌
生薬学雑誌 (ISSN:13403443)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.p307-311, 1994-12
被引用文献数
2

Five flavonol glycosides, quercitrin (I), isoquercitrin (II), afzerin (III), hyperin (IV) and rutin (V) were isolated from the terrestrial part of Houttuynia cordata collected during the flowering season. The quantitative analysis of the five flavonol glycosides in Houttuynia cordata by high-performance liquid chromatography (HPLC) revealed the following results. (1) All the leaves, spikes and stems contained these five flavonol glycosides, and the content was the highest in leaves. (2) The main flavonol glycosides in spikes were I and IV. (3) The flavonol glycoside contents in leaves before and during the flowering season were about the same.
著者
鴛海 元博 森田 紀代造 橋本 和弘 水野 朝敏 高倉 宏充 長沼 宏邦
出版者
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
雑誌
日本心臓血管外科学会雑誌 (ISSN:02851474)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.425-427, 2002-11-15 (Released:2009-08-21)
参考文献数
10

僧帽弁逸脱症は腱索断裂を比較的高頻度に合併するが,感染性心内膜炎やMarfan症候群の合併なく急激に僧帽弁閉鎖不全を発症し,急性左心不全さらに,心停止にいたることは希である.今回,突然の急性左心不全にて発症し,救急外来受診直後心停止をきたした僧帽弁腱索断裂を伴う急性僧帽弁閉鎖不全症の43歳男性に対し,緊急手術を施行し良好な結果を得た.本症例では術中に先天性大動脈二尖弁による高度の閉鎖不全症の合併が判明し,これによる慢性左室容量負荷増大に加え,急性の腱索断裂が心停止をきたすほどの急性左心不全を招来した一因と考えられた.
著者
藤林 真美 梅田 陽子 松本 珠希 森谷 敏夫
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.336-344, 2011-04-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
32
被引用文献数
1

多様化した現代社会の中で,ストレスを抱える人口が激増している.ストレスも長期にわたると精神障害の発症を招く可能性が指摘されており,心の健康の維持・増進は重要課題である.本研究では,一般社会人20名を対象として予防的観点から運動トレーニングを4週間介入,介入前後に安静時心電図を測定し心拍変動パワースペクトル法を用いて自律神経活動を分離・定量化し,さらに質問紙法(Center for Epidemiologic Studies Depression:CES-D)を用いて抑うつ傾向を評価した.運動トレーニングの介入により,Δ心拍数とΔCES-D,および副交感神経活動を反映するΔHFとΔCES-Dに有意な強い相関を認めた.これまで運動トレーニングが身体および心理的な改善作用を有することは数多く報告されているが,本研究より,身体と心の改善は独立した変動ではなく心身相互作用である可能性が示唆された.
著者
張 倩 曾我部 春香 森田 昌嗣
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.67, 2020

<p>本研究は、ショッピングモールにおける公共サービス施設(トイレ、ベビールーム、喫煙室など)のゾーン配置に着目し、アリオ亀有、イオンモール日の出、ららぽーと立川立飛のケース調査を通じて、動線と組み合わせた機能分布を分析する。サービス施設の設備の調査と定量分析の結果による、公共サービス施設ゾーンの類型を明らかにし、様々なユーザーを考慮した機能分散を検討する。以上のことから、本研究では、多様な利用者に配慮したサービス施設を整備するため、公共サービス施設の設計企画を提案する。</p>
著者
光武 翼 中田 祐治 岡 真一郎 平田 大勝 森田 義満 堀川 悦夫
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.41 Suppl. No.2 (第49回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0804, 2014 (Released:2014-05-09)

【目的】後頭下筋群は筋紡錘密度が非常に高く,視覚や前庭覚と統合する固有受容器として中枢神経系との感覚運動制御に関与する。後頭下筋群の中でも深層の大小後頭直筋は頸部における運動制御機能の低下によって筋肉内に脂肪浸潤しやすいことが示されている(Elliott et al, 2006)。脳梗塞患者は,発症後の臥床や活動性の低下,日常生活活動,麻痺側上下肢の感覚運動機能障害など様々な要因によって後頭下筋群の形態的変化を引き起こす可能性がある。本研究の目的は,Magnetic Resonance Imaging(以下,MRI)を用いて後頭下筋群の1つである大後頭直筋の脂肪浸潤を計測し,脳梗塞発症時と発症後の脂肪浸潤の変化を明確にすることとした。また,多変量解析を用いて大後頭直筋の脂肪浸潤に影響を及ぼす因子を明らかにすることとした。【方法】対象は,脳梗塞発症時と発症後にMRI(PHILPS社製ACHIEVA1.5T NOVA DUAL)検査を行った患者38名(年齢73.6±10.0歳,右麻痺18名,左麻痺20名)とした。発症時から発症後のMRI計測期間は49.9±21.3日であった。方法は臨床検査技師によって計測されたMRIを用いてT1強調画像のC1/2水平面を使用した。取得した画像はPC画面上で画像解析ソフトウェア(横河医療ソリューションズ社製ShadeQuest/ViewC)により両側大後頭直筋を計測した。Elliottら(2005)による脂肪浸潤の計測方法を用いて筋肉内脂肪と筋肉間脂肪のpixel信号強度の平均値を除することで相対的な筋肉内の脂肪浸潤を計測した。大後頭直筋の計測は再現性を検討するため級内相関係数ICC(2,1)を用いた。発症時と発症後における大後頭直筋の脂肪浸潤の比較はpaired t検定を用いた。また,大後頭直筋の脂肪浸潤に影響を及ぼす因子を決定するために,発症時から発症後の脂肪浸潤の変化率を従属変数とし,年齢,Body Mass Index(以下,BMI),発症から離床までの期間(以下,臥床期間),Functional Independence Measure(以下,FIM),National Institute of Health Stroke Scale(以下,NIHSS),発症時から発症後までのMRI計測期間を独立変数としたステップワイズ重回帰分析を行った。回帰モデルに対する各独立変数はp≧0.05を示した変数を除外した。回帰モデルに含まれるすべての独立変数がp<0.05になるまで分析を行った。重回帰分析を行う際,各独立変数間のvariance inflation factor(以下,VIF)の値を求めて多重共線性を確認した。すべての検定の有意水準は5%とした。【倫理的配慮,説明と同意】すべての患者に対して文章,口頭による説明を行い,署名により同意が得られた者を対象とした。【結果】対象者のBMIは21.5±3.3,臥床期間は5.3±9.5日,FIMは84.6±34.5点,NIHSSは5.6±5.9点であった。大後頭直筋の脂肪浸潤におけるICC(2,1)は発症前r=0.716,発症後r=0.948となり,高い再現性が示された。脳梗塞発症時と発症後に対する大後頭直筋の脂肪浸潤の比較については発症時0.46±0.09,発症後0.51±0.09となり,有意な増加が認められた(p<0.001)。また重回帰分析の結果,大後頭直筋における脂肪浸潤の変化率に影響を及ぼす因子としてNIHSSが抽出された。得られた回帰式は,大後頭直筋の脂肪浸潤=1.008+0.018×NIHSSとなり,寄与率は77.5%(p<0.001)であった。多重共線性を確認するために各変数のVIF値を求めた結果,独立変数は1.008~4.892の範囲であり,多重共線性の問題は生じないことが確認された。【考察】脳梗塞患者の頸部体幹は,内側運動制御系として麻痺が出現しにくい部位である。しかし片側の運動機能障害は体軸-肩甲骨間筋群内の張力-長さ関係を変化させ,頸椎の安定性が損なわれる(Jull et al, 2009)。この頸部の不安定性は筋線維におけるType I線維からType II線維へ形質転換を引き起こし(Uhlig et al, 1995),細胞内脂肪が増加しやすいことが示されている(Schrauwen-Hinderling et al, 2006)。脳梗塞発症時のMRIは発症前の頸部筋機能を反映し,発症後のMRIは脳梗塞になってからの頸部筋機能が反映している。そのため,脳梗塞を発症することで大後頭直筋の脂肪浸潤は増加する可能性がある。また大後頭直筋の脂肪浸潤に影響を及ぼす因子としてNIHSSが抽出され,麻痺の重症度が関係している可能性が示唆された。今後の課題は,脳梗塞患者における大後頭直筋の脂肪浸潤によって姿勢や運動制御に及ぼす影響を検証していきたい。【理学療法学研究としての意義】脳梗塞片麻痺患者は一側上下肢の機能障害だけでなく頸部深層筋に関しても形態的変化をもたらす可能性があり,脳梗塞患者に対する理学療法の施行において治療選択の一助となることが考えられる。
著者
森井 悠太
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.79-84, 2021 (Released:2021-08-17)
参考文献数
31

多数の市民の目による監視が外来生物の早期発見につながることから、外来種問題は市民科学が最も威力を発揮する分野のひとつであると考えられ、市民科学の貢献が期待されている。研究者や行政による外来種への対応が予算や時間など高いコストを要求するのに対して、研究者以外の市民による対応は多くの方々の力を借りられることから生物の分布域の把握や外来種の初期の検出に対して効力を発揮する手法として注目されている。筆者はこれまで、北海道を拠点に活動する市民や博物館関係者、国内の研究者らと共に、「外来ナメクジをめぐる市民と学者の会」という非営利団体を立ち上げ、代表の一人として外来生物をめぐる市民参加型の研究プロジェクトを推進してきた。具体的には、近年日本に侵入したばかりの外来種であるマダラコウラナメクジを対象に扱っており、1)市民や研究者、メディアをも巻き込んだ外来ナメクジの継続的な観測と駆除、2)市民と研究者の連名による専門的な学術雑誌や一般向けの科学雑誌などへの発表、3)博物館やボランティア団体と連携した市民向け観察会や講演会の実施とそれらを通した自然保護や科学リテラシーの普及と教育、の 3つを軸に活動を続けている。本稿ではまず、筆者の参画する市民科学のプロジェクトによる成果を紹介する。その上で、市民参加型のプロジェクトを企画・運営するにあたり筆者自身が心掛けている経営論について意見を述べる。未来の市民科学を成功に導く道標となることを期待したい。