著者
森本 信也 桜井 理恵
出版者
横浜国立大学
雑誌
横浜国立大学教育紀要 (ISSN:05135656)
巻号頁・発行日
no.37, pp.235-244, 1997-11
被引用文献数
1

1.知識の個人的構成過程と社会的構成過程との融合は,「個人-認識対象-他者」という三項関係に基づくコミュニケーションモデルにより説明できる。2.知識の個人的構成過程と社会的構成過程を志向する授業は,コンサマトリー性並びに達成性の動機付けを基礎に置き,スレイビン(Slavin,R.E.)による各自の思考を相対化する指導の視点に立脚することにより実現される。3.中学生による「イオン」概念の構成過程を事例として,知識の個人的構成過程と社会的構成過程を検証した。
著者
原 邦夫 森 美穂子 石竹 達也 原田 幸一 魏 長年 大森 昭子 上田 厚
出版者
一般社団法人 室内環境学会
雑誌
室内環境学会誌
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.97-103, 2007
被引用文献数
2

2002年2月に校舎の改装工事の終わった小学校の教室にただちに入室した小学生女子が化学物質過敏症を呈した。転校後に症状が改善したため,教室内空気質が主な原因とみられた。本研究の目的は,ホルムアルデヒドおよびVOCs濃度の経時変化の特性を明らかにし,学校の改装についての改善策を示すことである。<BR>我々は対象の校舎改装後小学校の教室内のホルムアルデヒドおよびVOCsの気中濃度を2002年の3月から2か月ごとに2年間測定した。アルデヒドは2,4-DNPH捕集-HPLC法,7VOCs成分(日本の厚生労働省が規制している11成分の内のトルエン,エチルベンゼン,キシレン,スチレン,<I>p</I>-ジクロロベンゼン,テトラデカンおよびフタル酸-<I>n</I>-ブチル)はTenaxTA捕集-加熱脱着-GC/MS法を用いた。総VOCs濃度はトルエン濃度換算して求めた。対象の教室の総VOCs濃度は,外気の濃度の数倍であり,教室内にVOCsの発生源があったことを示唆した。また,2年間の結果は物理化学的な性質に応じてホルムアルデヒドおよびVOCs濃度の経時変化は3様に分かれることを示した。すなわち,(1)1年目の夏に最高濃度を示し急激に減衰した物質として,トルエン,エチルベンゼン,キシレン,スチレン,(2)2年目の夏にのみ高濃度を示した物質として,ρ-ジクロロベンゼン,(3)夏に1年目および2年目ともに高濃度を示す二峰性の濃度変化を示した物質として,ホルムアルデヒド,テトラデカン,フタル酸ジ-<I>n</I>-ブチル,に分類された。これらの結果は,塗料に含まれるトルエン,エチルベンゼン,キシレン,スチレンは最初の夏で急速に揮発し,家具や内装材に含まれるホルムアルデヒドおよびフタル酸ブチルは低濃度ではあるが高温多湿の夏に毎年揮発することを示した。以上のことから,我々は学校での改装工事は少なくとも休みの前半に行い,とくに暑い夏に揮発させることを推薦した。
著者
崔 乗日 森田 昌嗣
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.45, no.6, pp.55-64, 1999
参考文献数
6
被引用文献数
2

本研究では, 人々の屋外生活に最も身近な装置類の開発及び計画・設計方法を模索するために, 都市環境装置の一つであり, 街路に数多く設置され種類多様な車止めを研究の対象とする。車止めの製品の特徴と設置上の問題点から車止めのデザインにおいて考慮すべき課題を明らかにすることを目的としている。製品の特徴については, 市販されている車止めの製品調査から整理し, また都市内街路の車止めの実態調査から設置上の考慮すべき事項を整理した。その結果, 製品の特徴と設置上の考慮すべきデザイン課題には, 機能と製造上の解決すべき課題と景観及びメンテナンスにおいて対応すべき課題が関連していることが分かった。その課題解決のための車止めの製品化においては, "標準化"を前提とした"多様化"を踏まえることが, 人々の生活や都市環境との関係を考慮した車止めの製品化を進める一つの方向になり得ることが示唆できた。
著者
中村 雅美 青戸 勇太 森山 健 前田 俊二 鈴木 寛 堀江 聖岳
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.650-651, 2018

<p>高速道路での逆走は、死亡事故につながる可能性が高い非常に危険な事案である。高齢化の進展といった社会状況のもと、逆走事故の発生件数は依然として多い状況にあり、逆走対策の必要性は高い。我々は、一般物体検出手法であるSingle Shot MultiBox Detectorと動きを捉えるOptical Flowを組み合わせた逆走検知手法を提案してきた。本報告では、提案手法の車両検知精度の評価結果について述べる。</p>
著者
森山 健 青戸 勇太 前田 俊二 鈴木 寛 堀江 聖岳
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.652-653, 2018

<p>現代の車社会において,衝突防止や駐車支援など車両への安全対策や運転支援技術の搭載が加速されている.特に地方においては,車なしの生活を送ることは不可能に近く,事故を未然に防ぐことは,難しい状況にある.本研究は,逆走事故に焦点を当て,逆走車両の識別を目的とするものであり,本報告では、一般物体検出手法であるSingle Shot MultiBox Detectorと動きを捉えるOptical Flowを組み合わせた逆走検知手法を提案する。</p>
著者
孫 連明 三宅 泰弘 大森 浩充 佐野 昭
出版者
The Society of Instrument and Control Engineers
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.348-355, 2000-04-30 (Released:2009-03-27)
参考文献数
16
被引用文献数
2 2

Closed-loop identification is essentially needed in control of an unstable plant stabilized by a feedback controller. A new direct closed-loop identification approach is proposed based on an output inter-sampling scheme, in which by taking faster sampling of the output than the input of the system the restrictive identifiability condition is removed. In a case of unstable system, since the noise model becomes non-minimum phase system, the prediction error method is not available. In order to solve these problems we clarify that the output inter-sampling gives the SIMO structure of the plant model and give a new identification method in which the denominator polynomial can be identified in an open-loop manner and the numerator polynomial can also be obtained by a modified instrumental variable method. The proposed algorithm is validated in an experimental study using a magnetic suspension system.
著者
生田 健太郎 大谷 喜永 増子 孝則 森 ゆうこ 中野 兼一 小原 嘉昭
出版者
兵庫県立農林水産技術総合センター
雑誌
兵庫県立農林水産技術総合センター研究報告. 畜産編 (ISSN:13477730)
巻号頁・発行日
no.50, pp.15-22, 2014-03

周産期の経産牛10頭を供試し,乳生産と生理性状に対するプロピオン酸菌製剤(PB)と乳酸菌発酵副産物(LB)の投与効果を観察する実験を行った。分娩予定3週前から分娩後4週までの間,1日1頭当たりPB20g(プロピオン酸菌量5×10 10cfuを含有)とLB10gを飼料添加する投与区と無添加の対照区へ5頭ずつ配置し,分娩予定3週前から分娩後12週まで飼養試験を行った結果,以下に示す実験結果が得られた。1 乾物摂取量は分娩後6週以降投与区で多く推移し,8~12週にかけて有意差が認められた。2 乳量は2週以降投与区が多く推移し,5~12週にかけて有意差が認められた。乳脂率は4週以降投与区が高く推移し,4と6週で有意差が認められた。乳蛋白質率は投与区で低く推移し,4から12週にかけて有意差が認められた。無脂固形率は投与区で4週以降低く推移し,4週に有意差が認められた。3 体重には差が見られなかったが,ボディ・コンディション・スコアは投与区で分娩後4週以降低く推移し,8週で有意差が認められた。4 第一胃液pHは両区間に差が見られなかった。アンモニア態窒素濃度は投与区で分娩後6週以降低く推移した。総揮発性脂肪酸(VFA)濃度は両区間に差が見られなかったが,VFA中の酢酸割合は投与区で分娩前1週から高く推移し,分娩後4週に有意差が認められた。逆に,プロピオン酸割合は投与区で低く推移し,分娩後4と12週に有意差が認められた。5 血液のヘマトクリット値(Ht)とβヒドロキシ酪酸(BHB)は投与区で高く推移し,Htでは分娩後2,6,8及び12週に,BHBでは分娩後8及び12週にそれぞれ有意差が認められた。以上の結果より,周産期の経産牛へのPBとLBの混合投与は第一胃内での窒素同化の促進や酢酸型発酵への誘導を介した乳生産向上効果が期待できる。
著者
西野 治身 田中 朋子 土肥 祥子 伊木 雅之 梶田 悦子 日下 幸則 鏡森 定信
出版者
The Japanese Society for Hygiene
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.807-815, 1994-10-15 (Released:2009-02-17)
参考文献数
30
被引用文献数
4 2

Bone mineral density of the lumbar spine (BMD) and biochemical markers for bone turnover were examined to study the mechanisms of age-related and menopause-related bone loss. We measured BMD of the lumbar spine and serum bone alkaline phosphatase (B-AlP) and bone gla-protein (BGP) as markers of bone formation and fasting urinary creatinine-adjusted hydroxyproline (Hyp/Cr) and calcium (Ca/Cr) as those of bone resorption in 166 community-dwelling Japanese women.A highly significant positive correlation between age and each of the biochemical markers, except for Ca/Cr, was observed. This relationship was not linear. Marked elevation in the levels of the markers was found in women in their sixth decade women compared with those in their fifth.All the markers correlated inversely with the BMD and these relationships remained significant after elimination of the effect of age by partialization. When analyzing the subjects in each five-year age group, the positive correlation of Hyp/Cr with Ca/Cr was significant in the subjects aged 45 to 49 and the negative correlation of Hyp/Cr with BMD was significant in those aged 50 to 54. B-AlP correlated positively with BGP in the subjects aged between 50 and 54 and inversely with BMD in those aged between 55 and 59. These correlations were significant. Thus, intercorrelations between the markers were observed five years earlier than were correlations between the markers and BMD. Such associations appeared earlier in terms of the markers for bone resorption than in terms of the markers for bone formation.In the subjects aged 50 to 54 who had encountered menopause more than three years previously, BGP and Hyp/Cr were elevated compared with those in the premenopausal women of similar age and a significant correlation between Hyp/Cr and BMD was observed. Therefore, menopause seemed to account for the uncoupled activation in the bone metabolism found in the subjects around 50 years of age.The decrease in bone mass observed in our subjects around 50 years of age as a result of uncoupling of bone formation and resorption was suggested to be initiated by activation of bone resorption caused by menopause preceding activation of bone formation.
著者
池田 心 森 幹彦 上原 哲太郎 喜多 一 石橋 由子 石井 良和 竹尾 賢一 小澤 義明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.87, pp.49-54, 2008-09-12
参考文献数
3

京都大学情報環境機構では,PC 端末サービス・メールサービス・認証サービスを中心とする教育用コンピュータシステムの提供を行っている.利用者管理という視点から見たとき,本システムの特徴として,1)学生に加え教職員等全ての京大構成員を利用者として認めること,2)身分番号とは異なる ID を与え,身分が変わっても同じ ID やメールアドレスが使えること,3)利用開始に際し学生には講習会の受講を義務づけていること,が挙げられる.本稿では,この特徴に起因するさまざまな課題と,それにどう対処してきたかを報告する.Educational Computer System of Kyoto University mainly provides PC services, E-mail services and authentication services. From the viewpoint of user management, this system has 3 major characteristics, 1) it is available to all Kyoto University members, not only students but also staffs and faculties, 2) it provides an user-ID "a0xxxxxx" which differs from his student-ID or staff-ID, and he can use the same user-ID even if his position is changed, and 3) before user registration, students must attend a short lecture about computer literacy and security. In this paper, various issues arising from such characteristics and our solutions for them are described.
著者
森開 こゆき
雑誌
まなびあい
巻号頁・発行日
vol.7, pp.131-140, 2014-11-07
著者
神野 誠 中澤 和夫 松日楽 信人 宮川 豊美 砂押 貴光 羽藤 武宏 森川 康英 小澤 壯治 古川 俊治 北島 政樹
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2002, 2002
被引用文献数
3

筆者らは, 腹腔鏡下手術を対象とし, マスタとスレーブが一体化され, 簡単・コンパクトでかつ操作性を優れた手術支援用マニピュレータを開発している。試作した一体型マスタとスレーブマニピュレータについて, ファントムを用い腹腔鏡下で彎曲針による縫合結紮作業を実施し, 従来の鉗子では不可能な方向からの縫合作業が容易であることが確認できた。さらに, 縫合時の各関節角動作データ, 作業時間および作業精度を取得し, 操作性の定量的評価を行った。
著者
神野 誠 中澤 和夫 松日楽 信人 宮川 豊美 砂押 貴光 羽藤 武宏 森川 康英 小澤 壯治 古川 俊治 北島 政樹
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2003, 2003
被引用文献数
3

筆者らは, マスタとスレーブが一体化され, 簡単・コンパクトでかつ操作性に優れた腹腔鏡下手術支援用ロボット鉗子を開発している。これまで外径12mmのタイプを試作してきたが, 今回, 外径10mmおよび5mmについて試作したので, その結果について報告する。
著者
森 和雄
出版者
The Japanese Cancer Association
雑誌
GANN Japanese Journal of Cancer Research (ISSN:0016450X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.415-425_3, 1963-12-31 (Released:2008-10-23)
参考文献数
17

Cancers of the lung were induced by the repeated subcutaneous injections of 4-nitroquinoline 1-oxide in three groups of rats receiving a total amount of 15, 11, and 7.25mg, respectively. The lung cancer was found in 16 (37.2%) out of 43 effective rats that survived more than 223 days. These cancers were usually adenocarcinomas (30.2%), but there were also some epidermoid carcinomas (7.0%). Both adenocarcinoma and epidermoid carcinoma gave rise to metastases in distant organs. Almost all the rats had multicentric pulmonary adenomas. Various degrees of hyperplasia and metaplasia of bronchial epithelia or alveoli were also observed. Subcutaneous sarcomas often arose in the area of application of the carcinogen. A transplantable strain of the epidermoid carcinoma was separated successfully.
著者
北見 由奈 森 和代
出版者
公益財団法人 パブリックヘルスリサーチセンター
雑誌
ストレス科学研究 (ISSN:13419986)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.37-45, 2010
被引用文献数
2

The purpose of this study was to examine the relationship between job search stressors, mental health and social skills in Japanese university students. The subjects were 448 Japanese university students (171 males, 277 females). The questionnaire contained demographics, the state of job hunting, the 12-item General Health Questionnaire Japanese version (Nakagawa & Daibo, 1985), the Job Search Stressor Scale (Kitami, 2009), and the 18-item Kikuchi's Social Skills Scale (Kikuchi, 1988). 1) Analysis by t-test revealed a significant difference in the job search stressors between groups with high and low social skills. 2) The result of regression analysis revealed that low social skills showed higher job search stressors and stronger influence of job search stressors on mental health. These results suggest to reduce job search stressors and to promote mental health by improve the social skills.<br>
著者
菊池 輝海 上條 隆志 小川 泰浩 岡部 宏秋 石森 良房
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.231-234, 2015 (Released:2016-04-19)
参考文献数
8
被引用文献数
1 3

2000年噴火後の三宅島では,高濃度火山ガスの影響のため,現在も山腹に荒廃斜面が見られる。森林総合研究所と(株)伊豆緑産は,島内での継続的な緑化試験を経て,東京クレセントロール工法を開発した。本研究では,本工法の定量的データを観測し,その治山緑化機能を明らかにすることを目的として,資材の捕捉土砂量と植生定着量の計測を行い,他工法との比較を行った。結果,本資材はピット領域に最大1 kg / m2以上の土砂を堆砂させ,他工法と同等の土砂捕捉能力を示した。また,他工法よりもハチジョウススキの自然侵入と定着を促進させる能力を示した。本工法の施工地に播種・植栽を行うことで,緑化効果を高めることが示された。